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Lenovo Yoga 7 Gen 8 14(AMD)レビュー - 有機ELディスプレイと高性能なZen3+のRyzenを搭載するコンバーチブル2 in 1、コストパフォーマンスも抜群!

Lenovo Yoga 7 Gen 8
レノボのコンバーチブル2 in 1 PC「Yoga 7 Gen 8 14」の実機レビューです。前身機「Yoga 770 14」は非常に高いスペックと高いコストパフォーマンスで大人気となりましたが、このYoga 7 Gen 8もまた、メインPCとして使うのにふさわしいスペックと割安な価格で人気の製品です。

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ここがおすすめ
・Zen3+アーキテクチャのRyzen 5/Ryzen 7の性能は今でも高水準
・全モデル有機ELディスプレイを搭載
・フレキシブルに使えるコンバーチブル2 in 1
・筆圧に対応するペン入力が可能、ペンも付属
・コストパフォーマンスは市場で最高水準
ここはイマイチ
・ディスプレイがグレア(光沢)タイプなので、映り込みは大きめ
販売サイトはこちら
Yoga 7 Gen 8(14, AMD):Lenovo
Yoga 7i Gen 8(14, Intel):Lenovo

1.製品概要

スペック表

  Yoga 7 Gen 8 14
OS Windows 11 Home/Pro
CPU AMD Ryzen 5 7535U/ Ryzen 7 7735U
外部GPU なし
RAM(メモリ) 16GB(LPDDR5-6400MHz, オンボード)
ストレージ 512GB/1TB M.2 PCIe NVMe Gen4 SSD
光学ドライブ なし
ディスプレイ 14インチOLED(1,920 × 1,200)タッチ, 60Hz
14インチOLED(2,880 x 1,800)タッチ, 90Hz
ネットワーク Wi-Fi6E(802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.1
入出力 USB4 Type-C(映像出力対応)、USB3.2 Gen 2 Type-C(映像出力・PD対応)、USB 3.2 Gen1 Type-A、HDMI 、microSDカードリーダー、オーディオジャック
カメラ Webカメラ(1080p)顔認証対応
バッテリー 71Whr(約14.4時間)
サイズ 317.87 x 222.5 x 16.49 mm(最薄部)
重量 1.49 kg

バリエーションモデル

・Ryzen 5/16GB/512GB/1,920 × 1,200(カ)
・Ryzen 7/16GB/512GB/2,880 × 1,800
※左からCPU/RAM/SSD/ディスプレイ
※(カ)はカスタマイズ対応モデル
※レビュー機は「Ryzen 5/16GB/512GB/1,920 × 1,200」という構成でした。Yoga 7 Gen 8(AMD)としては最低価格のモデルです。

コメント

Yoga 7 Gen 8 14は個人向けのモバイルPCとして素晴らしいシステム構成になっています。CPUはZen 3+アーキテクチャのRyzen 5 7535U/Ryzen 7 7735U、RAMは全モデル16GBで、オンボードメモリのため購入後の増設や換装はできません。SSDは512GB/1TBで、カスタマイズ対応モデルのCPUをRyzen 7にする場合に1TBを搭載可能です。

14インチのディスプレイは2種類あり、いずれも有機ELで解像度は1,920 × 1,200と2,880 × 1,800の2種類、CPUをRyzen 7にすると2,880 × 1,800を選べます。また、このディスプレイは筆圧対応のペン入力が可能で、ペンも付属します。

しいてケチを付けるとすれば「重量」でしょうか。モバイルノートとしてはギリギリ許容範囲、と言える1.49 kgという重量は1キロを切るモバイルノートが増えている中、ちょっと重いと感じられます。

2.外観と使用感

同梱物

Lenovo Yoga 7 Gen 8 ACアダプター
ACアダプターは出力が65W、サイズは「ノートPC用としてはまあ普通」くらいで、実測重量は電源ケーブル込みで307 gでした。

