ゲーミングマウス「Incott G23 Pro」の実機レビューです。ゲーミングマウスとしてはそこまで高価ではない(69.99ドル、約1万円)製品ですが、機能面は非常に充実しており、特に「工具なしでスイッチを交換できる」ホットスワップに対応しているのが大きな特徴で、交換用のスイッチも付属しています。
なお、このレビューは通販サイトMECHKEYSからレビュー機のサンプル提供を受け、実施しています。
・工具なしでスイッチの交換が可能(ホットスワップ)
・交換用のスイッチが3組付属
・PAW-3950センサーを搭載、最大解像度は45,000DPI
・無線接続でも最大8,000Hzのポーリングレート
・有線/USB無線接続方式に対応
・鮮やかな筐体色が素晴らしい!
ここがイマイチ
・設定アプリが日本語に非対応、多機能だけに慣れるのがちょっと大変
・Bluetooth接続には非対応
販売サイトはこちら
Incott G23 Series:MECHKEYS
※クーポンコード「MECHKEYSHIFIGO5」で5ドルOFF
1.概要
スペック表
Incott G23 Pro | |
接続 | USB有線/USB無線 |
解像度(DPI) | G23:最大32,000DPI G23 Pro:最大45,000 DPI |
センサー | G23:PAW3395 G23 Pro:PAW3950ES-KING |
ポーリングレート | 最大8,000Hz |
スイッチ | Huano transparent blue pink dot ホットスワップ対応、交換用スイッチ3組付属 |
ポート | USB Type-C |
サイズ | 126 x 63.5 x 40 mm |
重量 | 65 g |
※レビュー機は「G23 Pro」でした
コメント
Incott G23には「無印」と「Pro」があり、Proのみに「8Kドングル」が付属します(無印の方は8Kポーリングレートに対応していますが、ドングルは1Kのものが付属します)。また、センサーが異なり、解像度(DPI)にも差があります。無印は最大32,000DPI、Proは最大45,000DPIです。両者の価格差は20ドル(約2,900円)なので、ガチゲーマーの人が「どうせ買うならPro」かな、と思います。
この製品の最大の特徴は「ホットスワップ対応」という点です。交換用のスイッチも3組付属していますので、お好みの操作感(クリック感)を選べます。
では、外観から見ていきましょう。
2.外観
同梱物です。…ずいぶん多いですよね…。画像左がUSB Type-A – USB Type-Cのケーブル、その右が保証書、右上にある2枚のシートは左がマウススイッチ用のシール、右がマウスソール(マウスの滑りを良くするためのもの)です。中央にある6つのパーツは交換用のスイッチです。ただこのスイッチ、正確な名称がわかりません。上からBlue Dots、Mute Switch、Green Transparent White Dotと思われます(間違えていたら申し訳ありません)。
スイッチの下にあるのが8Kドングル、そして画像右端にあるのがスイッチ交換作業用のピンセットです。
上から見たところです。鮮やかなオレンジの筐体がいいですねー。この色の他に「やっぱり鮮やか」なレッドとホワイトが選べます(ホワイトはG23 Proのみで記事執筆時点は在庫なし)。上部には左右クリックボタンとホイール、そしてホイールの下にDPI/ポーリングレート切り替えボタンがあります。
ここで他のマウスとサイズを比較してみます。左がLogicool Signature M650L(大型サイズ)、右がLogicool MX Anywhere 3S(小型サイズ)です。ご覧のようにIncott G23 Proは一般向けの大型サイズのマウスよりもさらに大きいです。ゲーミングマウスは大型のものが多いですが、この製品もその例に漏れません。
左右の側面です。左側面には親指で操作するボタン(進む・戻るボタン)があり、右側面には何もありません。
握ってみました。表面の手触りは少ししっとりしていてよく馴染みます。MECHKEYSの説明だと「肌触りの良いスキンタイプのコーティングが施されています。親指と小指に最適化されたデザインで、背面のカーブも慎重に設計されており、完全な快適性を保証します」とのこと。
底面です。この画像ではマウスソール保護用のシートが付いています。中央左に電源スイッチがあり、このスイッチはポーリングレートの切り替えにも使います。また、上部に2つ「開口できるもの」がついていますが…
ここにスイッチが入っています。工具なしで開口でき、簡単にスイッチを交換できる仕組みです。
3.使用感
