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Cube iWork8 Ultimate - CherryTrail搭載の8インチ、実力は?(実機レビュー)

Cube iWork 8 Ultimate
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。2015年ももうすぐ終わろうとしているなか、中国タブレットの実機レビューをお届けします。8インチサイズでCPUにCherryTrailのAtomを搭載した「Cube iWork8 Ultimate」です。「8インチ+CherryTrail」の製品は初めて試用することになりますが、2016年はこの製品に近いスペックの8インチタブレットが国内のメーカーからもたくさん出てくると思われます。

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1.スペック

OS: Windows 10
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチIPS(1,280 × 800)
ネットワーク:  802.11b/g/n、Bluetooth
カメラ: イン2MP / アウト2MP
入出力: microUSB、microHDMI、ヘッドフォンジャック、microSD
バッテリー: 3300mAh (最大3時間)
サイズ: 213.38 x 127.09 x 9.8 mm / 重量 349 g
価格: 89.74ドル(11,322円)
※価格は2015年12月31日現在のGEARBEST(実機提供元)のもの

最初にスペックを確認しておきます。冒頭に書いたとおり、Cube iWork8 UltimateはCPUにCherryTrail世代のAtom Z8300を搭載しています。しかし、それ以外の構成は特に目新しいところはなく、一言でいってしまえば「普及価格帯の8インチタブレットにCherryTrailを載せただけ」です。そして、CPUとRAM、ストレージの組み合わせはつい最近日本でようやく発売された期待の8インチタブレット「マウスコンピューター WN802」と同じです。そしてこの組み合わせが2016年の8インチタブレットの標準スペックとなる可能性もありますので、この製品がどの程度従来のBayTrail機と性能差があるのか、非常に興味深いところですね。

2.開封

Cube iWork8 Ultimate 外箱
外箱は何の変哲もない、ボール紙製でした。
Cube iWork8 Ultimate 同梱物
同梱物です。左端がタブレット本体、中央上がVIPカード(CubeのVIP会員証と思われます、裏面にスクラッチで数字が出てくる構造)、その下が保証書、そしてmicroUSB-USB変換ケーブルが長・短各1本、右上が取扱説明書(中国語と英語)、その下が検査合格証です。

必要最小限、というべきでしょうか、全体に梱包は非常に簡素で、ACアダプターすら付属しません。ただ、中国仕様のACアダプターを付けてもらったとしても日本では使えないんですけどね。

Cube iWork 8 Ultimate 保護カバー
中国タブレットではよくあることですが、この製品には液晶保護シートが2枚はられています。そのうち1枚は上の画像のように製品PR用(おそらく店頭での展示を意識したもの)の装飾がついたものなので、利用開始時には剥がさないと邪魔です。

Cube iWork 8 Ultimate 保護シート
装飾用のシートを剥がすと、本当の意味での液晶保護シートが残りますが、個人的に液晶保護シートはあまり使わない、ということもあって、製品付属の保護シートの品質はあまり良いと感じませんでした。指の滑りが悪いですし、貼り付けが丁寧ではなく、上の画像のように周辺部が少し浮き上がっています。仮に私が継続してこの製品を使うとしたらすぐに剥がしてしまうと思います。

3.筐体チェック

Cube iWork8 Ultimate 背面
筐体はプラスティック製で、質感はそれほどよくありません。どちらかというと少し安っぽさを感じる、というのが正直な感想です。ただし、最近のタブレットとしてはやや厚みがあるせいか、華奢な感じはなく、むしろ固くて頑丈だと感じられます。

Cube iWork8 Ultimate 背面アップ
背面はツルツルではなく、非常に細かい凹凸がつけられており、手持ちした際にすべり止めになりそうです。実際この凹凸のおかげで手によくフィットしてくれます。

