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コンバーチブルPCのすゝめ - その魅力と各社のラインナップのまとめ

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こんにちは、natsukiです。新年度が近づき、新たな環境に備えてパソコンを検討する人も多いかと思います。ところで、ノートパソコンには、ディスプレイが360°回転してタブレット形状にもなる「コンバーチブル」という形状があります。が、実際に使ってみてのコンバーチブルの魅力は、いまいち認知されていないように感じます。そこで、実際にコンバーチブルPCをメインマシンとして使っている経験から、この形状の魅力を語ってみたいと思います。また、主要各社のラインナップもまとめてみましたので、参考にしてください。

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1.テントモード ― キーボードなど、周辺機器を自在に使える

キーボードにこだわる人に特に勧めたい

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コンバーチブルPCの魅力として、いまいちよく理解されていないのが「テントモード」ではないでしょうか。一般的には「動画視聴に没入感がある」みたいな説明がよくされるんですが、まあ、それも間違ってはいないけれど、個人的には「そこじゃねぇ!」と思っています。テントモードの真の価値は、周辺機器を柔軟に配置できることです。一番分かりやすいのが、キーボードでしょう。いや、もちろん、付属のキーボードを使ってもいいんですが、キーボードというのは、人によっては作業効率を大きく左右する要素です。私はそうです。なので、軽い作業はノートパソコン形状で備え付けのキーボードを使用、じっくり作業に取り組むときはテントモードでちゃんとしたキーボードを接続、という切り替えが、作業効率の向上に直結します。キーボードにこだわりのある人は、文句なしにコンバーチブルPCを勧めたい。

周辺機器の配置の自由度も向上

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もちろん、キーボード以外にも、様々な周辺機器の配置の自由度が高まります。代表的なところでは、DTM用鍵盤、板タブ/液タブ、マルチディスプレイなど。デスクトップPCのように、作業環境を、目的に応じて柔軟に配置できます。

ポート構成には注意

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配置に自由度が出ると、色んな周辺機器をつなぎたくなります。ただし、コンバーチブルPCは、一般的なノートパソコンに比べるとポート類が簡略化されている傾向があります。また、USB Type-Cポートが電源と共用の場合も多くあります。

作業環境次第では、ハブが必要になります。細かい点ですが、この際、ハブが「宙ぶらりん」にならないように、ある程度ケーブルの長さに余裕を持ったハブを選ぶとよいでしょう。

2.タブレットモード ― ペーパーレス化に大きく貢献

イラスト作成より、むしろPDFファイルの扱いに真価を発揮

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コンバーチブルPCの「タブレットとしてイラストも描ける」と聞いたときに、「いや、イラストとか描かないし」と思う人もいるでしょう。より汎用的な用途は、むしろ書類のペーパーレス化です。PDFファイルはもちろん、スマホからスキャンアプリで撮影したものをオンラインストレージに放り込めば、ペーパーレス化がはかどります。大手メーカーのコンバーチブルPCは、基本的に筆圧対応のペン入力機能を備えているので(ペンが付属するか別売かは各社まちまちなので、そこは注意が必要です)、取り込んだ書類への書き込みも可能です。

なお、紙のサイズとの比較では、13.3インチが、おおむねA4、コンバーチブルPCとしては最大級のLG gram Pro 2in1の17インチが、おおむねB4に相当します。

イラスト用途なら、ペンの描き味を店頭でチェック

上述のように、大手メーカーのコンバーチブルPCは、基本的にペン入力に対応しています。ただし、簡単な書き込みを行うくらいなら当然問題無いんですが、デリケートなタッチを要求されるイラスト作成となってくると話は別です。速く動かしたときの追随性、ディスプレイのガラスの厚さによる視差、ゆっくりと斜めに線を引いたときのジッター(線のブレ)など、緻密な性能は、製品によって差があります。これに関しては、筆圧段階などのスペック上の数値では分かりません。もし、イラスト作成を主要な用途として考える場合は、店頭での試用をお勧めします。

