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どれを選ぶ? – 9インチ(8.9インチ)Windowsタブレット機種比較

9インチタブレット選び
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先日ドスパラのDiginnos DG-D09IWを試用する機会があり、個人的には9インチ(正確には8.9インチですが、この記事では9インチと表記します)の使い勝手のよさに感心しています。9インチは8インチと10インチの中間のサイズですね、当たり前ですけど。悪く言えば「どっちつかず」、よく言えば「いいとこどり」というのが中間サイズにありがちな評価だと思うんですが、私が試用した限り、明らかに後者でした。タブレットとしてコンテンツ消費型(Webブラウジング、動画視聴、ゲームなど)の使い方も、ノートPCとしてコンテンツ生産型(ソフトウェアを使ったドキュメントの作成など)の使い方も、どちらもそつなくこなせる、というのが9インチの魅力で、8インチにするか10インチにするか悩んでいる人には非常に有力な選択肢となるはずです。

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しかし、9インチサイズのタブレットは少しづつ製品が増えてきたものの、まだまだ8インチや10インチに比べ選択の余地が少ない状況ですし、ほとんどが普及価格帯のものです。今回はその9インチタブレットについて比較してみたいと思います。

1.比較対象機種

ドスパラ Diginnos DG-D09IW

Diginnos DG-D09IW キーボード
OS: Windows 8.1 with Bing 32ビット
CPU: Intel Atom Z3735F
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8.9インチ 1,920×1,200
価格帯(税込): 27,480円~37,238円(2015年7月20日現在、ドスパラ直販サイト)

コメント: アルミ合金製の筐体を採用し、価格に見合わない質感がある。BTOメーカーであるドスパラらしく、Officeの有無、専用キーボードの有無によって4つのバリエーションをもち、多様なニーズに応える。Officeバンドル時の追金が4,000円強なのは魅力。ウインタブにて実機レビュー済み

紹介記事: ドスパラ Diginnos DG-D09IW - 8.9インチってかなりいい!もちろんコスパも抜群(実機レビュー)

マウス WN891

マウスコンピューター WN891
OS: Windows 8.1 with Bing 32ビット
CPU: Intel Atom Z3735F
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8.9インチ 1,280×800
価格帯(税込): 29,800円(2015年7月20日現在、マウス楽天直販サイト)

コメント: Office Home&Businessがつき、専用キーボードが付属する製品として非常にお買い得なモデル。専用キーボードは9インチ筐体専用設計であり、USB接続となっているため、動作の安定性、打鍵のしやすさは間違いのないところ。

紹介記事: マウスコンピューター WN891 - リーズナブルなスペックで爆安価格の9インチ 2 in 1

iiyama 9P1150T-AT-FEM

iiyama 9P1150T-AT-FEM
OS: Windows 8.1 with Bing 32ビット
CPU: Intel Atom Z3735F
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8.9インチ 1,280×800
価格帯: 24,400円(2015年7月20日現在、パソコン工房販売サイト)

コメント: マウス WN891と同一モデルだが、Officeのバンドルがない。高品質のキーボードがついていることを考えれば、驚異的に安いといえる。実質的にマウス WN891のバリエーションモデルということができ、購入する場合はOfficeの有無によって、本機を選ぶか、WN891を選ぶか、ということになる。

紹介記事: iiyama 9P1150T-AT-FEM - 専用キーボードがついて24,400円の超爆安8.9インチ!

テックウインド CLIDE 9

テックウインド CLIDE 9
OS: Windows 8.1 with Bing 32ビット
CPU: Intel Atom Z3735F
RAM: 2GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 8.9インチ 1,920×1,200
価格帯: 28,889円(2015年7月20日現在の価格ドットコム最安値, NTT-X)

コメント: 3G専用ながらデータ通信用のSIMスロットを備える、9インチとしては貴重な存在。また、ストレージ容量も64GBと余裕がある。ただしOfficeはバンドルされず、専用キーボードの設定もない。システム要件ではWindows10へのアップグレード要件を満たしているが、メーカー保証対象外となるとのこと

紹介記事: テックウインド CLIDE 9 - SIMスロットつきの8.9インチWindowsタブレットが登場

KEIAN(恵安)KEM-89B

恵安 KEM89B 8.9インチタブレット
OS: Windows 8.1 with Bing 32ビット
CPU: Intel Atom Z3735F
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8.9インチ 1,920×1,200
価格帯: 21,880円(2015年7月20日現在の価格ドットコム最安値, Premoa)

コメント: Androidなどの低価格帯タブレットでは有名な会社の製品。Officeはバンドルされず、専用キーボードの設定もない。ごくプレーンな構成でその分割安な製品といえる。