Cube iWork8 Ultimate 筐体上面
入出力ポート類は筐体上面に集中的に配置されています。また、Windowsボタンが物理ボタンとなっており、筐体上面についています。上の画像は左からWindowsボタン、(ちょっと見難いですが)microSDスロット、オーディオジャック、microHDMI、microUSBです。なお、この製品はmicroUSBポートを使って充電するタイプです。

cube_iwork8_ultimate-7
筐体に向かって右側には電源ボタンとWindowsボタンがあります。ボタン類の立て付けはかなりよく、押した感じもしっかりしていて評価できます。

Cube iWork8 Ultimate 左側
その反対側にはなんにもありません。

Cube iWork8 Ultimate 下側
同様に筐体の下側にもなんにもないです。

Cube iWork 8 Ultimate 厚み
筐体は背面にかけてやや丸みを帯びており、そのせいか実寸よりも厚く感じました。しかし、決して悪いイメージはなく、筐体の頑丈さを感じさせてくれ、好印象でした。

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Cube iWork 8 Ultimate とChuwi Hi 8
別の中国タブレット「Chuwi Hi8」と並べてみました。左側がCube iWork 8 Ultimate、右側がChuwi Hi8です。Chuwi Hi8はWindowsタブレットの中ではサイズがかなり小さく、薄いものなのですが、それと比較するとほんの少し大ぶりですね。

Chuwi Hi8とCube iWork 8 Ultimate
筐体側面もよく似ています。左がCube iWork 8 Ultimate、右がChuwi Hi8ですが、ともに金属製のモールをあしらっています。Cubeのほうが凹凸がつけられていて、やや複雑な造形となっています。ただし、それが高級感につながっているのか、というと少し疑問がありますけどね。

4.システム情報

Cube iWork8 Ultimate システム情報
かなりびっくりしたのですが、試用機に搭載されているOSは「Windows 10 Pro 32ビット」でした。Cube iWork 11 Stylusにも同様にPro版、32ビットのOSが搭載されていましたが、iWork 8 Ultimateというのは売価が1万円前後の低価格なタブレットですから、この製品にPro版のOSが搭載されていることには違和感を感じます。ただし、「KMSPICO」などの怪しいソフトウェアは見当たらず、OSの初期化も問題なくできましたし、もちろんWindowsUpdateも普通にできましたので、これ以上詮索はしません。Cube側のソフトウェア在庫の関係でそうなったのだろう、と判断することにします。

ちなみにCube iWork 8 Ultimateの公称のOSは「Windows 10 64ビット」なのですが、海外のニュースサイト(TECHTablets)の実機レビュー(Banggoodから製品を調達)でもWindows 10 Pro 32ビットでしたから、やはり出荷時のロットによってOSのバージョンが左右されるようです。

Cube iWork8 Ultimate ストレージ
プリインストールソフトがほとんどないため、初期状態(ただし日本語化済み)のストレージの空きは18GB以上ありました。32GBマシンとしては空き容量は多い方だと思います。ただし、Windows 10 バージョン1511(Threshold 2)へのアップグレードを行ったため、「Windows.old」ができ、これを削除しないと1ヶ月間はストレージの空き容量がかなり少なくなってしまいます。

5.使用感

CPUがCherryTrailだから、ということでもないのでしょうが、タッチ操作でのスワイプやピンチイン、ピンチアウトなどはひっかかりもなくスムーズです。上に書いたように、製品付属の液晶保護シートの品質が低く、タッチ操作時の気持ちよさを損ねているように感じており、保護シートを剥がすか、取り替えるとさらに快適性は上がると思われます。

ストアアプリに関しても比較的重いと思われる「World of Tanks Blitz」を含め、すべて快適に使えました。ただ、ゲームなどをやっていると感じるのですが、スピーカーはモノラルで音量も小さく、音質もほめられたものではありません。8インチサイズということで我慢するしかないでしょうね。

挙動はやや不安定な感じです。一度OSを初期化して多少は安定しましたが、それでもたまにフリーズします。Windows PCは多かれ少なかれこのような問題はあると思っていますが、Cube iWork 8 Ultimateはややその頻度が高いと思われます。

