ASUSが薄型軽量の15.6インチスタンダードノート「VivoBook 15 X512FA」を発売します。「15.6インチのノートパソコン」というのは日本で最もよく売れているPCジャンルで、その多くは誰にでも扱いやすく、そのかわり(正直言って)ちょっと地味な印象があります。しかし、このX512FAはサイズやデザインが「かなり新鮮」という印象を受けます。なのでウインタブ的には「記事が書きやすい」製品ですw
1.スペック
OSはWindows 10 Homeですが、一部のみ「Sモード」になっています。「Sモード」はアプリのインストールに制約があり、Windowsストアに出品されているものしかインストールが出来ないようになっています。ただし、現時点でSモードはユーザーが自分で解除できるようになっていますので、実質的には普通のWindows 10 Homeと変わりません。
CPU、RAM、ストレージに関しては、下記の組み合わせ(バリエーション)から選べるようになっています。
X512FA-8145:Core i3/4GB/128GB
X512FA-8265:Core i5/8GB/256GB
X512FA-826G512:Core i5/8GB/512GB
※X512FA-8145のみプリインストールOSがSモードです
CPUがWhiskey LakeのCore i3とCore i5のみなので、高性能PCではありますが、ハイエンドクラス、というわけでもないですね。RAMはCore i3モデルが4GB、Core i5モデルが8GBです。ストレージはCore i3モデルが128GB、Core i5モデルは256GBと512GBを選べます。「ストレージがSSD専用」という時点でウインタブとしては高評価です。また、この製品は15.6インチながらかなりのコンパクトサイズになっていますので、光学ドライブは搭載していません。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、IPS液晶なのかTN液晶なのかは開示されていませんが、ナローベゼルを採用するなど、ビジュアル面に力を入れている印象がありますので、おそらくIPS(IPS相当)だと思います。
入出力ポートはサイズを小さくまとめている割に充実しています。USBポートは合計で4つありますし、HDMIも備えています。ただし、有線LAN(RJ45)やDisplayPortなど、「できればほしかった」と感じるものはついてないですね。
サイズはかなりすごいと思います。
VivoBook 15 X512FA:357.2 × 230.4 × 19.9 mm / 1.7 kg
HP Pavilion 15-cu0000:376 × 248 × 22.5-24 mm / 2.07kg
HP Pavilion 15-cs0000:361 × 246 × 18.0-20.0 mm / 1.82 kg
Pavilion 15-cu0000というのはHPでも屈指の売れ筋モデルで、光学ドライブを搭載する、スタンダードなノートPCです。15.6インチとしては標準的なサイズ感と言えます。またPavilion 15-cs0000は光学ドライブを搭載しない、スリムタイプの上位機種で、こちらは15.6インチとしてはコンパクトな部類となります。
この2機種とサイズ比較してみると、どの部分でもX512FAが勝っているのがわかります。ウインタブでも「横幅」を気にする傾向がありますが、横幅は360 mmを切っていますので、15.6インチとしては最小クラスと言っていいです。また、さらにすごいのが「奥行き」で、230 mmというのは15.6インチのノートPCとしてはめちゃめちゃ小さいです。そして重量も1.7 kg。「モバイルノートは1.5 kgまで」というのが日頃のウインタブの主張ですが、1.7 kgということなら必要に応じて出先で使うくらいは苦にならないかもしれませんね。
2.筐体
先日紹介記事を掲載したモバイルノート「ZenBook 14 UX433FN / ZenBook 13 UX333FA」や「ZenBook S13(UX392FN)」によく似た雰囲気を持っています。
ナローベゼルを採用し、ベゼル幅は5.7 mm(おそらく左右のベゼル幅を指していると思います)です。こうして見ると、とても「スタンダードノート」とは言えないような、スリムで美しいデザインですよね!
ZenBookシリーズと同様、「エルゴリフトヒンジ」が採用されています。ヒンジ開口時に筐体後部がせり上がり、キーボード面に約2度の角度がつきます。
キーボードです。画像は英語配列ですが、日本仕様は「102キー日本語キーボード」で、製品ページを見ると、バックライトも装備されているようです。
ちょっと心配なのがキーピッチです。ASUSではキーピッチを公開していませんが、この製品の横幅は357 mmと非常に小さく、「テンキーをつけても大丈夫?」という気がします。実際、他社の横幅360 mmクラスの15.6インチノートにははテンキーを備えていないものもありますしね。ただ、見た感じはよさげなレイアウトですけど。あと、テンキーのサイズは小さめですね。それと、タッチパッド内には指紋センサーも備えます。
筐体色はいくつか用意されています。先行して発売されるのが「トランスペアレントシルバー」と「ピーコックブルー」で、ピーコックブルーは最上位のX512FA-826G512のみ、それ以外は当面トランスペアレントシルバーのみが用意されます。また、「コーラルクラッシュ(鮮やかなオレンジ)」というのもありまして、こちらはASUS Store限定色になるとのこと。
入出力ポートの配置です。少なくともUSBポートに関しては十分な数が装備されていますし、フルサイズ(Type-A)ポートが主体なので、手持ちの周辺機器の接続にも困らないと思います。
3.価格など
ASUS VivoBook 15 X512FAは4月下旬の発売予定で、ASUS Storeでの価格は下記のとおりです。
X512FA-8145:Core i3/4GB/128GB:69,500円(75,060円)
X512FA-8265:Core i5/8GB/256GB:109,500円(118,260円)
X512FA-826G512:Core i5/8GB/512GB:119,500円(129,060円)
※カッコ内は税込価格
※X512FA-8265にはOffice H&B2019付属モデルあり。119,800円(129,384円)
ええと…、割と価格設定がアバウトな気もしないでは…。Core i5(8265)のOffice付属モデルとOfficeなしモデルの価格差がわずかに税抜き10,300円であるとか、ストレージ256GBモデルと512GBモデルの価格差も1万円のみとか、Core i3モデルが妙にお買い得に感じられるとか…。
この製品は15.6インチなので「スタンダードノート」として記事を書いてきましたが、書き終えてみて「モバイルノートって言ってもおかしくないよなあ…」と感じます。モバイルノートとしては重量が少し重いですが、パッケージングを見ると、毎日持ち歩きたくなるような雰囲気が出まくってますよね。もちろんスタンダードノートとして見てもスペックが良く、SSD専用なので、どのバリエーションモデルを選んでもサクサク動いてくれると思います。なんかすごく魅力的なノートPCに思えますね。