こんにちは、natsukiです。microSDカードは、Amazonで、それなりに信頼できるストアで日本や欧米のメジャーブランドのものを買うのと、中華ブランドを買うのとで、あんまり価格差がないジャンルです。ただし、その中で32GBのみは、中華ブランドのものをかなり安く手に入る機会が多くあります。一方で、このようなストレージ系は、ものによっては額面通りのスペックを持っていなかったり、偽造品も出回るなど、要注意のジャンルでもありますね。
そこで、今回は、中華microSDカードのブランドとしては比較的メジャーな「MIXZA」の製品品質をじっくりチェックして、その実力をみてみようといわけです。
1.「MIXZA」ブランドについて
先述のように、microSDはものによって性能差がかなりあるので、信用のもとであるブランドは大切でしょう。
今回とりあげる「MIXZA」は、中華ECサイトでよく見かける、おそらくmicroSDカードの中華ブランドとしては一番売れているブランドです。香港を本拠地にして、microSDカードを中心にストレージ系製品を販売していて、AliExpressや、Gearbestにはオフィシャルストアもあります。価格は基本的にAliExpressの方が安いですが、Paypalが使えないし、Gearbestはしょっちゅうセールやってるので、ピンポイントで安くなる場合がありますね。サメのイラストが描かれたmicroSDカードというと、見たことがある人もいるんじゃないでしょうか。
中華ECサイトではもっとも広く出回っているブランドなので、一定の信頼はできるでしょう。あとは、偽造品をつかまされる心配ですが、無難なのは上述のオフィシャルサイトですね。その他、BanggoodやTOMTOP、Geekbuyingなどの各ECサイトも、それぞれの責任で仕入れているので、偽造品の可能性は低いかと思います。なお、後述のように、正規品には偽造品チェックのためのQRコードステッカーも付いてますし。
2.今回の購入品
今回の購入品です。
購入は、Gearbestのオフィシャルストアから。MIXZAブランドのmicroSDカードの中でも一番売れている、サメのマークの「Ocean Series」で、容量は32GB。速度はClass10でUHS-1対応。公称、80M/sの読み取り速度ということです。購入時の価格は、セール対象だったので924円に送料26円で950円でした。なお、AliExpressの方だと常時900円弱くらいで手に入りますが、ここはPaypal使える安心感とどっちを取るかでしょう。
注文から2週間弱で到着。開ける前の写真を撮り忘れました。こんな感じの三角形のパッケージに入っています。2016年製造で、32GBなので、SDHC規格です。ちなみに、microSDカード本体の裏側には、「Made in TAIWAN」と書いてありました。
パッケージの裏側には、偽造品でないことを確認するためのQRコード付きシールも貼られており、コードを読み取ることで正規品かどうかの確認が可能です。ガチで偽造すれば、いくらでもごまかしようはありそうな気はしますが、メーカーとしてこのような対策を行っていることは評価できると思います。
3.性能をチェック
ではでは、どの程度の性能があるのか、ベンチマークを取ってみたいと思います。
比較用として、TOSHIBAの64GBのmicroSDカードを用意しました。同じ32GBのがあればよかったんですが、手持ちにないのでとりあえず。いずれも、Class10で、UHS-1対応。ただし、MIXZAがSDHC規格なのに対して、TOSHIBAの方は容量が64GBのため、SDXC規格です。なので、あくまで参考程度に。
念のため容量チェック
QRコードで確認しているし、まず大丈夫とは思うのですが、せっかく記事にしているので、念を入れて、容量偽装がないかも調べておきます。
使用したのは「Check Flash」。昔ながらの枯れきったソフトですが、まだまだ利用価値はありますよ。
ご覧のとおり、パーフェクトです。容量偽装はもちろん、セクタ不良もありません。いや、当たり前なんですけどね。
細かいことを言うと、読み取り速度が後述のCrystalDiskMarkのものの半分くらいしか出ていませんが、実は、このテストは「Cube Mix Plus」で行っていまして、この読み取り数値は「Cube Mix Plus」側のmicroSDカードスロットがボトルネックになっています。概して、タブレットPCのmicroSDカードスロットはこのくらいの数値しか出ないので、タブレットPCに大容量のmicroSDカードを挿そうと思っている人は、ちょっと頭に入れておいた方がよいかと思います。