バッテリーに関しては公称値が「最大3時間」となっていてかなり短いのですが、実際利用してみるとそれよりもう少しマシな気がしました。ただし、決して長持ちする、という意味ではなく、公称値よりは多少もつかな、というくらいだと思います。

若干マイナスなことも書きましたが、価格を考慮すれば十分合格だと言えるでしょう。あとはCherryTrailの真価をどう発揮してくれるか、ということだけですね。

6.性能テスト

ウインタブではタブレットやPCの性能を計数化して比較するために何種類かのベンチマークソフトを使っています。タブレットでストレージが32GBの製品の場合、3DMARKなど大きなシステムリソースが必要なベンチマークソフトを使うことができず、オンラインゲーム「ドラゴンクエストX」と「ドラゴンズドグマオンライン(DDON)」のベンチマークソフトを使用してスコアを掲載することにしています。実際にこれらのゲームが快適に遊べるとは思っていませんので、あしからずご了承ください。

Cube iWork8 Ultimate ドラクエベンチ
参考:
ドスパラ Diginnos DG-D11IW(Core M5Y10c): 2,933
HP Stream 14-z000(AMD A4 Micro-6400T APU): 2,106
BungBungame Photon 2(AMD A6 Micro-6500T APU): 2,024
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 1,817
Teclast X98 Pro(Atom X5-Z8500): 1,517
HP Pavilion x2 10-j000(Z3745D): 1,199
acer Aspire Switch(Z3735F): 1,101
Diginnos DG-D08IWB 32GB(Z3735F): 1,097

最初にドラクエベンチからです。画像のスコアは数回テストした中で最も高得点のものを使っています。確かにBayTrailのAtomZ37XX番台よりは高いスコアが出ています。

Atom X5-Z8500 DDONベンチ
参考:
ドスパラ Diginnos DG-D11IW(Core M5Y10c): 1,372
Teclast X98 Pro(Atom X5-Z8500): 1,048
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 911
acer Aspire Switch 10(Atom Z3735F): 469

次にDDONベンチです。こちらも確かにBayTrail機よりは格段に高いスコアになっています。これらのことから、CPUをCherryTrailに換装するだけ(RAMやストレージはそのまま)でもグラフィック系の処理性能はかなり向上する、と考えていいと思います。

7.評価

Cube iWork 8 Ultimateは格安な中国タブレットの中でも底値といっていい、「1万円ちょっと」で購入できる8インチタブレットです。CPUにCherryTrailが採用されているものの、それ以外の構成は旧来の低価格帯タブレットのものと変わりませんし、記事中で触れたとおり試用機のOSが公称のものと異なっていた、というのも個人的にはマイナスポイントとなります。というか、手元に届くまでOSの詳細バージョンがわからない、というのは不安でしょう。操作感は軽快なものの、たまにフリーズするなど、若干安定感を欠いているようにも思いました。しかし、「CherryTrail搭載でこの価格」ということでいえば、間違いなくお買い得ですし、特にある程度腕に覚えがある人が使い倒すには面白い製品なんじゃないかな、と思います。

8.お知らせ

詳細は1月1日に改めて記事にしますが、今回実機レビューに使用したCube iWork 8 Ultimateについて、読者の方に実機レビューをお願いする予定です。レビュアーに選定させていただいた方には所定の期間試用していただき、レビュー記事を投稿していただく条件で、実機(すでに私が試用しているため、開封品となります)を差し上げます。この製品はいつものようにGEARBESTに実機を提供してもらいましたが、私の手元に多くのタブレットがあってもすべて使いこなせるはずもなく、むしろ死蔵することになってしまってタブレットが可哀想なので、有効に再利用する方法を考えていました。今般提供元であるGEARBESTから企画の実施について承認をもらいましたので、レビュアーの募集方法、選考方法などの詳細を検討中です。

