VAIOのモバイルノート「SX12」の実機レビューです。国内で販売されているモバイルノートは「13.3インチか14インチが主流サイズ」で、12.5インチサイズのVAIO SX12は希少とも言える存在です。VAIOらしくパフォーマンスが高く、デザイン性にも優れた製品です。
なお、ウインタブで「VAIO SX12の2022年7月モデル」をレビューするのはこれで2回目です。実際のところ、「使用感」については前回とほぼ同じような評価になるはずですが、今回のレビュー機の筐体色は「ファインレッド」という鮮やかな赤で、否応なくフレッシュな気持ちでレビュー機に向き合うことになりました。
なお、初回レビューのほうもあわせてご覧ください。
VAIO SX12(2022年7月モデル)の実機レビュー - 12.5インチで重さ1キロ切り、「すべてが高水準」なモバイルノートです
・第12世代(Alder Lake-P)搭載の高いパフォーマンス
・12.5インチで重さ1キロ切りの超軽量・コンパクトな筐体
・狭苦しさがなく気持ちよくタイピングできるキーボード
・VAIOを持つ喜びは無上
・ファインレッド!
ここがイマイチ
・さすがに安いとは言えない…
販売サイトはこちら
VAIO SX12:VAIOストア VAIO SX12:ソニーストア
目次
1.VAIO SX12 スペック
スペック表
SX12(2022年7月モデル) | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | Intel Celeron 7305 / Core i3-1215U / Core i5-1240P / Core i7-1260P |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB/32GB(LPDDR4X、オンボード) |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB/1TB/2TB NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 12.5インチ(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1、(LTE) |
入出力 | USB 4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.0 × 2、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、(nanoSIM) |
カメラ | Webカメラ(92万画素/207万画素)顔認証対応可 |
バッテリー | 約24.8~26時間(動画連続再生約13.8~15時間) |
サイズ | 287.8 × 205 × 15-17.9 mm |
重量 | 899~950 g |
レビュー機の構成
・OS:Windows 11 Pro
・CPU:Core i7-1260P
・RAM:32GB
・SSD:512GB
※SSDは「第四世代 ハイスピードSSD」でした。
コメント
VAIO SX12はVAIOストアおよびソニーストアで販売されており、注文時にシステム構成をカスタマイズすることができます。今回のレビュー機のスペックについては「OSはHome版、RAMは16GBくらいを選ぶ人が多いのではないか」と感じましたが、レビューを進める上でベンチマークスコアやバッテリー駆動時間、その他の使用感について特に影響はないと思います。
ディスプレイサイズが12.5インチと小ぶりで筐体重量も1キロを切っているので、毎日バッグに入れて持ち運べるサイズです。このサイズ感がVAIO SX12の最大のセールスポイントのひとつだと思います。
現行モデルがリリースされたのは「2022年7月」なので、CPUは第12世代(Alder Lake)にとどまります。ただし、Intel第12世代Coreと第13世代CoreはHX型番(ゲーミングノートなどに使われる高性能なもの)を別とすれば「オリジナル版とリフレッシュ版」という感じなので、パフォーマンスは第13世代のほうが上ではありますが、ビジネス系の用途で性能差を感じる場面はまずないと思いますし、Core i5/Core i7についてはパフォーマンスの高いP型番(バランスタイプ)が搭載されていますので、比較的軽量なオンラインゲームやクリエイティブワークにも使えると思います。
VAIO SX12のRAMは最大で32GBまで、SSDは最大で2TBまで搭載可能ですが、RAMは「オンボード」のため、購入後の増設・換装はできません。またディスプレイはFHD(1,920 × 1,080)解像度のみとなっており、ちょっと意外ですがタッチパネルの設定もありません。
2.VAIO SX12 外観と使用感
外観
同梱物は多めです。スタートガイドや保証書のほかにVAIOオーナーサイトの案内やグリーティングカード(画像下)といった、VAIOオーナーになったことを実感させてくれるものも含まれています。ACアダプターは超軽量な本体にふさわしく小型軽量で、出力65WでUSB Type-Cポートに接続するタイプ、実測重量は159 gでした(前回のレビューではACアダプターの実測重量は161 gでしたが、測定誤差レベルなので気にしなくていいと思います)
