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Windowsタブレット・2 in 1 機種比較 - (2015年冬)中国タブレット、8インチ編

8インチ中国タブレットの比較

中国タブレットっぽい製品紹介画像

こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。米国では11月末の「ブラック・フライデー」を境に年末商戦(ホリデーシーズン)に突入しますが、日本でも12月はボーナス期ですから、タブレットや2 in 1の購入を検討している人も多いと思います。これから数回にわたり、Windowsタブレットや2 in 1の機種比較をしていこうと思います。

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8インチタブレットに関しては、今年はちょっと様相が変わっていて、日本メーカーから全然新製品が登場していません。次回に日本メーカー製品を比較してみますが、見どころはスペックではなくて実売価格となります。これはこれで面白いんですが、ちょっと淋しくもあります。それで、今回は非常に元気のいい「中国タブレット」をテーマに8インチタブレットの機種比較をしてみます。

1.注意事項

この記事でいう「中国タブレット」とは日本に正規輸入されていない、日本向けではない製品のことです。これらの製品はスペックが高く、価格も非常に安いのが魅力ですが、日本メーカーのようにしっかりした保証体制がないことが多く、品質にもばらつきがあります。また、「技適マーク」がついていないため、日本で無線LANやBluetoothを使用すると違法になります(ただし摘発事例は聞いたことがありません)。また、入手するためには日本の並行輸入品販売店か、海外通販サイトを利用して購入することになります。日本の並行輸入品販売店は初期不良のみ、ごく短期間の保証にとどまることが多く、実質的に故障時の対応をしてくれませんし、海外通販サイトの多くは1年程度の保証をつけてくれますが、日本語が通じないため英語もしくは中国語でコミュニケーションを取る必要があります。

中国タブレットの購入は、トラブル発生時に自分でなんとかできるような人でないと厳しいと思われ、特にPC知識に自信のない人は避けたほうが無難かと思います。

2.比較対象機種

Teclast X80 Pro & Plus

Teclast X80 Pro & X80 Plus
OS: Windows 10
CPU: Intel Atom x5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ:
  Pro:8インチIPS(1,920 × 1,200)
  Plus:8インチIPS(1,280 × 800)
カメラ: イン30万画素/アウト200万画素
入出力: microUSB、microSD、microHDMI、ヘッドフォンジャック
サイズ: 208 × 122 × 10 mm、重量327 g
価格:
  Pro:115.49ドル(14,774円)
  Plus:97.99ドル(12,535円)

ウインタブ紹介記事:Teclast X80 ProとX80 Plus ー 8インチでCherryTrailな中国タブレットがどんどん出てくるね

Chuwi Hi8 Pro

Chuwi Hi8 Pro
OS: Windows 10
CPU: Intel Atom x5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチIPS(1,920 × 1,200)
カメラ: イン200万画素/アウト200万画素
入出力: microUSB(Type-c)、microHDMI、microSD、ヘッドフォンジャック
サイズ: 211.2 × 123.2 × 9.6 mm、重量350 g
価格: 95.23ドル(12,182円)

ウインタブ紹介記事: Chuwi Hi8 Pro - 話題の激安8インチタブレットがCherryTrailになった

Vido W8X

Vido W8X
OS: Windows 10
CPU:Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチIPS(1280 x 800)
カメラ: イン200万画素 / アウト200万画素
入出力: microUSB、miniHDMI、microSDスロット、ヘッドフォンジャック
サイズ: 207 x 122 x 9.2 mm / 重量285 g
価格: 96.21ドル(12,308円)
※重量について、当初207 gであると報じられていましたが、メーカー公式サイトでは285 gとなっています。

ウインタブ紹介記事: Vido W8X - 中国タブレットはどんどんCherryTrailに切り替えてますね

Cube iWork8 Ultimate

Cube iwork8 Ultimate
OS: Windows 10
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチIPS(1,280 × 800)
ネットワーク:  802.11b/g/n、Bluetooth
カメラ: イン2MP / アウト2MP
入出力: microUSB、microHDMI、ヘッドフォンジャック、microSD
サイズ: 213.38 x 127.09 x 9.8 mm / 重量 349 g
価格: 84.89ドル(10,860円)

ウインタブ紹介記事: Cube iWork8 Ultimate - Windows 10、CherryTrail搭載の8インチ、これが最安値か?

