こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はゲーミングチェアの実機レビューとなります。レビュー製品である「DXRACER RW-106GR」は先日開催された東京ゲームショウで展示されていたもので、出展社である「ルームワークス」さんにショウ会場で「わー、レビューさせて下さい!」と無理にお願いしてしまいました。ずっと前からゲーミングチェアが気になっていまして、実際にこれに座ってパソコンを使ってみたらどのくらい快適なんだろう、と思っていました。
幸いにしてルームワークスさんにご快諾いただき、製品をお借りすることができましたので、1週間ほど使用させていただいた感想も含めレビューさせてもらいます。
1.スペック
公式サイトにサイズスペックがありましたので転載します。また、素材は
座面・背面生地:ポリエステル
フレーム芯材:座金:スチール
シリンダー:スチール
キャスターベース:ナイロン樹脂
キャスター:ポリウレタン樹脂
アームレスト:ポリウレタン樹脂
となっています。かなり大きなサイズでして、重量は実測値で21.7 kgもありました!製品は分解された状態で配送され(巨大なダンボールに入っていました)、組み立てに必要な工具(と言っても六角レンチくらいです)と簡単なマニュアルが付属しており、およそ40分ほどで組み立てることができました。ちなみに私は日曜大工の趣味はなく、こういう作業は決して得意な方ではありません。ですが、少し時間がかかったものの、特に戸惑うこともなく、スムーズに組立作業ができました。
2.デザインや構造
レビュー製品はかなりの大型サイズということもありまして、「和室(和室って障害物が少ないので…)」で写真撮影してます。なので少し見苦しいと思いますがご了承下さい。
製品の雰囲気見た感じ、スポーツタイプの自動車のシートにそっくりです。この製品は、というかDXRACERのチェアはすべてブラック基調で、アクセントカラーが異なります。この製品の型番「RW-106GR」の末尾のGRはアクセントカラーがグリーンであることを意味します。
なお、この画像は私の撮影がまずく、ヘッドレストが曲がってしまっていますが、実際はきちんと曲がらずに装着できます。
で、やっぱり圧倒的にデカイです。この画像は私がいつもパソコン作業に使っているオフィスチェアと比較したものです。素材は黒い部分がファブリック、グリーンの部分がソフトレザー(人工皮革)です。
ヘッドレストです。着脱が可能で、ゴム製のベルト(ベルト表面はファブリック製)で本体に固定します。位置調整はできません。柔らかく、適度にハリのある小型クッション、という感じですね。別に「枕」と言っても間違いではないです…。
腰痛に悩まされている人にはありがたい「ランバーサポート」です。これは高さ調整が可能で、「使ってみてラクな位置」にセットできます。クッションはヘッドレストとほぼ同じで、柔らかめながらハリがあります。
背面はソフトレザー製です。サスペンダーのように吊りベルトがありますが、これはランバーサポートをセットするためのもので、このような構造になっているからこそ、ランバーサポートは上下に調整が可能になっています。
後述しますが、この製品の快適性に大きく寄与しているのがアームレストです。メーカーいわく「3Dアームレスト」とのことで、高さ調整(画像にレバーが見えますよね)はもちろん、アームレスト部分(肘や手を乗せるところ)が前後左右に可動します。
撮影のため、左右のアームレストの高さを変え、右手側(低いほう)は少し外側に向けてみました。アームレストの位置調整が可能なオフィスチェアって、ありそうでないような気がするんですが、めちゃめちゃ快適な機能だということがわかりましたよ!
また、アームレストは硬いプラスティック製ではありません。このように強く押してやると弾力を感じます。これもまた、実際の使用時には気持ちいいんですよね…。
もちろん通常のオフィスチェアと同様に、座面の高さは調整可能です。また、リクライニング機能もあり、自動車のシートと同じようなレバーがついています。
背もたれは最大135度までリクライニングできます。また、上の画像のようにほぼ直立の状態にすることもできます。作業中は背もたれを立てて使うことになると思いますが、一休みしたくなったらリクライニングしてリラックスすることができます。
これは座面の高さ調節用のレバーで、一般的なオフィスチェアにはこんなレバーがついていることが多いですよね。しかし、このレバーには「FREE」と「LOCK」というのも書いてあります。「FREE」というのは「ロッキング(ゆりかご)」機能です。つまり、この製品はロッキングチェアになります。ゲーミングチェアと言いつつ、リラックス装備がずいぶんしっかりしてますよね!
脚部です。「5本足」ですね。重量級の製品ですが、キャスター付きなので、室内の移動には困りません。キャスターはスムーズに動作しますが、ロック機能はついていませんでした。
3.使用感
実際にこの製品に座って作業してみました。また、私だけでなく私の家族も短時間試用しています。特に私の妻は若い頃から腰痛に悩まされており、ある意味私よりもレビュアーとして適任なのではないか、と思うくらいです。
適度な固さとホールド感
外観からイメージされる通り、この製品はクッションが柔らかいわけがありません(断言)。しかし、ガチガチということは決してなく、見た目よりもクッション性を感じます。内部にウレタンフォームが使用されており、反発力はやや強めです。この製品に限らず、やや値の張るオフィスチェアって、長時間座っても疲れにくいものですが、この製品もまさにそうで、ずーっと座りっぱなしでもお尻が痛くなったりはしません。
また、外観から「ホールド感(包まれ感)が強そう」というイメージがありますが、実はそれほどでもありません。強いてそれを感じるとしたら、肩付近ですね。それ以外はランバーサポートとヘッドレストがついていることもあり、背もたれとの密着感がそれほど高くないです。ランバーサポートとヘッドレストは着脱が可能なので、取り外してしまえばそれなりのホールド感が出てくると思います。
ランバーサポートの効果は絶大!