Lenovo Yoga 7 Gen 8 ペン
Yoga 7にはペンが付属します。電池式で2ボタン、サイズは普通のボールペンと変わらないくらいです。

Lenovo Yoga 7 Gen 8 ペン装着
USB Type-Aポートに挿して使うペンホルダーも付属しています。

天板と底面

Lenovo Yoga 7 Gen 8 天板
天板です。筐体は金属製でレノボ製品ページに「Al陽極酸化スタンピング」という、一般人にはよくわからない説明がありましたが「アルミ合金製で表面にアルマイト処理をしたもの」とご理解ください。アルマイト処理により、表面の耐腐食性・耐摩耗性が高まるとされています。筐体色は「タイダルティール」といい、「濃紺と緑の中間」という感じの色です。

Lenovo Yoga 7 Gen 8 底面
底面です。こちらには通気口があるのみで、スピーカーグリルはありません。

側面

Lenovo Yoga 7 Gen 8 前面
Lenovo Yoga 7 Gen 8 背面
前面と背面です。ポート類・ボタン類はありません。この画像を見ていただくと、筐体の下半分が丸みをおびた形状であることがわかります。「ちょっと凝っている」と感じられますね。

Lenovo Yoga 7 Gen 8 左側面
左側面です。画像左からHDMI、USB3.2 Gen 2 Type-C、USB4 Type-C、イヤホンジャックです。2つのUSB Type-Cポートはいずれも映像出力とUSB PDに対応します(どちらのType-Cポートでも本機への充電が可能です)。

Lenovo Yoga 7 Gen 8 右側面
右側面です。画像左から電源ボタン、microSDカードリーダー、USB 3.2 Gen1 Type-Aポートがあります。

ディスプレイ

Lenovo Yoga 7 Gen 8 ディスプレイ
レビュー機のディスプレイは下位グレードの1,920 × 1,200解像度のものでした。「下位」といいつつも100%DCI-P3、HDR500、輝度400nitと、素晴らしい品質です。もちろんタッチ対応し、ペン入力も可能です。

手持ちのモニター(27インチIPS液晶、FHD解像度、100%sRGBのもの)と比較しても原色はより濃く、黒はより黒くと、有機ELパネルらしい、メリハリがあって鮮やかな画質と感じられました。おそらく、ほとんどの方にとって納得できる、というか満足できる品質だと思います。

ただし、このディスプレイはグレア(光沢)タイプです。グレアタイプは発色面では有利ですが、どうしても映り込みが大きくなってしまうので、外出先でYoga 7を使用する場合は設置場所に少し気を使うことになります。

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キーボード

Lenovo Yoga 7 Gen 8 キーボード

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キーボードです。「84 キー(Fn キー+Windows キーを含む)、JIS 配列、バックライト・キーボード」と開示されています。キーピッチは手採寸で約19 mm、キートップはレノボ製品によく見られる、下半分がラウンドした形状です(ThinkPadシリーズもこの形状ですね)。ただし、ThinkPadのように立体的なキーキャップではなく、(目視確認ベース)だと凹凸のない、フラットな形状です。

打鍵音は静かな部類ですが、EnterキーやSpaceキーなど大型のキーはやや大きめの音が出ます。あと、個人的には右端のキーが全体的に小さく、特に右Shiftキーが小さめなのが気がかり、というか当初違和感がありました。とはいえ、タイピングしていて狭苦しさはなく、配列も比較的素直なので、使い始めてすぐに慣れ、気持ちよく利用ができました。

なお、この製品は明るさを2段階に調整できるバックライトがついていますが、夜間の作業など少し薄暗い場所ではバックライトがないとキーの印字はやや見にくかったです。

筐体その他

Lenovo Yoga 7 Gen 8 タブレットモード

タブレットモード

Lenovo Yoga 7 Gen 8 スタンドモード

スタンドモード

Lenovo Yoga 7 Gen 8 テントモード

テントモード

Yoga 7 Gen 8はコンバーチブル2 in 1筐体のため、タブレットモード、スタンドモード、テントモードにして使うことが出来ます。ペン入力の際はタブレットモードが便利ですし、動画視聴やゲームをする際はテントモードやスタンドモードにするとキーボードが視界に入らず、没入感が出ます。コンバーチブル2 in 1の利便性についてはライターのnatsukiさんが「コンバーチブルPCのすゝめ」という記事を書いていますので、こちらも合わせてご覧ください。

