こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は日頃大変お世話になっている米国シアトルのUSB関連周辺機器メーカー「Plugable Technologies」の「USB 3.0 デュアル・ディスプレイ・ユニバーサル・ドッキングステーション UD-3900」の読者レビューです。レビュアーは「ますたー」さんです。
この製品は以前ウインタブでも実機レビューをしたことがあるのですが、私の検証環境も知識も製品のレベルに追いついておらず、まともなレビューができていませんでした。しかし、今回見事に読者にリベンジしてもらった、と思えます。ますたーさんは「写真が見苦しくスイマセン」ということを書いておられますが、私が写真を拝見したところ、「なんかすごい検証環境」をお持ちのようで、いい人にレビューしてもらえたなあ、と思っています。また、この製品の実力もかなりのもの、ということがよくわかりました。
では、ますたーさんの投稿記事をご覧ください。
目次
0.はじめに
この度はこのような機会を与えて頂いたメーカー様・ウィンタブ様にお礼申し上げます。応募したものの当選するとは予想していなかったので嬉しさ半分・重圧半分といったところです。すでに当サイトで実機レビューされており、またメーカーサイトでもある程度の情報を得られますので出来るだけ重複しないような内容でレビューしたいと思います。なお、検証環境において多くのケーブル・コネクタ類を使用したため写真は見苦しいものになっています。心よりお詫び申し上げます。
開封してまず目に入ったのがこの画像でした。多言語表記の中に『ありがとうございました。』とあり、嬉しく思いました(細かいところですが)。以下、色々な組み合わせでのレビューになります。
1.Nexus7(2012)との組み合わせ
いきなり動作対象外の組み合わせを持ってきてみました。今までNexus7には充電ケーブル以外の物を接続したことがなく、今回いたずら半分で接続してみました。ディスプレイ機能やネットワーク機能は当然のことながら動作しませんでしたが唯一動作したのがUSBキーボード(ThinkPad Compact USB Keyboard with Trackpoint)でした。UD-3900はUSBハブとして動作しているらしく、USB2.0ポート・USB3.0ポートのどちらに接続してもキーボードを認識していました。
気に入ったキーボードをWindowsマシンと共有できるのでこれはこれでありではないでしょうか。
2.ThinkPad X61との組み合わせ
純正でドッキングステーション(ウルトラベース)を持つ機種ですが残念ながらウルトラベースは所持しておりませんのでそちらとの比較は出来ませんが、USB3.0を持たない機種での動作状況等を記載したいと思います。
まず、注意点として初回接続時は接続するパソコン・タブレットをインターネット接続状態でなおかつUD-3900にLANケーブルを接続しないでおくこと(マニュアルに記載されています)。
UD-3900にLANケーブルを接続したままでX61に接続したためドライバインストールが進まず焦りました。注意点はそれぐらいであとはWindowsUpdateからドライバが自動的に導入されます。ネットワーク接続速度を比較してみます。
X61 LAN(Gigabit LAN) :110Mbps
X61 Wifi(Intel 4965AGN) : 65Mbps
UD-3900LAN(USB2.0:Gigabit LAN): 38Mbps
USB2.0接続で足を引っ張られるためネットワーク接続速度はもうひとつでした(当たり前ですが)。ディスプレイの拡張については次項のタブレットでは問題ない動画再生等はカクつきましたが動きの少ない動作については特段問題はありませんでした。
今もワードパッドでレビューを書きながら画面2にブラウザを画面3にフォトビューワー立ち上げていますがノートPC単体だといちいちウィンドウの切り替えをしなければならないので生産性が大幅に向上していると思います。敢えて問題点を挙げるならマウスポインタの移動距離が半端ないぐらいでしょうか!?(笑)
3.Sial Si03BF(ビックカメラグループ専売10.1インチタブレット)との接続
ようやく今回のレビューの大本命の機種です。Windowsタブレットでは希少なフルサイズUSB3.0ポートを持つこの機種とは最良の組み合わせではないでしょうか。こちらもネットワーク速度を比較してみます。