重量的に、手で持つのは厳しい

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言うまでもなく、一般的なタブレットに比べて重量はかさみます。後述のラインナップを見てもらえれば分かりますが、1kgを切る製品は限られ、基本的に、手で持って作業するのは困難です。タブレット形状で使う場合は、机の上に置くか、しっかりした造りのスタンドは必要でしょう。

3.もちろん、通常のノートパソコンとしても使える

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言うまでもなく、通常のノートパソコンとしても使えます。じっくり作業に取り組むときにはテントモードのワークステーション、PDF等の書類を閲覧・編集するときはタブレットモード、持ち出すときや作業環境次第では通常のノートパソコン、このように使用目的によって作業環境をシームレスに移行できることこそ、コンバーチブルPCの強みです。

4.注意点

一般的なノートパソコンに対しての、コンバーチブルタイプの注意点を挙げてみます。

低価格帯で選択肢が少なめ

コンバーチブルPCは、同スペックのノートパソコンより、高価格帯の方がラインナップが充実している傾向があります。とはいえ、低価格帯の製品が無いわけではありません。

各社のラインナップは後でまとめますが、比較的リーズナブルな10万円以下から手に入るラインナップとしては、Lenovo IdeaPad Flexシリーズがあります。これに次いで、10万円弱から10万円台半ばの価格帯で、私も使っているLenovo Yogaシリーズ、同じくLenovoのThinkPad L13 Yoga、DELL Inspiron 14 2-in-1、HP ENVY x360があります。10万円台後半以上になると、LenovoやHPの上位製品に加え、MSI、ASUS、LGなどなど、一気に選択肢が増えてきます。ご覧のように、低価格帯から高価格帯まで、Lenovoのラインナップは突出して充実しています。

やや重い

重量についても、コンバーチブルPCは同スペックのノートパソコンより、やや重い傾向があります。ただ、これは傾向がある程度で、極端に重くなるわけではありません。比較的高価格帯であれば、dynabook、富士通 LIFEBOOK、Panasonic レッツノート、LG gram Pro 2in1のような、軽量の製品もあります。

ディスプレイはグレアタイプが多い

タブレットとしての使用も視野に入れているため、コンバーチブルタイプのディスプレイは、ツヤツヤのグレアタイプが多いです。また、発色性能を強調するあまり、ややギラついた調整がなされている場合もあります。そのため、オフィスワークを主体で行う場合は、目の疲れを感じやすいかもしれません。私が使っているLenovo Yoga770もそうで(前世代の機種なので最新のYoga 7がどうかは分かりません)、実際、アンチグレアの保護フィルムを貼って使用しています。これは、個人によって感じ方が大きく違うので、実機を店頭で見ないと判断は難しいですね。

なお、アンチグレアタイプの保護フィルムは、強度によってはくっきり感を損なってしまいますが、私が使っているPDA工房の「Perfect Shield 反射低減タイプ」は、クリアな印象を維持したまま反射を抑えてくれてお勧めです。もっとも、小さいスマホとは違って、ノートパソコンサイズだと、保護フィルムを貼るのにも相応のテクニックは要求されるので、その点はご注意ください。

PDA工房のWebサイト

5.各社ラインナップの比較

コンバーチブルPCのお勧めラインナップと特徴を解説します。なお、ここで紹介するのには国際的大手メーカーにとどめ、中華マイナーメーカーや、Aliexpressで販売されている変態PCは省略します。また、2画面PCも特性が異なってくるため省略します。

それと、下記記事では記事執筆現在に販売中のラインナップを並べていますが、新春の買い換えに備え、これから投入される新製品もあります。例えば、極めてコスパに優れ、率直に言ってこの記事としても「本命」であるLenovo Yogaシリーズは、すでに新製品が発表されていて、日本市場への投入はこれから行われると思われます。今のうちに各社ラインナップの特徴を抑えておきつつ、新製品情報も気にしておくとよいでしょう。

