こんにちは。かのあゆです。7月24日にSNKから「ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)」シリーズや「サムライスピリッツ」、「餓狼伝説」などといったアーケードゲームや、かつての名ハード「NEOGEO」でリリースされてきた作品を40タイトル収録した携帯ゲームハード「NEOGEO mini」「NEOGEO mini International Version」の販売が開始されました。
初期出荷分はAmazon.co.jpとSNKのオンラインストアのみの販売となりましたが、即日完売となり順調なスタートを切ったようです。SNKとしては久々のゲームハードの投入という形になりますが、SNKの携帯ゲームは過去に何台か存在していたので、紹介しておきたいと思います。
1.NEOGEO Pocket/NEOGEO Pocket Color(通称ネオポケ)
いまから20年前となる1998年10月28日に発売した、SNK最初の携帯ゲーム機になります。
ゲームボーイ/ゲームボーイカラーのライバルとして投入され、動作するソフトは当時のハードウェアのスペック上、家庭用NEOGEO/業務用MVSの作品をそのまま移植することはまだ不可能で、携帯用にアレンジされた「KOF」や「サムライスピリッツ」「餓狼伝説」などがリリースされました。
ハードウェア的にはNEOGEO CD譲りの、格闘ゲームのコマンド入力がしやすいジョイスティックや、通信ケーブルを利用してセガのドリームキャストと連携することができたり、内蔵ソフトとしてカレンダーや星占いなどの簡易PDA機能が搭載されるなど意欲的なハードだったのですが、モノクロ版を発売してすぐ(半年後)にカラー液晶を搭載したモデルを投入する販売戦略のまずさもあり、当時すでに「ポケモン」という怪物級の大ヒットタイトルを持っていた任天堂のゲームボーイのシェアを崩すことはできず、最後はSNKが一度パチスロメーカーのアルゼの子会社化した後はパチンコの景品として在庫処分される形になってしまった悲運のハードでもあります。
ちなみにかのあゆは弟とともに初代モノクロ版NEOGEO Pocketを購入し、携帯用に移植された「ザ・キング・オブ・ファイターズ R-1(KOF 97のアレンジ移植版)」、「ザ・キング・オブ・ファイターズ R-2(KOF 98のアレンジ移植版)」にはまり込んでいました。
NEOGEO版そのままの移植ではなくキャラクターは二頭身にデフォルメされ、キャラボイスも当時のハードウェアスペックの制限から収録されていませんでしたが、本家KOFシリーズの魅力をしっかり詰め込んでいて完成度の高い名作でした。
当時はいつでもどこでもKOFがプレイできるようになっただけでかなり感動していました。そういう時代だったのです。
2.NEOGEO X
日本国内では2012年12月28日に発売された携帯ゲーム機で、正確にはSNKが企画した製品ではなく、北米のゲーム会社「Tommo Inc.」が開発したゲームハードにSNKがNEOGEO ROM作品のライセンスを取得して販売した製品となります。
LinuxベースのOS上で動作するNEOGEOエミュレーター上でNEOGEO作品がそのまま動くのが特徴で、そういう意味では今回SNKが自ら発売した「NEOGEO mini」に位置づけ的には近い製品となります。
また、あらかじめ収録されていたゲームのみプレイ可能でゲームタイトルの追加ができないNEOGEO miniとは異なり、NEOGEO Xはカードリッジ式のソフトウェアにNEOGEOタイトルが4本程度収録されており、好きなタイトルを入れ替えることができるのも大きな特徴となっていました。
3.5インチサイズの携帯ゲーム機としても使えますがNEOGEO Xのパッケージには家庭用NEOGEO本体型のドッキングステーションと、同じく家庭用NEOGEOに付属していたものを忠実に再現したジョイスティックコントローラーも付属しており、HDMIケーブル接続経由で外部モニターに接続することも可能で、この辺の仕様に関してもNEOGEO miniのコンセプトに近い商品となっていました。
ただし途中でSNKのライセンスが打ち切りとなったため、末期にはSNKとTommo社の意見が食い違ってかなりごたごたしてしまい、ソフトも出そろわないまま終わってしまいました。