レビュー品には「VAIO SX12専用 REDステッチ特別仕様レザーPCケース」がついていました。このケースは付属品ではなく、オプションで税込み17,980円します(!)。もちろん「他社の付属品のケースとは全くの別物」で、極めて高い質感になっていまして、ちょっと畏れ多いのでシートに載せて撮影しました。素晴らしいケースですが、価格が価格なのでレザー製品に関心のある人向きかな、と思います。VAIO製品にはこのケースの他にもエース製のビジネスリュック(税込み37,400円~54,780円)とかモレスキン製ノート(税込み3,800円)といった、他社製品では見られない特別仕様のグッズがオプションで用意されています。
天板です。天板素材はカーボンで、側面に回り込むような形状になっています。レビュー品の筐体色は「VAIOストア限定色(前回のレビューの際にはなかった新色です)のファインレッド」です。非常に鮮やかな色味で、(自己所有品ではないのに)家族に見せびらかしてしまいました(私の家族は全員女性です)。もちろん女性向きでもあるのですが、この色を見てしまうと老若男女問わず「買うならこれにしたい!」という人が多いんじゃないかと思います。
SX12は筐体色のバリエーションが豊富で、このファインレッドのほかに「ファインホワイト」「ファインブラック」「ブライトシルバー」「ローズゴールド」そしてレビュー機の「アーバンブロンズ」の5色あり、さらに特別仕様の「ALL BLACK EDITION」もあります。ALL BLACK EDITIONもめちゃめちゃかっこいいんですよねー。ただし、ALL BLACK EDITIONのみCPUの型番が異なるなど、他の筐体色とは仕様が少し違っていて価格も高くなっています。
底面です。天板以外の筐体は樹脂製で、画像下部左右に筋状のスピーカーグリルがあります。
前面です。ここにはポート類やボタン類はありません
背面です。通気口がありますがポート類やボタン類はありません。また、左右上部に突起がありますが、SX12はリフトアップヒンジ構造(後述します)で、ヒンジ開口時に天板後部がテーブルやデスクに接地しますので、その際にキズつきを防止するための保護材です。
左右側面です。左側面(上の画像)には左からセキュリティロックスロット、通気口を挟んでUSB Type-A、イヤホンジャックがあります。また、右側面(下の画像)には左からUSB Type-A、USB Type-C、HDMI、LAN、USB Type-Cポートがあります。SX12のUSB Type-CポートはどちらもThunderbolt 4と高規格です。また、本体への充電/給電もType-Cポートを使います(どちらのType-Cポートでも充電/給電可能です)。
キーボードです。(光の当たり具合にもよるんですけど)鮮やかですよねー。個人的には「サイコー!」です。実はSX12のキーボードは注文時のカスタマイズ項目になっていて
キートップ色ホワイト:日本語配列(かな文字あり)/英語配列
キートップ色ブラック:日本語配列(かな文字あり)/日本語配列(かな文字なし)/英語配列
※キートップ色は選択する筐体色によって決まります
を選べるようになっています。レビュー機は「キートップ色ブラック・日本語配列(かな文字あり)」でした。また、キーピッチは19 mm、キーストロークは約1.5 mmと開示されており、12.5インチサイズだからといっても狭苦しさは全くありません。パームレストとタッチパッドが小さめである以外は一般的なノートPCと同じサイズ感です。また、このキーボードはバックライトも搭載しています。
また、キートップは中央部分がわずかにくぼんでいて、タイピング時に指のかかりがよくなるような工夫がなされています。
キーボードの使用感
繰り返しになりますが、SX12のキーボードのキー部分は「標準サイズ」で、12.5インチの筐体でも狭苦しさはありません。あら捜しをすると右下の方向キーとその左側のキーが小ぶりではあるのですが、使っていて特に違和感はありませんでした。また、パームレストは小さいですが、リフトアップヒンジを採用していることもあり、設置しているテーブル・デスクとの段差が小さく、手のひらがパームレストからはみ出してしまってもそれほど違和感がありません。あと、タッチパッドが小さいので、タッチパッドを多用する人には少し不満が出るかもしれないです。しかし、タッチパッドのクリックボタンがセンサータイプではなく物理ボタンになっているのもVAIOらしいこだわりだと思います。個人的には物理ボタンのほうがずっと使用感もいいと思っていますから。
タイピングはしやすいです。キートップのサイズがやや小さいのですが、使用感には特に影響はしませんでした。打鍵音は小さく、静かな場所で使っても周囲に気を使うこともないと思います。配列も素直と感じられ、違和感がありません。
非常によくできたキーボードだと思います。
SX12のディスプレイは全モデル「12.5インチ(1,920 × 1,080)、非光沢タイプ」です。上にも書きましたがタッチ対応ディスプレイの設定はなく、より高解像なタイプもありません。
あくまで私の感想ですが、SX12はこのアングルから見たときのみ「ちょっと残念」かなあ、と思います。ベゼル幅、特に上部ベゼルが結構な太さになっていて、ファインレッドの美しい色の「少々邪魔」をしているように感じられるんですよね。ただし、SX12の上部ベゼル部分には通信の安定性を高めるべく、高感度アンテナが内蔵されていますので、機能面を考えるとやむを得ないでしょう。
ディスプレイの使用感
手持ちのモニター(27インチIPS液晶、sRGB100%のもの)と「花」を画像検索して比較してみました。
自然な発色で原色も鮮やかに表示されます。手持ちのモニターと発色品質に差が感じられなかったので、おそらく100%sRGB相当の仕様なのではないか、と思います。ディスプレイの発色を調整できる機能は特段ありませんが、おそらくこのままの発色でもほとんどの人は満足できると思います。
