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Timekettle WT2 Plus - 完全ワイヤレスイヤホンのような翻訳機。使っている姿がちょっと未来っぽいです。

WT2 Plus
フォーカルポイント株式会社が、7月31日に都内でプレスイベント「Timekettle Media Day 2019」を開催し、イヤホン型翻訳機「WT2 Plus」を紹介しました。ウインタブも海外企業経由で招待状をいただき、参加してきましたので、簡単にレポートさせていただきます。

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今やWebでも多言語の翻訳が可能で、特にGoogle翻訳は非常に多くの言語に対応していますし、ブラウザーのChromeなどはワンタッチWebページを翻訳してくれるようになっています。しかし、日本語というのは「結構めんどくさい」言語なんでしょう、日→英あるいは英→日とか、日→中あるいは中→日なんかをWebで翻訳しても、いまだに「かなり厳しい」というのが正直な感想です。私は言語について詳しい知識がありませんが、日本語ってそもそも語順(主語、述語とか)がヨーロッパ系や中国語とは違ってますし、文章の最後まで聞か(読ま)ないと肯定文なのか否定文なのかわからないとか、外人さんとか翻訳機さんにしてみれば厄介なんでしょうね。

私なんかはイタリア語のWebサイトを翻訳するのに伊→日ではなく、伊→英にして、英語でなんとか理解しようとつとめています。そのほうが日本語の翻訳結果を見るよりラクなんですよね。

翻訳機と言えば、私の拙い情報だと「ポケトーク」の評判がいいようです。実は私、ポケトークを5月末のCOMPUTEX TAIPEI視察の際にレンタルしてました。結論としては「あんまり出番はなかった」んですけど、ピンポイントでは役立ってくれました。具体的には「英語が通じなかったとき」に使ったんですけど、100点満点とは言えないものの、Web翻訳よりは数段精度が高く、ある程度意思疎通が可能でした。ポケトークを使ってみて、「あと数年したら、この手の翻訳機の実用性が飛躍的に向上するかも」と思いましたね。

そろそろ本題に…

WT2 Plus
今回のイベントで紹介された「WT2 Plus」は完全ワイヤレスイヤホンに似た形状の翻訳機です。ご覧のようにケースに入っていて、ケースはバッテリーを内蔵しています。

WT2 Plus
ケースは真ん中からパカッと割れます。いや「開口します」。

WT2 Plus
ケースの中には、このように「大型の完全ワイヤレスイヤホン」みたいなユニットが入っています。しかし、この製品はイヤホンではないし、音楽用のイヤホンとしては使えません。もっというと、「一人の人間が両耳にWT2 Plusを装着することはない」です。一人が使うのは片方のユニットのみ。

WT2 Plus
こういうことです。ユニットを二人でシェアしながら、一方が(例えば)英語を話すと、もう一方に(例えば)日本語の翻訳結果が伝わる、という仕組みです。ここだけ見るとめっちゃ未来的ですよね!私も「すごい」と思いました。

WT2 Plus
使い方を簡単に説明します。この製品は「同時通訳モード」「タッチモード」「スピーカーモード」の3つの使い方があります。また、イヤホンのように母艦となるスマホ(AndroidもしくはiOS)が必要です。母艦スマホとはBluetooth接続です(Bluetooth 4.2以上が必要なので、古いスマホだとうまく行かないかも)。専用アプリ(上の画像です)はGoogle Play(Android)もしくはApp Store(iOS)から無料でダウンロードできます。

まず、「同時通訳モード」ですが、これがWT2 Plusの最大のセールスポイントとなります。これまで説明してきたとおり、端末操作が不要(使い始めには少しセットアップ操作が入ります)で、自分と相手、それぞれ片方の耳にWT2 Plusを装着して、あとは交互に話すだけ。

WT2 Plus
この製品にはノイズキャンセリング機能も搭載されれていますが、同時通訳モードの場合、外部の音を拾ってしまう場合もあるようなので、静かな場所で使うことが推奨されています。

