こんにちは、オジルです。Kickstarterでクラウドファンディングが開催されている新製品、「abxylute S9」の実機レビューをお届けします。abxyluteといえば以前ウインタブでクラウドゲーミング・リモートプレイに特化したハンドヘルドゲーム機の「abxylute」で実機レビューを行っているのですが、製品名にS9が付く本製品は、液晶画面が付属しないコントローラーとしての位置づけ。なお、レビューにあたり、サンプル製品をメーカーよりご提供いただいております。
※レビュー製品には「あくまでも試作品であり、意見をもとによりよい製品にしていきたい」という主旨のペーパーが同封されていました。ですので、実際に販売される製品は本レビューのものと仕様などが異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
・様々なプラットフォームに対応
・8インチクラスのタブレットにも対応するサイズ
・装着したまま充電が可能
・Bluetoothにも対応している
・高機能な同種製品の中では比較的安価
ここがイマイチ
・ボタンの押し心地&音に若干チープさを感じる
・それなりの重量(250g)なので長時間プレイは疲れそう
販売サイト(クラウドファンディング)
abxylute S9 Premium Mobile Controller: Snap, Stretch & Play:Kickstarter
目次
1.abxylute S9 スペック
スペック表
コメント
コントローラーという製品の性質上、上記のスペック表ではあまりイメージが伝わらないかと思いますので、下の画像を見ていただいたほうがS9を理解しやすいでしょう。
このような製品に馴染みの薄い方(私もです)にざっくりと説明するのなら、基本的な機能が一通り揃っているのはもちろんのこと、便利に使える拡張機能が充実しているのがS9の特徴です。中でも、S9を端末に接続したまま充電ができるパススルー充電や、パーツ交換ができるのが個人的には嬉しいと感じました。また、ここには出ていませんが、専用アプリで細かく設定できたり、強度調整可能なバイブレーション機能があったりと、「こだわりたい方」にとっても満足できる仕様です。有線接続に対応しないデバイス/アプリ向けにBluetooth対応しているのもいいですね。
S9はディスプレイを搭載しておらず、あくまでもコントローラー単体での利点として、上の画像のように様々なプラットフォームに対応します。リモートプレイやクラウドゲーミングでは回線速度・強度が優先されるため、接続するデバイスの性能が物足りない場合でも楽しめるのは嬉しいところ。裏を返せば、モバイルゲームでは手持ちのスマホなどの性能がそのまま反映されるということでもありますが…。
気になったのは本体重量です。250gという重さは装着する端末を加えると相応の重さになってしまうため、エンジョイ勢なら問題ないとは思いますが、ガチプレイを前提とするのならプレイングやスコアに多少なりとも影響を及ぼしそうな懸念はあります。
2.abxylute S9 外観
本体+同梱品です。まずこの箱がだいぶ大きく、10インチくらいのタブレットが入っているのではないかと思うくらいのサイズ。本体以外の付属品は、交換用の十字キーが2種類と予備のスティックです。ゲームのジャンルによって十字キーが変更できるのはゲーマーにとって嬉しいのではないでしょうか。
S9を正面から見たところです。あえて説明する必要もないですけど、S9はスマホなどを挟み込んで使用するタイプのコントローラーで、十字キーやABXYキー、スティック以外にスクリーンショット、ホームなどの機能を持ったボタンが配置されています。Type-C端子は右側にあります。ちなみに十字キーとABXYボタンについて、メーカーは静音を謳っているものの、私としてはだいぶクリック感と音が出る印象です。少なくとも手持ちのPS5純正コントローラーと比較すると「しっかりした押し心地で、音も出る」と感じました。
Type-C端子付近のクローズアップです。写真では伝わりにくいと思いますが、上下に可動する仕組みになっていて、デバイスとの接続がしやすくなっています。
背面にはマクロ機能を持たせることのできるカスタマイズボタンが左右それぞれに配置されています。
上部にはLRボタンがそれぞれふたつずつ。PSのコントローラーで見慣れた形状です。押し心地はPS5純正コントローラーとそこまで違いはありません。
底面部分の中央には充電用のType-C、右側にイヤホンジャックが配置されています。コントローラーを有線接続すれば当然バッテリー消費が早くなるわけで、その辺りの不安を払拭してくれる構造なのはありがたいです。
