Minisforum U820の実機レビュー(その2・性能編) - もはやオフィスワークはこれで十分?!Core i5搭載ミニPCの実力をチェック!

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こんにちは、オジルです。Minisforumより予約販売中のCore i5を搭載するミニPC、U820実機レビュー記事の第2回をお届けします。前回はU820の筐体や拡張性についてお伝えしましたが、今回は性能面を細かくチェックしていきます。

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さて、3世代前となる第8世代かつモバイル向けのCore i5をデスクトップとして使ったらどれくらいの実力なのでしょうか?まだ前回記事を読んでいない方はぜひ下記リンクよりご覧ください。
Minisforum U820の実機レビュー(その1・筐体編) – Core i5搭載で内部アクセスが容易で拡張性も高い!メインマシンに据えたいミニPC

1.スペック

改めてU820のスペック表を掲載します。詳しい所感は前回記事をご参照ください。

  MINISFORUM U820
OS Windows 10 Pro
CPU Intel Intel Core i5-8259U
外部GPU なし
RAM 16GB(最大32GB)
ストレージ 256GB/512GB M.2 NVMe SSD
(2.5インチSATAスロット×2空き)
光学ドライブ なし
ディスプレイ なし
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1
入出力 USB Type-C(映像出力可)、USB3.1 Gen2 × 4、HDMI、DisplayPort、LAN(RJ45)× 2、オーディオジャック
カメラ なし
バッテリー なし
サイズ 127×127×53.1mm
重量 実測値 538g

2.予備情報:Core i5-8259Uについて

末尾に「U」が付いている省電力設計のIntel第8世代(Cofee Lake)のCPUで、主にノートPCに搭載されます。少し前までCore i5-8265Uが搭載されたノートPCが多くラインナップされていたのを覚えている方も多いのでは?しかしながら、Core i5-8259Uを搭載したPCはあまり市場に出回っておらず、その能力はいまいちピンと来ません。ということで、性能をチェックする前にまずはCore i5-8265Uとの違いをチェックしてみましょう。

Minisforum U820 8265Uとの比較

発売時期で見ると8265Uの方が少しだけ新しいのですが、比べてみるとベースクロックが高く(TDPも高い)、GPUにIrisを採用しグラフィックス性能が強化されているのが8259U。ざっくり言うと「3年前に発売された標準的なCore i5搭載ノートより高性能」といった表現になりそうです。ミニPCなら冷却ファンの設置スペースや厚さを気にするノートPCとは違ってTDPが上がることによる排熱の心配を払拭できますし、性能を上げつつ安定稼働させられる「バランスの取れたCPU」として機能してくれることでしょう。また、モバイル向けの位置付けとはいっても、近年はデスクトップとノートの差は(一般的なオフィスワークでの需要であれば)ほとんど差がなくなってきているように感じることもあり、U820のようにあえて採用するのは賢い選択なのではないかなと考えたりもしました。それを踏まえ、実際のところどうなのかを次項で確認していきます。

3.性能テスト・使用感

公称値の検証(Geekbench)

まずはMinisforumの製品紹介ページにある画像について、CPU性能をチェックする「Geekbench」におけるスコアの妥当性を念のため確認します。赤線がU820のCore i5-8259Uです。

Minisforum U820 公称値

Minisforum U820 Geekbench

実施結果としては、若干マルチコアのスコアは下がっているものの、大幅な違いはないように感じます。画像だけで判断するのであれば、モバイル向けCPUとしては同じく第8世代のCore i7と同等クラス、また第2世代のRyzen 7よりも勝っていることになります。

CINEBENCH R23

Minisforum U820 CINEBENCH

CPU性能に絞ってシングルコア、マルチコア性能をスコア化

うーん、ちょっと意外な結果でしたね。本来であればCore i5-8265Uよりシングルコアでリードし、マルチコアがいい勝負くらいになるかなと思っていましたけど、いずれも下回ってしまいました。第10世代を凌駕してしまったZenBookのスコアが良いのでは?という話もありますが…。ただこれがCore i3のスコアかというとそんなことはないですし、第7世代のCore i5-7200Uよりも大きくマルチコアで引き離していますので、妥当~少し割引くらいの評価とします。

参考:
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U):1,023、3,691
Microsoft Surface Laptop Go(Core i5-1035G1:1,006、3,559
HP Pavilion x360(Core i5-7200U):790、1,740
※左から順にシングルコア、マルチコアのスコア

PCMARK 10

Minisforum U820 PCMARK

ブラウジングやオフィスソフト、画像編集など日常利用を想定したテスト(クリックで拡大します)

少しは同世代のCore i5-8265Uとの差が出てくれるかと期待しましたが、結果はほぼ同等でした。ウインタブ愛読者、また近年発売されたミドルクラスのノートPCを使ったことがある方であればご理解いただけると思いますが、このスコアは決して低いものではなく「よほど重い処理をしなければ全くストレスを感じない」です。というかむしろ、私は会社で使っているCore i3-8130U搭載ノートでも快適に日々の業務がこなせています。

参考:
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)(Core i7-8665U):4,120
ASUS ZenBook 14 UX434FL(Core i5-8265U、MX250):3,933
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
HP Elite Dragonfly(Core i5-8265U): 3,843
dynabook NZ65(Core i7-10710U、MX250): 3,820
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778

3DMARK

Minisforum U820 Time Spy

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Minisforum U820 Fire Strile

Minisforum U820 Wild Life

グラフィックス性能をテストする3D MARKなのですが、申し訳ありません、比較できそうなデータがFire Strikeのみとなってしまったことをご容赦ください。結果としてはやはり外部GPU非搭載とはいえ、Intel UHDではなくIrisなので性能差がはっきりと出ています。しかし全般的に「とても高いスコア」とは言えず、軽量級のゲーム以外は解像度を下げるなどの対応が必要となってくるでしょう。