Lenovo IdeaPad Flex 5 シリーズ

先述のように、圧倒的に安い! 14インチと16インチのラインナップがあり、特に14インチのIdeaPad Flex 5 Gen 8 14型(AMD)は、10万円を切る価格での購入が可能です。ペン入力機能も備え、安価ながらも「十分使える」構成となっています。もっとも、14インチの方はストレージが最大256GBだったり、微妙に惜しい点も散見されます。また、下記の13.3インチサイズのLenovo Yoga 6とは、価格帯と性能がかなり被り、Lenovo Yoga 6の方がカスタマイズ余地が高くなっています。使用イメージによって、IdeaPad Flex 5でいいか、ワンランク上のYoga 7まで欲しいか、ひとまわり小さいYoga 6にするか、悩むところです。

Flex 5 シリーズ:メーカーサイト

Lenovo Yogaシリーズ

Lenovo Yogaシリーズは、グレード別に、Lenovo Yoga 6、Lenovo Yoga 7、Lenovo Yoga 9の3種類に大別され、それぞれ製品特性が異なります。ちなみに、先述のようにLenovo Yoga 7の前世代機Lenovo Yoga770は、私もメインマシンとして愛用しています。構成に対してコスパがよく、またラインナップが豊富でカスタマイズもある程度可能なので、コンバーチブルPCを検討する際に、基準となるシリーズかと思います。

Lenovo Yoga 6は、13.3インチサイズで、最も安い構成だと10万円を切る、リーズナブルなラインナップです。上述のように、サイズは多少違いますが、スペック、価格帯ともにIdeaPad Flex 5とかなり被ります。

Lenovo Yoga 7は、14インチ、16インチの2種類をラインナップ。10万円台前半から半ばの価格帯で、同価格帯の通常のノートパソコンと比べても、単純なコスパで互角以上。この価格帯で、高解像度ディスプレイを備えるのは嬉しい。「この価格と構成なら、コンバーチブルに興味が無くてもとりあえずこれにしておけば」と思ってしまう、スキのない構成です。このシリーズは、CPUにCore Ultraを搭載する最新ラインナップYoga 7i 2-in-1の発売が、すでに予告されています。詳細は下記記事をご覧ください。

Lenovo Yoga 7シリーズ - 日本でも人気のコンバーチブル2 in 1、Yoga 7iもCore Ultraを搭載!:ウインタブによる新ラインナップ紹介記事

Lenovo Yoga 9は、14インチで、クリエーター向けのハイスペックパソコンと銘打って発売されている、上位機種です。価格は20万円を超えますが、4Kディスプレイなど、価格に見合った構成を備えます。こちらも、CPUにCore Ultraを搭載する最新ラインナップYoga 9i 2-in-1の発売が予告されているので、詳細は下記記事をご覧ください。

Lenovo Yoga 9シリーズ - 海外発表されました。Core Ultra搭載のクリエイター向けプレミアムPC:ウインタブによる新ラインナップ紹介記事

Yoga マルチモードPC:メーカーサイト

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Lenovo ThinkPad Lシリーズ

ThinkPadのLシリーズは「メインストリーム・ビジネスノート」とのことで、ThinkPadブランドの中では比較的低価格帯にあたります。このシリーズ内のコンバーチブルタイプとしては、13.3インチサイズのThinkPad L13 Yogaがラインナップされていて、AMD版は10万円台前半の購入しやすい価格帯となっています。単純な構成のコスパで見ると、同じLenovoの上記Yoga 7シリーズが上まわるのですが、ThinkPadならではのトラックポイントや強固な筐体は健在なので、そういった「ThinkPadとしての個性」をどう評価するかでしょう。

ThinkPad Lシリーズ:メーカーサイト(シリーズにコンバーチブル形状以外のパソコンも含むので、ご注意ください)

Lenovo ThinkPad X/X1 Yogaシリーズ

ThinkPadのより上位の、20万円台からのクラスにも、コンバーチブル形式のラインナップがあります。ThinkPad X13 Yoga Gen 4は13.3インチ。ThinkPad X1 Yoga Gen 8は14インチのラインナップとなっています。下記のように、この価格帯はコンバーチブルPCの激戦区となっています。「ThinkPadとしての魅力」を追求するなら、このシリーズでしょう。