輝度も十分と感じられ、普段使いでは50%くらいに設定しておけば快適に使えます。それと、12.5インチというのはモバイルノートとしても小ぶりなサイズですが、私の感覚だと13.3インチと比較して遜色がない(差を感じない)くらいの視認性でした。あとはアスペクト比は16:9と「トラディショナル」な形状ですが、最近は16:10のものが増えていて、評判もいいようなので(個人的にはどちらでもかまわないと思っています)、次世代モデルではアスペクト比も変更されるかもしれませんね。
ヒンジを開口したところです。SX12はリフトアップヒンジ構造になっていて、ヒンジ開口時に天板の後部が底面に潜り込み、キーボード面に適度な角度がつくようになっています。上でご説明した通り、SX12は筐体サイズが小さいためにパームレストも小さいのですが、この構造によりパームレスト部分とテーブル(あるいはデスク)がシームレスと感じられ(ちょっとオーバーな言い回しですね…)、一段とタイピングがしやすくなっています。
SX12はヒンジを180度開口できます。キーボードで「Fn + 数字の2」を押すと画面が反転しますので、ビジネスミーティングの際などに向かい側にいる人と容易に画面を共有できます。
スピーカーの使用感
筐体サイズが小さいわりに音質はクリアです。
音質設定用のアプリはDolby Accessで、音楽やゲーム、映画といった利用シーン別に音質をプリセットでき、グラフィックイコライザーで音質の微調整も可能です。
Dolby Accessをオフにしたり、デフォルト状態で使用すると高音がやや強調されていると感じられましたが、イコライザーで高音を落とし、低音をあげてやるとバランスがよくなりました。ただ、どうしても低音は弱めです。
それと、スピーカー位置はちょっと不満ですね。底面の前方に配置されており、キーボードを使いながら音楽を聴いていると手のひらが干渉し、少し音質が変わってしまいます。スピーカー位置については底面の両サイドに変更するほうがいいのでは?と感じました。
しかし、コンパクトで超軽量なノートPCのスピーカーとしては十分に合格点をあげられると思います。
バッテリー駆動時間
前回のレビューでは「ディスプレイ輝度を70%に、音量を50%に、キーボードバックライトOFF、VAIO設定アプリのモードを「静かさ優先」にしてバッテリー消費量を測定したところ「バッテリー駆動時間は8時間弱程度」という評価になりました。
今回は少し条件を変えて(厳しくして)みました。「ディスプレイ輝度を100%に、音量を50%に、キーボードバックライトON、設定アプリのモードを「静かさ優先」にして下記の作業をしました。
・画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を30分
・テキストエディターでテキスト入力を20分
・Webブラウジングを15分
・ブラウザーでYouTubeを開き、音楽鑑賞と動画視聴を15分
※各作業とも1分程度の誤差はあります
上記トータル80分の使用でバッテリー消費は22%でした。1時間あたり16.5%のバッテリー消費、単純計算するとバッテリー駆動時間は約6時間となります。前回よりも悪化していますが、やはり(当たり前ですが)ディスプレイ輝度とかキーボードバックライトによる影響があったものと思いますし、レビュー機の個体差(コンディションの差)もあったと思います。ただ、このサイズ、このスペックにしてバッテリー節約を無視して使っても6時間駆動するというのは立派だと思います。
発熱とファン音
VAIO SX12はゲーミングノートではないので、性能をブーストさせるような機能はありませんが、「VAIOの設定」というアプリがあり、ここで電源接続時とバッテリー駆動時のCPUとファンの動作モードを設定できます。Office系のソフトや動画視聴、Web閲覧などに使う場合は「静かさ優先」というモードで全く問題がありません。この際は発熱、ファン音とも全く気にしなくて大丈夫、というかほとんど無音です。
PC負荷の高い作業では「パフォーマンス優先」というモードにします(このレビューでも「パフォーマンス優先」にしてベンチマークテストを実施しています)。この際は発熱やファン音を感じます。ベンチマークテスト中のキーボード面をサーマルカメラを使って測定したところ41℃程度でした。また、この際の底面は50℃程度まで温度が上昇しましたが、これらはIntel Coreプロセッサー搭載のノートPCとしては標準的か、むしろ低めの発熱量と言えます。ただし、左側面の通気口からは割と熱い排気があります。ただこれも左隣に座っている人に迷惑がかかる、というほどでもないので、実用面で影響はないものと思います。
また、ベンチマークテスト中のファン音は騒音計の数値で最大50db前後でした。これも特に音量が大きくてうるさい、というレベルではないと思います(このあたりは個人差がありますので、あくまで私の感想です)。
3.VAIO SX12 性能テスト
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。また、このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。
参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(Core i9-13980HX、RTX4090):9,187
MSI Katana 15 B13V(Core i7-13620H、RTX4050):7,955
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U)5,954
dynabook RZ/HV(Core i7-1260P):5,564