紹介記事: KEIAN(恵安) KEM-89B - 中華ではない恵安、今度は8.9インチタブレットを発表

ASUS TransBook T90 Chi

TransBook T90 Chi
OS: Windows 8.1 with Bing 32ビット
CPU: Intel Atom Z3775
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB/64GB
ディスプレイ: 8.9インチ 1,280×800
価格帯: 33,822円~48,800円(7月20日現在の価格ドットコム最安値, ノジマ&Joshin)

コメント: 筐体のデキには定評のあるTransBookシリーズのひとつ。唯一ヒンジ付きの筐体であり、ノートPCとして使用可能。タブレット単体では厚さ7.5 mm、重量約400gと、今回の比較機種中最も薄く、軽い。Officeつき・ストレージ64GBモデルの設定があり、Office有無を選ぶことができる。価格もワンランク上だがパッケージングと性能もワンランク上

紹介記事: ASUS TransBook T90 Chi - タブレットメインならこれ!8.9インチ、本体重量400gの2 in 1

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2.性能

1位: ASUS
2位: テックウインド

今回の比較対象機種はASUSを除き、すべてCPUはAtom Z3735F、RAMは2GBです。そのため、上位のCPUであるZ3775を搭載したASUSが自動的に1位ということになります。また、2位はCPUの差ではなく、ストレージが64GBだという理由でテックウインドにしています。ただ、あくまでもスペック表上の順位であって、個人的には(実体験にもとづき)タブレットで使うCPUはZ3735FでもZ3775でも大きな性能差にはならないと思っていますので、この記事を読んでいただいているみなさんには、この部分はあまり重視してほしくはありません。

3.専用キーボード

iiyama 9P1150T-AT-FEM キーボード

画像はマウス WN-891のものです


1位: マウス/iiyama
2位: ASUS
3位: ドスパラ

専用のキーボードが用意されているのはこの4機種です。マウスとiiyamaは同じ筐体なのでひとくくりにしています。この中で9インチ筐体にフィットする設計なのがマウス/iiyamaとASUSで、ドスパラは8インチ用のものを使います。ドスパラの8インチ用キーボードを試用した経験がありますが、打鍵感は文句なしに素晴らしいものの、9インチ筐体に合わせて作られているマウス/iiyamaとASUSよりは絶対的なサイズが小さめになってしまうため、慣れが必要である、ということはありますね。

また、本体と物理接続(USB)するタイプはマウスのみです。Bluetooth接続が悪いとは言いませんが、キーボードの場合、無線接続による遅延や誤動作の発生可能性が若干でもありうる、というのはマイナスポイントとせざるを得ないでしょう。このことから、1位はマウス/iiyama、2位はASUS、そして3位をドスパラとしました。これ以外の機種とドスパラをキーボードなしで購入する場合は必要に応じて純正品以外の外付けキーボードを用意することになります。もちろんキーボード不要、という選択肢もあるので、その場合は1位のマウス/iiyamaと2位のASUSは強制的にキーボードがついてくるのが逆にマイナスとなるかもしれませんね。

4.ディスプレイ解像度

1位: ドスパラ
1位: テックウインド
1位: 恵安

意外なことに普及価格帯の9インチタブレットの解像度は1920 × 1200が普通にあります。マウス/iiyamaとASUSが1280 × 800です。1280 × 800の解像度が悪い、ということは決してありません。ノートPCであれば中位モデルまでは1366 × 768というものが主流なので、ある意味9インチのジャンルはオーバースペックなのかもしれません。私は1,920 × 1,200の8インチタブレットと1,280 × 800の10インチ2 in 1を併用していて、個人的には解像度の違いは普段使いではあまり意識することはないのですが、異なる解像度の製品を並べてしまうと一目瞭然で違いがわかってしまいます。どの程度重視するかは個人の考えによりますが、せっかくなら高解像度のほうがいいですよね

5.筐体

ASUS TransBook T90 Chi
1位: ASUS
2位: ドスパラ
3位: マウス/iiyama

筐体はヒンジつき2 in 1形態で、タブレット本体だけ見ても厚さ7.5mm、重量約400gというASUSがダントツです。2位と3位は純正キーボードがあり、キーボード接続時の使い勝手がよく考えられているドスパラとマウス/iiyamaを選びました。2位と3位の差はほとんどないに等しいですが、ドスパラは組み立て作業がほとんど発生しないので、優位としています。

