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ゲーミングUMPCではすべてのゲームが問題なく動作するわけではない…。正常にプレイできないケースに遭遇しました

GPD WIN 3

GPD WIN 3


PCゲームをどこでも持ち出せるのがゲーミングUMPC最大の魅力です。ONE-NETBOOK、AYANEO、GPD、AOKZOEといった中国メーカーが積極的に製品を投入し、ゲーミングプラットフォーム「Steam」を展開しているValveがSteam Deckを、大手メーカーのASUSとLenovoがROG AllyLegion Goを投入するなど盛り上がりを見せています。

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近年、内蔵GPUの性能が大幅に向上したこともあり、ゲームタイトルによっては解像度やグラフィックの設定を調整する必要があるものの、ほとんどのゲームは問題なくプレイできます。とはいえ、外部GPUの搭載をシステム要件としているゲームタイトルのほうが普通、という感じなので、場合によっては不具合が発生することもあります。

1.今回検証したタイトルについて

この記事ではかのあゆが所有しているGPD Win3(Core i7-1165G7モデル)で9月20日にWB Gamesから発売された「Mortal Kombat 1 Premium Edition」をプレイする際に発生した不具合をご紹介したいと思います。

このゲームは激しいゴア(残虐)表現が存在する関係で日本では家庭用ゲーム機版も含め販売されておらず、SteamやEPIC Game Storeの商品ページにアクセスすることすらできないのですが、ごく短期間SteamでDLCコンテンツ「Kombat Pack 1」を含んだ「Premium Edition」のみ日本からも13,000円(税込み)で購入することができました。ただ、システムトラブル(不具合)で購入できてしまった可能性も高く、現在では日本からの購入はできません。

システム要件は高めですが、同じく比較的重い「ストリートファイター6」がAYANEO 2021やGPD Win3でもグラフィック設定を調整すれば快適にプレイできていること、ゲームエンジンが前作「Mortal Kombat 11」と同じUnreal Engine3でIntel側でも動作検証が行われていたことから問題なくプレイできると判断し、思い切って購入することにしました。

ゲーミングUMPCで「ストリートファイター6」は快適にプレイできるか?設定を調整し、毎日楽しんでいます

グラフィックドライバーはこの記事を執筆している時点で最新の「Intel Arc & Iris Xe Graphics Driver Version 31.0.101.4824 WQHL」を適用しています。

2.プレイ自体は可能、しかし…

この警告は毎回表示される
ダウンロードが終了し、起動すると初回のみシェーダーキャッシュの構築が始まります。構築作業は約10分と長めでしたが、終了するとイントロムービーが再生された後、タイトル画面・・・の前に「このグラフィックカードはシステム要件を満たしていない」という警告が表示されました。

公式対応しているIntel製GPUはデスクトップ向け「Arc 750/Arc 770」のみで、第11〜13世代Core i5/i7内蔵GPUのIris Xe Graphicsでは対応していない旨の警告メッセージが表示されるのは仕方ありません。OKを押すとようやくタイトル画面が表示されます。

GPD Win3の場合、グラフィック設定が「MEDIUM」だと負荷がかかりすぎるので「LOW」に変更しました。

背景によっては何をやっているのかわからない場合も
色がおかしいおかげで残虐なFATALITYもマイルドに(?)

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GPD Win3でMortal Kombat 1をプレイした際に発生するグラフィックの不具合

これで問題なくプレイ出来る・・・と思ったのですが、テクスチャーの表示がおかしくなってしまいました。一応この状態でもプレイ自体は可能なのですが、せっかくの美しいグラフィックが台無しです…が、そのかわり日本国内で発売できない最大の要因である残酷すぎるゴア表現はずいぶんマイルドになった…と思います。

ムービーはリアルタイムではなくプリレンダリング
ストーリーモードではリアルタイムではなく、プリレンダリングされたムービーが再生されるのですが、そのままバトルシーンに移行するといきなりキャラクターや背景が黒く変色してしまうので違和感がある状態に。繰り返しになりますが、動作自体はスムーズなのでグラフィックに目をつぶればプレイ自体は可能です。

3.実は海外でも報告済みだった

実はこの問題はGPD Win3に限らず第11世代Core i5/i7を搭載しているゲーミングUMPCで発生するようで、海外掲示板サイト「Reddit」でも全く同じ不具合が「Premium Edition」購入特典の先行アクセスで発売前にプレイできるようになった段階で報告されていました。ちなみに報告したユーザーはONE-NETBOOKのONEXPLAYERでプレイしていて同じ現象が発生したとのことです。

For anyone wondering, this is what the game looks like on a non-supported graphics card (such as Intel Iris Xe graphics card). For anyone else wondering, I will not be able to play this game until I get a new PC until at least Christmas.:Reddit

Intel、WB Games(および開発元のNetherRealm Studio/QLOC)ともにIris Xe Graphicsは非対応という扱いとなっている上、現在販売されているゲーミングUMPCはほとんどがAMDのRyzenを採用しているため、おそらく今後もこの問題が修正される可能性はなさそうです。