次にタッチモードです。少し上の、アイスクリームを食べながら話をしている女性の画像を見ていただくと、WT2 Plusに触れながら会話しているのがわかります。このように、WT2 Plusのユニットに付いているセンサーに触れながら話し、話し終わったらセンサーから指を離すと、相手方のユニットに翻訳結果が伝わる仕組みです。こちらは騒がしい環境向けです。

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WT2 Plus
最後にスピーカーモードです。これはポケトークなんかと同じ仕組みですね。スマホのマイクとスピーカーを使って翻訳します。具体的にはスマホアプリのボタンを押しながら話し(あるいは話してもらい)、終わったらボタンを離すと翻訳されます。

WT2 Plus
イベント当日はWT2 Plusのデモも実施されました。

WT2 Plus
なお、3つのモードを使用中、スマホの画面にはこのように翻訳結果が表示されます。精度のほうですが、デモを見た限り、「100点満点」とは言えないようです。個人的な印象としては「ポケトークくらい」かな、と思います。また、36ヶ国語、地域アクセントを含めると90もの言語(アクセント含む)に対応します。

翻訳の仕組みはポケトークと同じように「クラウド型」ですね。音声をサーバーに上げて翻訳し、翻訳結果を返してくる、というパターンで、卓上の電子辞書などとは異なります。ということはサーバーとか反応速度が気になるところです。

WT2 Plus
サーバーのロケーションです。しっかり東京にもサーバーが置かれています。これを持って通信の強固さを完全に説明することはできないと思いますが、インフラ関係にもしっかりお金がかかっているのは間違いないです。

WT2 Plus
それともうひとつ。歓迎したいのが「OTAアップデート」に対応するという点です。ハンディな翻訳機の領域は技術革新が早いと思われますので、OTAアップデートによって常に最新の技術が取り込まれるという点は評価したいです。もちろん肝心なのはクラウドにある翻訳アルゴリズムなんですけどね。

また、クラウド翻訳ということは、ネット環境がないと使えないわけですが、イベント当日、「近日中にオフライン翻訳機能を実装予定」という発表がありました。オフラインだと精度が少し不安な気もしますが、歓迎すべき改善点だとは思います。

WT2 Plus
画像中央左がフォーカルポイントの恩田社長、中央右でTimekettleのロゴを持っているのがTimekettleの共同創業者、Alex Qin氏、画像の左端がTimekettleのマーケティングスペシャリスト(プレゼンテーションはこの人がやりました)Kazef Ye氏です。

Timekettleのお二人とは名刺交換をさせていただきましたが、こういうベンチャービジネスのトップクラスの人って、本当に腰が低いですよねー。また、フォーカルポイントの恩田社長も出席者に個別に丁寧に挨拶をしている姿に好感が持てました。トップの姿勢が素晴らしいと、「きっとこの製品はうまく行くに違いない」って思えますね。

ただ「きっとうまく行く」ではなく、すでに「うまく行っている」ようです。WT2 Plusは先日のAmazonプライムセールで、米国内で一日に1,500個を売り上げたそうです。記事の冒頭にちらっと書きましたけど、クラウドでの翻訳って、ヨーロッパ系の言語同士ならかなり高い精度になるんだろうなあ、と想像します。アメリカの場合はスペイン語の話者が増えているようなので、特に英語⇔スペイン語なんかで高いニーズがあるのかもしれませんね。

WT2 PlusはAmazonや楽天などでフォーカルポイントが販売中で、8月1日現在の価格は税込み27,880円です。

ポケトークを少し使ってみて感じたんですが、日本語から他言語に翻訳をする場合、「文法通りにしゃべる(主語を省略しないなど)」というのと「専門用語やスラング、固有名詞はできるだけ避ける(ジワるとか草とかは使わない)」みたいな配慮は必要です。そこに注意すれば、現時点でも結構いい仕事をしてくれるんじゃないか、と思いますね。

最後に、YouTubeにWT2 Plusの使い方説明やデモをしている日本語の動画がありましたので、リンクしておきます。かなりわかりやすいです。

WT2 Plusの使い方

関連リンク

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