Si03BF Wifi(Intel 3165) :27Mbps
UD-3900LAN(USB3.0:Gigabit LAN):73Mbps
Si03BFの無線LANは11ac対応ですがX61と比較しても速度が出ていません。が、逆にUD-3900のLANはUSB3.0接続ということもあり、なかなかの速度が出ています。
ディスプレイの拡張についても外部1画面のみフルHD動画をフルスクリーン再生しながら他の画面でウェブブラウズ、タブレット本体でテキストエディタを動作させる程度なら文字入力にも動画再生にも遅延は感じられず、USB3.0接続の恩恵を感じられます(2画面で動画再生だとカクつきました)。
※写真はスピードテストをしながら当サイトとメーカーサイトを別画面表示しています。
タブレットの充電も接続ケーブル一本で出来れば満点なのですが、この辺は現在の普及規格では致し方ないところです(USB3.1 Type-Cが広く普及すれば可能になると思いますがどうでしょうか)。
4.中華タブレットChuwi Hi8 Proとの接続
こちらも今回のレビューの中心に据えようと考えていたのですが大誤算があり詳細には検証していません。こちらの機種はUSB Type-Cコネクタを採用しておりUSBポートがひとつしかないためSi03BFより更に好適な機種と考えていたのですがType-CコネクタがUSB2.0仕様と思われ、USB3.0での接続が不可能だったためです。
※Hi8 Proのデバイスマネージャーで確認する限りUSB3.0になっているので恐らく物理的な接続(配線)がUSB2.0仕様になっていると思われます。
USB3.0で接続出来れば充電問題を除けば技適の問題も入力機器の問題も画面の拡張も全て解決出来るソリューションだと意気込んでいただけに残念でした。
5.自作マシン(Asrock FM2A88X-ITX+/AMD APU A8 7600)との接続
こちらはゲーム用に組んだ自作機で普段はワイドモニターを2台接続(HDMI/DVI→HDMI変換)しています。今回のレビューにあたってはこの2画面環境をそのままUD-3900に接続しましたので自作機には32インチの液晶テレビをHDMI接続し都合3画面としています。こちらもこれまでのレビューと同様、ネットワーク接続速度を比較してみます。
FM2A88X-ITX+ LAN(Gigabit LAN) :130Mbps
UD-3900LAN(USB3.0:Gigabit LAN):154Mbps
測定誤差もあるでしょうがマザーボード直付けのLANよりも速い結果が出ました!ディスプレイの拡張についてもSi03BFと同様の検証を行いましたが、こちらはCPU/GPUともにパワーがあるからか3画面ともフルスクリーンで動画再生を行っても全くカクつかず滑らかでした。その時のソースはNASからが2つ、YouTubeからが1つでした。
さて、こちらについては今までの検証と異なる検証も行いました。普段の接続状態でのゲーム使用感とUD-3900を介してのゲーム使用感です。
結論としては実用するには少々厳しかったです。メーカーページでも説明されている通りDirectXを使用したゲーム等は描画量が多いため十分予想出来た事ではありましたが。ただ、今回のゲームは2画面同時出力という特殊なゲームだったため1画面表示にしたところ問題なくプレイ出来たことを付け加えておきます。
6.おまけ
メーカーページではUSBポートの充電機能は無いとの説明書きですがUSB2.0/USB3.0ともにタブレット等を充電可能でした。ただ、動作保証外の使い方なのでとりあえず可能ということで。
7.最後に
USB2.0接続だとその真価を発揮できないという制約はあるもののケーブル1本で外部2画面・有線LAN・USB3.0x2/USB2.0x4・音声入出力を拡張出来るUD-3900はWindowsタブレットの福音となること間違いなしと言えるでしょう!
8.関連リンク
Plugable UD-3900 ドッキングステーション - タブレットをデスクトップPCに!(実機レビュー):ウインタブ
PLUGABLE UD-3900 USB 3.0 デュアル・ディスプレイ ユニバーサル ドッキングステーション:Plugable Technologies日本語製品ページ
Plugable UD-3900 USB 3.0 デュアル・ディスプレイ・ユニバーサル・ドッキングステーション:Amazon