こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先週来、「1万円以下で買えるWindows スマホ」についていくつか記事を書きました。一方でContinuumを扱うことのできるハイスペックなWindows スマホにも選択肢が出てきました。たった1年足らずの間にWindows 10 スマホの環境もずいぶん変化したなあ、と思います。この記事では「購入しやすい価格帯のWindows スマホ」について比較してみたいと思います。対象機種は「CPUがローエンドのSnapdragon 210で、実売価格が1万円前後のもの」ということで選んでいます。
1.対象機種
geanee WPJ40-10
CPU: MSM8909 ※Snapdragon 210
RAM: 1GB
ストレージ: 8GB
ディスプレイ: 4インチTN液晶(800 × 480)
カメラ: イン200万画素/アウト500万画素
サイズ: 124.5 × 62.8 × 9.9 mm / 136.8 g
実売価格: 12,000円台、セール時の最安値9,180円
この製品は低価格だから、という以外の魅力があります。「とにかくミニマム」です。ディスプレイサイズが4インチのWindows スマホは日本ではこれしかありません。スマホにPC並みの性能を求める人には向きませんが、必要最小限のことができて取り回しがラク、ということなら俄然魅力的になります。
紹介記事:geanee WPJ40-10 - 待ってた!4インチWindows スマホ(WindowsPhone)、2月5日発売!
製品ページ(NTT-X):
4インチ Windows Phone 白モデル WPJ40-10-WH
4インチ Windows Phone 黒モデル WPJ40-10-BK
FREETEL KATANA 01
CPU: クアッドコアCPU ※Snapdragon 210
RAM: 1GB
ストレージ: 8GB
ディスプレイ: 4.5インチIPS(854 × 480)
カメラ: イン200万画素/アウト500万画素
サイズ: 高さ:132.8 × 66.3 × 8.9 mm / 132g
実売価格: 11,950円
こちらも1万円強で購入できるWindows スマホです。CPUやRAM、カメラなどの性能はgeanee WDPと同じでミニマムですが、ディスプレイが4.5インチとやや大きく、IPS液晶なのでgeaneeよりはかなり見やすくなります。その代わりサイズが大きくなりますけどね。FREETELではAndroidスマホに「Priori 3」というエントリー機種があるのですが、それと同一の筐体を使っています。ちなみに、つい最近私の娘に「Priori 3 LTE」を買ってあげました(KATANAは拒否られました)が、OS違いとはいえ、結構使いやすいと思いましたよ。
紹介記事:FREETEL KATANA01 -Windows 10 Mobile搭載デバイス一番乗りはここ!
製品ページ(NTT-X):KATANA 01
ドスパラ Diginnos Mobile DG-W10M
CPU: Qualcomm MSM8909 ※Snapdragon 210
RAM: 1GB
ストレージ: 16GB
ディスプレイ: 5インチ(1,280 × 720)
カメラ: イン200万画素/アウト800万画素
サイズ: 高さ:142.5 × 70.5 × 9.2 mm / 145g
実売価格: 9,980円
つい最近税込み価格が1万円を切ったドスパラのWindows スマホです。CPUこそSnapdragon 210ですが、ストレージは16GBですし、ディスプレイも5インチで高解像です。アウトカメラ800万画素というのもワンランク上ですね。個人的にはこの製品はどう考えても1万円以下で売られるべきものではない、と思います。
紹介記事:ドスパラ Diginnos Mobile DG-W10M - スマホの基本を押さえ、コスパも高いWindows 10 スマホ(実機レビュー)
製品ページ(Amazon):Diginnos SIMフリー スマートフォン DG-W10M
製品ページ(直販サイト):Diginnos Mobile DG-W10M
2.サイズで選ぶ
今回の対象機種は3機種ですが、それぞれ製品の個性がはっきりしています。CPUとRAMはそれぞれSnapdragon 210に1GBと共通で、はっきり言って低スペックですが、ディスプレイは4インチ、4.5インチ、5インチと異なります。このことは製品全体のサイズにも関わってきます。当然4インチのgeaneeが最も小さく、5インチのDiginnosが最も大きい、ということになりますね。サイズが小さいほうが取り回しに便利ですし、かつてのiPhone(最近4インチモデルが追加されましたね)がそうであったように片手でラクラク操作可能です。一方画面に集中するなら5インチで高解像なDiginnosが最も使いやすくなります。
