こんにちは、オジルです。ここのところ低価格スマホの中では頭ひとつ抜けてきた感のあるBlackview。品質がどんどん向上してきており、「どうせ安かろう悪かろうでしょ?」と軽視してはいけないブランドになってきた感があります。そんなBlackviewのサブブランドであるOSCALから登場の「TIGER 12」は少し前に紹介記事が出ていましたが、満を持して11月23日より販売が開始されます。
紹介記事はこちら
Blackview OSCAL TIGER 12 - Helio G99搭載の4Gミッドレンジスマホ、OSCALブランドだけに価格にも期待!
今回は発売に先がけてメーカーよりサンプル製品をご提供いただき、実機に触れることができました。稚拙な表現で恐縮ですが、発売と同時にスタートするワールドプレミアセールの価格がちょっとバグってますw
開始は11月23日17時。対スペック比で考えるとおそらく争奪戦必至かと思いますので、ぜひお読みいただき、参考になりましたら幸いです。
・重いゲームをしなければまず困らないCPU性能
・筐体品質が良く、チープさを感じない
・リフレッシュレート120Hz対応、可変設定もある
・カメラ性能が思いのほか良好で気分よく撮影できる
・ケースとガラスフィルムが付属するのは嬉しい
ここがイマイチ
・音は悪くないがモノラルスピーカー
・防塵/防水ではない
販売サイトはこちら
Blackview OSCAL TIGER 12:OSCAL Official Store(AliExpress)
目次
1.Blackview OSCAL TIGER 12 スペック
スペック表
OSCAL TIGER 12 | |
OS | DokeOS 4.0(Android 13ベース) |
CPU | MediaTek Helio G99 |
RAM | 8GB/12GB(拡張機能により最大16GB/24GB) |
ストレージ | 128GB/256GB |
ディスプレイ | 6.78インチ(2,460 × 1,080) |
バンド | B1/3/7/8/19/20/28A/28B/40 |
SIM形式 | Nano SIM × 2 |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth |
入出力 | USB Type-C、microSDカードリーダー |
カメラ | イン13MP/アウト64MP+2MP(深度測定) |
バッテリー | 5,000 mAh |
サイズ | 168.5 × 76.6 × 8.35 mm |
重量 | 198 g |
コメント
OSはAndroid13ベースのDokeOS 4.0です。ウインタブでは過去に何度もレビューしているOSで、基本的に素のAndroidに近いつくりに独自機能を追加したUIになっているため、Androidユーザーであれば違和感なく使えるかと思います。
CPUは最近の中華コスパ系スマホ・タブレットによく搭載されるHelio G99を搭載します。私は何度かこのCPUを搭載した端末を触ってきましたが、5Gに非対応である点、重量級のゲームを高解像度でプレイできない点を除き、多くのユーザーが一般的な使い方をする上でストレスを感じることはないCPUと言えるでしょう。このCPUを搭載する製品のほとんどはAntutuでのベンチマークテストで40万点程度をマークします。
RAMとストレージについては8GB/128GBもしくは12GB/256GBの組み合わせから選択となります。最近よく見かける「ストレージを仮想RAMとして拡張できる」機能を搭載しており、TIGER 12の場合は8GBならプラス8GB、12GBならプラス12GBまで追加することが可能。ただしあくまでも仮想RAMであり、物理メモリが枯渇した際の補助的な役割なので過度な期待は禁物です。と言いつつ、Helio G99搭載機であればヘビーな使い方をしなければ8GBでも十分そうな気はしますが。
カメラはイン13MP、アウト64MPとなっています。最近は低価格帯のスマホでも50MPクラスは当たり前になってきているので数字だけでは判然としない部分があるのですが、イメージセンサーがサムスンの「ISOCELL GW3」を採用しているとのこと。念のため調べてみると、Xiaomi Mi 11 LiteやGalaxy A52などにも採用されているものと同じなので、ひとつの指標にはなるかと思います。
細かいところは後述しますが、筐体の質感や機能面は総じて概ね良好です。重量は198gと決して軽くはないですが、ディスプレイサイズが6.78インチならむしろ軽めですし。スペック表に乗らない部分でいくと、防水/防塵タイプのスマホではないことには気をつけてください。
2.Blackview OSCAL TIGER 12 筐体
外箱です。派手というか某球団のようなカラーリングですね。ただ、不思議と実物はあまりいやらしさは感じません。かといって高級感もありませんが。
同梱品です。ACアダプターと充電ケーブル、TPU製ケース、ガラスフィルム、説明書ですね。アダプターは海外モデルなので注意、こちらを使用したい場合は別途変換アダプタを用意する必要があります。ケースは画像だと透明のように見えますが薄いグレーとなっていて、透明だと使っているうちに黄ばんでしまうため、個人的にはこれでアリ。ガラスフィルム付属も優しいですね。説明書は多言語対応ですが、本体各部の説明と簡素な説明しかありません。
