DELLがAMDの最新CPU(APU)「Ryzen」を搭載する15.6インチスタンダードノート「Inspiron 15 5000(AMD)」を発売しました。InspironシリーズはDELLの主力とも言える製品ブランドで、型番の末尾に「3000(エントリー)」「5000(プレミアム)」「7000(ハイエンド)」という3種類の数字が入ります。この製品は「5000」で、15.6インチサイズの製品だと他に「Inspiron 15 3000」「Inspiron 15 7000」というのがありますので、「Inspironの15.6インチの中位クラス」という位置づけになります。
また、「Inspiron 15 5000」という同名の製品もあり、こちらはCPUにIntel、GPUにAMD Radeon(一部グレードのみ)を搭載します。さらに、この記事では「AMD搭載のInspiron」ということを書きたいわけですが、「Inspiron 15 3000」にもAMD搭載モデルが存在するんですよね…。はい、正直ややこしいので、できれば製品名の体系をもう少しわかりやすくしてもらいたい、という気はします。
1.スペック
この製品はIntel搭載の「Inspiron 15 5000」と同一の筐体が使われています。と書くと「いやCPUがAMDなんだからマザーボードなんかも別だろ」というコメントをいただきそうなんですけど、私が言いたいのはそういうことではなく、「同じガワが使われているので、見た目とかキーボードなどの操作感は一緒です」ということです。
注目のCPUですが、Ryzen 3 2200UまたはRyzen 5 2500Uが搭載されます。このCPUについてはウインタブでもまだ試用したことがなく、どのくらいの性能なのか、はっきりしたことはわかりません。しかし、Passmarkでベンチマークスコアが公開されていました。
Ryzen 5 2500U: 7,774
Ryzen 3 2200U: 5,439
Core i7-8550U: 8,278
Core i5-8250U: 7,600
Core i3-7100U: 3,778
※4月6日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
ベンチマークソフトにもPCとの相性のようなものがありますので、これをもってRyzenの性能をすべて語れるわけではありません。また、Ryzen 5についてはPassmark側で「サンプル数87」ということなので信頼できるデータと言えますが、Ryzen 3のほうはサンプル数が1しかなく、決して信頼性の高いデータとは言えません。
それともう一つ、おそらくRyzenは内蔵グラフィック(Vega3 / Vega8)がかなり高性能なはずなので、ウインタブがいつも実機レビューで使っている「3D Mark」なんかをすると、Passmarkの結果(傾向)とは異なる結果になる可能性があります。
という前置きをさせてもらった上で上記のスコアを見てみると、Ryzen 3はCore i3(第7世代)とCore i5(第8世代)の中間くらい、Ryzen 5はCore i5(第8世代)といい勝負、くらいの印象です。参考までに…。
Ryzenの性能について多少なりともイメージできたところで他の構成を見てみましょう。このInspironは「スタンダード」と「プレミアム」の2グレードがあります。
スタンダード:Ryzen 3/RAM4GB/1TB HDD/1,366 × 768ディスプレイ
プレミアム:Ryzen 5/RAM8GB/1TB HDD/1,920 × 1,080ディスプレイ
正直なところ、特にスタンダードモデルの方はCPU性能に見合ったRAM/ストレージ/ディスプレイ構成とは言えない気がします。また、ストレージにSSDを選べないというのは、いかにももったいない…。価格との兼ね合いというのもありますので、短絡的に否定すべきではないのかも知れませんけどね。
2.筐体
上の方に書いたとおり、この製品はIntel版の「Inspiron 15 5000」と同寸(ただし重量は若干AMD版のほうが軽いです)で、製品画像を目視確認しても違いがわかりません。そのため、筐体説明に関しては、Intel版の紹介記事をご覧ください(展示会で実機を撮影しています)。
DELL Inspiron 15 5000 - 15.6インチ「スタンダードなスタンダードノート」ながら、第8世代Core iプロセッサーとRadeonを搭載!
なお、Inspiron 15 5000は筐体色が5色(ローズゴールド、ホワイト、ブラック、プラチナ シルバー、リーコンブルー)から選べますが、スタンダードモデルのほうはプラチナシルバーしか選べません(4月6日現在)。
3.価格など
Inspiron 15 5000 (AMD)はDELL 公式サイトで販売中で、4月6日現在の価格はスタンダード(Ryzen 3)が65,553円(税込み70,797円)から、プレミアム(Ryzen 5)が74,683円(税込み80,657円)から、となっています。ともにクーポンによる割引価格です。DELLはクーポン割引(製品ページに記載があります)が常態化していますので、定価を表示してもあまり意味はありません。しかし、クーポンの内容は時期によって異なりますので、実売価格は多少変わってくると思います。
CPU性能から考えて、特にプレミアムモデルのほうはお買い得だと思います。しかし、個人的には「高性能なCPUと低速なHDDの組み合わせ」は利用目的を特定しにくい個人利用の場合だとあまり有益な選択だとは思えませんので、できれば(価格は少し上昇するでしょうが)SSDモデルを追加してもらえたらRyzenの実力をより楽しめるだろうなあ、と思います。
コメント
マニュアル見るとSSD増設用のM.2スロットはあるようなので、あとから追加したらだいぶ変わるのかなという印象が。
ノートは、無理にグラボを積むよりAPUに頼るのがいいですね
スタンダードノートとしては十分な性能で、増設も簡単なのはさすがDELLと言いたいんだが
DELLの使ってるTN液晶って真っ白で視野角も狭いのがね
7567持ってるけど正面から見たときに四隅の色まで変わるのは流石にキツイ
米国DELLの公式に乗ってるInspiron13 2in1 (AMD)もなかなか気になる