こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。この製品の記事を書くべきかしばらく悩みました。ウインタブの読者層は20代から50代の男性が多く、中心は30代から40代となっています。また、学生さんや年配の方にも読んでいただいています。この製品はまだ仕様が完全に明らかになっておらず、価格なども不明ですし、製品特性が読者の何割に関心を持っていただけるだろうか、と思うと少しネガティブな気になってしまいますが、個人的には「こういう試みが進んでいる」ということを知っておいていただきたい、と思いました。
「しあわせもの工房」が開発している「マゴスピーカー(MAGOスピーカー)」という製品です。トップ画像を見ていただければ雰囲気はわかると思いますが、「メッセージを送受信できるスピーカー」です。
概要
ユーザーインターフェース: マイク、スピーカー、人感センサ、押しボタンスイッチ、LEDランプ
本体寸法: 90 × 90 × 70 mm (ケーブル部除く)
ネットワーク: IEEE 802.11b/g/n (2.4GHz)、クライアント/AP対応
電源仕様: USB電源供給 (5.0V 最大500mA)
オンラインアップデート: 対応
主な付属品: 電源コード、ACアダプター
現在公開されているスペックはこれだけです。で、機能なんですけど、
この画像でわかります。マゴスピーカーを使ってボイスメッセージをLINE(のプラットフォーム)経由で送れ、返信のボイスメッセージもLINE経由でマゴスピーカーに返ってくる、というものです。
ユーザーインターフェースもよく考えられており、ボタンを押している間だけ録音され、ボタンを離すとボイスメッセージが送信されるようになっています。たとえばおばあちゃんがマゴスピーカーで孫にメッセージを送ると、孫のスマホのLINEに届きます。受け取った孫はLINEアプリ上でボイスメッセージを返せばおばあちゃんのマゴスピーカーに届きます。
ユーザーインターフェスともう少し詳しい特徴を説明しているのがこの画像です。
まだ正式リリースされていないのですが、こんなイメージ画像が公開されていました。
この製品はスマホを普通に使える人にはあまり意味がないと思います。製品名からわかる通り、年配でスマホを使うのが苦手、という人がメインターゲットになると思いますが、年配の人に限らず、世の中には事情があってうまくスマホを操作できない人はたくさんいると思います。この製品であれば、「マゴスピーカーが手の届く場所にある」ということと、「ボタンを押しながら喋る」ことができさえすれば、簡単に親族や親しい人とコミュニケーションがとれますよね!
プロモーション動画も公開されていますので、こちらもご覧ください。
こうしてみると、素晴らしいバリアフリーの製品(IoT機器)に思われます。しかし、ツッコミどころもないわけではありません。一番気になるのは「インターネット回線どうするの?」というところですね。私にも高齢の両親がいますし、義理の母も健在ですが、どちらの家にもインターネット回線なんてありません。一番安全なのは光回線を契約することだと思いますが、そうすると結構な料金がかかってしまいますよね。おそらくMVNOのデータ専用SIMの一番安いやつでも行けそうな気がしますが、この製品にはSIMスロットはついていないようです。
プレスリリースによれば「インターネットが導入されていない環境では、別売のゲートウェイを設置いたします」と書いてありますが、すいません、私にはこの文言の意味がよくわかりません。具体的には、それがインターネット回線を自前で引くのとどう違うのかわかりません。別売りのゲートウェイを購入すると通信費が無料になるのならいいですけどね。
まだ開発中の製品に難癖をつけるのはこのくらいにしておきましょう。個人的にはこういう試みは素晴らしいと思いますし、ぜひ応援したいとも思います。また、読者のみなさんにしても、ご自身でこの製品を使うことはないかもしれませんが、周囲に「あの人にピッタリかも!」という人がいるんじゃないでしょうか?
バリアフリーというものに思いをはせるのはとても大切なことです。そういえばウインタブでもWindowsの「簡単操作(ユーザー補助機能)」についてろくに記事を書いたことがありませんが、「記事の短期的な需要」を考えるのではなく、本当に「人の役に立ちたい」と考えるのなら、こういう記事も増やしていく必要があると思いました。
関連リンク
しあわせもの工房は、ボタンひとつで声を届けるIoT機器「マゴスピーカー(MAGOスピーカー)」を開発しました。簡単・便利なIoT機器で利便性向上に貢献致します。:しあわせもの工房 プレスリリース
しあわせもの工房 公式サイト