こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。2016年の11月にFILCOのメカニカルキーボードを購入し、このキーボードをThinkPad 13に接続しています(同時に外部ディスプレイも接続します)。自宅での記事執筆は全てこのキーボードを使っています。メカニカルキーボードは非常に打鍵感がよく、とても気に入っていますが、私は「メカニカル原理主義者」というわけでもなく、メカニカルキーボード以外でも使いやすいキーボードはたくさんあると思っています。
ただ、「モバイルに使えるメカニカルキーボードがあったらいいのに」ということはたまに考えます。コンパクトサイズのメカニカルキーボードって、「ないこともない」ですが、そんなに数が多くもないし、価格もそれなりにはします。また、一般的にメカニカルキーボードは内部に金属板が入っているので、重量面でもモバイル利用は容易ではありません。
しかし、今回紹介する上海問屋の「ポケットサイズメカニカルキーボード」は少なくともサイズ感ではモバイルに向きます。また、後述しますが、青軸と赤軸を選ぶこともできる、本格的なメカニカルキーボードでもあります。ただし、クセは強いですねw
これがスペック表です。最初にサイズから見ていきましょう。横幅が275 mmとなっていますが、これは「10インチのWindowsタブレットよりも1~2センチくらい長い」です。11.6インチサイズのものよりは短いですね。なので、バッグに入れて持ち運ぶのは特に問題ないくらいだと思います。また、重量の355 gというのも決して重すぎるわけではありません。モバイルキーボードで軽量なものは200 gを切るものもありますが、本格的なもの(いや、軽いキーボードが本格的じゃないというわけではないです)だと300 g台は普通で、ウインタブでよくセール情報を掲載しているThinkPad トラックポイントキーボードだと440 gあります。メカニカルキーボードという構造を考慮すればむしろ軽量であるとさえ言えます。
また、いつもだと「英語配列なのがちょっと…」みたいなことを書くのですが、この製品に限っては「そんなもんどうでもいいがな」ということになります。詳しくは後ほど…。
スイッチはCherry MXではありません。よく似てますけどね。そのため、上海問屋では「中華青軸」「中華赤軸」という表現を使っています。ウインタブでは以前「Mantistek GK2」という、中華茶軸のメカニカルキーボードをレビューしたことがありますが、Cherryよりも打鍵感が劣るものの、なかなかに気持ちのいい製品でした。
ちなみに、メカニカルキーボードをよく知らない人は下記サイトをご覧ください。
メカニカルキーボードとメンブレンキーボードの違い:FILCO
日本製の高額なメカニカルキーボードを購入する場合は、購入前に実機を試打したほうがいいと思いますが、今回紹介している製品は青と赤のみが設定されているので、カチャカチャと音がうるさくてもいいから気持ちのいいものを、という場合は青を、より普通のキーボードに近い打鍵感のものを、という場合は赤を選ぶといいでしょう。ただし、どっちにせよ一般的なキーボードよりは打鍵音は大きくなります。
サイスはこんな感じです。スラックスのポケットに入れるのは無理があると思いますが、持ち運びに苦労するようなものではありません。
また、もともとが中華製品なので、ブルーのみですがバックライトがつきます。このバックライトはイルミネーション機能もついてます。詳しくは下記の動画を参照して下さい。
ただねえ、唯一といいますか、キーボード選びでもっとも重要な「配列」という点では「かなり変態」と言わざるを得ません。
このキーボードはキーのサイズを小さくしたり、キーピッチを狭くしたりはしていません。このサイズを実現するためにしているのは「キーの数を減らすこと」です。49キーしかありませんからね。配列を見て最初に驚くのは個々の配列ではなく、「4列」だということです。
FキーはFnキーとアルファベットキーの同時押しになりますし、数字キーすらもFnキーとアルファベットキーとの同時押し、ということになります。インターネットの時代となり、使用頻度が大きくなった「@」なんて「Shift+Fn+W」と3つのキーを同時押ししなくちゃなりません。なので、この画像をシールにして、キーボードの底にでも貼っておく必要がありそうです。
