こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は「100均のではないモバイルバッテリー」の実機レビューです。レビュー品である「AUKEY PB-N50」は容量10,000mAhで急速充電対応のモバイルバッテリーです。10,000mAhという容量は昨年くらいだと結構な大容量、という感じだったのですが、現状だと「割と普通」って感じですよね。とはいえ、このくらいの容量があればスマホ2台分くらいなら余裕でフル充電できる実力がありますので、「必要十分」と言えるでしょう。なお、この製品はAUKEYに提供していただきました。AUKEYにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
容量: 10,000mAh
充電(蓄電): microUSB、5V 2A
給電1: USB、5V 1A
給電2: USB、5V 2A
サイズ: 116 × 73 × 16 mm / 189 g
この製品は10,000mAhの容量になっている割に小型軽量です。Amazonを見ていたら「10,000mAhで世界最小・最軽量」を謳う製品(Anker PowerCore 10000)が都合よく見つかりw、その製品が約180 gということなので、この製品も最軽量クラスなんだろうと思います。ちなみに最軽量の製品は出力ポートが1つしかありませんが、この製品は2つあります。つまり、ガジェット2つを同時充電可能です。
また、急速充電対応とありますが、給電ポート2つのうち、1つだけが2A出力なので、同時に2つを急速充電することはできません。
それと、これ非常に重要なことなのですが、この製品は「24カ月保証」です。実はつい先日、「購入して1年経つか経たないか」くらいの私物のモバイルバッテリーが動作不能(要するに壊れました)となりました。個体差がある話だと思いますので、どの製品が壊れたのか、ということは書きませんが、ちょっと困っちゃった…。私の場合、モバイルバッテリーは毎日使うものではありませんが、客先訪問(めったにないです)や展示会などに参加する際には必携品です。普通に使えているぶんにはあまり性能面で贅沢を言うつもりはありませんけど、使えないとなったら非常に困りますね。
すべての工業製品に初期不良は排除できませんし、何らかの理由ですぐに壊れてしまう個体というのも必ず存在します。モバイルバッテリーは「電池」ですが、私が昨年購入した製品のようにすぐに壊れてしまう可能性だってあるでしょう。なので、自分の経験に照らしても、24カ月保証が受けられるのは非常に大きなメリットだと思います。
2.筐体
同梱物です。バッテリー本体のほか、専用のケース(ポーチ、収納袋)、取扱説明書、保証カード、USB(オス)- microUSB(オス)のケーブルが1本入っていました。なお、保証カードは保証書ではなく、別途AUKEYの公式サイトでユーザー登録をしないと保証が受けられませんのでご注意ください。
また、この製品は2つのデバイスを同時に充電できるのがメリットなのですが、ケーブルが1本のみというのは少し残念ですね。それと、iPhoneユーザー(日本人の半分)が使うLightningケーブルも選べるとよかったかもしれません。
先にケースから見ていきます。化学繊維で編み込まれており、本体収納のほか、ポケット部分にUSBケーブルを収納することが可能です。
収納口には金属が入っており、このように両側から押してやると「パカッ」と開きます。特に高級なものではありませんが、実用性は十分だと思います。
本体はコンパクトです。私が以前使っていたモバイルバッテリーも10,000mAhでしたが、それよりもずいぶん小さく感じます。厚みは少しありますけどね。筐体素材はプラスティックです。
前後面にはこのように細かい模様が入っていて、手触りは少しザラザラした感じです。このくらいの抵抗があったほうが滑らなくていいでしょう。
前面にはLEDインジケーターが4つあります。上の画像はそのうちの2つが点灯していますね。このインジケーターは
1つだけ点滅: 残量25%未満
1つ点灯、もう1つが点滅: 残量25%~50%
2つ点灯、もう1つが点滅: 残量51%~75%
3つ点灯、もう1つが点滅: 残量76%~99%
4つ点灯: 残量100%
を意味します。実用的にはこのくらいのレベルで残量が把握できれば十分かと思います。
底面(AUKEYのロゴがないほう)には何もありません。
上面です。真ん中のmicroUSBポートが充電(蓄電)用、左右のフルサイズ(Type-A)USBポートが給電(スマホなどの充電)用です。なお、この画像だと、左側が1A、右側が2Aとなります。
左側面には電源ボタンがあります。軽く押すとLEDインジケーターが光り、残量をチェックできますし、長押しすると本当に電源が切れます。個人的には電源ボタンがついているモバイルバッテリーって珍しいような気がします。あんまりたくさんの製品に触ったことがないですけど。
右側面と下面には何もありません。
全体的な印象として、筐体にはしっかり感があり、表面加工のおかげて手に馴染みます。つまり滑りにくいです。またサイズの割にずっしりとした重さに感じられますが、モバイルバッテリーなのでこんなものかな、と思います。実測重量は197 gと、公称値よりも8 gほど重かったのですが、まあ許容範囲と考えていいでしょう。
3.使ってみた
実際にいろいろなスマホを充電してみました。ただ、この製品に付属するUSBケーブル、ひょっとして急速充電対応していないのでは?という気がします。あるいは私がテストしたスマホの方に問題があったのかもしれません。なので、急速充電機能については適正な結果になっていないと思いますが、ご了承ください。
LeEco 3 Pro(4,070mAh):