ThinkPad X13 Yoga Gen 4:メーカーサイト

ThinkPad X1 Yoga Gen 8:メーカーサイト

DELL Inspiron 14 2-in-1

10万円台前半から半ばで買える、比較的リーズナブルなコンバーチブルPCとしては、DELL Inspiron 14 2-in-1もあります。Inspironシリーズは多様なサイズをラインナップしていますが、コンバーチブル形状は14インチのみです。ディスプレイ解像度はWUXGA(1920×1200ピクセル)ですが、その他の点は、さすが大手だけあって堅実にまとまったスペックです。

Inspiron top page:メーカーサイト(シリーズにコンバーチブル形状以外のパソコンも含むので、ご注意ください)

HP ENVY x360シリーズ

同じく10万円台前半の価格帯のコンバーチブルPCには、HP ENVYブランド内の、HP ENVY x360シリーズもあります。コンバーチブルタイプとしては、13.3インチと15.6インチの2つのサイズをラインナップしているのですが、残念ながら13.3インチの方は、第12世代Intelの機種から更新されていません。15.6インチの方は、スペックは十分ながら、ディスプレイ解像度がFHDに止まるのは惜しい点です。もっとも、HPのOLEDディスプレイなので、発色性能は十分に信頼が置けるでしょう。

ENVY(エンヴィ)ノートパソコンicon:メーカーサイト(シリーズにコンバーチブル形状以外のパソコンも含むので、ご注意ください)

HP Spectre x360シリーズ

HPの「プレミアム」なノートパソコンシリーズSpectreは、特殊な2画面PCのSpectre Foldable以外は、オーソドックスなコンバーチブル形態のSpectre x360シリーズが主要ラインナップとなっています。14インチと16インチの2サイズがあり、いち早く最新のIntel Core Ultra搭載を発表しています。価格はさすがに20万円クラスになりますが、充実したスペックはもちろん、HP自ら「細部まで丹念に磨き上げられた造形美」と豪語するビルドクォリティの高さも魅力です。

Spectre(スペクトル)ノートパソコンicon:メーカーサイト

MSI Summitシリーズ

ディスプレイサイズ別に、13.4インチのSummit-E13FlipEvo、14インチのSummit-E14FlipEvo、16インチのSummit-E16Flipの3つのラインナップがあります。Summit-E13FlipEvo、Summit-E14FlipEvoは、10万円台後半から20万円前後の価格帯で、MSIらしい充実したスペック。実は私も、Lenovo Yoga770を買う際に、最後までどちらにするか悩んだのがこのシリーズでした。

16インチサイズのSummit-E16Flipは、サイズがでかいだけでなく、GPUにNVIDIA GeForceを搭載したクリエーター向け要素の強いPCです。その分価格は上がりますが、作業環境の自由度が高い据え置きテントモードは、クリエーター作業との相性も良いでしょう。

MSI ノートPC:メーカーサイト(コンバーチブル形状以外のパソコンも含むので、ご注意ください)

ASUS Zenbook Flipシリーズ

ASUS Zenbookシリーズにも、コンバーチブル形態のASUS Zenbook Flipがラインナップされています。13.3インチのZenbook S 13 Flip OLEDは、新製品の更新が第12世代Intelで止まっているので、現在は14インチのASUS Zenbook 14 Flip OLEDの単独ラインナップとなっています。価格は10万円台後半で、スペック的にも上記MSI Summit-E14FlipEvoの競合機種です。

ASUS Zenbook 14 Flip OLEDicon:メーカーサイト

ASUS ROG Flow X13

ASUSのコンバーチブルPCといえば、やはりこれ。「コンパクト×高スペック」を掲げる、ゲーミングコンバーチブルPCのROG Flow X13です。CPUにAMD Ryzen 9 7940HSを搭載し、さらに独自の外部GPUであるROG XG Mobileも接続可能。尖りまくった機種で、他のコンバーチブルPCと同列に比較することが難しいのですが、作業環境構築のための母艦にする、というコンセプトに特化されています。ともかく色々な意味で面白すぎる機種です。