VAIO SX14(Core i7-1280P):5,452
VAIO SX12(2022)(Core i7-1260P):5,437
MSI Modern 14 C12M(Core i7-1255U):5,366
VAIO SX14(Core i7-1195G7):5,278
ASUS Vivobook 15x OLED X1503ZA(Core i7-12700H):5,244
Lenovo ThinkPad X13(Core i7-1165G7):5,205
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):5,076
ASUS Zenbook 17 Fold OLED UX9702(Core i7-1250U):5,074
DELL Inspiron 14 AMD(Ryzen 5 5625U):5,031
DELL XPS 13 Plus(Core i5-1240P):4,980
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):4,967
dynabook SZ/MV(Core i7-1255U):4,902
HP Spectre x360 14(Core i7-1255U):4,834
HP ENVY x360-bf(Core i7-1250U):4,833
Microsoft Surface Laptop Go 2(Core i5-1135G7):4,066
昨年実機レビューをしたVAIO SX12とは同じCPUとRAM容量なので、基本的にほぼ同じスコアになるはずですが、実際は昨年のレビューよりも若干高いスコアになりました。ウインタブでは各種ベンチマークテストを「少し時間を空けて、最低3回以上は実施」しているのですが、それでもスコアにはバラツキがでてしまいます。なので、昨年のレビュー機とは同性能と考えるべきかと思います。
その前提でも外部GPU非搭載のモバイルノートとしてはかなり高いスコアになったと思います。SX12の想定される利用シーンに最も近いテストがPC Markだと言えますが、その意味では「非常に快適に使え、頼りになる」パフォーマンスを備えていると評価できます。
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。外部GPU搭載のゲーミングPCでは最も重要になるテストと言えますが、SX12は外部GPU非搭載なので、スコアは低めです。
参考1(外部GPU搭載のゲーミングノート・クリエイターノート):
MSI Titan GT77 HX 13V(Core i9-13980HX、RTX4090):22,052、38,273、15,196
MSI Katana 15 B13V(Core i7-13620H、RTX4050):9,278、21,399、4,986
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P、RTX3060)):8,023、18,153、4,491
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,767、17,671、5,136
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、3,150
※左からTime Spy、Fire Strike、Port Royalのスコア
参考2(外部GPU非搭載のノートPC):
VAIO SX12(2022)(Core i7-1260P):14,515、-
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U):-、16,098
HP ENVY x360-bf(Core i7-1250U):10,684、14,119
ASUS Zenbook 17 Fold OLED UX9702(Core i7-1250U):10,931、13,960
※左からWild Life、Night Raidのスコア
3D Markは「外部GPUを搭載しているか否か」でまるっきりスコアが違います。例えばTime Spyであれば外部GPU搭載機なら5,000点以上は当たり前、上位クラスの製品なら余裕で10,000点越え、となりますが、外部GPU非搭載機なら2,000点を越える製品はほとんどないです。
今回のレビューでは3D Mark、Fire Strike、Wild Life、Night Raidのスコアを測定しました。外部GPU非搭載機の場合、Wild LifeとNight Raidあたりが最も参考になるテストと言えますが、ともに非常に高いスコアになっていると思います。また、Fire Strikeでも5,000点をオーバーしていますので、グラフィック品質を落とす前提になりますが、オンラインゲームも楽しめるくらいの実力はあります。
続いてはCPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGPU(GeForce)の搭載有無は影響を受けないとされています。
参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(Core i9-13980HX、RTX4090):2,149、30,358
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H):1,918、17,827
マウス DAIV 6P-RT(Core i7-12700H):1,814、12,873
