東芝が新しい2 in 1を発表しました。「dynaPad N72」という製品なのですが、慣れ親しんだ「dynabook」というブランド名ではなく、あえて「dynaPad」という名称を使っているところに東芝の意欲と自信がうかがえます。製品カテゴリーとしては「ノートPC」という位置づけですが、タブレットとしてみてもWindowsとしてはクラス最薄の筺体が魅力です。では、詳細を確認してみましょう。
1.スペック
非常に素晴らしい筺体ではありますが、CPUはCore iシリーズやCore Mシリーズではなく、Atom X5-Z8300(CherryTrail)となっています。64ビットOSに4GBのRAMですから、処理性能の高さは期待できるものの、Surface Pro 4と対等に勝負できる、とい感じではないです。むしろ無印のSurface 3クラスがライバルになりそうです。タブレット機で言うとLenovo tinkPad 10とかNEC LAVIE Tab W TW710あたりとの比較も面白いでしょう。CPUなど処理性能に関係する部分だけで、めちゃめちゃざっくり書くと「10万円クラス」という感じです。
ディスプレイは1,920 × 1,200なのでSurface 3と全く同じ解像度になっています。アスペクト比3:2なので、タブレットとしては正方形により近い形状です。ただし、サイズは12インチなのでSurface 3の10.8インチよりも大きく、Surface Pro 3と同じになりますね。
また、dynaPadはワコムと共同開発したデジタイザーを搭載しており、これは2,048段階の筆圧に対応した高性能、高精度なものです。昨年から同じ東芝のdynaBook Tabシリーズにも搭載されていて、評価が高いものなので、イラストなどを描く趣味のある人にはいいかもしれませんね。もちろんデジタイザーつきのほうが文字入力もはるかに快適です。
あとは、カメラでしょうか。アウト800万画素というのはSurface 3と同じレベルで、ウインタブが普段記事にしている8インチや10インチのタブレットよりはずっと高精細ですね。
2.筺体
dynaPad N72の一番のセールスポイントは筺体の素晴らしさだと思います。上の画像のように、キーボードが付属する2 in 1スタイルで、これだけだとあまり珍しくないですが、特筆すべきはそのサイズ感で、タブレット本体の厚さがわずか6.9 mm、キーボード込みでも14.9 mmしかありません。また、素材にカーボン(とプラスティック)を使用しており、重量も12インチサイズとしては最軽量となる569gですし、キーボード込みで996gと、1kgを切っています。何かにつけて引き合いに出して申し訳ありませんが、Surface 3は10.8インチでも622g、ThinkPad 10は10.1インチですが597gありますから、dynaPadの軽量ぶりはよくわかると思います。
キーボードのほうはキーピッチ1.9 mmと広く、キーにわずかな凹みを持たせることによって打ちやすさを改善しているとのこと。ノートPCとして見ても水準以上のものがあると思います。
あとは、「12インチサイズで薄くて軽い」筺体と高性能なデジタイザーの組み合わせですね。タブレットでイラストを書いたり、ノート代わりに手書き入力をする場合、筐体が薄くて軽いほうが使いやすいに決まってます。その意味では手書き入力ニーズの強い人には最強クラスの製品といえるかもしれません。
タブレット本体とキーボードは磁石で固定する仕組みになっていて、閉じると見た目はノートPCそのものです。ただし、注意したいのが「ヒンジはついてない」ということで、ThinkPad 10やLAVIE Tab W TW710などLenovo系の製品によく似た「キーボードの溝にタブレットをはめ込んで使うタイプ」です。そのため、ノートPC形態で使用する場合、ディスプレイ角度の調整はできません。
あ、そうそう、もちろん色は東芝お得意の「サテンゴールド」です。
3.価格と発売時期
この記事の上のほうで「10万円クラス」と書きましたが、dynaPad N72は家電量販店で予約受付が開始されており、ビックカメラでは税込み140,184円(ポイント10%つき)となっています。他のニュースサイトを見ると「13万円程度」と書かれており、しばらくはこの水準で推移すると思われます。「Office Home & Business Premium」とキーボードが付属すること、そして高性能なデジタイザーを搭載した12インチモデルであるということを踏まえると、十分に競争力があるというか、むしろ割安だと思います。
発売時期は12月中旬ということなので、冬のボーナスで買う、と言うことになりそうですね。
4.関連リンク
12型液晶搭載で世界最薄約6.9mm・最軽量約569gのWindowsタブレットとしても使える1台2役のモバイルノートPC「dynaPad N72」を発売:東芝プレスリリース
N72/T 2015秋冬モデル サテンゴールド 12.0型 デタッチャブル PN72TGP-NWA:東芝製品紹介ページ
dynaPad N72/TG PN72TGP-NWA (2015年最新モデル):ビックカメラ
コメント
デジタイザと聞いて!
と、タブレットを紙のノートとして使おう!委員会会長のタカ派(野球)でございます。
かなりのものが出てきましたね。
一番の驚きは筐体厚6.9㎜!
12インチなんて大きさだと折れちゃわないかな、と心配になるレベルです。
メモリも4GとoneNoteでもかなりストレスなく書いていけそうなスペックです。
苦言を言うなら二つ。
一つは価格。何とか10万切ってほしかった。(しかし、時とともに安くなって10万切りくらいにはなりそう)
もう一つはCPU。実際はどうかはわからないですが、お絵かきソフトのCLIP Studioでとりあえず必要なスペックがCPU2GHz、メモリ4Gだそうです。(どこかで見た気がします。出典が謎で申し訳ない)CPUがこれに達していなくてここが残念ですね。
しかし、この方向性のタブレットはおそらくSONYさんが出してる電子ノート?くらいしかなくて、同じ価格帯でwindows搭載という意味で東芝さんにはこのまま突き詰めていってほしいと思います。
takahaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。dynaPadはデジタイザーも高性能だし、Atom機とはいえ価格の高さには納得できるものがあるかな、と思っています。一方ドスパラの新しい2 in 1はtakahaさん御用達のデジタイザーはないんですけど、価格が破格に安いです。秋冬はこのクラスがアツくなりそうですね。