Windowsでの速度計測
いよいよ、「CrystalDiskMark」で計測します。パソコン側はNECの「Lavie L」で、変換アダプタをかぶせてSDカードスロットに挿します。まずは、MIXZAから。なお、計測前にexFAT形式でフォーマットしてあります。
いきなり、シーケンシャルリードで公称値以上の数字をたたき出しました。なかなかやりますね。シーケンシャルライトも、これだけ出れば十分優秀でしょう。一方、ランダムリード・ライトは苦手。これは、microSDカード全般に言えることです。やはりmicroSDカードは、ソフトやアプリを入れるのではなく、純粋に画像・音声・動画などのデータ置き場にするのが向いているでしょう。
対するTOSHIBAですが、すでに2年間使い倒しているものなので、2年前に購入したときに計測したデータも載せておきます。左が購入当時。右が現在です。ちなみに、ずっとWindowsマシンで運用している都合から、ファイル形式はNTFSです。
CristalDiskMarkのバージョン違いにより、表示項目が違っているので気をつけて下さい。シーケンシャルリードは、衰えずといえども、以外にもMIXZAの圧勝という結果になりました。シーケンシャルライトがずいぶんヘタっていますが、2年間使用した事によるものなのか、CristalDiskMarkのバージョンの違いによるものなのか、はたまたそのときの具合なのかは不明です。
逆に、ランダムリード・ライトは、TOSHIBAの勝利。いずれもMIXZAの約2倍の数字で、2年間の衰えも見えません。これは、規格の違いによるものかもしれません。Amazonに膨大にあがっているベンチマークをざっと見ても、ランダムリード・ライトについては、32GB(SDHC)と64GB(SDXC)では明確に差があるようですね。とはいえ、やはり遅いことに変わりはありませんけど。
スマホでの速度計測
スマホでの計測です。スマホに入れたときにフォーマットを求められるので、FAT32形式になっています。このとき、内部ストレージとしてフォーマットしてアプリのデータを移すことも可能ですが、先述のように、microSDカードはランダムリード・ライトが苦手なので、あんまりアプリ関連のものを入れたくありません。なので、あえて「外部ストレージとして」フォーマットしてあります。なお、TOSHIBAの方は中のデータをつぶしたくないので、スマホでの計測はやってません。ご容赦下さい。
ということで、「MIXZA」のmicroSDカードを計測します。仕様アプリは、「A1 SD Bench」です。
一番上の「SD card」が、MIXZAのSDカードです。リード・ライトはWindowsの時よりひとまわり振るわないものの、まあ、想定範囲内でしょうか。これが「UMI Z」側の問題なのか、ファイル形式がFAT32になったことによるのかは分かりません。「Internal memory」は、スマホ本体の内部ストレージの速度。「A1 SD Bench」のいいところは、今までにこのアプリで他人が計測したデータも参照できるところなのですが、ミッドレンジのスマホとしては、だいたいこんな数値のようです。高級機だとかなりすごい数値が出るみたいですけどね。
ともあれ、だいたい内部ストレージの2/3くらいの速さ。これなら、実用十分でしょう。
これは、データをmicroSDカードにコピーしているところです。使用ファイラーは「X-plore File Manager」です。写真のような小規模なファイルを大量に移していますが、だいたい平均で10M/s~20M/s程度です。ほぼ、上記のベンチマーク通りのライティング性能と言ってよいでしょう。
また、カメラのデータをデフォルトでmicroSDカードに保存するようにしても、カメラを撮った後に保存に待たされる(一昔前のデジカメはよくあった)ということもありません。ギャラリーを、ダーッとスクロールしたときの読み込みのラグも、内部ストレージのときと体感上はそんなに代わりません。これは、理屈上は多少遅れているはずなんですけどね。ともかく、実用十分な性能を持っていると言えるでしょう。なお、「UMI Z」の場合は、本体ストレージに写真を保存している場合でもギャラリーをスクロールしたときのラグが生じるので、あんまり違いを感じていませんが、先述のように、内部ストレージの速度が速い高級機の場合だと、microSDカードにデータを移した事による読み込み速度の遅さを感じることはあるかもしれません。