続いて本体です。まずはディスプレイ側から。ご覧の通り、ベゼルは極狭小とまではいかないものの、近頃よく見るくらいの狭さではありますね。カメラはパンチホールノッチになっていて、若干ノッチが大きいような気がしなくもないですが、神経質になるほどでもありません。
裏面です。今回のレビュー品は「クラウドウィンググレー」でした。質感や色味に関しては現在メインで使っているXiaomi 11T、もしくはそれ以前に使っていたRedmi Note 9Sと似た雰囲気で、光の当たる角度によって見え方が変わる仕様になっていてチープさは感じません。それに、一見するとカメラバンプがやたら大きく見えるかもしれませんけど、実機を見るとなぜか全く変な感じはしないんですよね。本体を取り出した際に通りかかった妻が「あ、それかっこいいね。いいじゃんいいじゃん!」と言っていたくらいなので、私の感覚もあながち間違ってなさそうです。
左下には控えめなロゴ配置。どうでもいい話ですけど、本体のBlackviewといいOSCALといい、多くの中国メーカーが「ザ・中国」っぽい名称を使っているなか、絶妙なラインで欧米風の雰囲気にしているのは嫌味ではなく経営戦略上うまいなと感じます。話が逸れてしまい失礼しました。ロゴの右側にはシールが貼ってあり、技適マークと番号もこちらに記載されています。
底面部です。左からスピーカー、Type-C端子、マイク、イヤホンジャックとなっています。スピーカーはこの位置のみのモノラルですね。
上部には何もありません。…と、カメラバンプが近いので、参考までに「どれくらい出っ張っているか」確認してみました。
こんな感じです。出ている長さとしては2mmくらいなのですが、角ばっておらず下に行くにつれ緩やかにカーブしていることもあり、触っているとやはり見た目ほどの存在感はありません。
本体右側はよくある構成。上下で分離していない音量ボタンと、電源ボタンと指紋認証を兼ね備えたボタンです。
左側面にはSIMトレイのみになっています。SIMトレイは2枚のSIMに加え、最大1TBのmicroSDカードを入れられる仕様です。
念のためケースを装着した状態も載せておきます。フィット感は問題なく、地味にありがたいのがカメラバンプ全体を保護してくれている点。本体の厚さは増してしまうのですが、こういったケースはカメラバンプの高さに揃うよう、カメラバンプが剥き出しになっているタイプもありますからね。それでは本末転倒かなと個人的には思っています。強いて欠点を挙げるなら、指紋がだいぶつきやすくなるのと、音量ボタンが独立していないことも手伝って若干の押しにくさはありました。
3.Blackview OSCAL TIGER 12 使用感など
システム
前述の通り、OSは独自のDokeOS 4.0です。今回のレビュー機は8GB/128GBモデルで、初回起動時のストレージは14.1GB使用している状態でした。デフォルトで拡張RAMは6GBに設定されていて、プラス値は2~8GBで細かく設定できます。余談ですが、プラス8GBに設定したあとでプラス6GBに戻そうとしたところ、スライドバーの微調整が何度やってもうまくいかず、6.02GBまでが限界でした…。私は気にしませんけど、念のためお伝えしておきます。
ホーム画面とプリインストールアプリの一覧です。DokeOS独自のキッズモードや一部の機能を制限するフォーカスモード、ゲームモードなど、これまでウインタブでレビューしてきた製品と同じような構成になっていて、Google関連アプリ以外にはゲームなどの余計なアプリはありません。
ディスプレイ
先ほどの本体画像を再掲します。ディスプレイサイズは6.78インチ、解像度は2,460×1,080のFHD+で、見たところ発色などで気になるところは一切ありません。
リフレッシュレートに関しても最大120Hzなので、ブラウジングやSNSなどでスムーズに表示される恩恵はしっかりと感じられました。ちなみに「スムース」という最大120Hzの可変リフレッシュレートの設定がデフォルトになっていて、60Hz、120Hzの決め打ちも可能です。普段使っているXiaomi 11Tでは60Hzか120Hzどちらかを選択するのみなので、もし可変でバッテリー持ちがよくなるのであればいいな、とは思いましたが…短いレビュー期間中では詳細を追えなかったため、折を見て確認できたらと考えています。
また、念のため触れておきますが、NetflixやAmazon Primeなど有料系の動画配信サービスで視聴できる解像度についてアプリ「DRM Info」にて確認したところ、Widevineは「L3」でした。YouTubeではFHDでの再生はできますが、多くの有料配信サービスでの動画はSD画質になるかと思いますのでご注意ください。個人的にはタブレットでSD画質は残念ですけど、スマホならまだなんとか我慢できるかな、とは思います。
スピーカー
こちらはTIGER 12のスピーカーについてメーカーが説明している画像です。最初に断っておきますが、これから書くことは文句ではありません。
まず、バッテリーはスピーカーと関係ないだろ!という突っ込みはどうでもいいんですけど、モノラルスピーカーで「Smart-Kボックススピーカー」などと言われても感動のしようもなく、調べてみてもそれが何なのかはさっぱり分からず。でまあ、当然期待せずにいたんですけど…いやぁ、意外と悪くないんですよw
