Surface Go 2にCHUWI HiPen H6で描く - 最も手軽なSurfaceファミリーと互換スタイラスペンの相性やいかに?

chuwi hipen h6_with_surface go2
こんにちは、natsukiです。今回は、ちょっとひねくれたレビュー、というかお遊び成分多めの実験記事です。「Surface Go 2」に、互換ペンの「CHUWI HiPen H6」で描いてみて、イラスト作成に耐えうる品質なのか見てみようというものです。注目ポイントは2点ありまして、ひとつは、Surface Go 2のデジタイザーの性能チェックです。Surfaceファミリーの中では最も廉価なSurface Go 2ですが、それでも、きっちり筆圧4096段階のペンには対応しています。その実力は実際のところどのくらいなのか?

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もう1点は、Surfaceペンの互換のスタイラスペン「CHUWI HiPen H6」の使い心地です。はたして、互換ペンでどのくらい使えるのか? 本来なら、純正Surfaceペンでレビューすべきなんでしょうが、そこはまあ、両方とも自前調達なんで、ご勘弁ください。実際問題、SurfaceシリーズもSurfaceペンも高価なので、シリーズ最廉価の「Surface Go 2」と安価な「互換ペン」の組み合わせで、どの程度イラスト作成ができるか、というのは興味を持つ人も多いと思います。

1.「Surface Go 2」について

surface go 2

使用するSurface Go 2は、CPUにCore M3を搭載する上位バージョンです。厳密に言うと、ワケありルートで入手したんで、一般販売品と少し構成が異なるんですが、その辺は省略。今回はSurface Go 2の細かい性能は関係無いので、全体像については、別記事の実機レビューをご覧ください。

イラスト作成の観点から見たSurface Go 2の特徴をまとめておきます。まずは、価格。Surfaceファミリー最安値。それでも、コミコミ10万は覚悟のお値段ですけど。ただ、Core M3版ともなれば、イラスト作成以外にも広く使えるので、「イラスト作成にも」使えないか? と思うのは当然でしょう。
2019 newyear_surface go

また、2年前の年始にSurfaceファミリーのデジタイザの使い心地を店頭で試し書きして比較したのを記事で取りあげたことがありました。このときの感覚だと、上位のSurface ProとSurface Bookは、イラスト作成のためのデジタイザというのには注力しておらず(線がゆがむジッターがひどい)、むしろ廉価なSurface GOの方が、デジタイザには力を入れている印象でした。ただ、パームリジェクション(ペン入力時にタッチ操作を自動で無効化する機能)の効きが最悪で、使用には非常にストレスが溜まりました。もっともこれは、店頭ゆえに、展示品であるための不具合、保護フィルムとの相性、ペンの電池切れ、冬場だったので私が静電気バリバリ、といった環境のせいもあるかもしれません。ともかく、Suafaceファミリーの中では、もっともデジタイザ性能がイラストに使えそうだったのは、Surface GOだったので、後継機であるSurface Go 2のデジタイザ性能には、自然と期待が高まるわけです。

2.「CHUWI HiPen H6」について

hipen h6

「CHUWI HiPen H6」は、本来は「CHUWI UBook Pro」「CHUWI Hi10 X」など用のペンで、前に実機レビューした「Chuwi UBook X」のために購入したものです。
hipen h6_port

4096段階の筆圧に対応し、Surfaceペンの互換をうたいます。電池は、乾電池ではなく、microUSBからの充電式。サイドボタンは2つ付いています。価格ですが、Amazonだとおおむね4,000円台。私はAliexpressで、ほぼ半額で買いました。

ちなみに、肝心のChuwi UBook Xでの使用感はどうだったかというと……、感度、反応速度ともに「惜しい」という感じで、「メモにはいいけれど、がっつりと文字を快適に書き込んだり、イラスト作成レベルには厳しい」という、あまり面白みのない結果に終わりまして。じゃあ、Surface Go 2ではどうなんだろう?名誉挽回なるか、というわけです。

3.使用感

「Cube Mix Plus」との比較評価

cube mix plus

比較対象としては、中華タブレットの名機「Cube Mix Plus」に出てきていただきましょう。CPUはCore m-7Y30、デジタイザにワコム製でペンに電池要らずのWacom feel IT Technologiesを搭載。筆圧検知は1024段階です。検証に使ったソフトは、おなじみCLIP STUDIO PAINT。ただ、アカウントの関係で、Surface Go 2は簡易版の「DEBUT」、Cube Mix Plusは「PRO」となります。検証に絡む基礎性能は変わらないはず。動画では、映像で分かりにくい感覚レベルの部分は、Cube Mix Plus側は省略しています。

CHUWI HiPen H6をSurface Go 2に使ってみた

ポインターの精確さ、ジッターの少なさ、パームリジェクション(ペン使用時はタッチに反応しない機能)の誤作動の少なさ、といった基礎性能ではSurface Go 2に軍配が上がります。店頭だったとはいえ、先代Surface Goとは別物の性能。この辺は、素晴らしいの一言です。