スピーカー

Yoga 7 Gen 8はキーボード面の左右にスピーカーを搭載しています。ウインタブの経験上、「この位置のスピーカーはハズレなし」ですね。Yoga 7 Gen 8のスピーカーもノートPC用としては音質が良く、低音から高音までクリアに聞こえます。また、音量もノートPCとしては大きめで、ボリュームを最大にしても音が割れません。

Lenovo Yoga 7 Gen 8 Dolby Access

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音響アプリはDolby Access。プリセット(インテリジェントイコライザー)もあり、手動で音質をコントロールできるグラフィックイコライザーも搭載していますので、お好みの音質にできます。それと、Dolby Accessは「音声用」のプリセットも用意されていますので、Webミーティングの際もクリアな音声になります。

お仕事をしながらのBGM用として、気持ちよく使えるスピーカーだと思います。

ペン入力

Lenovo Yoga 7 Gen 8 ペン設定

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付属のペンはLenovo Pen Settingsというアプリで各種設定を行います。で、すみません、私はPCで絵を描く趣味がなく、イラストやマンガの制作用としてこのペンがどうか、ということについてはコメントができません。

Microsoft Whiteboardで少し落書きをしてみたり、フォトアプリで画像にペンで書き込みをしてみましたが、そのレベルでは非常に気持ちよく使えました。筆圧の効きもよく、ペン先のズレ(視差)も全く気になりませんでした。個人的には「イラスト用としても快適に使えるのでは?」とは思いますし、仕事用としてPDFやスクリーンショット画像に書き込みをするといった使い方では快適、便利かと思います。

なお、イラストの制作などについては、前身機Yoga 770 14の実機レビューでライターのnatsukiさん(私と違い、PCでイラストなどを描いています)がやや辛口の評価をしていますので、合わせてご参照ください。

3.性能テスト

ベンチマークテスト

Lenovo Yoga 7 Gen 8 PC Mark

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表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。

参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):9,187
HP Victus 16(i7-13700HX、RTX4070):8,057
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H、RTX4060):7,298
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):6,654
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U)5,954
DELL Inspiron 14 5430(Core i7-1360P):5,929
DELL Inspiron 14 5435(Ryzen 7 7730U):5,915
HP Dragonfly G4(Core i7-1355U):5,774
DELL Inspiron 13 5330(Core i5-1340P):5,677
VAIO F14(Core i7-1355U):5,553
Lenovo ThinkPad X13 Gen 4(Core i7-1355U):5,452
MSI Modern 15 B13M(Core i5-1335U):5,419
HP Pavilion Aero 13(Ryzen 7 7735U):5,410

レビュー機が搭載しているCPUはRyzen 7ではなく、「Ryzen 5 7535U」です。スコアは予想以上に高く、6,000点オーバーとなりました。Intel Core i7-1355UとかCore i7-1360Pをも上回っており、Zen 3+アーキテクチャの高性能ぶりが十分に発揮されていると思います(過去データにあるRyzen 7 7730UというのはZen 3+アーキテクチャではなく、Zen 3アーキテクチャです)。

Lenovo Yoga 7 Gen 8 3D Mark
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ゲーミングPCでは最も重要になるテストと言えますが、レビュー機は外部GPUを搭載しておらず、スコアは低めになります。

