先日HPが新しいWindows 10 スマホ(WindowsPhone)を開発中である、という海外のニュースを記事にしました。
HP Elite X3(コードネーム: Falcon) - ハイスペックなWindows 10 スマホがHPから登場か?
そして、HPは噂通りスペイン・バルセロナで開催されるMWC2016にて、「HP Elite x3」を正式発表しています。数少ないWindows 10 Mobile搭載のハイスペックマシンということで俄然注目すべき存在ですね。
1.スペック
OS: Windows 10 Mobile
CPU: Qualcomm Snapdragon 820
RAM: 4GB LPDDR4
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 5.96インチ有機EL(2,560 × 1,440)ゴリラガラス4
カメラ: イン8MP / アウト16MP
入出力: USB 3.0 Type-C、SIMスロット × 2(※)
バッテリー: 4,150 mAh
サイズ: 161.8 x 83.5 x 7.8 mm / 195 g
その他: 指紋センサー、Iris(虹彩)スキャナー、防塵・防水
※SIMスロットはSIM2枚、もしくはSIM1枚とmicroSD
はい、およそ考えられる最高のスペックになっています。CPUはスマホとしては最上位、RAMは4GB、そしてストレージは64GBもありますから、そこらのWindows タブレットよりもハイスペックですわ。ディスプレイサイズはほぼ6インチですから、スマホともいえるしファブレット、ともいえる大きさです。重量も195 gなので、Windowsスマホとしては最重量級ですね。このスペックだともちろんContinuumに対応しますし、むしろContinuumを使う前提で作られた製品といえます。
また、この製品は生体認証機能もしっかりついていて、「指紋」と「虹彩」による認証が可能です。それと、防水・防塵機能はIP67規格(粉塵が内部に入らない、また水深1 mに30分つけても平気)です。ビジネスを意識したセキュリティと堅牢性を兼ね備えている、ということになりますね。
2.筐体
スマホなんで、前から見るとほとんどがディスプレイになってしまい、デザインの差別化ポイントが少ないですが、下部の金属部分にアクセントがありますね。
公表資料をもとに展開図を作ってみました。背面はWindowsスマホらしくカメラが目立ってますね。USB Type-Cポートは下部にあります。また、ボタン類のデザインは従来のWindowsスマホとかなり異なっていて、どう機能するのかこの画像だけだとよくわかりませんね。
3.Continuumを活かすしくみ
この製品、本体よりもむしろこの「ノートドック」のほうがはるかに話題性が高そうです。見た目は普通のノートPCに見えますけど、ノートドックはElite x3の「周辺機器」です。12.5インチのディスプレイをバッテリーを内蔵し、USBポートとLANポートも備えている、ということです。これを使えばContinuumもさぞ快適に動作させることができますね。
そしてもう一つのContinuum用周辺機器といえそうなのが「デスクドック」です。こちらは「クレードル」ですが、画像を見るとUSBポートやLANポートにHDMIと、かなりの拡張性を備えているようです。
まあ、そんなわけでスマホ本体のスぺックはハイエンド、そしてContinuumを活かせる周辺機器も用意されるわけですが、ノートドックを見て思うのは「Continuumがいい、というのはわかるけど、これならスマホとノートPCでよくね?」ということですね、正直言って。Microsoftアカウントを使ってOneDriveとOffice mobileもしくはOffice Onlineで作業すれば、デバイスが異なっても全く問題なく連続した作業ができる気がするんですけどね。だったら抜け殻みたいな位置づけのノートを持ち歩くより、最初っからノートPC持ち歩いたほうがマシなんじゃないでしょうか?
4.価格と発売時期
HP Elite x3は日本HPによれば2016年夏には日本でも発売される、ということでハイスペックなWindowsスマホを待望している人にとっては素晴らしいニュースになります。ただ、価格情報がなく、いくら出したら買えるのか、ということがよくわかりません。でも、相応の覚悟はいるでしょうね…。また、周辺機器のノートドックやデスクドックも(あるいはどちらか)必要になるんでしょう。全部そろえたらVAIO ZとVAIO Phoneの両方が買える値段だったりしてね。
この製品を見ていると、「すごい」というのは理解できるんですけど、「Continuumって何よ?」と逆に疑問を感じてしまいます。私だけですかね?
HP Elite x3については「ケータイWatch」にて、Windows PC向けソフトウェアが動作する可能性について下記のような記載がありました。
—–引用ここから—–
また、外部ディスプレイを接続することでパソコンライクな使い方ができる「Continuum」もサポート。Continuumで利用できないアプリケーションについては、同社のシンクライアントソリューション「HP Workspace」でカバーする。
—–引用ここまで—–
5.関連リンク
HP Elite x3:日本HP 製品紹介ページ
コメント
確かに!!