一応GPD Win3であればThunderbolt 4接続のeGPUボックスもサポートされているので、デスクトップ用GeForce RTXシリーズ/Radeon RXシリーズを増設すればこの問題は解決するはずです。ただし、外でも気軽にプレイできるというゲーミングUMPCならではのメリットを失ってしまう上にeGPUボックスとデスクトップ用GPUの価格が中古で購入したGPD Win3を余裕で上回ってしまうため、そこまでしてプレイしたいかと言われれば微妙です。

ちなみにRyzen搭載ゲーミングUMPCではこの現象は報告されていません。YouTubeにてRyzen Z1 Extremeを搭載するROG Allyで実際にMortal Kombat 1をプレイしている動画が複数投稿されていますが、本来の美しい(と言っていいのかな)グラフィックでプレイ出来ているようです。

4.まとめ

「Moral Kombat 1」は現時点で国内販売されていないため、コアなファンを除いて国内のゲーミングUMPCユーザーが影響を受けることはないと思いますが、内蔵GPUは動作対象外としているゲームタイトルも多いので、場合によっては今回のような不具合が発生したり、最悪起動すらできない場合もあります。

体験版やベンチマークソフトを配布している場合、購入前に実際の動作を直接確認できますが、体験版を配布していない場合はYouTubeやWebサイトで「自分が使用しているゲーミングUMPCの機種名、またはCPUと内蔵GPUの名称 + 購入を検討しているゲームのタイトル名」を検索すればよほどマイナーなタイトルでもない限り検証資料が見つかるので、まずは確認することをおすすめします。

前述の通り内蔵GPUの性能は著しく向上していますが、Ryzen Z1 Extreme(Radeon 780M)ですらまだ3年前のデスクトップ向けミッドレンジGPU、GeForce GTX 1050 Tiに届いていないのは理解しておいた方が良いでしょう。おそらく今後グラフィック設定を「最低」まで落としても動作しないタイトルも出てくると思います。

それでもPCゲームをどこでも持ち出せるのは魅力的ですし、かのあゆ自身ゲーミングUMPCを購入してから久々にPCゲームをやり込む時間が増えたので購入して良かったとは思っています。

5.関連リンク

Intel’s Gaming Support Hub:Intel
※Iris Xe GraphicsやUHD Graphicsで動作するタイトルと最適な設定を確認できます。

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コメント

  1. 匿名 より:

    結論から言いますと、FF14ベンチ(FHD最高画質)の結果で言うと、TDP設定次第でほぼ同等以上になるようです
    i5-8400&GTX1050Ti搭載デスクトップがスコア8051程度のようです
    それに対してRyzen7 7840U搭載のAyaneo Air1s(TDP25W)はスコア7696なのですが、同サイトでRyzen7 6800U搭載のAyaneo Air plus(TDP25W)の同条件計測スコアが8640となっていたので、最適化が進むと(もしくはメモリクロックを上げると)GTX1050Tiのグラフィック性能は超えられるようです

    余談ですが、intelのiGPUは割と昔からテクスチャ抜けが多いので、動作こそ安定しているもののグラフィックがおかしいということは日常茶飯事のようです

    • かのあゆ より:

      >>匿名さん
      TDP設定自体だといまのオンボードRadeonもう1050Tiと同等になっちゃうんですね・・・本当NeoMagic、CirrusあたりのノートPC用ビデオチップやi852GM、Radeon IGPあたりも知っているのでここまで進化するとは・・・

      かのあゆがプレイしているタイトルだとMK1以外は特に問題なくプレイできているのですが、確かにIntelのiGPUはグラフィック周りの不具合が多かったですね・・・そういえば・・・

      • 匿名 より:

        iGPUの進化があまりにも凄まじすぎて怖いくらいですよねえ……。
        10年前にポケットサイズのUMPCに搭載できるiGPUでFF14が動くなんて言ったら、鼻で笑われる状況でしたからね。
        ちなみにですが、噂ではStrix pointを採用するRyzen7 8850U(仮称)ではRAMコントローラーが今の倍の4ch分の128bitに拡張されるという話もあります。
        もし仮にこれが本当なら、一般ノートパソコン用のiGPUでTimespyのスコア6000という超大台(デスクトップ用のGTX1660Super/RTX3050 8GB相当)も夢ではないのかもしれません。

  2. 匿名 より:

    steamで買ったナムコミュージアムがなぜか起動できないですね
    報告もせず放置してますが

    • かのあゆ より:

      >> 匿名さん
      ナムコミュージアムだと最小システム要件がSandy Bridge内蔵のIntel HD Graphics 4000になっているので本来問題はないはずではあるのですが・・・Windowsもメジャーアップデートに相当する更新を何回か繰り返していますし、古いタイトルでも場合によっては正常にプレイできないタイトルもアルカもしれませんね・・・

  3. wintab より:

    私はGeForce非搭載のノートPCでもたまにゲームをしますが、プレイしているタイトルが少ないこともあって、この記事のような症例には当たったことがないです。このゲームは本来日本向けじゃないですけど、1万円以上出して動かなかったらショックですよね。あと、ライターのnatsukiさんはRyzen 7 6800UのノートPCで原神を(今のところですけど)全クリしたみたいです。