また、右のSfiftキーの配置がスゴイですね。富士通に「親指シフト」のキーボードがあり(まだ販売されてます)、熱狂的なファンが存在する、というのは知ってますけど、この製品は右側だけ親指シフト、ということが言えそうです。
「親指シフト」というのは正確には通常のシフトキーと使い方が異なります。下記のサイトがわかりやすいので、興味のある人はご参照下さい。
親指シフトってなに? かな入力・ローマ字入力とも違う「指がしゃべる」入力方式:ヨッ!センス
正直なところ、万人向けの配列とはいい難いです。というか、まともに使いこなせる人のほうが少ないかもしれません。しかし、これを使いこなしてこそ「漢」というものでしょう。いや冗談です。
上海問屋 ポケットサイズメカニカルキーボード上海問屋で販売中で、中華青軸/赤軸とも価格は税込み4,999円です。欲しいかと聞かれれば「欲しい」と答えますが、使いこなせるかと聞かれれば「ノーコメント」ですw しかし、面白いですね、上海問屋…。
コメント
これは異色のキーボードですね。メカニカルキーボードを愛してやまない人向けかな?かつてHappy Hacking Keyboardを持ち歩いた時期がありましたが、これなら随分楽に携行できそうです。
それにしても配列がすごいですね。TextBladeよりは普通ですが。タブレットで愛用している59キーのBluetoothキーボードが普通に見えます。^^;
shukakuさん、こんにちは、コメントありがとうございます。「とりえず欲しい」リストには入りますが、私はうまく使いこなせる自信はないですね…。
親指シフトのシフトってShifキーのシフトじゃないっすよw
ふんぼさん、すみませんでした。記事に追記し、わかりやすく説明しているサイトにリンクしておきました。
日本語入力に関しては、親指シフトが最速だと思います。
どんなに頑張ってもロマかなは勝てない位の速さですよ。
ロマかなの入力速度に自信が有った俺が、親指シフトの人に果敢に挑戦して瞬時に玉砕しました(笑)
ケルベロスさん、こんにちは、コメントありがとうございます。親指シフトって、私自分では試してたことがないんですが、すごいコンセプトですよね。でもあれ、かな入力の一種なんで、もはや使い手はどんどん減少してるんだろうなあ。
親指シフト、専用キーボード高いんですよねー。
WXGユーザーだったときは、かなり親指シフトっぽくカスタマイズ出来たんですけどね。
慣れすぎて、しばらく、職場での通常のローマ字やカナ入力が出来なくなりました……
こんにちは、コメントありがとうございます。ここにも親指シフターがw なんかもう、伝統芸能として、長く残すべき日本のコンピューター文化という気がしてきました。私も勉強してみようかなあ。でもおっしゃるように普通のローマ字入力ができなくなるかもしれん。
これ魅力的ですわ
コンパクト系の英字でバックライトありでキーを透過するモノってありませんかね?
動画見たら光ってましたね
これ絶対買います 問屋最高だ
失礼しました
こんにちは、コメントありがとうございます。キーボードの変態配列大丈夫ですか?勇者やん!と思います…
このキーボードはマニアの間では一般的に40%キーボードと呼ばれるもので最近では特に珍しくもないのですがこの製品は異色です.では何処が他の40%と違うのか.それはダイレクトカーソルが有るということです.
通常は40%の4列キーボードはカーソルはFn併用が普通というかそれ以外見たことはないです.更にWinキーがあったりCapsがあったりで他にも色々しわ寄せがでてますが実用性から言えばダイレクトカーソルは非常に魅力.
コンパクトながらまともな使い勝手を得るには同じMagicForceの68キーがベストサイズかつ独立カーソル(壁あり)で省スペース性と実用性を兼ね備えていて(世界でも)大ヒットしましたが(こちらも上海問屋やドスパラで扱ってました)40%はある程度実用性を無視しても欲しくなる魅力があります.
しかも普通はこの手の製品の場合2万から4万はするものですがこれはたったの\5000.気張らなくても買えてしまうと言う.悩ましいですね.でもこれは買っておかないと後悔しそうです.
