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VAIO Phone Biz ー ジャンク品を安価に購入してみた。ジャンク品の注意点なども説明します(実機レビュー:かのあゆ)


こんにちは。かのあゆです。先日秋葉原のショップを回っていたところ、ジャンクコーナーにずっと前から欲しいと思っていたVAIO Phone Bizが税込み12,800円という激安価格で販売していたので、つい購入してしまいました。

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保証がないジャンク品ですが、ジャンクとなった理由も「たまに電源が入らない時がある」という軽度のもので、Windows Device Restore Toolsで修復できる可能性もあり、動作確認したところ動作自体も特に問題はなかったことや付属品がすべてついていたこともあって購入に踏み切りました。

VAIO Phone Bizは現役で店頭にも並んでいる商品で新品なら税込み59,173円で販売されている端末ですから驚異的に安いです。いい買い物をしたと思います。

1.そもそもジャンク品とは

ジャンクとは「ガラクタ」という意味で、その名の通り製品としては何かしら不具合があり、通常品として取り扱えないような製品のことを言います。スマートフォンの場合は以下のようなものがジャンク品として取り扱われるケースが多いです。

・電源が入らないなどハードウェア的な不具合がある
・液晶が割れてしまっている
・SIMカードスロットの認識不良・物理不良などにより「携帯電話」としては利用不可能
・タッチパネル不調で通常運用が不可能
・カメラレンズに傷があり、写真撮影が不可能
・バッテリー認識不能
・ネットワークに制限がかかっている所謂「赤ロム」品

元々壊れている端末であるため、ショップによる保証が一切つかないことや携帯電話としては致命的な不具合を抱えているケースも多いため、基本的な用途としては

・自分で修理して通常利用する
・分解して使えるパーツを同型端末に流用する「部品どり」用
・Wi-FI運用で小型タブレット代わりにする
・欲しかった端末を安価に購入し、コレクションに

という形になると思います。そんなわけで高性能端末や割と新しめの機種がとんでもない安価で購入できるケースもありますが、本来の「携帯電話」という目的で購入するのはお勧めできません。基本的に初心者は手を出さないほうが安全でしょう。ただし、ジャンク理由をよく確認し、納得ずくで購入するのであれば、高性能端末が安価に入手できるので、かなり魅力的と言えます。

ジャンク品は秋葉のショップでは「じゃんぱら」「ゲオモバイル」「イオシス」「R-Mobile」「ソフマップ」などで取り扱いがあるほか、「Yahoo!オークション」や「メルカリ」などでも入手することができます。

2.スペック

OS: Windows 10 Mobile
CPU: Qualcomm Snapdragon 617
RAM: 3GB
ストレージ: 16GB
ディスプレイ: 5.5インチ(1,920 × 1,080)
カメラ: イン500万画素/アウト1,300万画素
通信: LTE対応SIMフリー機 (microSIM)
LTE : Band 1/3/8/19/21
WCDMA : Band 1/6/8/11/19
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth4.0
入出力: microUSB 2.0、microSD、オーディオ
バッテリー: 2,800mAh
サイズ: 156.1 × 77.0 x 8.3 mm / 167 g

HP Elite x3というハイエンド機も登場した2017年現在においても、Windows 10 Mobile機としては高スペッククラスの製品になります。無線Continuumに対応したオクタコアのミッドレンジ向けCPU、SnapDragon 617に3GB RAM、5.5インチフルHDというスペックはもともと軽量なOSであるWindows 10 Mobileを投資した製品としては十分すぎるスペックでしょう。

もちろん現在ではWindows 10 Mobile”Anniversary Update”が適用可能であり、もう間もなくリリースされる”Creators Update”も導入可能です。もともとビジネス向けに開発されている端末ですが、個人がメインで利用しても不満はない性能となっています。今後のアップデートも含め安心して長く使っていける端末でしょう。

3.筐体

「VAIO Phone」という名称の端末はこの機種以前にも一台存在したのですが、最初のVAIO Phoneはブランド名だけ貸したOEM商品といった感じで、正直VAIOらしさは感じられないものでした。

本機はハードウェアデザインもVAIOが担当し、海外で製造された端末の最終チェックを日本の安曇野にある工場で行う「安曇野フィニッシュ」と呼ばれる工程を通過したうえで出荷されるなど、PCのVAIOと同じ高品質を実現しています。


保証なしのジャンク品ですが、元箱も含め付属品はすべて付属。こういった商品の場合本体のみのケースが非常に多いですからうれしい誤算でした。


付属品はmicroUSBケーブル、ACアダプタ、SIMイジェクトピン、スタートガイド、「安曇野フィニッシュ」を通過した製品であることを示す製品カードとなります。


安曇野での厳しい最終チェックを通過したという証明ともいえるカード。付属していなくてもスマートフォンとしては問題がないとはいえ、やはりこれが付属してると何となくうれしいものです。