参考(Fire Strikeのスコア):
Lenovo ThinkPad E495(Ryzen 5 3500U): 2,257
ASUS VivoBook S15 S531FA(Core i7-10510U): 1,241
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 1,178
Lenovo IdeaPad C340 (15)(Core i5-8265U): 1,085

ゲーム系ベンチマーク

前述の通り、設定次第で軽量~中量級のゲームならプレイできます。スマホアプリなどとマルチプラットフォーム展開されているようなものであれば遊べるかと思います。以下、参考まで。

Minisforum U820 FF14ベンチ

Minisforum U820 FF15ベンチ

Minisforum U820 ドラクエベンチ

CrystalDiskMark

Minisforum U820 CrystalDiskMark

ストレージの読み書きテストではPCIe接続SSDのパフォーマンスが遺憾なく発揮されました。OSの起動やソフトウェアのインストールなど、キビキビした動作は快適そのものでした。

既存のデスクトップと比較

妻と共用で使う自宅のメインマシンとして2014年頃に購入したHPのPavilion 500-340jpと比べてみます。スペックとしてはCore i5-4460/Geforce GT 640/8GB RAM/HDDと、第4世代Core i5にローエンドの外部GPUを採用しています。もう6年近く前のPCなので比べなくともある程度結果は見えているのですが、実際このマシンは「HDDだから起動とかで少し待たされるけど現役バリバリ」なんですよね。となれば、U820が上回っていればサイズは圧倒的に小さいわけで、ミニPC最大のメリットである「省スペース」の意義が見いだせるのではないかと。

Minisforum U820 サイズの違い

前回記事ではざっくり見積もって「本体サイズが20倍以上」と書いたのですが、よくよく体積を計算してみると実に約33倍の大きさでした…。で、このデスクトップの性能はというと、項目別でスコア化される「PASSMARK」を行ったところ以下のようになりました。

Minisforum U820 PASSMARK(HP)

Core i5-4460T/GT 640/8GB/HDD

続いてU820の結果です。

Minisforum U820 PASSMARK

Core i5-8259U/Iris Plus 655/16GB/SSD(PCIe)

分かっていたことですけど、全ての項目で上回っています。ということはこれ、デカイPCと入れ替えても全く困ることはないんですよね。もし入れ替えるとして、ミニPCなら処分も楽でしょうけど、これくらいのサイズになると処分に頭を抱えてしまいます。余談ですが、後から調べてみたらGT 640はいつの間にかIrisどころかIntel UHDにも追い越されていたんですね…。

ファン音・冷却性能

まずファン音ですが…というよりはむしろ、私にとってはこれがU820の一番のポイントだと感じている部分です。先ほど登場した古いデスクトップあるじゃないですか。あれ、ファンがフル稼働する時に電子レンジくらいの音がするんです。それと比べると、U820のファン音はとても静かで不安になるくらいw 「どれくらい静か?」という話なんですけど、私がウインタブでライターをさせていただくようになってから手にしてきたパソコン(ほとんどノート)全ての中で最も静かです。ファンレスを除くほぼ全てのノートよりも静音、これでなんとなく伝わるのではないでしょうか。

Minisforum U820 CoreTemp

今回初めて「Core Temp」という、CPUの各コアの温度をモニタリングするソフトウェアを使ってみました。ベンチマークテスト中などは当然CPU温度が上昇するのですが、高温域を維持するようなことなく、冷却ファンが短時間稼働するだけで安定している印象を受けました。また、特に高温時に製品本体を触ってみましたが「ぬるいと感じることすらない」のには驚きました。

4.まとめ

Minisforum U820は現在予約販売中で4月から発送開始予定で、価格は256GBモデルが63,980円、512GBモデルが税込み68,690円となっています。また、その価格から、先着割引として早い者勝ちで5,000円が減額されるようになっており、試しにカートに入れてみたらコードを入力しなくても自動的に適用後の価格が表示されていました。というか、どうやら現在「春の特典セール」が3月いっぱい開催されている(こちらのページ)ので、3月中に注文すれば5,000円引きの恩恵は受けられそうですけどね。

ミニPCを検討される方はきっと、ハイスペックな製品を求めるというよりは「小さい・軽い・便利」というところに惹かれるのではないかなと思います。Minisforumの製品は、比較的ローエンドで安価なものが多いミニPC市場の中では決して安くはありません。でも、ワンプッシュで内部にアクセスできる便利さを備え、私のような自作をしたことがないような人間でも「ためしに挑戦してみようかな」と思わせてくれるような拡張性は魅力的。それでいて、旧世代とはいえ現役で活躍してくれるCore i5搭載かつ超静音設計ときたら、これはもう、普通のデスクトップを買う意味がわからなくなってしまいますよ(苦笑)。自室で鎮座しているデカいPCは諸々の事情ですぐに動かすことはできないので、私はU820をメインマシンとして使える「移動式デスクトップPCセット」としてしばらく活用予定です(いずれ会社のメインマシンになりそうな気もしますが…)。急なテレワーク対応など、どこでも簡単に持ち運べるミニPCは手にしたら間違いなく満足できると思います。ぜひみなさんもご検討ください。

5.関連リンク

【予約販売】MINISFORUM U820/U850 ミニPC:MINISFORUM日本語公式ストア
Minisforum U820の実機レビュー(その1・筐体編) – Core i5搭載で内部アクセスが容易で拡張性も高い!メインマシンに据えたいミニPC

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