6.バリエーション

1位: ドスパラ
2位: ASUS
3位: マウス/iiyama

私が一番評価したいのがドスパラです。Officeの有無だけでなく、キーボードの有無を選ぶことができ、ユーザーが本当に望む構成を選ぶことができます。個人的意見としては、「8インチと10インチのいいとこどり」として9インチを選ぶのなら、たとえ使用頻度が低いと思う場合でも、一応キーボードは用意しておくべきだと思います。ですが、キーボードは購入後に必要に迫られてからでいい、という人もいるでしょうし、最近は純正品でなくともデザインや打鍵感が優れたものが多いので、当初キーボードなしで購入する、という考えも妥当だと思います。上の方にも書きましたが、キーボードが不要、という前提に立つ場合、ASUS, マウス, iiyamaはむしろムダな装備を掴まされてしまう、ということになってしまいます。

Officeの場合はちょっと話が異なります。最初からOfficeがバンドルされている製品を購入するほうが、後で製品版のOfficeを購入するよりも圧倒的に経済的だからです。そのため、この部分は購入時によく検討すべきです。テックウインドとKEIANはOfficeつきを選ぶことができないという時点でOfficegが必要な人にとってはかなり厳しい条件になります。

ただし、現在は無料で使えるOffice Onlineもありますし、契約期間を月単位で決めることのできるOffice365もあります。タブレットとOfficeの関係については別記事を書いていますので、ぜひこちらの記事も参照してください。
タブレットにOfficeって本当に必要なのか、もう一度よく考えてみよう

ということで、2位のASUSは「Officeなし+ストレージ32GB」と「Officeあり+ストレージ64GB」を選ぶことができ、3位のマウス/iiyamaはブランド名こそ異なりますが、Officeの有無を選択できるということで順位付けしています。ストレージ64GBを選べる方が2位、ということにしておきました。

7.価格

1位: iiyama/マウス
2位: KEIAN
3位: 決められません

最後に価格です。キーボードの有無、ディスプレイ解像度、Office有無など、条件が異なるため、単純に絶対価格だけでは決めにくいですが、最も割安と感じられるのはやはりiiyamaです。そして、Officeが必要な場合はiiyamaに5,400円の追金で入手できるマウスも割安感が強いです。キーボードとOfficeなしならKEIANの実売21,880円というのが魅力的です。

ただ、今回の機種比較では、ASUSを選ぶ人は他機種は眼中にないと思われますし、キーボード、ディスプレイ解像度、Office有無についてもそれぞれ個人の考えがあると思います。例えばKEIANが一番安いからといっても、製品版のOfficeが必要という人はOfficeが完全別売りのKEIANにしちゃうと総支払額がめちゃめちゃ高くなります。また、キーボードがいらない、という人にとってはマウス/iiyamaは「余計なお世話」になってしまうでしょう。あと、テックウインドは3G専用ながらSIMスロットがついているので、それを購入理由とする場合は他機種は選択できなくなります。

キーボード、ディスプレイ、Officeに対するニーズを先に決めたら、一気に選択肢が狭まるはずです。例えば「純正キーボードあり、ディスプレイ解像度はこだわらない、Officeはいらない」という場合、ドスパラ、iiyama、ASUSの3機種になりますから、ここで予算とかデザインとかを考慮して決める、という感じでしょうね。

結論として思うのは、CPUとRAM、ストレージの構成がほぼワンメイクになっているように見えても、それぞれの機種はちゃんと個性というか特長を備えていて、ニーズに合わせて機種を絞り込むことができるし、その必要もあるということです。また、今回の比較対象機種はコストパフォーマンスという意味ではほとんど史上最強と言っていいくらい充実していると思います。

あとはWindows 10へのアップグレードが気になるところですが、全機種Microsoftのアップグレード基準には適合します。ただし、メーカーとしてアップグレード可能ということを公言しているのはASUSのみで、テックウインドはアップグレードした場合保証適用外となる旨明言しています。ドスパラとマウス/iiyama、そしてKEIANはいまのところアップグレード対応を明言していません。どうしても気になる場合はWindows 10が正式リリースされる7月29日以降、メーカーのアナウンスが出揃うまで待つ、という手もあるでしょうね。

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コメント

  1. 匿名 より:

    8インチだろうが、9インチだろうがスペックに差異はほとんどありませんね。キーボードなんかで差別化せずに、充電用のMicroUSBに加えてフルサイズのUSB3.0(百歩譲ってUSB2.0)を搭載すれば大きなアドバンテージになるのに。

    なんでWinBook TW801のような機種が日本で販売されないんだろ不思議だ。

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。確かに現行の8インチと9インチはほぼ同スペックで、9インチのほうが解像度が高め、位の差ですね。おっしゃるとおり、入出力関係で差別化するとか、テックウインドの用にSIMスロットをつけるとか、もう少し各社メリハリをつけてくれたら面白いですよね。でも、記事に書いたとおり、この9インチ市場、まれに見る高コスパの戦いだと思います。なので、いっそCore M搭載機を10万円以下で出すとかもよさそうですね。