11時02分:スマホ残量30%、モバイルバッテリー残量100%
13時30分:スマホ残量100%、モバイルバッテリーのLED3つ点灯(76%以上)
まずはこれ。ロス率とかを一切考慮しないで計算すると、このスマホの残量30%から100%まで充電した、ということは4,070 × 70% = 2,849 mAhの充電をしたことになります。この場合でもLEDが3つ点灯していましたので、76%以上残量が残っていたことになります。計算上そんなに残量があるはずないので、LEDインジケーターには多少誤差があるということがわかります。
ただ、このテストでは急速充電対応でないほうのポートを使っていて、USBケーブルはモバイルバッテリーに付属しないもの(LeEcoはUSB Type-Cのため)を使ったのですが、意外に高速に充電できてますよね。
Xiaomi RedMi 3(バッテリー4,100 mAh):
Freetel KATANA01(バッテリー1,700 mAh):
※この2機種を同時に充電。1AのほうにRedMi、2AのほうにKATANA
12時40分:RedMi37%、KATANA22%、モバイルバッテリー残量100%
13時50分:KATANA充電完了
14時20分:RedMi充電完了、モバイルバッテリーのLED2つ点灯(51%~75%)
ここでもロス率を無視して単純計算してみます。まずRedMiですが、37%から100%まで充電したので、4,100mAh × 63% = 2,583mAhを1時間40分で、ということになります。一方KATANAは22%から100%まで充電したので、1,700mAh × 78% = 1,326mAhを1時間10分で、となります。このとき、モバイルバッテリーの残量は50%以上あり、単純計算だと3,900mAh強を給電しているので、ここでのLED表示は妥当ということが言えるでしょう。また、急速充電の恩恵もあまり感じられません。
ケーブルとスマホのいずれか、もしくは双方に問題があったのかもしれません。ただし、メーカーがいい加減な説明をしているとも思えませんし、私のほうでも検証に必要な設備がなかったので、「急速充電はテストできませんでした」ということを結論としたいと思います。
一方で容量のほうですが、本来スマホのバッテリーにせよモバイルバッテリーにせよ、公称の容量を100%ロス無しで使い切ることは不可能です。したがって、上に記載した計算式は本来正しいものではありませんが、実用性の目安としては参考にしていただけると思います。
つまり、この製品は一般的な容量のスマホ(バッテリー残量30%程度)を2台同時に充電しても、半分程度は残量を確保できる、ということです。メーカーによれば「iPhone 7を3.7回充電できる」ということですが、iPhone 7のバッテリー容量は1,960mAhなので、私がテストしたXiaomiやLeEcoよりもかなり容量が小さく、3.7回充電できる、というのは妥当な表現であると思います。
4.まとめ
AULEY PB-N50はAmazonで販売中で、8月16日現在の価格は1,709円(税込み)となっています。今回は急速充電性能についてはテストできませんでしたが、性能面では概ね公称値通りの性能を発揮してくれたと思います。
モバイルバッテリーは低価格化が進んでいますし、性質上「コモディティ化(どれを買っても大差ない)」しやすく、購入の目安は容量と価格、あとはサイズくらいしかない、という感じです。この製品は容量、サイズ、価格のいずれも水準を満たしていると思います。また2つのデバイスを同時に充電できるというのも価格の割にメリットだと思いました。
デメリットとしては付属ケーブルが1本のみで品質もいまひとつ信用出来ないことと、iPhoneユーザーに必要なLightningコネクターがついていない(選べない)ということだと思います。iPhoneユーザーは手持ちのケーブルを使うか、モバイルバッテリー用に一本ケーブルを購入する必要があります。
そして、この製品、自分の実体験に照らし、「24カ月保証」というのが何よりも素晴らしいと思います。モバイルバッテリーって空気みたいな存在で、日頃あまり大切にも扱わないわけですが、ないと非常に困りますよね。なので、「筐体品質、価格、サイズ感に加え長期保証」まで視野に入れれば、この製品はおすすめです。
5.関連リンク
AUKEY モバイルバッテリー PB-N50:Amazon
※クーポンコード「AUYPBN50」を使用すると1,519円(税込み)となります(8月19日まで)
コメント
同じようなモバイルバッテリーならAnker PowerCore Speed 10000 QCかな。
Quick Charge 3.0とPowerIQとVoltageBoostに対応してるし。
出力はどう見てもPowerCoreの方が早い。
AUKEY PB-N50
入力:5V/2.0A
出力1:5V ⎓ 1.0A
出力2:5V ⎓ 2.0A
PowerCore Speed 10000 QC
入力:5V ⎓ 2.0A
出力:5-8V ⎓ 3.0A / 8-10V ⎓ 2.4A / 10-12V ⎓ 2.0A
こんにちは、コメントありがとうございます。QC必要な人にはちょっとつらいかもですね。ただこれ、かなり価格が低めなんで(ご指摘のAnkerの半値?)。ちなみにこのバッテリー、読者レビュー企画にはださず、うちの下の子が使います。読者レビューは周辺機器だとほとんど応募がないんで…。うちの子は喜んで使ってますよ!
RaydeenさんのがN52でライト付きのずんくりした印象でしたが・・・これはスッキリしてますねwスマホと重ねて持ちやすそうです。
NIAさん、こんにちは、コメントありがとうございます。おっしゃる通りで、かなり使いやすいですよ!もう私は使えませんけど…。