200mW出力の内蔵VTX搭載の最新フライトコントローラー「CrazybeeX V2.2」実機レビュー - これは、マイクロFPVドローンの理想のFCだ!

crazybeex v2.2
こんにちは、natsukiです。都市部ではなかなか外出もままならない日々が続きますが、今のうちに部品を注文して自作したり改造したりしておくのもよいでしょう。今回は、汎用性が高くて「全部入り」の、画期的なドローン用フライトコントローラー(以下FC)「Happymodel CrazybeeX V2.2」を購入したので、レビューします。このFCは、ここまでのFPVドローンの技術の進歩の集大成となっていて、今後のマイクロFPVドローン性能の目安になる製品だと思います。

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一昨年まで、映像電波を発信するVTXは、FCとは別部品であることが一般的でした。それが、2019年末に発売された「Happymodel Mobula6」、「BETAFPV Meteor65」は、レシーバーとVTXの両方をFCに内蔵することで構造の単純化と軽量化を両立し、このVTX内蔵FCというのが2020年のスタンダードになりました。しかし、弱点もあります。VTX出力が25mWまでだということです。25mWでも、開けたところなら、うまくすれば映像電波は100m以上届くんですが、ちょっと障害物が多いと、すぐに途絶えてしまいます。VTXの出力が欲しければ、やはり従来通りVTXを外付けするしかありませんでした。しかし昨年後半、最大出力200mWが可能な内蔵VTXを搭載するFCが発売されました。それがこの、「Happymodel CrazybeeX V2.2」なわけです。

1.スペック

Happymodel CrazybeeX V2.2
Power supply
1S-2S battery (2.9V-8.7V)
内蔵ESC
5A(peak 6A) Blheli_S
内蔵レシーバー
Frsky(D8/D16)
/ Flysky(AFHDS/AFHDS-2A)
/ PNP
内蔵VTX
5.8GHz 25mW-200mW
固定穴間隔
26mm(Whoopサイズ)
重量
4.4g

FCに、ESCもレシーバーもVTXも、全部入りです。そして、VTXは最大出力200mW! なにげに、2Sバッテリーにも対応しています。いやもう、マイクロドローンのFCはここに極まった感がありますね。ちなみに、同じCrazybeeXでも、「DXS」と「V1.0」は、VTX出力が25mW固定なので注意。

あと、強いて難癖をつけるとすれば、内蔵レシーバーの感度向上くらいでしょうか。私が購入したのはFrskyバージョンで、ネット上の情報などだと、16チャンネルの通信が可能なD16でバインドすると感度が怪しくなるらしいので、D8でバインドしています。はじめから受信感度の高い外付けレシーバーを使いたい場合は、あえてレシーバー無しのPNPバージョンも用意されています。また、後述のように、レーシーバー内蔵バージョンもIR端子を備えているので、ハンダ付けの工作難易度はやや高めながら、後から外付けレシーバーを導入することも可能です。
diamondf4
なお、ほとんど同スペックのFCとして、同じくHappymodel製の「DiamondF4」があります。こちらは、超軽量ドローン「Happymodel Moblite6」と「Happymodel Moblite7」に搭載されている、さらなる軽量化(3.4g)が図られた驚異のFCですが、モーターがコネクタ接続ではなくハンダ付けです。

2.筐体

upper side
実際の製品を見てみましょう。これは、Frskyバージョンのものになります。アンテナは、ゴムで保護してある方がレシーバーのアンテナ、針金むき出しの方がVTXアンテナです。てか、VTXアンテナ短っ!一瞬、不良品かと思いましたが、これでいいようです。ちなみに、アンテナの長さというのは、周波数とも関係してくるので、単純に長けりゃ感度がいいってもんでもないんです、この辺の話はややこしいので省略。

back
モーターとの接続の他、カメラとの接続もコネクタ式になっています。このおかげでメンテナンス性、互換性は非常に高く、今回の私のように、自分で好きな部品をつないで、思い通りのFPVドローンを組み立てられます。

connecter
面白いのは、バッテリーコネクタが、標準でキャパシタ(コンデンサー)付きのXT30コネクタであること。キャパシタ容量は16Vの100μF。これは2Sバッテリー用ですね。

xt30-ph2.0
1Sバッテリーで運用する場合は、通常はコネクタをハンダで換装した方がいいでしょう。今回、私の場合は、1Sバッテリーの75mmフレームサイズに使いたくて、ペイロードにやや余裕があるので、横着してこんな変換コネクタを自作しました。もちろん、電気的、運動性能的にはマイナスですが、手軽さ優先で。