格闘ゲームとFPSを中心にプレイしている方(ウインタブのライターではありません)に使用感をレポートしていただきました。この方はFPSは現在Apex Legends(以後Apex)を毎日3~4時間、少し前まではVALORANTやオーバーウォッチ2をやっていた、とのことです。普段使用しているマウスはロジクールのスーパーライト(2万円くらい)とのこと。以下、本人談です。
レビューにあたり5日間Apexで使用しましたので所感をお伝えします。
まずは良いと感じたところから。コントローラーから本腰を入れてキーマウ(キーボード&マウスでのゲームプレイ)への移行を検討する際、やはりフラッグシップ級の機器を揃えるとなると、相応の費用がかかってしまいます。その点、G23 Proは価格が比較的安く抑えられているにもかかわらず、正直なところ、現在使っているマウスと比較してもそこまで使用感に差がありません。
スーパーライトは軽量を売りにしている製品なので本体重量では当然劣るものの、その差は5g程度ですし、使っていて重い(=疲れる)と感じることもありませんでした。強いこだわりがないのであれば入門用としてしっかり活躍できそうですし、サブもしくはリザーブ用として持っておくのもありだと思います。
ワイヤレスで使用しても遅延は特に感じないですし、マウスホイールやサイドボタンの操作性や配置も良好です。スーパーライトと形状が似ているから、という見方もできますが、Apexで使う分にはこれで十分くらいの印象ではあります(もちろん、ガチ勢からしたら感じ方に差は出るでしょうけれども…)。
また、G23 Proに触れるまでは特に意識してこなかった部分で、キースイッチの変更ができるのは人によってはありがたいと思います。私はクリッキーなタイプが好きなのでデフォルトのままで満足できますが、静音が好みの方なら特に茶軸はほとんど無音ですし、何より10秒くらいで簡単に交換ができるため色々とすぐに試せるのはいいですね。
続いて、気になった部分です。私が英語があまり得意ではないということもあり、設定アプリが日本語に対応していないのは残念でした。ただしDPIの設定変更はすぐにできましたし、実際Apexの場合はDPIさえ変更できれば困ることはありません。他のゲームで細かく設定する必要がある状況になったら、もしかしたらストレスを感じるかもしれないですね。
それと、私自身は気にならないのですが…一緒にApexをプレイしている妻にも少し使ってみてもらったところ「ちょっと大きいかも」との感想はありました。標準的な男性の手であれば問題ないと思いますけど、女性や手が小さい方は気をつけたほうがいいかもしれません。
総じて、設定アプリ以外の使い勝手についてはこれといった減点要素もなく、先ほどお伝えしたとおり「入門用・サブ用」として満足できる製品だと感じました。
上記コメントの中で「入門用・サブ用」という表現をされていて、これはレビュアーの方のご感想として尊重すべきものです。一方でゲーミングデバイスの考え方や購入予算は人それぞれです。ウインタブとしては、この製品は最新のハイエンドセンサーであるPixArt PAW3950を搭載しており、DPIやポーリングレートの数値も「高性能機」と呼ぶにふさわしい製品であると考えております。
4.レビューまとめ
Incott G23/G23 ProはMECHKEYSで販売中で、9月11日現在の価格はG23(無印)が49.99ドル、G23 Proが69.99ドルですが、配送料が13ドルかかり、一方でクーポンコード「MECHKEYSHIFIGO5」(5ドルOFF)が使えますので、支払総額ではG23が57.99ドル(1ドル145円として約8,400円)、G23 Proが77.99ドル(約11,300円)です。
今回はゲームプレイの使用感を「日常的にゲームをされている方」にお願いしましたが、概ね高評価でした(設定アプリが英語しかない、というのはググれば、そして慣れれば問題ないと思います)。あとは羌瘣、いや境界付近の性能(ポーリングレート8,000 Hzとか45,000DPIとか)がゲーマーさんたちにとってゲームプレイにどこまで影響するのか、というのは個人的には興味があります。
スイッチの交換機能についても楽しんでいただいたようです。あらかじめ3タイプのスイッチが付属しているのと、工具なしで簡単に交換ができる、というのはあらゆる人にとってすごく面白い構造だと思いますし、この点だけでもIncott G23シリーズを購入する価値があるんじゃないでしょうか。ワンタッチで静音タイプのスイッチに交換できるとか、ある意味夢のような製品ですよね!
Pro版なら1万円強、無印なら8,000円強、というのも、この製品の仕様を思えばいい買い物と言えそうです。
5.関連リンク
Incott G23 Series:MECHKEYS
※クーポンコード「MECHKEYSHIFIGO5」で5ドルOFF
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。