単体でバッテリー稼働可能な携帯ゲーム機としてもプレイ可能なことや前述の家庭用NEOGEOを忠実に再現したドッキングステーションやコントローラーの再現度がかなり高かっただけに、末期のごたごたは残念に感じてしまいます。
また今回NEOGEO miniには収録されなかった龍虎の拳最終作「ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝」や初代「餓狼伝説」が移植されているのも魅力かもしれません。
3.そしてNEOGEO miniへ
今年になって久しぶりにSNKの新ハードとして登場したNEOGEO miniは内蔵バッテリーが搭載されていないため、外でプレイするには別途モバイルバッテリーの接続が必須になってしまうものの、かつてSNKがレンタル事業を行っていたこともあって、ゲームセンターのみならず近所の駄菓子屋さんでもよく見かけた非常に懐かしい業務用MVS筐体を再現したコンパクトな筐体で単体でもプレイできるという意味においては「ネオポケ」や「NEOGEO X」の血をしっかり継承しているゲーム機といってもいいかもしれません。
「NEOGEO X」のようにソフト交換こそできないものの、日本版に関しては「KOF」シリーズはNEOGEO/MVSで登場した作品をすべて網羅しており、そのほか「メタルスラッグ」や「餓狼伝説」「龍虎の拳」など、90年代にゲームセンターや駄菓子屋に通っていた方、あるいはセガサターン版でKOFシリーズにはまったかのあゆのように90年代当時NEOGEO以外のコンシューマーゲーム機で移植されたSNKタイトルをプレイしていた方にはたまらない製品であることは間違いないと思います。
欲を言うのであれば「龍虎の拳」に関しては前作囚われの身であったユリ・サカザキがまさかのプレイヤーキャラとして参加し、ボスキャラがまさかのあの人で「餓狼伝説」の時間枠ともリンクした名作「龍虎の拳2」や2D格闘ゲームであったにもかかわらず、3D格闘ゲームのようにモーションキャプチャーを行った意欲作「ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝」は収録してほしかったところですし、「餓狼伝説」に関しても勝利メッセージをバッサリカットして純粋な対戦ツール化した「RB2」ではなくて「リアルバウト餓狼伝説 Special」を入れてほしかったというのが正直な感想です。
さらに、NEOGEO miniに収録されているタイトルが家庭用NEOGEO版準拠であるため、2003年に発売したNEOGEO最終作でもある「サムライスピリッツ零 Special」に関してはいろいろな意味で当時話題となった「絶命勝利」の演出が修正されたいわゆる「自主規制」バージョンである点が非常に残念であったりしますが、そんなNEOGEOに思い入れのある、90年代に青春を過ごした方であれば購入しても損がないゲーム機となっています。
次回入荷分は8月末に入荷予定となっており、初回入荷分では取り扱っていなかったヨドバシカメラでも予約受付中となっています。
おそらく任天堂の「ファミコン ミニ」や「スーパーファミコン ミニ」のようにしばらくの間は入手しづらくなりそうなので、欲しい方は早めに予約しておくことをお勧めいたします。
NEOGEOタイトルに関しては現在ではソニーのPlayStation 4/Vitaや任天堂のスイッチでも一部タイトルの配信が開始されていますが、これだけのタイトルが一台で遊べるのはオリジナルのNEOGEO ROMカートリッジソフトの価格がプレミア価格になっている中、かなりお買い得といえます。
4.関連リンク
NEOGEO mini : SNK
SNK NEOGEO mini - SNKブランド40周年を記念して、凝りに凝った復刻ゲーム機が発売されます!
NEOGEO mini - 製品詳細とゲームタイトルが明らかに!価格は…まだわかりません…
コメント
格闘ゲームばかりに目が行きがちですが、伝説のオウガバトル外伝「ゼノビアの皇子」ができるのはネオジオポケットカラーだけ!! いや、その画面サイズでリアルタイムストラテジーは無理があるだろってツッコミはあるんですが。
スティックは使いやすかったけどカチカチ音が凄かった思い出
GB版の熱闘シリーズというニータウタウなアレが比較対象だったので、ちゃんと格ゲーができることに感激したのを思い出しました
I’m not BOY