ここは好みの問題なので何とも言えません。「片手でラクラク操作」を選ぶのか、「大画面で快適に」を選ぶのか、「その中間でどっちもそこそこ」を選ぶのか、ということですね。あえて4インチを選ぶ、という人も多いと思いますし、実は私も…。でも、注意したいのは「重さはそれほど変わらない」ということです。geaneeって、思ったほど軽くないんですよね。
3.性能で選ぶ
これはDiginnosということで異論は出ないと思います。この製品はCPUがSnapdragon 210である、という以外はマウスのMADOSMAと似たようなスペックなので、本来はもう少し高価格で販売されるべき製品だと思います。限られた予算で少しでも高性能なものを、という場合はDiginnosでいいと思います。
4.カメラで選ぶ
スマホの場合、タブレットと異なりカメラの使用頻度が高くなると思います。私の娘からのフィードバックなんですけど、特に若い人は「インカメラ」が重要らしいです。「自撮り(かっこよく言うとセルフィー)」のニーズが高いんですね。その意味ではこのクラスのWindows スマホは全部不合格です。だってインカメラが200万画素しかありませんから。Priori 3(KATANA 01と同じもの)を使っている私の娘は喜んで毎日使い倒していますが、唯一不満なのが「内側のカメラが汚いこと」だそうです。しまいに「iPhone持ってる友達のカメラで写して送ってもらう」とか言い始めてますからね。
話をおじさん方向に戻します。アウトカメラではやはりDiginnosが800万画素となっていて最も高性能です。ゆえに絶対的にはDiginnosということになるんですけど、おじさんの用途を考えると500万画素でも800万画素でも大差ないでしょう。本格的な撮影にはどっちも性能不足ですし、メモ代わりに使うならどっちも十分、ということになるからです。
娘の話を聞いていて思うんですけど、カメラだけはもう少し頑張ってほしいところですね。じゃないとせっかく買いやすい価格になっているのに若い人たちが飛びついてくれませんから。
5.まとめ
結論として、心情的にはDiginnosを推したいというのはあります。どう考えてもコストパフォーマンスが異様に高いと思います。予算ありきで選ぶならDiginnosでしょう。しかし、誰もがスマホを所有した経験がある時代だと思いますので、「次に買うスマホ」の理想像というのが誰の心の中にもあると思います。
私は以前から書いていますが、日ごろタブレットも持ち歩いているのでスマホに高性能を期待していません。もちろんContinuumを試してみたいという気持ちはありますけど、タブレットを持ち歩く以上Continuumの機能は必須ではないです。私がスマホに期待するのはWindows 10 Mobileの標準アプリ(メール、カレンダー、OneDriveなど)が過不足なく使えて、たまに「RECT」みたいなパズルゲームができて、そこそこのカメラ性能があり、サイズが小さいこと、です。なので、geaneeのスペックが理想的だと思います。
今回の対象機種は3つしかありませんけど、それぞれ異なる個性があるので、ご自身の希望に照らし合わせると意外と簡単に機種選びができるんじゃないでしょうか?
コメント
w10mは面白い存在ではありますね.
古くはWindowsCEと言う名前で個人としてはNECのモバギやシグマリや一時流行ったポポペから最近ではハイブリまで使ってきましたがw10mは一番良く出来たOSかなと思います.CEの時も結構良かったですがその間に迷走が続き酷い有様でした.
W-zero3で一時は注目もされ売れはしましたが(初代も買いました)進化スピードについていけなかったので半ば消え去った存在でした.
主な原因はMSのOS作りの下手さと端末性能不足.
実際には端末自身の性能は決して悪いわけではなく主にOSの問題でした.MSは端末の性能に頼った作りをしてしまいまともに動作できない.使えば即フリーズ,動いても動作は緩慢でとても使っていられない.
で,w10mですがAndoridではエントリー廉価モデルレベルの性能の端末でもサクサク動作します.スクロールで引っかかるようなこともなくメモリ1GBでCPUはスナドラ程度あれば十分な動作です.現在モバイル端末に求められる物は揃っています.WEB,メール,ツイッター,動画と基本的なものは不足が無いです.