過去に低価格帯のスマホやタブレットをいくつもレビューしてきて、特にモノラルスピーカーのものは音潰れがあったり、いまいちパッとしない印象を受けることは多々ありました。実際、スピーカーに納得できなければイヤホンで聞けばいいという話に落ち着くのですが、TIGER 12は変にストレスを感じない音で、むしろSmart-Kボックスが何かを教えてほしくなったくらいです。ステレオで聴いてみたかったという点においては少し残念でしたね。
カメラ
まずはカメラのUI関連なんですけれども、機能面としては一通り揃っています。ナイトモード、パノラマ、美顔、白黒、ポートレートのほか…細かく設定できるプロモードもあります。デジタルズームは2倍の選択しかありません。
設定画面ではシャッター音のオン/オフが可能。中国メーカーのスマホやタブレットは、たまに信じられないくらいのシャッター音で自分&周囲の人を驚かせる製品が存在しますから、TIGER 12うんぬんではなく、オフにできる仕様にしてくれているのは助かります。
日中に撮影した写真です。データサイズを縮小した都合で全体的にジャギーが目立っていますが、実際のサイズではそんなことはなく、しっかりとディテールが確認できます。また、特に白飛びすることなく、発色やコントラストに不自然さはありません。TIGER 12を取り出してすぐノーマルモードで撮影しただけなのですが、思っていたよりもクオリティが高くて少し驚きました。
夜間撮影に関しては、まず、ナイトモードで何が変わったのか、私にはさっぱり分かりませんでした。もっと暗いところであればまた違ったんでしょうけど…。とはいえ、撮る前は光源周辺のフレアがもっときついだろうと思っていましたが、なかなか良さげです。
比較のためにXiaomi 11Tでも撮影してみました。こちらのほうがメリハリがあり、雰囲気は出ているように感じます。ただ、私のような素人がどちらか片方だけを見たとしたら、そこまで違わないかな、とも思いました。
最後、外食時に撮影する機会を逃してしまったため申し訳程度ですが食品です。横浜では超有名な「勝烈庵」のお弁当。こちらもサッと撮っただけですが、撮影者の腕はさておき、なかなか美味しそうに見えるんじゃないかなと!
性能テスト
ここのところ、中国メーカーがこぞってスマホやタブレットで搭載しているHelio G99。見飽きたという読者の方もいるでしょうが、念のため今回もAntutu(v10)にてベンチマークテストを実施しました。
結果は総合412,203と見事に妥当な値になりました。基本的に40万点というスコアであればブラウジングやSNS、動画視聴、重くないゲームならストレスなくこなせるでしょう。というか、私はこれで十分。
お約束というか、結果はやらずとも分かっていたのですが…重量級スマホゲームの代名詞、原神では最低画質を選択されました。そのまま少しプレイしてみたところ、やはり解像度は低くなりますが、そこまでカクつくこともなくプレイ自体はできますよ、たしかに。でも、やはりがっつりとゲームをしたい方はおそらく他のフラッグシップ機を選択するはずですから。
重いゲームも解像度を下げれば楽しめる、そうでないゲームはだいたいできる、ゲームをしないなら問題なし。TIGER 12はそんな位置づけのスマホと考えておけば良いのではないでしょうか。
4.Blackview OSCAL TIGER 12 レビューまとめ
冒頭でお伝えしたようにTIGER 12はAliExpressにて11月23日発売となり、同日午後5時(日本時間)よりワールドプレミアセールがスタートします。セール価格は8GB/128GBが93.99ドル、12GB/256GBが133.99ドルとなっていますが、数量限定の10ドルOFFクーポン「23AE10」が用意されており、これを使うと8GB/128GBが83.99ドル(約13,000円)、12GB/256GBが123.99ドル(約19,200円)で購入できます。ただし、このクーポンは発売後早い時期になくなってしまうと思います。
普段使いに困らないCPUに8GBのRAM、リフレッシュレートが120Hz、カメラもそこそこ。国内メーカーでこれを実現すると、たぶん安くても4万円くらいにはなってしまうんですよね。数年前までは随所にチープさが目立った中国メーカー製品も今や隙がほとんどなくなってきましたし、TIGER 12はそんな中でもだいぶ健闘していると感じます。モノラルスピーカーや防水、おサイフケータイ非対応といった部分が気にならない方は、セール価格で買えるなら即決でいいでしょう!それにしてもBlackview、近い将来もしかしたら大化けするかもしれませんね…。
5.関連リンク
Blackview OSCAL TIGER 12:OSCAL Official Store(AliExpress)
コメント
この価格帯でB19対応なのもアツいですね!
QI非対応なことだけが気になるけどコスパ抜群って感じ
コメントありがとうございます。
ドコモ回線のユーザーにとってはありがたいですよね!細かいところで日本のスタンダードなスマホの仕様とは外れている部分はありますが、スペックとしてはコスパめっちゃいいと思います。