ROG Flow X13icon:メーカーサイト

dynabook V(VZ)シリーズ

dynabook Vは、13.3インチのコンバーチブル形状のシリーズです(店頭販売モデルはdynabook Vシリーズ、Web直販モデルはdynabook VZシリーズという名称になります)。価格は20万円台クラスで(会員登録してWEB直販でかなり安くなる場合があるので購入するなら忘れずに)、単純なスペックだけ見ると他社に遅れをとるように見えるのですが、言うまでもなく、TOSHIBA時代からの信頼性と、定評のあるWACOMペン入力の精度といった「スペックシートに出ない品質」は価格差を十分に補う魅力となっています。特に注目すべきは、13.3インチクラスで1Kgを切る重量。ただでさえ重くなりがちなコンバーチブルPCでこの重量は、下記富士通 LIFEBOOK WU3/H2と並び、驚異的です。

dynabook V:メーカーサイト

なお、ウインタブ読者は「特別サイト」で購入されるのが最もお買い得です。一般には開放されておらず、アクセスするためにはIDとパスワードが必要です。こちらからどうぞ。
特別サイト:【特定サイト限定】特別サイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
※特別サイトの上部にある検索窓に「VZ」と入力すると、製品一覧が表示されます

富士通 LIFEBOOK WU3/H2

軽さで競うなら、こちらも忘れてはいけませんね。富士通 LIFEBOOKシリーズも、13.3インチでコンバーチブルPCのLIFEBOOK WU3/H2をラインナップしています。重量は最小構成で864gから。もちろん軽さだけでなく、富士通 LIFEBOOKと言えば、すべての面においてトップクラスの信頼性を誇るブランドです。13.3インチで軽さを追求するなら、dynabook Vか、この富士通 LIFEBOOK WU3/H2かで悩むところです。

LIFEBOOK WU3/H2icon:メーカーサイト

Panasonic レッツノート QRシリーズ

軽量で、モバイルノートの最高峰と言えば、やはりPanasonicのレッツノート。コンバーチブル形態なら、レッツノート QRシリーズがラインナップされています。12.4インチという他の大手メーカーに比べるとひとまわり小さい筐体です。バッテリーを軽量タイプにすると、重量も1Kgを切ります。コンバーチブルで「軽い」というのは、技術的にも困難なだけあって、信頼性の高いブランドが並びますね。

レッツノート(Let’s note)QR:メーカーサイト

LG gram 2in1

軽量さに定評のあるLG gramシリーズも、コンバーチブル形状のLG gram 2in1をラインナップしています。14インチのLG gram 2in1と、16インチ/17インチのLG gram Pro 2in1があります。ということで、LGといえば軽さ!なわけですが、「デカくて軽い」というのが、上記dynabook/LIFEBOOK/レッツノートとのコンセプトの違いです。14インチが1250Kg、16インチが1399g、17インチが1299gと、17インチの重量がワケの分からない事になっています。価格はさすがの30万円クラスながら、17インチの巨体でこの重量は、唯一無二の個性と言ってよいでしょう。なお、このシリーズはキーボードが英字配列なので、そこはご注意ください。

LG gram:メーカーサイト(シリーズにコンバーチブル形状以外のパソコンも含むので、ご注意ください)

Microsoft Surface Laptop Studio 2

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非常に独特な形状のコンバーチブルPCとして、MicrosoftのSurface Laptop Studio 2があります。NVIDIAのGPUを選択可能で、極めて高性能な構成を選択可能な一方、14.4インチサイズながら重量は1.98Kg(NVIDIAグラフィックスモデルの場合)と重めで、価格も最小構成でも30万円超え、NVIDIAグラフィックスモデルだと、約40万円から50万円台後半と性能に合わせてうなぎ登りです。NVIDIAのGPUも、割とよく見るNVIDIA GeForce RTX 4050/NVIDIA GeForce RTX 4060の他、NVIDIA RTX 2000 Ada generationを選択可能という、「分かっている人向け」の高度な選択肢があります。

Surface Laptop Studio 2icon:メーカーサイト

6.各社ラインナップの整理

各社のラインナップを、特徴別に整理してみます。

ともかく安く、ということであれば、14インチのLenovo IdeaPad Flex 5か、13.3インチのLenovo Yoga 6でしょう。安いとは言っても、オフィスワークに十分な性能があります。ただ、動画編集やDTM、重いブラシを使ったイラスト作成など、コンバーチブルPCの特性をフルに活かしてクリエイティブな作業をしようとすると、力不足な面は出てくるかもしれません。

