こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。アイ・オー・データといえば周辺機器の会社、と勝手に思いこんでいて、でも実際その理解でほぼ大丈夫だと思うのですが、実はスティックPCも手がけています。従来からIntelのCompute Stickを販売しており、今度は自社開発の新製品「クリップPC CLPC-32W1」をリリースしました。スティックPCとしてはユニークなデザインで、どちらかというと法人向けの製品だと言えそうです。もちろん個人ユーザーも購入できますよ。
1.スペック
この製品はCPUにCherryTrail世代のAtom中位のZ8550を搭載しています。私が国内で最もスティックPCに力を入れていると思っているドスパラのDiginnos Stick DG-STK4D(最近CPUがZ8500からZ8550に換装されました)と同等で、スティックPCとしては高スペックなものとなります。ただし、RAMは2GB、ストレージは32GBとなっており、RAM4GBのDiginnosと比較するとイマイチ、と思われる読者が多いと思います。
入出力関連ではフルサイズ(Type-A)のUSB 3.0ポートが2つ、そして独立したDC-INを備えていることから、入出力ポートが少ないのが泣き所のスティックPCとしては充実した部類と言えます。また、スティックPCの多くはmicroUSBポートで給電しますが、この製品はDC-INがついている、ということで、ここは少し意見がわかれるところだと思います。個人的にはモバイルバッテリーなどからの給電を考慮すればmicroUSB給電のほうがいいのではないか、と思いますが、据え置き型を前提とするのならどっちでもいいんでしょうね。
この製品のセールスポイントとして、「4K(3,840 × 2,160)でのディスプレイ出力が可能」ということと、「ディスプレイの電源とスティックPCの電源を連動させることができる」というのがあるんですが、電源を連動させることのできる製品というのが今のところ同社の「LCD-M4K491XDB」という49インチのディスプレイしかありません。ちなみにこのディスプレイは107,784円だそうです…。
また、この製品は冷却ファンが装備されています。ドスパラのDiginnosにも装備されていますが、特に法人利用で長時間稼働をする場合はAtomといえどもファンがついていたほうが安心でしょう。
そして、この製品(および同社で取扱のあるIntel ComputeStick)のユーザーに限り、サイネージアプリ「時間割看板」と内線案内アプリ「内線ミレル」が無償で提供されるとのこと。どちらも個人利用だとほぼ縁のなさそうなものですが、法人利用だとかなり便利に使えそうなものです。
2.筺体
トップ画像にあるように、スティックPCとしてはやや大型で、平べったい筺体になっています。上の画像で各部名称、ポート類の配置がわかると思います。
メーカーの説明では「デジタルサイネージをお手軽に実現、手のひらサイズのサイネージ向けパソコン」ということで、基本的に小売店舗とかショールームとか、企業の受付などで電源を入れっぱなしにして使う、という使い方が想定されていると思われます。なので給電をあえてDC-INにしているのかもしれませんね。
3.価格など
アイ・オー・データ CLPC-32W1は3月下旬に出荷開始され、直販サイト「ioPLAZA」での価格は税込み32,184円となっています。この記事中で比較したドスパラのDiginnos Stick DG-STK4Dの価格が税込み21,578円なので、スペックだけ見ると結構割高に感じられます。
おそらくは法人の一括購入(なのでボリュームディスカウントが受けられる)を意識しての価格設定なのか、あるいは法人利用に耐えうる信頼性とか耐久性を備えているから(ただし、スペック表など公表データだけでは耐久性についてはわかりませんでした)なのか…。個人利用を前提として見ると、やっぱ少し高いかな、という気はします。
4.関連リンク
デジタルサイネージをお手軽に実現 手のひらサイズのサイネージ向けパソコン「CLIP PC(クリップPC)」!:アイ・オー・データ プレスリリース
コメント
値段の割にスペックがやや物足りないのから、買うかどうかと聞かれたら躊躇してしまいますねえ。せめてメモリ4GB+ストレージ64GB以上でないと厳しいです。