本体前面は500万画素のインカメラに5.5インチのFHDディスプレイというシンプルな構成。この解像度のWindows 10 Mobile端末を使うのは初めてなのですが、やっぱり画面解像度が上がっているぶん表示できる量も増えていて、このOSとしては新鮮な感じです。

液晶ディスプレイの品質も高く、美しい表示を実現しています。


背面はアルミ合金を採用。PCのVAIOシリーズの世界観を継承したデザインで非常に「らしい」デザインとなっています。正直このデザインなら「裸」で使いたいところですが、やはり落下が怖いのでケースを手配したほうがよさそうですね…。なおアウトカメラは1,300万画素となります。


左側面は電源キーとボリュームボタン。


右側面はSIMスロット。SIMの仕様はnanoSIMでデュアルSIM対応。microSDカードはSIMスロットと排他利用する形になっています。日本国内専用端末なこともあり、ドコモの主要バンドはほぼカバーしており、LTE-Advancedといった高速通信規格にもしっかり対応。ただしVoLTEは非対応となります。

またDSDSには対応しておらず、SIMカードの同時利用はできない仕様となっています。


USB端子はmicroUSBを採用。現在ではUSB-Cも普及しはじめ、先行するNuans NEOでもUSB-Cを採用していましたが、こちらは企業向け前提ということもあってあえてまだ普及率も高いmicroUSBを採用したのかもしれません。OTGにも対応しているため、USBキーボードやマウスなど対応している製品を接続して利用することも可能です。

スピーカーはモノラル。音質的には問題ありませんがマルチメディア用途ではちょっと弱いかもしれません。もともとそういうコンセプトの商品ではないのでしょうができればステレオスピーカーを搭載してほしかったかなというのが正直なところでしょうか。


前面部には3.5mmのイヤホンジャックが搭載されています。某端末では軽量化と薄型化のため廃止され、Androidでも後を追う形で廃止した製品が出てきそうですが、個人的には汎用性の高い3.5mmイヤホンジャックが搭載されていたほうがありがたいと思います…。

4.Windows Device Recovery Toolsで初期化する

記事の冒頭に書いたとおり、購入したVAIO Phone Bizは「電源がまれに入らなくなる」という不具合を抱えているためにジャンク商品として破格で入手することができました。

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本当にまれに起きる現象のようで頻繁に電源が入らなくなるわけではないのでこのままでも問題はなさそうですが、ソフトウェア・ファームウェア的な不具合であればMicrosoftが配布している「Windows Device Recovery Tools」で修復できる可能性があるため、このツールでファームウェアを工場出荷時のものに戻してみます。

Windows Device Recovery Toolsについては過去に記事として取り上げていますのでこちらをご覧いただければ幸いです
Windows Device Recovery Tool - Windows 10 Moble スマホの文鎮化に備える復元ツール


VAIO Phone Biz本体をPCに接続した状態であれば自動的に認識され、適切な初期ファームウェアがダウンロードされます。


あとは画面の指示に従い端末本体の電源を落としてからボリュームキー上+電源ボタンでフラッシュモードに入り、ソフトウェアをインストールするだけです。


正常に初期化が完了すれば自動的に再起動がかかり、初期セットアップ画面が表示されているはずです。これでファームウェアとOSバージョンが初期のものに戻ったため、「電源が入らない」というのがソフト的な不具合であればこれで修復できているはず…。

初期化して環境構築を行ってから何度かシャットダウン→電源ONを試していますが特にジャンク理由であった「まれに電源が入らなくなる」という現象には今のところ遭遇しておらず、とりあえず様子見の段階ではありますがファームウェアの初期化で無事修復できたようです。

VAIO Phone Biz 初期化後のシステム
ダウングレード後はOSが初期バージョンのバージョン1511 ビルド10586.420になります。もちろんこの状態からWindows 10 Mobile Anniversary Update(バージョン1607 ビルド14393.xx)にアップデートしなおせますが、このツールでファームウェアをダウングレードした場合アップデートを受け取るのに時間がかかるので少しだけ注意が必要です。

5.使用感


Windows 10 Mobileはもともとローエンド端末でもそれなりに軽快に動作しますが、やはりCPUパワーに余裕があればあるほど各種タスクも快適になります。本機は搭載RAMが3GBと余裕があるのもあり、メモリ不足でバックグラウンドタスクが切られるといったこともなくすべての作業が軽快に動作します。


また本機は解像度が1,920 x 1,080と高解像度になっているため、1,280 x 720以下の端末とは異なり、タスクスイッチャーが上記画面のように4分割式になったり、設定画面で横画面表示に対応したりと使い勝手がより向上します。解像度が高い分文字表示もきれいでかなり見やすい印象です。