10万円台前半から半ばでコスパが光るのが14インチと16インチのLenovo Yoga 7です。先述のように、コンバーチブルPCを買うなら、このシリーズが1つの基準になると思います。一般的なノートパソコンとしてもボリュームゾーンの価格帯なので、このあたりが多くの人にとっては本命でしょうか。同価格帯に、13.3インチのThinkPad L13 Yoga、14インチのDELL Inspiron 14 2-in-1、15.6インチのHP ENVY x360、があり、スペックシートのコスパではディスプレイ解像度などLenovo Yoga 7がやや先んじるものの、他社製品もそれぞれの魅力を持つので、好みで選ぶとよいでしょう。

10万円台後半から20万円台は、コンバーチブルPCの激戦区です。クールな筐体のHP Spectre x360、Thinkpadとしての個性を求めるならLenovo ThinkPad X YogaかLenovo ThinkPad X1 Yoga、さらにMSI Summit-E13FlipEvo/MSI Summit-E14FlipEvoとASUS Zenbook Flipも、それぞれのメーカーが自信を持って送り出している充実した構成のラインナップです。

軽さを追求するなら、13.3インチサイズで1Kgを切るdynabook Vと富士通 LIFEBOOK WU3/H2、ここに、12.4インチのPanasonic レッツノート QRシリーズが検討の対象になるかと思います。いずれも高価格帯ですが、軽さだけでなく信頼性もトップクラスのブランドが並びます。これら3者が「小さく軽い」という携帯性を重視する一方、LG gram Pro 2in1の17インチサイズは、「巨大で軽い」という異色の個性を放つ製品になっています。

ハイスペックを追求するなら、ゲーミングに特化したASUS ROG Flow X13と、NVIDIA GeForceを内蔵するMSI Summit-E16Flip、Microsoft Surface Laptop Studio 2。3者は、サイズ・特性ともに大きく異なるので、競合はしません。いずれも、コンセプトの明確な非常に尖った機種なので、これが欲しい人は迷うことはないと思います。「持ち運びもできるワークステーション」という、コンバーチブルPCの特性をフルに活かせる製品と言えます。

7.まとめ

以上、普段からコンバーチブルPCをメインマシンとして使っている身として、コンバーチブル形状の魅力と、ラインナップの見どころをまとめてみました。このコンバーチブルという形状は、人によっては作業効率を革命的に改善する可能性すら秘めています。特に、作業環境にこだわりを持つなら、今までスルーしてきた人も真剣に検討してみる価値があると思いますよ。

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コメント

  1. 匿名 より:

    私もコンバーチブル2 in 1ユーザーです。
    挙げられている魅力の多くはデタッチャブル2 in 1にも共通していますが、やはり普通のノートPCとしても使えるってところが大きいと思いますね。デタッチャブル型だとどうしても膝の上に乗せて使うのが難しかったりしますし、重量と厚みを除けばクラムシェルとデタッチャブルの良いとこ取りと言えそう。

    手持ちのものはだいぶ年季が入ってきているから、Snapdragon X Elite搭載モデルが出たら買いたいなあ・・・。

    • natsuki より:

      コメントありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。
      デタッチャブルでも、「タブレット単体で自立する」「ポートがそこそこ充実」していれば同様に使えるので、事実、私も一時期はデタッチャブルのTeclast X6 Proを常用していました。ただ、この条件を満たすデタッチャブルって、案外ないんですよね。ここにメインマシンとして使い込める処理能力まで加味すると、最近は、デタッチャブルがあまり流行らなくなってきてしまったのもあり、Surface(ただしポートに難あり)か、ASUSのゲーミングタブレットくらい?あとは、ご指摘の通り、キーボードの使いやすさは(重量とのバーターにはなりますが)コンバーチブルが上ですよね。コンバーチブルならラインナップも豊富なので、もっと広まって良い形態だと思っています。