こんにちは、ゆないとです。今回は、スポーティなスマートウォッチ「KUMI GT5」の実機レビューをお届けします。スマートウォッチとしては低価格ではありますが、アクティビティのトラッキングはもちろんのこと、心拍数や血圧、SpO2(血中酸素濃度、正確には酸素飽和度)なども測定できる豊富な機能が搭載されていることが特徴です。それでいて、4~6日ほど保つバッテリー性能も魅力の一つで、コストパフォーマンスの良い製品を求めている方におすすめの製品となっています。
なお、今回はメーカーよりサンプルとして提供して頂きました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
KUMI GT5のスペック
スペック情報
■SoC: Realtek 8762CW + JL6963
■動作温度: -5~45℃
■Bluetoothバージョン: Bluetooth 5.0
■バッテリー容量: 220mAh
■防水防塵等級: IP68
■対応OS: Bluetooth 4.0をサポートしたAndoid 5.0またはiOS 9.0か、それ以上のバージョン
■UI対応言語: 英語、中国語、その他16ヶ国語(日本語なし)
■重量: 63.8g(バンド込み)
スペックについて
この製品はSoCを2種類搭載しています。SoCそれぞれの仕様を調べた限り、Realtek製の8762CWがメインのSoCのようです。2つ搭載している理由は不明ですが、この製品の特徴の1つとしてスマートフォンとペアリングして、この製品をスピーカーとマイクの代わりとして使用できる、というものがあり、それと関連しているのではないかと思います。あるいは、SoCを2つにすることでバッテリー保ちを改善しているのかもしれません。ちなみにもう一方のJL6963は格安の左右独立型のBluetoothイヤホンに採用されているようです。
IP68の防水と防塵の等級に対応しているため、手洗いやアウトドアで使用してもある程度安心できる仕様です。さらに、バッテリー容量は220mAhということですが、公称値では4日~6日間の連続使用、30日のスタンバイ時間となっています。
残念ながら時計本体の言語は日本語には対応しておらず、使うのであれば英語または中国語になるかと思います。私は中国語はさっぱりなのでレビュー中は英語で使っていました。なお、英語は本当に簡単な単語程度しか表示されないので迷うことは無いと思います。スマホにインストールするアプリの方は日本語にも対応しています。
KUMI GT5の外観
付属品は、取扱説明書が2種類と充電ケーブルです。
本体との接点は独自の形状で、磁力で貼り付くタイプです。もう片方の端子はUSB Type-Aです。
本体部分です。ベゼルは太い印象を受けますが、エッジは傾斜が付いていてサイズの割にはスッキリとした印象を受けます。ケース部分は金属製だと思われますが、十分高級さを感じるマットな質感です。また、ベゼルのメモリ部分にはLEDが内蔵されていて、赤、青、緑に光ります。通知が来たとき、電源をONにするときに点灯します。
裏面です。センサー部分、充電端子部分はやや飛び出しています。そのおかげでサイズが合わない場合でも肌に密着しやすくズレにくいと感じました。ベルトは簡単に交換が可能なタイプで、サードパーティ製に交換することも可能です。
右側面です。2つの竜頭がボタンになっていて、画像右側(装着時は奥側)は画面点灯/消灯、ホームを表示するボタンです。画像左側(装着時は手前側)はアプリ一覧を開くボタンです。
左側面です。中央に見えるスリッドはスピーカーです。この製品は起動時に起動音がなるようになっていて、音量は結構大きいです。
すでに装着されているバンドはシリコン製で、金具のついていない方のベルトは長く、多くの人の腕に適合すると思います。私は手首が一般的な大人の男性よりも細いので結構余ります。
製品ページや説明書を参照しても正確なケースサイズは見つけることができませんでしたが、装着した印象としては46mmケースと同じサイズ感です。普段はFitbit Senseというコンパクトなものを利用しているので、とても大きく感じます。
充電ケーブルは画像のように接続します。磁力のおかげで向きを間違えることはありません。向きが異なれば反発して接続できません。
KUMI GT5の使用感
操作
まずは気になる操作感です。上部のボタンを2秒長押しすることで電源のON/OFFができるようになっていますが、OSは素早く起動し電源OFFもしやすいUXになっています。バッテリー保ちは良いですが、使用しないときはOFFにしておくとさらに延びそうですね。
アプリのインストールや並び替えなどはできません。下から上にスワイプすることでアプリ一覧にアクセスできるようになっています。デフォルトではスクロールするタイプで、Wear OSのようなレイアウトになっています。上から下へスワイプすると簡易メニューが表示されますが、そこからデザイン変更をすることも可能です。その場合はGalaxy Watchのようなアプリ一覧のレイアウトになります。
タッチやスワイプの反応は良好で、ほとんど遅延なく反応してくれます。アプリを開いた後、戻る場合は左から右へスワイプすることで可能です。戻るボタンなどは搭載されていません。