Onda V820W CH

Onda V820W CH
OS: Windows 10
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチIPS(1,280 × 800)
ネットワーク:  802.11b/g/n、Bluetooth
カメラ: イン2MP / アウト2MP
入出力: microUSB、microHDMI、ヘッドフォンジャック、microSD
サイズ: 205 x 120 x 8.9 mm / 重量 355 g
価格: 95.08ドル(12,163円)

ウインタブ紹介記事: Onda V820W CH - 8インチ中国タブレットの標準スペック、スリムなサイズが魅力

3.CPU・RAM・ストレージは横並び

今回記事にしてみて、あらためて面白く感じたのは、中国の最新8インチはOS、CPU、RAM、ストレージといった、スペック表の上の方に出てくる主要構成が完全に横並びだということです。「Windows 10、Atom X5-Z8300、2GB、32GB」ですね。ということは処理性能に関してもほぼ互角、ということになるでしょう。日本メーカーがまだ8インチにCherryTrailを搭載していない現状を見ると、中国タブレットのチャレンジ精神は素晴らしいと言えます。一方、RAMやストレージは特に際立っているわけではなく、8インチタブレットとしてはごく普通の水準にとどまっています。

Atom Z8300と2GBのRAMで、BayTrail世代のAtom Z3735Fとどのくらいの性能差があるのか、ということはハッキリとは言えませんが、個人的には8インチタブレットの利用シーンを考えてみた場合、それほど大きな体感差はないものと思います。

4.ディスプレイ解像度に差あり

ディスプレイ解像度に差あり
ディスプレイ解像度には差がついています。具体的には「1,920 ×1,200」グループと「1,280 × 800」グループに分かれます。

1,920 × 1,200: Teclast X80 Pro、Chuwi Hi8 Pro
1,200 × 800: Teclast X80 Plus、Vido W8X、Cube iWork8 Ultimate、Onda V820W CH

興味深いのがTeclastで、同じX80という型番の中で2種類の解像度を使っています。両者の価格差は約2,200円となっていて、このくらいなら高解像度のほうがいいかな、と思いますね。8インチタブレットの場合、1,280 × 800という解像度であっても特に支障はなく、普通に使えますが、これら2種類の解像度の製品を並べてみるとハッキリと差を感じるので、ここは高解像度の製品の方がリードしている、と言えます。

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5.入出力ポートに注意

入出力ポートのチェック
8インチタブレットの場合、特にビジネス利用を考えると簡単に外部モニターに画像出力できるHDMIポートは絶対にあったほうがいいです。今回の対象製品はすべてHDMIポートを備えているので、その点は安心です。また、Chuwi Hi8 ProのみはUSB Type-Cを採用していて先進的です。ただ、この点は両刃の剣で、「いやこれだけType-Cでも困るし」という人もいると思います。メインマシンがUSB Type-Cなら喜々として周辺機器を買い揃えると思いますけど、中国タブレットが初めてのUSB Type-Cだったりすると若干複雑なものがあるかもしれませんね。

6.サイズには結構な差がある

中国タブレットのサイズには差がある
Teclast X80 Pro & Plus: 208 × 122 × 10 mm / 327 g
Chuwi Hi8 Pro: 211.2 × 123.2 × 9.6 mm / 350 g
Vido W8X: 207 x 122 x 9.2 mm / 285 g
Cube iWork8 Ultimate: 213.38 x 127.09 x 9.8 mm / 349 g
Onda V820W CH: 205 x 120 x 8.9 mm / 355 g

中国タブレット全般に言えることなのですが、サイズ表記がかなりテキトーですし、誤っていることも多いです。サイズの表記ミスを見つけたら修正するようにはしていますが、それでもちょっと心配ではあります。一応このサイズ表記が正しい、という前提で書くと、Cubeを除き、各製品ともスリム(縦持ち時の幅が狭い)になりました。製品画像を見てもベゼル幅がかなり狭くなっているものが多いので、ずいぶんとスタイリッシュになったなあ、と感じます。一方、重量についてはばらつきがあります。私は8インチタブレットの場合、350gを切るようなら非常に優秀、と考えているのですが、Vidoなんか285 gしかありませんからね。Vidoについては当初「207 g」というめちゃくちゃな数値が飛び交っていましたが、現在公式サイトでは285 gとなっているので、おそらくこれが正しい数値かと思われます。

また、Chuwiについては前身機「Chuwi Hi8」を試用したことがあり、この製品は厚さ7.9 mm、重量310 gとなっていました。しかし、筐体の質感は低いわ、剛性感はないわで、個人的にはあまり感心していませんでした。Chuwi Hi8 Proの方は筐体に厚みを増し、重量も重くなっていて(おそらくCherryTrailの熱対策だと思われます)、これはむしろ安心できるのでは?と思いました。