参考(同等クラスのノートPCのスコア):
HP Spectre x360 14-eu(Core Ultra 7 155H):-、24,476
MSI Prestige 13 Evo A12M(Core i7-1280P):15,330、20,071
DELL Inspiron 14 5430(Core i7-1360P):14,220、18,640
VAIO F14(Core i7-1355U):13,655、16,810
dynabook GZ/HW(Core i7-1360P):13,424、16,779
Lenovo ThinkPad X13 Gen 4(Core i7-1355U):13,177、14,122
HP Dragonfly G4(Core i7-1355U):13,011、16,891
HP Pavilion Aero 13(Ryzen 7 7735U):12,993、23,447
DELL Inspiron 13 5330(Core i5-1340P):12,317、17,895
Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11(Core i5-1335U):11,795、14,774
HP Pavilion 15-eg(Core i7-1355U):10,518、13,584
MSI Modern 15 B13M(Core i5-1335U):8,868、13,287
DELL Inspiron 14 5435(Ryzen 7 7730U):7,610、16,401
Lenovo ThinkBook 15 Gen 5 (AMD) (Ryzen 5 7530U):6,883、13,730
※左からWild Life、Night Raidのスコア

外部GPUを搭載しない製品の場合、画像の一番右、Night Raid(外部GPU非搭載機向けの軽量なDirectX 12対応のテスト)のスコアを見るようにしています。そのNight Raidのスコアですが、PC Markのスコアと同様に、「これRyzen 5か?」と感じられるくらいに高いです。

Lenovo Yoga 7 Gen 8 Crystal Disk Mark
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。これ、PCIe NVMe Gen4 x4接続のスコアと思われますが、その前提では最高速レベルとは言えません。ただし、市場で販売されているモバイルノートの多くよりも高速です。ビジネスシーンでの利用を想定するとオーバースペックとも言える水準です。

発熱とファン音

ベンチマークテスト中はファン音は多少大きくなりますが、手元の騒音計で50dBを少し超える程度だったので、常識的な音量だと思います。また発熱は小さめで、キーボード面の上部が少し熱を持つものの、ほとんど気になりませんでした。発熱量は他のノートPCと比較しても小さめだと思います。

バッテリー駆動時間

設定アプリ「Lenovo Vantage」の電源モードを「バッテリー省電力」に、Windowsの電源モードを「トップクラスの電力効率」に、ディスプレイ輝度70%、音量30%、バックライト点灯(2段階ある輝度のうちの暗いほう)に設定し、下記の作業をしてみました。

・画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約32分
・ブラウザー上でYouTubeを開き、動画・音楽の視聴を約33分
・Web閲覧やテキストライティングを約28分
・ペン入力を約14分

上記トータルの測定時間は約107分、この間のバッテリー消費量は34%でした。単純計算だと1時間あたり約19%、バッテリー駆動時間は5時間強となります。作業内容を見ていただければわかると思いますが、そんなに負荷の高い作業はしていないので、この測定結果は概ね妥当なものと思います。なので、終日外出先でYoga 7を使う場合、「ギリいけるかいけないか」くらいですね。可能であればACアダプターを持参しておくと安心かと思います。

4.レビューまとめ

Lenovo Yoga 7 Gen 8 14(AMD)はレノボ直販サイトで販売中で、2月29日現在の価格は112,838円からです。今回のレビュー機「Ryzen 5/RAM16GB/512GB SSD/1,920 × 1,200ディスプレイ」という構成が112,838円ですね。また、このモデルは注文時の構成カスタマイズも可能です。

ベンチマークテスト結果を見ていただければわかる通り、一般的なビジネス用途や学生さんの勉強用ということならRyzen 7は不要と思われます。ただし、ディスプレイをワンランク上のもの(有機ELで2,880 × 1,800)にしたい場合やSSDを1TBにしたい場合はCPUをRyzen 7にする必要があります。

結論として、筐体重量が1.5 kg近い(つまりモバイルノートとしては重い)という点に目をつぶれるのなら「買い」でいいと思います。標準で有機ELディスプレイが搭載され、筆圧対応のペンが付属し、RAM/SSDも最低で16GB/512GB、という構成を思うと、コストパフォーマンスは抜群です。

5.関連リンク

Yoga 7 Gen 8(14, AMD):Lenovo
Yoga 7i Gen 8(14, Intel):Lenovo

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