Continuumうらやましいから、ハイスペックWindowsPhoneにしようかと思ってましたが、
Windowsタブレット、Windowsデスクトップを使っている身としては、いらないなと考えさせられました。
こうなるとContinuum対応しなくても良いのかな・・・・
MADOSMAの新発表WindowsPhoneについても記事を楽しみにしています!
いつも良記事ありがとうございます
WINWINMANさん、こんにちは、コメントありがとうございます。ウインタブは個人ユーザー向けに記事を書いているのでちょっと失礼な書き方になってしまいましたが、法人をターゲットにしているようなので、それならどうせ会社の金ですし、シンクライアントでPCソフトも使えるんで、ちょっとウインタブとは次元が違う製品なのかなあ、と思います。
自分もウインタブさんに同意ですね。
二つ以上の目的を持たせると無駄が増えて高価になりがちです。
自分がタブレットの2in1化に否定的なのも同じ理由。
その上、「HP Workspace」とかでx86アプリケーションも使えるようにするとか。
それって完全に掟破りやん…。
そもそもマイクロソフトがWindowsに通話機能をプラスして小型化を目指せばよかったのに、迷走感ハンパないです。
他のサイトで見ましたがUSB Type-CでUSB3.0に対応したSoCがミドルレンジに降りてくるまでContinuumは様子見なんでしょうね。
kazuさん、こんにちは、コメントありがとうございます。実はkazuさんがビンゴなんです。ということは完全なる法人向けですなあ。
スマホを自宅の液晶モニターに出力してデスクトップ的な使い方をする(外では軽作業も出来るスマホ、自宅ではPC代わり)→解る
スマホをノーパソ”型のモニター”に出力してノーパソ的な使い方をする→解らない
それだったら8インチのフル機能タブとガラケーの2台持ちの方が理に適う気がします
こんにちは、コメントありがとうございます。この製品は法人でないと本領を発揮しないようです。ノーパソ型周辺機器の方にシンクライアント機能を設けてデスクトップソフトも使えるようにするとのこと。個人には無縁なのかもしれません。
法人戦略はContinuumへの比重が大きいからです
言い換えればデスクトップとContinuum for phoneとダブルスタンダードの核心部分でもあります
汎用PCを外部ドッキング端末に置き換えスマホに集約すれば管理がしやすくなりますし
スマホのリソースを使いシンクライアント端末を減らせば、サーバーの依存度を下げられます
ハードのバリエーションを用意することで柔軟に環境に対応できます
個人ではContinuumはインプット切り替えというオマケに過ぎない機能ですから
HP Elite x3のようにW10Mの特徴を全面におしだしすぎると
個人ではちょっとキツイですよね・・・
こんにちは、コメントありがとうございます。おっしゃるとおり、法人でないとリソースも金も続かんですね、これ。
生体認証対応はいいけど、でかいなぁ。
個人的には 4.5インチクラスのちんまい端末で Continuum対応のやつが欲しい。
DeskDockはビジネス的には客先作業なんかで重宝しそうだけど、プロジェクション機能も付けてほしかったか。
Astarさん、こんにちは、コメントありがとうございます。すいません、記載を間違えてまして、DeskDockじゃなくてノートドックでした。日本でファブレット流行るでしょうかね?
追記に関してのフォロー:
>シンクライアントソリューション「HP Workspace」でカバーする。
ということなので、社内のサーバーに仮想デスクトップまたは仮想Windowsマシンを設定してそちらにデスクトップアプリをインストールして、Windows 10 Mobile機からの仮想デスクトップ接続で利用する、ということですね。
「この機体なら単体でWindowsのデスクトップアプリが使える」という意味ではないのであまり詳しくないかたは注意してください。
あるえふさん、こんにちは、コメントありがとうございます。私以前勤めていた会社でシンクライアント使ったことがあるんですけど、知らない人のほうが多いんで、補足いただいて助かりました。
あちこちのニュースサイトによると「夏以降にau回線で法人向け」って事ですね。
engadget日本版によると「au店頭での展示も行わない」と言うことなので、街中で見かけたらかなりレアかもしれません。
なるほどね~、謎が全部解けましたわ。
クライアントとして使うならスマホの能力で非力でもなんとかなるのか。
だからauが法人相手にというわけで。
そうすると2in1タブレットも法人需要が見込めそうなメーカーが出してるし、一般相手には法人相手に大量生産でコスト下げた製品をまわしてる感じ?
kazuさん、こんにちは、コメントありがとうございます。さすがご理解が早いです。この製品についてはもうひとつ記事を書いたほうがよさそうです。
現在のLumia950では有線LAN認識しないんですが、こちらのドック経由だと使えるというの興味深いですね。独自にドライバを入れたのか、今後のOSバージョンでは対応してくれるのか…。
ふくさん、こんにちは、コメントありがとうございます。この製品、HPがかなりカスタマイズしているみたいで、HPの本気が伝わってくる感じなんです。ウインタブは個人向けのサイトなんで、あまりいい書き方をしなかったんですが、メーカーとしては志を持った製品のようです。