くまねこさん、こんにちは、コメントありがとうございます。大変勉強になります。この配列にはある種危険を感じますが、マニア目線だと格安ということになるんですね。
もう1点ちょっと書いておこうと思いますが個人的にはFILCOやCherryスイッチについては余り良い印象がないです.幾つか製品は買っていますが別記事にも有るようにCherry軸は軸擦れに当たり外れが大きく予備スイッチを買って選別し自分で入れ替える前提と言ってもいいです.特にFILCO製品は設計が悪く軸擦れがよく起こりさらに悪いことにキーキャップどうしが当たってしまうという個体差も.その割にはかなり高価.販売価格の半額くらいが妥当だと思います.Cherry純正キーボードとは全く異なります.
因みに軸擦れにはガリガリ,ゴリゴリ,コリコリ,シャカシャカと言った違いもあり普段使わないキーなら良いのですがメインキーに数個紛れていると非常にストレスになります.てか捨てたくなります.対策としては上にあるように選別して入れ替えるか使わないキーと入れ替えるかですね.
何故この話題を出すのかというと中華軸のほうが安定しているからです.コピー軸なのでわずかながら純正より精度が落ちグラつきが有るのは確かですがその分擦れがない.ただCherryと同じ軸色でもやや打鍵音が大きくやや軽いと言う違いはあります.現在常用しているのは中華青軸ですが純正より軽いので少し不満ですが(誤タイプしやすい).Amazon等で売られているテンキーレスの\3000くらいのメカニカルキーボードを一度試されると良いです.
個人的には赤軸や茶軸は軽すぎるので青軸か黒軸または緑軸が好きです.
ただリニアはタクタイルがないので疲れやすいと言う欠点があるので青軸が良いかなと.なので日本人には赤軸が人気あるんですよね.音が小さいというのと黒軸ほど疲れないので.
ここ10年ほどビンテージのIBMテンキーレスバックリングスプリングを使ってきたのですが流石にスライダーが限界で擦れてしまうようになり新品はもう売っていない・・・.その間良さそうなキーボードを買いつつ試してきたのですが最近出回っている安価な中華軸製品が最もまともでした.最初は重くスコッと抜けるキーがやはり好きなのですがCherryタイプでは製品がなく.ALPSコピーは完全なリニアしかないですしね.
あまり一般でキーボードの紹介など中々ない上にかなり特殊な製品だったので
長文2連投してしまい失礼しました.
くまねこさん、こんにちは、コメントありがとうございます。連投歓迎です。私FILCO使ってるんですけど、全然満足しちゃってますね…。ある種職人っぽいハイレベルなご感想と思いました。
全てが悪いってことでもないですし当たりハズレが大きいので当たりであれば問題ないのですがね.これはCherry純正キーボードでは無いのでおそらくは検品の問題かと思います.
あとコントローラが違っているのでチャタリングや押しても入力できない症状がでやすいと言うのもありますね.キースイッチは全てスイッチングした時にバウンシングと呼ばれる信号が安定するまで電圧が上下する現象がありまして,これはコントローラで抑えてます.元々物理スイッチは全てチャタリングしているんですね.これをどれくらいの時間でどれくらいバウンドするかはスイッチメーカーが出しているのですがそこの調整が悪いのとボディ設計が悪いのと2つが重なっているものと思います.
擦れの問題もきちんと検査していればわかる問題で検査自体はもちろんしているはずですが多少の擦れはOKとしているのでしょう.なのでFILCO製はだいたい何処かのスイッチが擦れてます.
ただサポートが良いのは利点かと思います.以前20キーくらいダメになったので試しに修理に出したら\1500でやってくれました.
サポートの話では暫く使わないとスイッチの中に湿気やゴミなどの異物が混入すると言う話でしたがそんなわけもなく単にコントローラが吸収できていないだけだと思います.Cherryのスイッチ自体はそんなに簡単に駄目にならないので.1年もてばいいほうかなあと言う.それでいて価格は1万くらいはしますので厳しい評価になっちゃいますね.