CPU性能が高いので、ゲームも快適にプレイできるはず…と期待してAsphalt 8をインストールして一通りプレイしてみました。確かにGPUの性能が向上した分ローエンドCPUのSnapDragon 210やミッドレンジのSnapDragon 410搭載機と比べるとグラフィックの質は上がったのですが、同クラスのCPUを搭載したAndroid端末と比べると、どうもフレーム落ちがひどい印象です。

Antutuベンチマークの3Dベンチもフレーム落ちがひどかったのですが、ここら辺に関してはiOSやAndroidで採用しているのが「OpenGL ES 3.0」でWindows 10 Mobileの場合PCと同じく「DirectX 11」を採用している関係や本機が高解像度なこともあって負担が大きいというのも関係しているような気がします。

性能的には十分なのですが、3Dゲームに関してはあまり期待するとがっかりしてしまうかもしれません。そもそも本機が主にビジネスユーザー向けに販売していることを考えると、ここら辺を重視する必要はなかったのかもしれませんが…


もちろんWindows 10 Mobileの目玉機能ともいえるContinuumも無線のみのサポートながらしっかり利用することが可能です。

残念ながら手元に無線Continuumを試せる環境がないためこの機能を試すことはできませんでしたが、ビジネスでもPCライクにOffice Mobileを利用できたり簡易携帯PCとしても活用できそうです。

6.性能テスト

ベンチマークテストはUWPアプリケーション版Antutu Benchmark v6.0.5 Beta5を使用しました。


CPUとしてはミッドレンジクラスだけあってSnapDragon 210や410搭載機より高いスコアが出ています。

ただ実際Windows 10 MobileはOS自体が軽快に動作することもあってローエンドでもそれなりに動いてしまうのですが、SnapDragon 210を搭載したCUBE WP10やFreetel KATANA01と比べると、さすがに動作時の微妙なもたつきもなく基本的な動作はスムーズに動作します。

ただし3Dに関してはAndroidと比べるとゲームに使っているAPIが異なる関係もあってか本来の性能を引き出しているとはいえず、パフォーマンス不足という結果になってしまっています。基本的に本機で本格的な3Dゲームをプレイするのは厳しいでしょう。

参考
Lenovo ZUK Z2(SnapDragon 820): 132,410
UMI Z(MediaTek Helio X27): 110,070
Vernee Apollo(MediaTek Helio X25): 93,251
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420): 88,439
Chuwi Vi 10 Plus(Remix OS、Atom X5-Z8300): 64,259
Teclast TBook 16 Pro(Atom x5-Z8300): 58,578
Onda OBook 20 Plus(Atom x5-Z8300): 57,378
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 55,918
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 55,436
マウス MADOSMA Q601(SnapDragon 617): 48,008
Teclast X89 Kindow(Atom Z3735F): 47,495
Wink Pax G1(MediaTek MT8783) : 38,553
YOKA KB2(Amlogic S912): 36,679
マウス MADOSMA Q501(SnapDragon 410): 35,663
Teclast X10(MediaTek MT8392): 31,561
Cube WP10(SnapDragon 210): 29,273
Cube T8 Super Version(MediaTek MTK8735P):23,925
ドスパラ Diginnos Mobile(Snapdragon 210): 23,785
FREETEL KATANA 01 (SnapDragon 210) : 22,724

7.まとめ

動作保証がされている新品や通常中古ではなく、不具合があり保証もいっさいないジャンク品として本機を購入しましたが、ジャンク理由が軽微で簡単に修復可能なものだったにも関わらず、本機の元の定価からみて異様に安い価格で入手することができました。

ジャンク品自体何かしら壊れている製品ですので、初心者やしっかりした補償を求める方にはお勧めできません。新品や通常の中古品を購入したほうが安全です。

ただし、それを把握したうえでチェックするのであれば今回のように掘り出し物に出会えることもあります。また、割り切ってWi-Fi運用のタブレット端末として使ったり、あるいは自分で修理できる自信がある、というのであればジャンク商品をチェックしてみると面白いかもしれません。欲しかった名機や高性能端末が意外な値段で手に入ってしまうことが多いです。

VAIO Phone Bizという製品自体もともと発表当初から欲しかった製品でした。3Dゲーム関連の弱さに関しては「正直期待しすぎたかな…」というのが正直な感想ではあるものの、それ以外は最終チェックを日本で行いVAIOらしさを継承した高品質な筐体デザイン、Windows 10 Mobilel端末の中では高解像度で美しい液晶、基本タスクにおいては十分すぎるくらい軽快に動作するパフォーマンスも含め、かなり満足できる一台となっています。本当に見つけたのは偶然でしたが購入してよかったと思っています。

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コメント

  1. 匿名 より:

    失礼ながらwindows phoneの魅力が何一つない、、、、笑

  2. 匿名 より:

    残念ながら後ろの女の子のほうが気になる、、、、笑

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。これねえ、かのあゆさんの芸風なんですよね…。策略にはまらないように気をつけましょう。