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ドスパラ Slim Magnate IE レビュー - スリムサイズながら高い拡張性を確保した「いじりがいのある」デスクトップPC(実機レビュー)

ドスパラ Slim Magnate IE
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。最近になってデスクトップPCの実機レビューもぼちぼち始めていますが、まだ不慣れなためあまり参考にならないかもしれません。この先レビュー方法などをしっかり勉強していきますので、どうかよろしくお願いいたします。

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今回はドスパラの「Slim Magnate IE(スリムマグネイト IE)」という、ドスパラとしてはエントリークラスに位置するデスクトップPCのレビューです。名称に「Slim」というのが入っているように、横幅が10センチを切る薄型のケースを採用していて、しかし拡張性も確保している、そんな製品です。

1.スペック

ドスパラ Slim Magnate IE スペック表
記事の冒頭に「ドスパラとしてはエントリークラス」と書きましたが、日頃AtomとかCeleron N3350といった低スペックなモバイル製品をもっぱら紹介しているウインタブにしてみれば、エントリークラスという感じはしません。

ドスパラはBTOメーカーなので、注文時に構成のカスタマイズができます。OSは標準でWindows 10 Homeですが、Pro版の選択が可能です。CPUはCore i3-7100(第7世代のデスクトップ用CPU)で固定となりますが、Slim MagnateシリーズとしてはCore i5-7500を搭載するSlim Magnate IM、Core i7-7700を搭載する「Slim Magnate GE」などがありますので、製品名は「IE」ではなくなってしまいますが、同一筐体で異なるCPUを選んだり、外部GPU(NVIDIA GeForce GTXシリーズ)を搭載するモデルを選択することが可能です。

ドスパラ Slim Magnate IE シリーズ一覧

クリックで拡大します

これは3月11日現在、ドスパラ公式サイトにあったSlim Magnaiteシリーズの一覧です。CPUとGPUの組み合わせによって型番末尾のアルファベット2桁(IEとかIM)が変わります。つまり、「CPUとGPUの組み合わせだけ先に選んでね。あとはカスタマイズできるから」ということです。

ちょっと脱線しましたが、今回のレビュー機「Slim Magnate IE」はCPUにCore i3-7100、外部GPU非搭載、ということになります。RAMは標準で4GBですがカスタマイズにより最大32GBまで増設が可能です。また、ストレージは標準で500GB HDDとなりますが、注文時には物理ストレージを2基まで搭載可能で、SSD + HDD、SSD + SSDといった構成も可能です。

光学ドライブも標準でDVDスーパーマルチドライブが搭載され、カスタマイズでブルーレイドライブにすることもできます。入出力ポートはデスクトップPCということで非常に豊富です。この点、詳しくは筐体説明のところで…。

最後にサイズですが、「Slim」とはいいつつ、ウインタブ的には特に小さいと言えるようなサイズ感ではありません。サイズは上のスペック表のとおりですが、トップ画像(23.8インチサイズのディスプレイとの組み合わせ)を見ていただければ雰囲気はわかるか、と思います。

ドスパラ Slim Magnate IE システム構成
ドスパラ Slim Magnate IE ストレージ構成
レビュー機のシステム構成です。このレビュー機はカスタマイズされた構成になっていました。OSはPro版、RAMは8GB、ストレージはHDDではなく250GB SSD(Samsung 850 EVO)が搭載され、逆に光学ドライブは省かれていました。この構成だと税込み81,603円となり、ベースモデルの税込み53,978円とは大きく価格が異なることに注意が必要です。

2.筐体

ドスパラ Slim Magnate IE 同梱物
最初に同梱物から。デスクトップPCを購入すると、ほとんどの場合マウスとキーボードが付属します。ちなみに「ミニPC」というジャンルの製品もデスクトップPCの範疇にありますが、ミニPCとかスティックPCの場合はキーボードやマウスは付属しません。Slim Magnate IEにはもちろんマウスとキーボードはついてきます。あと、冊子類としては「はじめにお読みください(スタートアップガイド的な取扱説明書)」がありました。

ドスパラ Slim Magnate IE キーボード
ドスパラ Slim Magnate IE キーボード拡大
キーボードは普通に使えて、サイズも一般的なものですが、特に打鍵感がいいとか特殊な機能がついているとかはありません。実用品レベルのものです。ただ、このキーボードは事実上無料(キーボードなしを選択しても価格は変わりません)ですし、しっかり使えるものなので、当初はこれで十分かと思います。

ドスパラ Slim Magnate IE マウス
マウスについても同様で、一般的なUSB有線マウスが付属します。こちらも特別な機能があるわけではなく、ごく普通のホイール付き3ボタンマウスです。また、キーボードと同様、事実上無料なので、全く不満はありません。

ドスパラ Slim Magnate IE 縦置き
この製品のケースはスリムタイプの「BL672」というMicroATXケースが使われています。このケースは縦置き、横置きとも可能で、本来はこの画像のように「スタンド」が付属します。あいにくレビュー機にはスタンドがついていませんでしたので、今回は横置きで画像を撮影しました。