太めのブラシを使ったときの処理性能は、両者ほぼ変わらず。ペンの追随性では、Cube Mix Plusが少し上。これは、動画では判別が難しいけれど、実際に描くと感じ取れるくらいの差です。やはり、ワコムは強いか。それから、速く描いていると、Surface GO 2では、線の終わりの処理にミスが出ることがあります。どうも、ペンがディスプレイから浮いていても反応が少し続いてしまう場合があるようです。

ディスプレイ品質は、サイズと解像度は大差ないながら、やはりSurface Go 2の発色は美しい。Cube Mix Plusは、ペーパーライクフィルムを貼っているため発色で比較するのは酷なんですが、その他の機種と比べても、Surface Go 2の発色の鮮やかさは明らかです。

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Surface Go 2
Cube Mix Plus
使用ペン
CHUWI Hipen H6
富士通スタイラスペン
ペン形式
Surface ペン
Wacom feel IT Technologies
筆圧段階
4096段階
1024段階
精度


画面端近くではズレる
ジッター


追随性

Mix Plusよりわずかに遅れる

パームリジェクション


ディスプレイ

10.5インチ
1920×1280ピクセル
発色は明らかにいい

10.6インチ
1920×1080ピクセル
処理能力


その他
線の終わりの処理にミスが出るときがある
安価な互換ペンが非常に多い

と、能力においては、総合的にどう見てもSurface Go 2の勝ち。まあ、メーカーの大きさだけでなく、発売時期もそうとうに差がありますからね。

しかし、です。実際にどっちが「描きやすいか」と聞かれると、結論だけを言えば、「圧倒的にCube Mix Plus」です。一体全体どういうことかというと、これは、性能の問題ではなく、物理的なに「摩擦」と「ペンの造り」の問題です。え、イラストに使えるかという記事なのに、イラスト描いてないって?うん、ごめんなさい、この描き味だとちょっと描く気にはなれんです。そのくらいなんですよ。以下、追って解説します。

4.スペック以上に、「摩擦」と「ペンの造り」が使用感を左右する

「描きやすさ」を分けるもの

nib

CHUWI Hipen H6 / 富士通スタイラスペン(芯は自作)

Cube Mix Plusは、ディスプレイにPDA工房の「ペーパーライクフィルム」を貼り、かつ、ペン側には、いろいろな材質を試した結果、もっともしっくりきた竹製の自作(笑)の芯を装備しています。要するに、物理的な面で、自分が最も描きやすい摩擦の具合を徹底追求してあります。別機種の話になりますが、電子ペーパータブレットBOOXシリーズのペンと、電子ペーパー専門店SKTが付けてくれるミヤビックス製保護フィルムの相性も抜群で、だからこそBOOXシリーズの優れたペン性能をストレス無く十全に発揮できます。

一方のSurface Go 2は、保護フィルム無しで、CHUWI Hipen H6の芯は硬いプラスチック材質のため、ツルツルで摩擦がほとんど無い。その上、Hipen H6は芯が少しカチャ付くのと、やや沈み込む構造になっているので、ペン先が安定しません。これが、実際の描き味では非常に大きな差になります。

「CHUWI Hipen H6」のSurface互換ペンとしての評価

CHUWI Hipen H6をSurface互換ペンとしてみた場合、性能的には十分に動作します。しかし、芯の造りがよろしくない。上述のように、カチャ付きがあり、仕様としてわずかに沈み込むようになっている。芯の材質も硬いため、ディスプレイ上を滑ってしまう。これらの要素が、描き味を損なってしまっています。また、替え芯がないので、もしSurface Go 2にペーパーライクフィルムなどの摩擦の強いフィルムを貼ったとすると、芯が削れてしまって使えなくなってしまう。

と、いうわけで、CHUWI Hipen H6は、メモ程度に使うなら十分な性能を持っていますが、本格的にイラストを描きたいならば、役者不足です。これ、電子的な部分は問題ないのに、芯の造りという、比較的どうとでもなりそうな部分でつまづいているので、とても惜しい。

純正「Surfaceペン」はどうか?