ランバーサポートは適度なクッション性で位置合わせができるため、長時間の作業をすると腰の疲れかたが全然違ってきます。上に書いたように、ランバーサポートとヘッドレストがあるせいで、この製品本来のホールド感が損なわれているのではないか、というのはあるのですが、私の試用ではランバーサポートを外すことはあり得ない、と思いました。
ただし、それは今回のレビューでアクション系のゲームをしていないというのはあります。つまり、短期決戦のオンラインゲームであればランバーサポートよりもホールド感重視、という使い方はありでしょう。
調整可能なアームレスト
試用中、私はアームレストを常に最も高い位置にしていました。こうするとキーボードから手を離して少し考え込むときなど、アームレストが自然な位置に来るのですごく快適でした。この製品の試用後、いつも使っているオフィスチェアに戻ったわけですが、違和感ありまくり(アームレストの位置が低すぎる)です。
また、3D機能により、アームレストを前側にセットしていたのですが、前後左右に可動するのは非常にありがたいと感じました。上にも書きましたが、キーボードからいったん手を離す際、この製品であれば常に自然な位置にアームレストがあります。なんかね、インパクトのある外観よりも、むしろここに感動した、って感じです。
リビングでソファがわりに
この製品の座り心地は家族にも好評でした。ただし、彼女たち(すいません、うち、私以外全員女性なんです)はオフィスチェアとしてではなく、リビングルームでソファ代わりに使ってました。腰痛に悩んでいる私の妻によれば、「オフィスチェアなので、座面の高さを調整できるのがありがたい。少し高めにしてやれば立ったり座ったりするのがラク」というのと、「背もたれが大きいので、リクライニングした際に不安感がない」また「とにかく腰がラク」なんて感想でした。座面の高さ調整というのはこの製品に限った話ではありませんが、なるほど、腰が辛いときには便利なんだろうなあ、と思いました。
唯一このソファが大嫌いだったのが一人(いや一羽)。ウインタブの準レギュラーでもあるセキセイインコです。「大きくて黒い」のが怖かったんでしょう、絶対にこの製品には近づこうとしませんでした…。
この製品はゲーミングチェアなので、ブラック基調で精悍な外観にすべきであることは間違いありません。一方、ゲーマーではない、普通の女性(とインコ)の場合、この配色は今ひとつ受け入れにくいようです。まあでも、仮にベージュの単色でこの製品を作ったとして、どのくらいの売上になるのか、と考えてみればねえ…。
4.まとめ
DXRACER RW-106GRはルームワークスが運営する「DXRACER(デラックスレーサーチェア) 日本公式オンラインストア」で販売中で、価格は税込み39,800円です(Amazonでは12月発売予定とのこと)。またDXRACERにはこの他にもスタイル別(フォーミュラ、ドリフティング、レーシング、キング、クラシック、クイーン)に各種のゲーミングチェアが販売されており、税込み24,800円から購入できます。なお、レビュー製品であるRW-106GRは「レーシングシリーズ」のニューモデルです。
チェアを販売する際、医療効果を謳うのはマズイ、ということくらいは私でもわかります。なので、「腰痛に効く」みたいなことは言ってはいけないんでしょうけど、メーカーさんとは無関係な「いちレビュアー」としての感想だと、腰痛、あるいは背中の痛みなどに悩んでいる人にはおすすめしたいですね。
また、私は特に腰痛には悩まされておらず、比較的腰や背中は丈夫なほうですが、それでも長時間パソコンに向き合っているとお尻が痛くなったり、腰にだるさを感じることがあります。しかし、この製品の試用中はそんな苦痛からはすっかり開放されました。
以前勤務していた職場も終日パソコンに向き合うような仕事でしたが、腰痛に悩んでいる人が何人かいて、会社の備品ではなく、自腹で「マイチェア」を使っている人もいました。ウインタブ読者の中にも、例えばプログラマーとかSEなど、パソコン操作の時間が長い人の中には「マイチェア」を使っている人はいると思います。
「イスに3万円とか4万円を支払うのは贅沢」と感じる人は少なくないと思いますし、実際私もずっとそう思ってました。しかし、オフィスチェアというのは数カ月で壊れるようなものではないし、それで快適な作業環境を手に入れることができるのであればむしろ安い買い物なのではないか、と思いました。
パソコンにせよ周辺機器にせよ、「ゲーミング」と名のつくものは概してスペックが高く、また価格も高めです。しかし、これだけの実力のある製品、ゲーマーだけが使うというのはもったいない話で、デスクワークが長い人、また自宅でリラックスしながらパソコンを使いたい人には素晴らしい買い物になるのではないか、と思いました。
5.関連リンク
DXRACER(デラックスレーサーチェア) 日本公式オンラインストア
DXRACER RW-106GR(グリーン):公式サイト 製品ページ
ルームワークスのストア:Amazon
コメント
これ大阪日本橋のPCワンズで見たことがありますね・・・
質の悪い椅子にずっと座っていると前傾姿勢になって肩と腰が痛くなるので欲しくなりますが、PCが買える値段だというのが中々優先しづらいんですよね。
机と椅子は、パソコン周辺機器の中で最も使用頻度が高く、最も長期間使用する最重要アイテムのため、最も優先して選定の時間と金を掛けるべきアイテムの双璧ですね
パッと見では高い買い物ですが、特に椅子をケチったばかりに腰痛で病院通いともなると、払わずに済んだお金の何百倍という医療費用や長い自由時間を失う……かもしれません
ただ、必ず試座はした方が良いでしょう
高いのに体に合わなかったではただの損ですからね