ドスパラ Slim Magnate IE 前面
正面から見たところです。画像右上に5インチのオープンベイがあり、本来はここにDVDドライブが装備されます。DVDドライブは標準装備なので、カスタマイズせずに購入すればここにDVDドライブがついている、ということです。オープンベイの下にはリセットボタンと電源ボタンがあります。「RESET」と「POWER」の文字が横置きを前提としたものになっていますので、縦置きの場合は文字が横向きになってしまいます。…たいした話でもありませんね…。

画像左上には3.5インチのオープンベイがあります。注文時にこのオープンベイを活用するようなオプションは用意されていません。

3.5インチオープンベイの下にはUSB 3.0 × 2、USB 2.0 ×2、ヘッドフォンジャック、マイクジャックがあります。頻繁に抜き差しするようなUSB機器(USBメモリースティックなど)の数を考えれば、前面にこれだけのポートがあれば十分かと思います。

ドスパラ Slim Magnate IE 側面
左側面です。こちらには通気口があります。この製品の冷却ファンはそれほど強烈な風量や動作音ではありませんので、この位置で特に気になるということはありません。しかし、縦置きの場合、この面が底面になりますので、付属のスタンドを使って少し浮かせて(空間を作って)やる必要があります。

ドスパラ Slim Magnate IE 背面
背面です。縦置きの場合は右側が下、左側が上となります。で、ポートなんですけど、カスタマイズの内容によって構成が変化します。レビュー機の場合だとこんな感じです(上に記載したスペック表とは異なります)。画像左から

マウス及びキーボード用のPS/2、D-sub(上段)、DVI(下段)、USB Type-C、HDMI、USB 3.0 × 2、有線LAN(上段)、USB 2.0 × 2(中下段)、音声入出力ジャックです。

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ドスパラ Slim Magnate IE 側面
右側面には何もありません。ちなみにこの面は縦置き時には上面となります。ケースは金属製で、しっかりしたものが使われています。

ドスパラ Slim Magnate IE 筐体内部
ケースを開けてみました。開口は背面のネジを4つ外すだけで簡単にできます。ドスパラのようなBTOメーカーのデスクトップPCを購入するのであれば、知識のあるなしに関わらず、いっぺん開口してみたいところですよね。

この画像は前面です。画像上部に3.5インチベイが2つあり、ひとつが上に説明したオープンベイ、もうひとつが外側から見えないシャドウベイです。シャドウベイ側にSamsungのSSDが装着されています。で、上に書いたとおりオープンベイのほうは空きになっています。

ドスパラ Slim Magnate IE 筐体内部
RAMのスロットは4つあるように見えるんですけど、スペック表ではスロット数が2となっていました。レビュー機には4GBのRAMが2つ刺さっていて、合計で8GBでした。

ドスパラ Slim Magnate IE 筐体内部
拡張スロットはPCI Express x16がひとつとPCI Express x1が2つ(赤枠の部分です)、それとM.2 スロットが2つありました。これらの拡張スロットについては、とりあえず「ある」ということがわかっていれば後日ストレージの増設や外部GPUなどの増設を自力でできますので、購入したらしっかり確認しておくといいと思います。このように高い拡張性があるのがデスクトップPC、特にBTOパソコンのいいところですね。

マザーボードは「ASUS PRIME B250M-A」です。ASUSに製品ページがありますので、拡張性に関してはこちらも確認しておくことをおすすめします。
PRIME B250M-A:ASUS公式サイト

完成品のデスクトップPCというのはウインタブでレビューする機会が少なく、拡張性(将来的なポテンシャルと言ってもいいですね)についてはどのメーカーの製品が優れているのか、ということは一概には言えません。しかし、ウインタブにデスクトップPCを貸し出す数少ないメーカーであるドスパラの製品を確認する限り、CPUが陳腐化するまでの間(厳密にはCPUも換装可能ですが)、RAMやストレージの増設、GPU、それこそGeForceの追加など、少しづつ構成を高水準にしていくことができる、というのが魅力だと思います。

3.性能テスト

Slim Magnate IEが高い拡張性を持つ製品だということは理解できました。しかし、処理性能のほうはどうでしょう?ここではウインタブの定番「ドラゴンクエスト X ベンチマーク」「ドラゴンズドグマオンライン(DDON)ベンチマーク」「3D Mark」「PC Mark」をやってみました。なお、従来ウインタブではこれらのベンチマークスコアに関して、CPUとGPUだけに注目していたのですが、実際はRAMやストレージ(特にこの製品の場合はSamsungのSSDを搭載しているので…)がスコアに影響を及ぼしていると思われます。そのため、ベースモデル(RAM4GB/500GB HDD)よりもレビュー機のほうがスコアが高くなっていると予想していますので、その点あらかじめご了承ください。

