マウスコンピューターがCPUにデスクトップPC用のCore i3/Core i5/Core i7を搭載する15.6インチノート「m-Book Gシリーズ」を発売しました。マウス(マウスとiiyama)ではノートPCにデスクトップ用CPUを搭載する事例が多いのですが、今回はメインの製品ブランド「m-Book」で、しかも割安感のあるものに仕上げてきました。
1.スペック
選択できるデスクトップ用CPUはCore i3/Core i5/Core i7の5型番で、それぞれのベンチマークスコアは下記のとおりです。
Core i3-8100: 8,063
Core i5-8400: 11,618
Core i5-8500: 11,880
Core i5-8600: 12,658
Core i7-8700: 15,130
Core i7-8550U: 8,315
Core i7-8565U: 9,279
Core i7-8750H: 12,466
※2月9日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
参考として掲載しているCore i7-8550UはKaby Lake Rで、現在でもノートPCの上位モデルに搭載されているもの、Core i7-8565UはWhiskey Lakeの最新モデルで、徐々に上位ノートに搭載が進んでいるもの、そしてCore i7-8750HはCoffee Lakeの高性能ノート用CPUで、ゲーミングノートではスタンダードと言えるものです。
これを見ると、この製品のCore i3モデルは一般的なノートPCのCore i7クラス(それより若干性能が低め)、Core i5モデルとCore i7モデルはゲーミングノート並みかそれ以上の性能になります。Passmarkの公表値がPC性能のすべてを説明できるわけではありませんが、「なーんだ、Core i3か、たいしたことないなあ」というのはこの製品に関しては当てはまりません。
なお、この製品にはいくつかのベースモデルが用意されていて、Core i3を標準搭載するモデルはCore i3/Core i5の3型番の合計4種類、Core i5を標準搭載するモデルはCore i5-8500/Core i5-8600/Core i7-8700の3種類、Core i7を標準搭載するモデルはCore i7のみ、という選択肢になります。
RAMはベースモデルによって最低容量が異なりますが、4GB(Core i3モデルのみ)から最大で32GBまでとなります。ストレージは2基搭載可能で、SSD + HDDあるいはSSD + SSDとすることができます。ちなみに搭載可能な最大容量は「2TB SSD + 2TB SSD(Core i7モデル)」です。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、IPSなのかTNなのかは開示されていません。入出力ポートは合計で4つのUSB、2つの映像出力専用ポート(HDMIとD-sub)、有線LAN、そしてフル規格のSDカードリーダーを備えていて、マウスらしく充実しています。
CPUをデスクトップ用にしたということで少し気になるのがバッテリー稼働時間です。この製品の稼働時間は約8.5時間となっていて、15.6インチスタンダードノートとして長いほうではありませんが、「話半分(ウインタブではJEITAの測定方式を全く信用していません)」としても実用性がないというわけでもありません。モバイルノートではないので、このくらい使えるのなら、あまり気にしなくていいのかもしれないですね。
サイズは特に小さいほうではなく、むしろ最新の15.6インチの上位クラス製品と比較してやや大きいと思います。「よくある15.6インチ」と考えていいでしょう。
2.筐体
マウスとしては珍しく、正面からのアングルの画像が公開されていません。しかし、サイズを見ればナローベゼルということはなく、ごく普通のスタンダードノートであることは容易に想像できますし、実際この画像を見てもそんな感じです。やや厚みがありますね。
天板です。筐体素材については開示されていません。ブラック基調のシンプルなデザインだと思います。ただ、背面とか側面後方の通気口は少し目立つというか、ゲーミングノートっぽいゴツさがあります。
キーボードです。「日本語キーボード (107キー/ ピッチ約18mm/ ストローク約1.8mm)」ということなので、特に狭苦しさを感じることはないでしょう。また、先日別製品の紹介記事で、マウスの15.6インチ用キーボードについて「右側のShiftキーが小さいのは致命的」という趣旨のコメントがありましたが、この画像を見ると確かに小さいですね。私はこのタイプのキーボードを試用したことがあり、使い始めのうちこのShiftキーでミスタイプをしてしまいましたが、「致命的」とまでは思っておらず、慣れれば特に問題ないと考えます。
タッチパッドには物理クリックボタンが2つあり、タッチパッドを常用する人には使いやすそうに思われます。なお、バックライトの有無については開示されていませんが、マウス系の他製品での経験上、おそらくバックライトなしだと思います。
側面と入出力ポートの配置です。ポートの数と種類については文句なしだと思います。スペック説明のところで「よくある15.6インチ」のサイズ感である、と書きましたが、こうしてみると結構厚さはありますね。
マウス系ノートのいいところである「着脱式バッテリー」です。注文用の画面(カスタマイズ画面)だと予備バッテリーの同時購入はできないようなのですが、この構造であれば、2、3年経ってバッテリーがヘタってきても困りませんよね。
3.価格など
マウス m-Book Gシリーズはマウスコンピューター公式サイトで販売中で、2月9日現在の価格は74,800円(税込み80,784円)から、となっています。ただし、最低価格のベースモデルは「Core i3/RAM4GB/500GB HDD」という構成なので、わざわざデスクトップPC用のCPUを搭載する製品としてふさわしいであろう「Core i3/RAM8GB/128GB SSD + 500GB HDD」という構成にすると88,400円(税込み95,472円)となります。何回かカスタマイズを試してみましたが、だいたい10万円から12万円くらいでかなり満足の行く構成にすることができました。興味のある人は試してみてください。
この製品はCPU性能に関してはノートPCとしてハイエンドと言えるでしょう。一方で外部GPU(GeForceやRadeon)の搭載はできないので、ゲーミングマシンとしては(そこそこ使えると思いますけど)あまり向きません。ただ、モバイル利用を前提とせず、自宅やオフィスで半据え置き型として使うPCとしては非常に性能が高く、しかもお買い得な製品だと思います。