それから、バージョンごとの回路図をあげておきましょう。

diagram
これだけ機能盛り盛りながら、端子はしっかりそろっています。内蔵レシーバーを備えたFrsky(FR)/Flysky(FS)バージョンにも、先述のようにちゃんと操縦電波をインポートする「IR」端子が備えられているので、重量増を許容できれば、より受信感度の高い外付けレシーバーを追加することも可能。なんと、VTXを内蔵しながら、映像出力端子とカメラとは別の映像入力端子もあるので、VTXを別にすることもできます。最小限の部品で運動性と小回りを両立したドローンを組んでも良し、撮影可能なカメラを積んでも良し、LEDをピカピカ光らせても良し、パワーが足りなければ2Sバッテリー機にしても良し、夢は無限に広がります。パーフェクト! いやもう、これ、過去のマイクロドローン用FCすべての完全上位互換じゃないですか。

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3.Betaflight設定

betaflight_ver

Betafligtの設定は、基本的なことについては、以前の記事をご覧ください。デフォルトのBetaflightのバージョンは、ずいぶん古い「3.5.7」。Happymodelって、他の機体でもBetaflightのバージョンについては保守的なんですよね。最新のBetaflight Configuratorを使うと、不具合を起こす可能性があるので、バージョン「10.4.0」を使って設定しましょう。

betaflight_setting

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設定内容は、構成によっても違うので、お好みで。1点だけ注意したいのは、「基本設定」メニューの「ESC/モーター機能」の「モーターアイドルスロット値」が「10」と高めの値になっていました。画像は修正後のものです。これでは、アームした途端に暴れ回りかねません。あんまりいじることのない値なので、チェックを忘れずに。

4.申請書類

さて、VTXを内蔵しているということは、いちいち開局(変更)申請が必要です。系統図は、例によって戸澤事務所から購入しました。系統図の公開は、これ自体が商品価値のある情報のため、控えさせていただきます。

「無線局事項書及び工事設計書」については、私が実際に開局した書類を公表しておきます。記入の参考にしてください。開局手続きを行う保証機関としては、TSSと、JARDがありますが、私はTSSの方で手続きを行っているので、TSSでの書式となります。TSSのユーザーサポートページから関係書類をダウンロードしてください。なお、以下の記述は、あくまで私が申請したときの記入です。各自の状況や、法令の改変、保証機関の手続きの変更などにより変わる部分は出てくると思うので、その点はご了承ください。

kouji_crazybeex v2_sample_1

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青色の項目は、だれでも共通のはずの項目です。1枚目は、他のVTXでも変わりません。2枚目の「工事設計書」が、CrazybeeX V2.2内蔵VTX固有の情報になります。黄色の項目は、TSSのユーザーサポートページの注意書きに従って、各自の情報を記入してください。

ピンクの項目は、「変更」の手続き時のみに記入が必要な項目です。「変更」の場合の記入は、次の通りです。「免許の番号」「呼出符号」は、「無線局免許状」記載の情報を記入すること。「無線従事者免許」のものではないので注意。また、「呼出符号」は、「無線局免許状」に「識別信号」として記載されているものです。「変更する欄の番号」は、「16」をチェック。その16の「工事設計書」項目では、開局済みの送信機の番号とかぶらないように「第○○送信機」の番号を記入し、「増設」にチェック。以上の記入は、TSSのユーザーサポートページの注意書きも、ご確認ください。

5.搭載機体など

cinefun_crux3
記事執筆現在、この「Happymodel CrazybeeX V2.2」を搭載した完成品のドローンとしては、「Eachine Cinefun 1S 75mm」や「Happymodel Crux3」があります。

見てきたように、互換性と拡張性が非常に高いので、FCだけ買って、既存のドローンと換装するのもありだと思います。

cinewhoop7 4k
ちなみに、自作のCinefun 75mmもどきを、早速このCrazybeeX V2.2で組み直してみました。PIDはデフォルトで、ド安定のスムーズな飛行です。

ただ、4K撮影が可能なカメラのRuncam Split4の方が、相変わらず電気的に安定せず、勝手に録画が切れてしまう。これはFCじゃなくて、カメラの方の問題ですね……。もしくは、Cinefun 75mmのように、1SバッテリーでもXT30コネクタ接続するか。うーむ、こちらはまだ、試行錯誤が必要そうです。

6.価格など

価格は、BanggoodやMakerfireなどの海外通販で、おおむね、5,000円強。マイクロドローン用のFCとしては、やや高め。ただ、VTXの代金も入っていると考えれば、こんなものでしょう。ともかく、機能の拡張性は素晴らしいの一言。マイクロサイズでの飛行の楽しみが大きく増えました!

7.関連リンク

「法令遵守でドローン」記事一覧

「Happymodel CrazybeeX V2.2」単体

CrazybeeX v2.2:メーカーページ
Happymodel CrazybeeX FR/FS/PNP V2.2:Banggood(記事執筆現在品切れ)
Happymodel CrazybeeX v2.2:Makerfire

「Happymodel CrazybeeX V2.2」搭載機

Eachine Cinefun 1S 75mm:Banggood
Happymodel Crux3:Banggood
Happymodel 1-2S Crux3:Makerfire

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