ドスパラ Slim Magnate IE ドラクエベンチ標準品質
参考:
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 9,643
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 8,727
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 8,409
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 8,385
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 8,207
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 8,106
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 8,055
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 7,646
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 7,176
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 7,405
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 7,230
東芝 dynabook VZ72/B(Core i7-7500U): 7,224
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 7,162
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 7,053
NEC LAVIE Direct HZ(Core i7-6500U): 6,986
マウス m-Book F(Core i7-7500U): 6,974
Microsoft Surface Pro(Core i5-7300U): 6,902
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-6500U): 6,775
HP Spectre 13(Core i7-6500U): 6,505
DELL Inspiron 13 5000(Core i3-6100U): 6,418
Lenovo ThinkPad X1 YOGA(Core i7-6500U): 6,352
Cube Mix Plus(Core m3-7Y30): 6,293

ドスパラ Slim Magnate IE ドラクエベンチ最高品質
参考:
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,706
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,571
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 4,210
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 4,115
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 4,003
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 3,958
NEC LAVIE Direct HZ(Core i7-6500U): 3,787
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 3,674
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 3,670
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,645
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,634
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 3,592
東芝 dynabook VZ72/B(Core i7-7500U): 3,540
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 3,412
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-6500U): 3,394
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 3,136

この製品のCPUはCore i3-7100です。デスクトップ用のCPUなので、ノートPC用のCore i3よりは高性能なのは間違いないですが、スコアの方はかなり高めでした。ドラクエベンチに限って言えば「ノートPC用の第8世代Core i7といい勝負」という結果です。

ドスパラ Slim Magnate IE DDONベンチ
参考:
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,385
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,365
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 3,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 3,890
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,858
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,487
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 3,436
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 3,379
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 3,326
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-6500U): 3,260
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 3,133
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 3,085
NEC LAVIE Direct HZ(Core i7-6500U): 3,068

DDONに関してはCore i7-8550Uに対し、少し水を開けられてしまいました。しかし、ノートPC用のCore i3とは全く別物のスコアにはなっていると思います。

ドスパラ Slim Magnate IE 3D Mark
参考:
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 1,161、4,719
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 1,114、4,389
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 1,097、4,471
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 1,017、4,350
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 1,000、4,304
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 949、4,137
HP Spectre 13 x360(Core i5-7200U): 932、3,994
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 930、4,028
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 923、3,857
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 877、3,991
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 871、3,710
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-6500U):857、3,608
マウス m-Book F(Core i7-7500U): 811、3,782
Microsoft Surface Pro(Core i5-7300U): 790、3,812
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 786、3,804
Lenovo ThinkPad X1 YOGA(Core i7-6500U):784、3,608
※左からFire Strike、Sky Diverのスコア

3D Markに関してはウインタブの過去データで見る限り「ノートPC用のCore i5とCore i7の中間くらい」でしょうか。この製品の価格を考えると、十分満足できる結果だと思います。

ドスパラ Slim Magnate IE PC Mark
参考:
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 2,873
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 2,822
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 2,763
ドスパラ Critea DX-KS H3(Core i3-7100U): 2,198

最後にPC Markです。おそらくこのテストが最も「RAM8GBとSamsungのSSD」の影響を受けていると思います。参考データにあるドスパラのMagnate IMはデスクトップPCで、この製品よりも高性能なCore i5-7400を搭載(ただしストレージは500GB HDD)しているにもかかわらず、レビュー機の圧勝という結果になっています。PC Markはグラフィック性能だけでなく、PCの総合テスト的な性格があるので、個人的には特にストレージの性能差が現れているのではないかと思います。

4.まとめ

ドスパラ Slim Magnate IEはドスパラ公式サイトで販売中で、3月13日現在の価格は49,980円(税込み53,978円)から、となっています。これだとRAM4GB/ストレージ500 GB HDD(ただし、3月13日現在キャンペーンで1TB HDDとなります)になりますので、これをRAM8GB/240GB SSDに変更すると税込み67,434円となります。

この製品はCore i3搭載のベーシックなデスクトップPCといいつつ、処理性能はかなり高くなっていますので、若干奮発してRAMとストレージは変更したほうがいいのではないか、と思います。また、購入時には十分な予算がなくとも、購入後にRAMやストレージなどを少しづつ強化していくことができますので、結果的に性能が陳腐化しにくく、長く快適に使えるのではないでしょうか。個人的にはデスクトップPCの入門機として、この製品のカスタマイズを通じてPC知識を高めていきたいという意欲のある人が購入すると幸せになれるのでは?と思います。

5.関連リンク(ドスパラ)

Slim Magnate IE

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コメント

  1. トシ より:

    ドスパラのスペック表が間違ってるみたいですね
    マザボ変更時の修正漏れっぽい
    ドスパラの方に話してみては?

    • wintab より:

      トシさん、お久しぶりです!確かにそうなんですよね。ドスパラには言っておきます。

  2. 星野カービィ より:

    職場⁽ネットカフェ⁾で使用しているパソコンと同じ型です。
    フリーズ時などに再起動することがよくありますが、RESETボタンがあるので電源長押しする手間が省けて非常に楽です。

    くらいしか言うことがないくらい普通のパソコンです。

    • wintab より:

      星野カービィさん、こんにちは、コメントありがとうございます。かわいいハンドルネームですね!最後の一文は同意です。決して悪くはないし、誰でも使いやすい製品ですけど、レビューするのは簡単じゃないです…。