こんにちは、かのあゆです。Googleをはじめ、部品メーカーやソフトウェアメーカーなどから取引を停止され、苦境に陥ってしまっているHuaweiですが、新たにGoogleのサービスに依存しない独自OSを開発するという情報が各種ニュースサイトなどで報じられています。
目次
1.Android 10 “Q”の公式ベータテスト対象からHuawei端末が外れる
このニュースに前後して、現在今夏の正式リリースに向けて開発中となっているAndroid 10 “Q”の公式ベータのシステムイメージ配布対象機種から当初は対応していたHuawei Mate 20 Proが外れています。
Huawei Mate 20 Pro quietly removed from Google’s Android Q Beta page : 9to5Google
Android 10”Q”の開発者向けベータ版に関してはBeta 3からGoogle Pixelシリーズ以外の一部の端末でもインストール可能なシステムイメージの配布が開始されています。
ここで配布されているベータ版はEMUIが搭載されているHuaweiによるカスタマイズ版ではなく、いわゆる素の「AOSP版」Android OSですが、Google Play StoreやGmailなどのGoogleアプリ群が搭載されているシステムイメージになっています。つまり、Google関連のアプリが入っている状態の開発版の提供を終了した形になります。
2.Huawei独自のOSを開発か
このような状況を受けてか、Huaweiは早ければ今秋までに今後発売される端末に新規搭載される、「Hongmeng OS」と呼ばれる全く新しいOSを開発しているという報道が5月22日になって各種ニュースサイトやガジェット情報サイトで報じられるようになりました。
現時点ではこれ以上の情報がないため、全く新しいOSを一から開発し直すのか、それとも現在のEMUIをベースにGoogle依存要素を省いたカスタムOSとしてリリースするのかは不明ですが、この時期にゼロから開発しても秋に発表される新端末の発表に間に合わない可能性があることから、AOSP版Androidをベースにしたものになるのでは?と予想しています。
3.Androidアプリもサポート、独自ストアをオープンか
またこの独自OSは既存のAndroidアプリとの互換性も確保されるとのことで、おそらくGoogle Play Storeの利用はできなくなるためインターネット上でダウンロードしてきたAPKファイルのインストールに対応するほか、この独自OS用の専用ストアもオープンすることになりそうです。
ただし、Google Play Storeの膨大なアプリラインナップをどこまで揃えられるかは未知数で、そもそもグローバル向けに販売される端末にこの新OSが搭載されるかも不明です。
4.まとめ
Android 10”Q”の公式ベータ対象から今の段階でHuawei Mate 20 Proが外れてしまうというニュースもショックですが、Huaweiが独自OSを用意しているというニュースには更に驚きました。AndroidベースのEMUIにGoogle関連のモバイルアプリを組み込めない状況が続いた場合、今後の新製品にはこの独自OSを搭載して発売してくる可能性があります。
ただし、良くも悪くもスマートフォン向けOSに関してはAppleのiOSとGoogleのAndroidの二強であり、第三のモバイルOSとして過去に発表されたFirefox OSやWindows 10 Mobile、Samsung Tizenなどはあまり普及しないまま撤退という形になってしまった、という前例もありますよね。
日本国内においてもAndroid端末に関してはGoogleサービス依存の面が強く、Huaweiの独自OSがAndroidベースであったとしてもGoogle Play Storeが利用できない状況で普及するかは厳しいのではないでしょうか。
このニュースに関しては今後の速報に注目していきたいと思います。
5.関連リンク
ファーウェイ、独自OS開発 ── 現時点までに分かっていること : Business Insider
コメント
国内市場が馬鹿ほど大きい上に中国国内では買い支えの動きがあるみたいなので、意外と何とかしそうな予感はします。
あの国は以前CPUも自力で開発しています。
中国・兆芯のx86互換8コアSoC「開先KX-5000」の全貌 – PC Watch https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1103966.html
OSまではなんとかなるけどSoCと部品がな。パナソニックと取引中止だから電池は別から仕入れる必要ある。完全中華製は相当ハードル高い。
アプリが充実していないOSに価値はないので、Android完全互換でなければグローバル市場で売れることはないでしょう。仮に完全互換が実現したとしても、米国とその同盟国では輸入禁止になるかも。