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PCを手放す際、付属していたOfficeもセットで譲渡できるのか?以前は可能、でもデジタルライセンス移行後は実質譲渡不可に

OEM版Officeのライセンス譲渡が不可能に
PCを購入する際、Microsoft Officeをセットにする場合がありますよね。以前はOfficeのインストールCD/DVDが入っているケースか、マニュアルなどのペーパー類とともに「プロダクトキーカード」が付属していましたが、2023年以降、デジタルライセンス認証に移行しています。

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この仕様変更により、PCを手放した際のOfficeのライセンスの取り扱いも変更されています。

1.PCとセットであればOfficeのライセンスを譲渡することが可能(でした)

Office 2021のライセンス条項

Microsoft Office 2021のライセンス条項より引用
(クリックで拡大します)

2023年以前に販売されていた、OfficeをプリインストールしているPCには「プロダクトキーカード」が同梱されています(Office 2010以前の製品の場合、インストールCD/DVDのケース裏に記載されています)。Officeを初回起動、または再インストールする際、またはOfficeのインストーラーをMicrosoftのWEBサイトからダウンロードするタイミングで、カードやCD/DVDケース裏面に記載されているプロダクトキーを入力し、その後オンラインや電話でライセンス認証を行うことで、Officeを使用することができました。

最大2台までインストールできるリテールパッケージ(=買い切り版、製品版)と異なり、プリインストール版(OEM版)Officeを使用できるのは付属元のPC1台のみに限定されていますが、PCを譲渡・売却する際にプロダクトキーカードと(付属していた場合のみ)Officeのインストールメディアも一緒に同梱することを条件に、Officeのライセンスを新しいユーザーに譲渡することが可能でした。

Microsoftアカウントの紐付けが必須となり、インストール用のメディアが付属しなくなったOffice 2013以降のバージョンの場合は、有償(2,000円〜3,000円程度)となりますが、Microsoftのサポートセンターに連絡することで、譲渡用のプロダクトキーとインストールメディアを郵送してもらえるサービスも提供されていました。

2.デジタルライセンス認証への移行でプリインストール版Officeの譲渡は実質不可能に

2023年以降に販売されているPCに付属するOffice 2021では、プロダクトキーを入力するのではなく、初回セットアップ時にMicrosoftアカウントとPCにあらかじめ登録されているデジタルライセンス情報を紐付けることで認証を行う仕様に変更されています。そのため、プロダクトキーカードは同梱されなくなりました。

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Office 2021でライセンス認証を行う方法 ープロダクトキーが添付されていない場合ー:Lenovo

この仕様変更により、デジタルライセンス認証を行った場合、Officeのライセンス情報が紐付けられているicrosoftアカウントを開示しないと新しいユーザーにライセンスを譲渡できなくなりました。MicrosoftアカウントにはOfficeのライセンスが紐付いているだけでなく、個人情報も登録されているため、実質譲渡は不可能になったと考えても良いでしょう。

ただし、Microsoftアカウントとデジタルライセンスの紐付けをしていない場合は、プリインストールされているOfficeのライセンスを新しいユーザーに譲渡できます。

Microsoftアカウントの紐付けが必須となったMicrosoft Office 2013以降のバージョンでは、前述の通り新規インストール用のプロダクトキーとインストールメディアを送付してもらうことが可能でしたが、現在では旧バージョンも含め、ライセンス譲渡用プロダクトキーとインストールメディアの発行サービスは終了してしまっているようです(下記「5.引用元サイト」より)。

3.まとめ

オークションなどで販売されているプリインストール版Officeの例
プリインストール版Officeは「もともと付属していたPCのみにインストールでき、別のPCへのライセンス移動はできない」という制限があるにもかかわらず、ネットオークションや一部の(怪しい)ショップなどでプロダクトキーカードを単体販売している場合があります。このような規約違反の対策として、Microsoftアカウントにデジタルライセンスを紐付ける仕様に変更したのではないかと思われます(かのあゆの見解です)。

場合によってはPC本体よりもOfficeのほうが高く付いてしまうことも
Officeはリテールパッケージの場合「Personal」でも約4万と高価です(ただし、リテールパッケージは2台のPCにインストール可能)し、今の仕様だとPCを売却・譲渡すると付属していたOfficeのライセンスは無駄になるので、ちょっともったいないな…と感じてしまいます。

なお、買い切りパッケージ版Officeの場合、個人ユーザー向けに販売されている製品ではMicrosoftアカウントの紐付けが必須となっているのはプリインストール版と同じですが、POSAカードなどに記載しているプロダクトキーで乗換先のPC、または別のユーザーにライセンスを移行することが可能です。

4.関連リンク

Office ライセンスを別のデバイスまたは別のユーザーに譲渡する:Microsoft

5.引用元サイト

Office 付きパソコンの譲渡と Office を再インストールする方法 [Office全般]:ぜんばのブログ

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