関心のある方は1月1日投稿予定の記事をご確認ください。

9.関連リンク

Cube iwork8 Ultimate Tablet PC:GEARBEST
※GEARBESTは中国の通販サイトです。今回使用した実機はGEARBESTに提供してもらっています。なお、GEARBESTで製品購入を検討される場合はサイトの取引ルールを良く確認してからにしましょう。一般に海外通販で製品を購入する場合、配送期間が長期化しがちで、メールなどのコミュニケーションも英語が必要、かつ日本の通販サイトほど丁寧な対応は期待できません。

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コメント

  1. 匿名 より:

    本当は新型のVenue8が欲しいのですが、国内販売の見通しが立たないので我慢出来ずにマウスのWN802を買いました。
    国内メーカーですけど店のポイントを考慮すると25000円くらいは安いですね。

    今のところWN802よりもWindows10に対する不満の方が多いです。

    ・削除不可能なバンドルアプリ
    ・コマンドラインを使わないと削除出来ないアプリ
    ・スリープさせたら画面がブラックアウトしたまま操作不能になることがある
    ・公式HPで記載されているヘルプが意味無い

    中でも自分が一番の改悪だと感じているのがHome版だとWindowsの自動更新を無効にする手段が無いらしいという点です。
    調査不足かもしれませんが同様の苦情を出している人は多いようです。

    本題のWN802については概ね満足してます。
    平均的なスペックなので可もなく不可も無くという機種ですね。

    また、この機種にも保護シートが貼られていましたが気泡だらけでした。
    どうせなら貼付せずに出荷して欲しいです。自分でやった方が圧倒的に良いです。

    懸念事項としてはCPU負荷が高い状態が続くと背面が異常に熱いという点です。
    これはWN802というより小型タブレット共通の問題ですね。
    FANレスでこのサイズだから排熱するには筐体で放熱するしか無いので理解はしてますが、正直下手なカイロよりも熱いです。

    ただ、値段や機能を考えるとコストパフォーマンスは十分なので新型Venue8の繋ぎとしては大満足です。

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。WN802のご購入おめでとうございます。液晶保護フィルムの話をうかがって残念ですが、マウス製なら品質は良いんでしょうね。Venueについては他の読者の方の情報によれば1月中旬か下旬リリースとなるようです。

  2. 匿名 より:

    GEARBESTで購入しました。
    1511にする時に、日本語版ISOをマウントしてsetupを実行で完全な日本語版になります。
    (私は成功しましたが、やる方は自己責任でお願いします。)

    但し、日本語ISOが原因か不明ですがWindows.old中に消えないファイルが数個できて、
    消すのに所有権やアクセス権を操作するのに苦労しました。

    本当は日本語ISOからクリーンインストールしたいところなのですが、プリインストール
    されている傾きセンサ?や動画支援チップ?らしき4個のアプリが手に入らなさそうです。

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。ハイレベルな知識をお持ちですね。この製品は読者の方にレビューをお願いする予定なのですが、その方の役に立つ情報になるかな、と思います。初心者のかたがレビュアーになったら難しいでしょうけど。

  3. 匿名 より:

    gearbestで送料無料で購入したんだけどまだ来ない・・・(今月の1日にポチった)
    これ見て使った気になります。

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。GEARBESTの無料配送はかなり当たり外れが発生しちゃうんですよね。かといってDHLを使うと大都市圏に住んでいる人以外は追加料金(30ドル)が発生しちゃうし、100ドルの製品にそんな金払えませんよね。配送がもうちょっと早いとかなり評価をあげられるんですけど。

  4. 匿名 より:

    ちと古い記事だが記録で書いておく、私は2の書き込み者です。

    この機種はwindows10専用で、後日androidとのdual bootが出た。
    調べたところ、メーカーBBSでdual bootのイメージが配布されている。
    http://bbs.51cube.com/thread-107298-1-1.html
    これを解凍しBIOSを書き換え、android、windowsとインストールすればOKだ。

    但し、Windows10はHome x64になるので、元々Proの人はインストール後に
    Pro x64にしなければ認証が通らない。

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。いただいたコメントがスパムフォルダに入ってしまい、公開が遅れましてすみません。貴重な情報ありがとうございます。作業的にはちょっと難易度高そうっすね。