スマートフォンに接続した様子です。手持ちのXiaomi 11Tをケースが装着されたまま接続してみましたが、変に窮屈だったりカメラバンプが気になったりということはありません。ホールド感もバッチリです。
S9は8インチクラスのタブレットにも対応するため、8.7インチのTeclast M50 Miniに接続してみました。サイズ的にも見た目的にもジャストフィットしています。(性能よりも回線速度・強度重視なので)安価なタブレットをあえて使うことにより、疑似的なPlayStation Portalのようなリモートプレイ特化マシンとして使うのもアリな気がします。
装着時の背面はこのようになっています。見た目は華奢な雰囲気がありますけど、実際のところホールド感は高く、持っていて外れそうになることはまずないです。ただ、タブレットだとやっぱり重いですよね…。
3.abxylute S9 使用感
スマホゲームをプレイ
私だけでないかもしれませんが、画面上に十字キーやボタンが表示されるタイプのものは大の苦手で、それが嫌だからという理由だけで当該タイトルのプレイを諦める始末。しかしコントローラーがあるなら話は別で、せっかくの機会ですから挑戦してみることにしました。チョイスしたのは比較的最近リリースされたゼンゼロ(ゼンレスゾーンゼロ)、3Dアクションです。
スマホでコントローラーを使うのが初めてなので最初はだいぶ戸惑いました。というのも、スマホのType-CにS9を接続してからどうすればいいのか全くわからないw。設定画面を確認してみたところ、ディスプレイかコントローラーかを選択する箇所があるじゃないですか。そこでコントローラーを選択したらすぐに使うことができました。よかった。
ゲームプレイの感想はというと、月並みな表現で申し訳ないのですが、やはり画面上に表示されるスティックやボタンをタップして遊ぶよりも格段に快適です。正直なところ、これだけのためにコントローラーを購入する理由にしてもいいくらい別次元でした。私のプレイングスキルが低く、満足に動かせないことだけが悔やまれますが。。
また、今回試していませんが、有線接続に対応していない原神のようなタイトルでもタッチスクリーンマッピングによりコントローラー操作が可能になるようです。Bluetoothでは遅延が気になる、という方にとってはだいぶ有用な機能ですよね。気になる方は以下の公式動画を参考にしてみてください。
PSリモートプレイ
PSリモートプレイでも試してみました。やる前から分かっていたことではありますけど、やはり格闘ゲームやFPSなど、少しのタイムラグが命取りになるゲームはS9に関係なくリモートプレイには向きませんね…。ただし、オフラインかつ瞬時の判断を問われないゲームであれば、手持ちのデバイスにS9を組み合わせるだけでコストを抑えつつリモートプレイ環境が構築できるため歓迎でしょう。
アプリ・設定について
そもそも私があまりキーコンフィグなどにこだわらないこともあり、今回のレビューでは細かい設定は行っていません。加えて、まだ販売されていない製品だからか説明書の類は付属しておらず、公式にもチュートリアルやFAQが出揃っていない状態なので若干取っつきにくいところはありました。正式リリース後に改めて色々と触ってみたいと思います。
私はほぼプレイしないため詳しいことは分かりませんが、きっとFPSをプレイする方ならトリガーボタン(L2・R2)やスティックの反応精度を細かく調整できるのはだいぶ便利ではないでしょうか。安価な挟み込みタイプのコントローラーとは間違いなく一線を画しています。
4.abxylute S9 レビューまとめ
abxylute S9はKickstarterにてクラウドファンディング中で、300台限定の超早割(49ドル)は早々に終了しているものの、9月15日現在では40%割引となる早割が59ドル、日本円換算すると約8,300円で購入可能です。
あまりゲームをしない方にとってコントローラーでこの価格は高いと感じてしまうかもしれません。ただし、同タイプでRazerのKishiなんかは2万円クラスだったりしますし、バーチャルパッドで限界を感じる方、ゲーミングスマホでより高みを目指したい方にしてみれば高機能でこの価格は割安なのかなと思います。
余談ですが、間もなく1歳を迎える息子が装着した状態でなぜか大はしゃぎしていました(危ないので見せるだけですけど…)。これ、大人がガッツリ使うのも大いに結構ですし、お子さまへのプレゼントとしてもかなり喜ばれるような気がします。とにかく大人も子供もバーチャルパッドからコントローラー操作に切り替えた瞬間は感動モノなので、ぜひ試してみていただきたいです!
5.関連リンク
abxylute S9 Premium Mobile Controller: Snap, Stretch & Play:Kickstarter