少しでも小さく、軽く、ということであればVidoが優位ですが、筐体の剛性感とかが少し心配かな、と思います。この中で筐体品質に期待できそうなのがTeclastでしょうね。9.7インチタブレット「Teclast X98 Pro」の試用をした経験では、筐体のデキがかなりよかったと感じましたし、Webで情報収集してもTeclastの筐体は比較的高評価です。

7.価格

Teclast X80 Pro: 115.49ドル(14,774円)
Teclast X80 Plus: 97.99ドル(12,535円)
Vido W8X: 96.21ドル(12,308円)
Chuwi Hi8 Pro: 95.23ドル(12,182円)
Onda V820W CH: 95.08ドル(12,163円)
Cube iWork8 Ultimate: 84.89ドル(10,860円)
※いずれも2015年11月21日現在、通販サイト「GEARBEST」の表示価格

価格についてはTeclast X80 Proが最も高く、Cube Hi8 Ultimateが最も安くなっています。対象機種のボリュームゾーンとなる価格帯は12,000円強ですね。最近は日本メーカーの8インチタブレットも安売り傾向にあり、2万円前後のものが多くなっていますが、やはり中国製品はそれより一段も二段も安いです。Teclast X80 Proについては、ディスプレイ解像度が高く、おそらく筐体の仕上がりがもっともいいと期待できるので、この結果は順当といえるかもしれません。また群を抜いて低価格なCube iWork8 Ultimateは価格勝負を制した、ということで価値がありますね。

注)中国の通販サイトはGEARBESTだけでなく、他にもたくさんあります。また製品価格も通販サイトごとに異なりますし、セールなどによって大きく変動することもあります。そのため、この価格比較は参考程度にお考え下さい。

8.メーカーについて

どのメーカーが信用できてどこが信用できないのか、ということはわかりません。先日GEARBESTの人に「Onda、Teclast、Vido、Chuwi、Cubeのうち、いちばん大きい会社はどれ?」と聞いてみたところ、「中国のマーケットシェアではTeclastが一番大きくて、あとはcube、Onda、chuwi、vidoの順かな。でも全部トップ20に入る会社だよ。」とのことでした。これはカジュアルなメールのやり取りで得た情報なので、きちんと数値を出して比較したものではない(従って正確ではない可能性がある)し、通販サイトの人の体感的な見方なのかもしれません。また、会社が大きければいい、というものでもないですしね。でも、私としては面白い話を聞けたと思いましたので、読者の方にもお伝えしておきます。

ということで、製品の品質とはちょっと違いますが、製造メーカーとしてはどこも立派な大企業のようです。

9.結論

中国タブレットに関しては実機に触れることができないため、カタログスペックと過去の数少ない、同一メーカーの製品の実機試用体験にもとづいて書かざるを得ませんでした。その点あらかじめご了承下さい。

8インチ中国タブレットは、これまで書いてきた通り、OS、CPU、RAM、ストレージに差がないため、ディスプレイ解像度、入出力ポート、サイズ感といった部分で比較する必要があるのと、カタログに現れない「質感」について推測していくしかありません。その上で価格をチェックして最終的にどれを選ぶのか決める、というプロセスになるかな、と思います。

まずはカタログスペックと品質面(推測)のバランスでTeclast X80 Proを評価したいと思います。他の製品との差は小さいですが、ディスプレイ解像度が高く、入出力ポートもしっかりしています。サイズは最小でも最軽量でもないけれど、最新型として十分に小型軽量であると思います。また、ここが一番大きいのですが、Teclastの筐体は別製品で試用したことがあり、わりと安心できる、という気持ちがあります。

次に価格ではやはり最安値のCube iWork8 Ultimateを評価したいです。私達が中国タブレットの購入を検討するとき、やはり価格が安い、ということが最大の理由になると思いますし、比較対象機種中、Cubeだけが際立って安い、ということもわかりました。Cubeはややサイズが大きいですし、ディスプレイ解像度も高くはないのですが、それを補うにふさわしい低価格であると思います。

それ以外の製品もそれぞれの魅力があり、ディスプレイ解像度が高くUSB Type-Cを採用するChuwi Hi8 Pro、抜群に軽いVido W8Xというのも検討する際の優先順位のつけ方によっては魅力を増します。

いかがでしょうか?中国の8インチタブレット、記事の冒頭触れた通り、PC初心者の方にはおすすめできませんが、「あえてリスクテイクして楽しむ」くらいの気持ちがあるのなら考えてみてもいいかもしれません。お財布的なリスクは小さめですしね。

10.参照サイト

GEARBEST
※海外の通販サイトを利用する際は、そのサイトの取引ルールをよく確認してからにしましょう。例えばGEARBESTの場合は標準の無料配送を使うと、配送が非常に長期化する可能性があります。

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