4.まとめ
はじめに書きましたように、中華ブランドのmicroSDカードは、なぜか大容量になると割安感がなくなってしまいます。それに、いくら安くても、やはり歩留まりや耐久性なんかは気になるので、今回の32GBが、最もお得感とのバランスがとれていて、買いやすいかと思います。
性能については、見てきたように、十分に優秀と言っていいでしょう。「データ置き場」としては、文句なしの性能です。一方、ランダムリード・ライトの数値は振るわないので、ソフトやアプリをこちらに入れるのは不安が残りまが、これはmicroSDカード全般の問題です。
ということで、このくらいの容量であれば、中華ブランドmicroSDカードは非常にコスパがよく、お勧めですよ。
ちょうど、この記事の執筆中現在、BanggoodでMIXZAの32GBのmicroSDカードが796円、TOMTOPでこれもそこそこ出回っている中華ブランドのNetacの32GBのmicroSDカードが793円になるセールをやっています。一昨年以来のフラッシュメモリ高騰の中で、32GBのmicroSDカードが800円以下で手に入る機会というのはそうそうないので、これはかなりお買い得なんじゃないでしょうか。かくいう私も、即ポチしました。せっかくなんで、今度はブランドを変えてNetacのを買ってみたので、届いたらコメント欄にでもベンチマークを報告したいと思います。
コメント
はえ~
class10のmicroSDの32GBが1000円で買うことが出来る時代になったのか…
コスパがどんどん良くなってて学生のお財布に優しい
コメントありがとうございます。
2年前のお値段に戻っただけといってしまうと、それまでなんですが、当分、フラッシュメモリーの高騰は続くでしょうから、最後に紹介したセールはお買い得だと思いますよ。
個人的には、64GBが最も扱いやすいので、安いのないかな~と探しているんですが、なぜか安いのは32GB止まりなんですよね。
Netac 32GB microSDカード届いたので、
ベンチマークをば。
Lavie L で、exFATにフォーマット後計測。
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CrystalDiskMark 6.0.0 x64 (C) 2007-2017 hiyohiyo
Crystal Dew World : https://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
Sequential Read (Q= 32,T= 1) : 39.563 MB/s
Sequential Write (Q= 32,T= 1) : 32.797 MB/s
Random Read 4KiB (Q= 8,T= 8) : 6.335 MB/s [ 1546.6 IOPS]
Random Write 4KiB (Q= 8,T= 8) : 2.051 MB/s [ 500.7 IOPS]
Random Read 4KiB (Q= 32,T= 1) : 6.593 MB/s [ 1609.6 IOPS]
Random Write 4KiB (Q= 32,T= 1) : 2.058 MB/s [ 502.4 IOPS]
Random Read 4KiB (Q= 1,T= 1) : 5.877 MB/s [ 1434.8 IOPS]
Random Write 4KiB (Q= 1,T= 1) : 1.992 MB/s [ 486.3 IOPS]
Test : 1024 MiB [F: 0.0% (0.0/30.0 GiB)] (x5) [Interval=5 sec]
Date : 2018/06/05 22:54:07
OS : Windows 10 [10.0 Build 16299] (x64)
シーケンシャルリードは公称値の半分くらいしかでないものの、
シーケンシャルライト30MB/s越えは優秀。
ランダムリード・ライトも、microSDカードとしては優秀な方。
面白いもので、
シーケンシャルが優秀で、ランダムが苦手なMIXZA、
全方面でそれなりに優秀なNetacと、
同じmicroSDカードながら、ずいぶん性格に差が付きました。
netacといえば、たまにCAFAGOで(今日も)やっていますが、フラッシュセールでUHS-3の64GBのmicrosdが安くなっているようですよ。