じゃあ、やっぱり純正Surfaceペンか? ということになってきます。考察のポイントは以下のようなところでしょう。
・高価:Amazonなどのセール価格で、いちおう1万円は切るようですが、にしても高い。旧世代のペンと間違えないように。
・乾電池式:個人的には、充電の方がありがたい。重いし。
・ペン先の摩擦は?:最重要項目。現行のSurface芯は、ゴムのような素材のものがあります。動画の中ではエラストマー芯と書いていますが、それは旧世代のペンですね。このゴム素材のペンはきっちり試したことがないため、すみませんがこの場では評価できません。
・替え芯が不便:Surfaceペンの替え芯は、「違う種類を1本ずつセットで」という意味不明な販売方法です。いや、替え芯ってのは、ひとつの芯を多用した結果、摩耗するから換えるんであって、種類の違うのをセット販売はおかしいだろ!しかも高いのに。こういう、Microsoftの「抱き合わせ体質」はホントなんとかならんですかね。

ともかくも、ゴム素材の芯の摩擦次第といったところでしょうか。現状、Surface Go 2を使っているのは私ではなく、イラスト用途で利用する予定がありません。そのため、当面Surfaceペンを買うこともないので、考察だけで終わってしまいましたがご容赦ください。イラスト描かなきゃ、CHUWI Hipen H6で十分なもんで。

5.まとめ

Surface Go 2はイラスト作成に耐えうる「性能」を持っている

まず、Surface Go 2は、その「性能」として、イラスト作成にも耐えうるだけのものを十分に持っています。追随性がわずかに惜しいくらいです。これは、旧世代のSurfaceシリーズを店頭で試した経験と比べると、長足の進歩を遂げているといってよく、非常に高く評価できます。

イラスト作成には「摩擦」こそ重要

今回の検証結果を言えば、「Surface Go 2」と「CHUWI Hipen H6」の組み合わせは、「メモ書きには十分、イラスト作成には向かない」となります。決定的なのは、電子的な「性能」の部分ではなく、「物理的な摩擦とペンの造り」の部分でした。

摩擦の追求には、2つの方向性があります。ひとつは、タブレット側は手を加えず、ペンの素材に頼ること。純正Surfaceペンを買って芯のバリエーションを試せということですね。もうひとつは、タブレット側に摩擦の大きい保護フィルムを貼ること。この場合、発色をある程度犠牲にするのと、ペン先の消耗が激しくなるので、替え芯の入手の容易なペンを探すことになります。純正Surfaceペンの場合は、替え芯の価格と販売方法を考えると、ペーパーライクフィルムとの組み合わせはやりたくないですね……

展望

もし、BOOXシリーズのように、適度に摩擦があってペンの摩耗も少ない保護フィルムとそれに適したペンの組み合わせが見つかれば、Suaface Go 2は、イラスト用タブレットとして大化けするポテンシャルを持っています。

うーん、ミヤビックス製PDA工房製の、摩耗は少なそうな保護フィルムを買ってみるかなぁ? あと、CHUWI Hipen H6は、替え芯の販売は無いものの、芯の構造は単なる棒状でシンプルなので、カチャつかないような芯を自作してみるか……。

Surfaceの互換ペンを検討するときは、こういった「摩擦」を重視した観点から考えてみるとよいかもしれません。

6.関連リンク

Surface Go 2icon:メーカーサイト
CHUWI HiPen H6:Amazon(リンク先以外にも複数の出品者があります)

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コメント

  1. 通りすがりの匿名希望 より:

     Surface Go2とHiPen H6の異色組み合わせレビュー、お疲れ様です。
    自分もHiPen H6所有者なのでGo2との相性には関心があります。
    用途がクリエイティブ的作業ですので感性・趣向の合致さは重要なことと思います。
     ただ…なんと言いましょうか…
    Surface互換ペンのレビューでしたら他の人気互換ペンとも合わせて比較する、とか
    Go2本体のお絵描き適性を探るのでしたら純正ペンを揃えて…なりされたほうが、より実りの多い記事になったような気がします。
    (自分はペン先摩耗が嫌でツルツル画面も許容する派です)
     来月出る予定のCHUWI Hi10Goでのレビューを期待してますね!

    • natsuki より:

      コメントありがとうございます。
      今回の記事は、たまたま手元にSurface Go 2とCHUWI Hipen H6があったからという経緯のため、ご容赦ください。
      私が「摩擦がないと描けない」タイプのために酷評していますが、お絵かきタブレットがらみのいろんなレビューを見ていると、ツルツルで全然OKという人も多いので、そこは好みで評価が異なるとも思います。
      ただ、Hipen H6のペン先がカチャつくのは、これは繊細な作業やタッチにとってダメですね。
      機会があれば、他のパターンも試してみたいと思います。

      • 通りすがりの匿名希望 より:

         迅速なお返事有り難うございます。
        本文で御指摘されてたペン先ガチャつきの件、
        手持ちのデジタイザ類をまじまじと観察(ペン先を突っついてみたり)してみました。
        HiPen H6のペン先、特別長いわけではなく
        ほんのりWACOM BAMBOO Inkより短いくらい。
        Acer アクティブスタイラス(筆圧1024 MPP)と同じ長さ。
        それでいてガチャつきを感じるとしたら…造りの甘さか、敢えて”遊び”を入れてる…?
        考えてみましたが当然答えは出ませんでした(笑)
         CHUWIはペン対応PCを割と多く出しているメーカーですので、バリエーションを揃えた替え芯辺りも出して欲しいものです。
        (最新となるHiPen H7の位置付けも知りたい)