しかし・・・それ以外となると結局はアプリが揃っていないと言う問題が.
せっかくのユニバーサルアプリでW10と同じソフトが使えると言う利点もアプリあってのこと.MSのキラーアプリはOfficeしかありませんが既にOfficeは互換アプリが沢山ありますしAndoridでもモバイルでは問題ないレベル.お遊びアプリが充実してこないことには二進も三進も行かないでしょうね.
現状の打破はAndroidにもiOSにも無いヒットアプリを開発すること以外にないでしょう.しかもあまり普及していない端末で戦うのですから余程の物が必要です.w10mを買ってもいいと思えるくらいの.
自分は昔から使ってきているので去年KATANAが出たタイミングでw10mにしようか迷いました.Androidでも安価なものは1万から買えますから価格的優位性はないです.結局使いたいアプリが使えないと言うデメリットから結局Androidスマホに.
なので例え端末が1万でも0.5万であってもアプリがなければタダの電話になっちゃいます.
同性能ならw10mの方が動作は快適なので基本的なことだけが出来れば良いと言う人には訴求する可能性はありますが,そういう人は多分性能や動作はどうでも良いんじゃないかと思います.
くまねこさん、こんにちは、コメントありがとうございます。コメントにしておくのがもったいないレベルのご解説だと思います。うーん。ちなみに娘がWindowsスマホを拒否った理由はやっぱりアプリと、「友達で使っている人がいない」という、大人なら少し恥ずかしい、でも非常にまっとうで反論できない理由でした。
レスありがとうございます.
まわりで使っている人が居ないと言うのは理由としてかなり大きいです.
カッコ悪いとかそういう部分ではなくて困ったときに人に聞けないと言うのは,明るくない人にとって重要な部分を占めると思います.娘さんはwintabさんが側にいるわけでそういう事はないでしょうけど.
スマホの魁はw-zero3でしたが物好きしか買わなかったのはまだスマホが理解されていなかったからで欲しくても買えなかったと言う部分が大きいです.連れもスマホにしたのは4年くらい前でiPhoneやAndoridスマホがどういった物か会社や街の人や自分が使ってるのを見て知ったからです.じーさんばーさんは難しそうだけど結構年齢が高い人も使っているのを見かける=自分でも使えるって考えます.
特に女性は端末を弄りたいのではなく道具が欲しいだけですから使いやすい道具かどうかの見極めは鋭いです.詳しい人は先ず買え,買えば使いたかもわかるって思っちゃいますけども.
くまねこさん、こんにちは、コメントありがとうございます。女子高校生いわく「スマホはiPhoneとそれ以外。まわりはほぼ全員iPhone」だそうです。確かにiPhoneは道具としても優れてますもんね。
いろんな人によく「どれが良いか」と聞かれることがありますが、おおまかには
まず「TV内臓が欲しければAndroid」、つぎに「機械は苦手な方ならiPhone」、
「Windows 10 Mobileをどうしても使ってみたいならWindows Phone」
というふうに薦めています。
TVチューナーはAndroidでないと積んでないし、やはりOSバージョンにあまり左右されない操作の統一感とユーザーの多さから誰にでも聞けるし答えもほぼばらつかないiPhoneは強力です。
その点からするとどうしても・・・Windows Phoneの強固なセキュリティー(アドレス帳や画像フォルダへはストアアプリからのアクセスが制限されるとか実行時に許可を求められる)とかタイルインターフェースのランチャー兼ウイジェット(それも裏と表の両面使用可)の優位性など、聞かれると優れる点はあれこれ説明できますが薦められるかというと・・・もうちょっと・・・(汗)
やはり「価値観を周囲に左右されず自分が気に入った物を信じて、かつ多少のトラブルはまず自分で調べる」くらいの人でないと薦められないですね。
あるえふさん、こんにちは、コメントありがとうございます。「Windows 10 Mobileをどうしても使ってみたいならWindows Phone」というところで深くにも吹き出してしまいました。でもあるえふさんって誰よりもWindowsPhoneを愛してるように見えますけどね。