dynabook AZ/HV(Core i7-1260P):1,809、8,940
ASUS Vivobook Pro 15X OLED K6501ZM(Core i7-12650H):1,806、14,632
MSI Katana 15 B13V(Core i7-13620H、RTX4050):1,802、11,620
MSI Modern 14 C12M(Core i7-1255U):1,797、8,791
VAIO SX14(Core i7-1280P):1,661、9,354
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P):1,659、13,793
VAIO SX12(2022)(Core i7-1260P):1,647、8,813
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX):1,580、14,830
dynabook SZ/MV(Core i7-1255U):1,551、5,160
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS):1,543、13,832
ASUS Vivobook 15 OLED K512EA(Core i7-1165G7):1,497、5,555
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H):1,491、12,210
ASUS Vivobook Pro 15 OLED(Ryzen 7 5900HX):1,482、12,108
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):1,477、5,526
ASUS M3700WY(Ryzen 7 5825U):1,454、9,046
MSI Bravo 15 B5(Ryzen 7 5800H):1,422、11,241
DELL Inspiron 14 AMD(Ryzen 5 5625U):1,364、8,013
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H):1,348、11,419
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):1,170、6,973
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U):1,023、3,691
HP Pavilion x360(Core i5-7200U):790、1,740
ここでもCore i7-1260P搭載機としては最高クラスのスコアとなりました。
ストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。SX12は購入時に「スタンダードSSD」と「第四世代ハイスピードSSD」を選べますが、レビュー機はPCIe 4.0(VAIOの言う第四世代)で×4接続でした。スコアは「ビジネスPCとしてはオーバースペックなのでは?」というくらいに高速です。
4.VAIO SX12 レビューまとめ
VAIO SX12(2022年7月発売モデル)はVAIOストアとソニーストアで販売中で、価格はVAIOストアで税込み198,000円からですが、この記事執筆現在「新生活応援キャンペーン2023 第2弾(6月1日まで)」が開催中で、SX12が15%OFFになりますので、税込み168,300円から購入ができます(カート画面で自動的に割引が適用されます)。さらにこのキャンペーンでは最大15,000円のキャッシュバックが受けられ、SX12を購入すると10,000円(学生は15,000円)のキャッシュバックも受けられます(こちらは申込みが必要です)。なので実質158,300円(学生は153,300円)で買える、ということになります。
一方、ソニーストアでは税込み189,800円から、と少し安くなっており、VAIOストアと同様に新生活応援キャンペーンの15%OFFとキャッシュバックが受けられますが、ソニーストアの会員登録が必要です。
また、今回のレビュー機の筐体色「ファインレッド」はVAIOストア限定販売のため、ソニーストアでは購入ができません。レビュー機の構成「Windows 11 Pro/Core i7-1260P/RAM32GB/512GB SSD・ファインレッド」はVAIOストアでは税込み350,000円(キャンペーン割引とキャッシュバック適用後の実質価格は税込み287,500円)です。
VAIO製品は決して「安価」とか「割安」とは言えません。しかし、ウインタブでは過去に何度かVAIO製品の実機レビューをしていて、その都度「返したくないなあ」と感じます。SX12に関しては、サイズの割に非常に充実した入出力ポート、フルサイズと言ってもいいサイズ感で打鍵しやすいキーボード、堅牢で超軽量な筐体、そして高いパフォーマンスと、機能別に「いいところ」をいくらでも挙げられますが、それらを総合した「VAIOらしさ」が素晴らしいです。よく「所有欲を満たす」などといいますが、VAIO製品くらい「所有欲を満たす」パソコンは他にないんじゃないか、とさえ思いますね。
「VAIOを持つことのロマン」でも「実用品として完成度の高いノートパソコン」でも、どちらの観点からも強くおすすめできる製品です。特に「ファインレッド」ね!
コメント
フルキーボードで最小のディスプレイサイズは12.5インチだから打ちやすさを極めた最小のモバイルPCと言えると思う。ここからサイズが小さくなると何かに我慢しなきゃいけなくなる。