アプリ
アプリは一通り揃っています。アクティビティや身体の状態のモニタリング系アプリが豊富に揃っています。歩数計、心拍数、血圧、SpO2、睡眠、ランニングや腹筋などの測定アプリから、ダイヤル、ミュージック操作、カメラ、ストップウォッチ、メッセージアプリなどのスマホ操作のためのアプリがあります。
時計の項目の中でQRコードを表示することができます。これはスマホアプリ(apk)をインストールするためのものです。
アプリの名称は「Super Band APP」で、今回は”International”となっているものを選択しました。
スマホアプリはには4つのタブがあります。情報が集約されているホーム画面(画像左)と、設定を変更できるセット画面(画像右)。
さらに、アクティビティが確認できるスポーツ画面(画像左)とアカウント情報などを確認・変更できるプロフィール画面(画像右)の計4つです。
まずは散歩をして歩数を測定してみましたが、精度は結構正確だと思います。比較対象が手持ちのFitbit Senseとの比較になってしまいますが、同じルート同じペースでそれぞれ別日に歩いてみて概ね同じ数値でした。ただし、日時のデータでは歩いた時間がズレて認識されてしまいます。画像では15時前後に歩いたことになっていますが、実際は朝7時頃に散歩しました。
心拍数、血圧、SpO2は同じ項目で確認ができます。どれもスマホアプリか時計内のアプリで測定を開始する必要があります。常にモニタリングしているわけではありません。その分バッテリー保ちに貢献しているのだと思います。
また、ウォッチフェイスの中には心拍数を表示するものもあるのですが、これには最後に測定した数値が表示されるようになっています。せっかく表示されるのであれば常時モニタリングされていると安心なので、個人的には少し残念な仕様です。
ウォッチフェイスは豊富な種類が揃っているので、気になるようであればおしゃれなデザインで余計なデータが表示されないものを選択すると良いでしょう。個人的には画像下部の宇宙系のデザインが気に入りました。
睡眠のモニタリングは「寝ている間のこと」なのでどれが正しいというのは判断できませんが、普段使用しているFitbit Senseではほとんど毎日のデータを収集しており個人的に信頼しています。それと比べると深い・軽い・覚醒中の3つの指標だけ(Fitbitは深い・浅い・レム睡眠・覚醒状態の4つ)ということもあって、大まか、という印象です。ただし、3つの指標のおかげで自分の睡眠を見つめ直すという点では十分だとは思います。
時計本体から電話番号を入力するか、同期した電話帳から宛先を選択して電話を掛けることができます。その際、スピーカーとマイクは時計のものを使用することができます。クリアとまではいかないものの、それなりに静かなところでは問題なく通話ができるかなという印象です。ただし、音量の変更ができないので、聞かれたくない場合は素直にスマホから直接かけるほうが良いと感じました。気軽にさっと通話がしたいときには楽で良いかもしれません。
なお、この機能を使うには、初回に時計側でDual-modeをONにし、スマホ側で許可をしてペアリングする必要があります。この手順は初回のみで、それ以降は未使用時に自動でDual-modeがOFFとなり、時計から通話を開始すると自動でDual-modeがONとなりスマホに接続されるようになっています。
遠隔シャッター機能も搭載しています。残念ながらスマホのデフォルトのカメラアプリではなく、このSuper Band APPというアプリ内のカメラモードが起動するようになっています。デフォルトのカメラアプリよりもいくらか画質が粗くて暗い画像になってしまうのが残念ですが、もし集合写真などを撮影するときは便利に使えることでしょう。
バッテリー保ち
アプリ側でバッテリー消費量を確認することができません。そのためおおよそのバッテリー保ちになってしまうのですが、公称値どおり4~6日間は使用できると思います。
フル充電から毎日30~1時間程度の散歩をし、1日1回ずつ心拍数と血圧、SpO2を測定、それ以外は腕を持ち上げて時間を確認する程度で4日は余裕で保ちました。この段階で時計の画面に表示された残量は「残り1目盛り」でした。
3日おきに充電すればバッテリー保ちは気にしなくて良さそうです。なお、PCからの充電で2時間しないくらいでフル充電ができます。
気になった点
この製品を使用していて唯一気になったのが重量です。普段は軽量な製品を使用していたため、この製品の重さがより目立って感じました。常にずっしりとした重さを感じていて、慣れても時々気になってしまいました。
まとめ
KUMI GT5は公式サイトのオンラインショップにて59.99ドル(約6,595円)で販売されています。
高価なフラッグシップをいきなり検討しなくても、この製品は一通りスマートウォッチに欲しい機能が揃っています。また、余計な装飾もなく、金属らしい高級さを感じることができるシンプルな円形デザインも好印象です。
この品質と価格であれば、コストパフォーマンスに優れていると感じられる人が多いのではないでしょうか。入門機としておすすめできる製品だと思います。
関連リンク
KUMI GT5 Smartwatch:KUMI 公式ストア