スペイン・バルセロナで開催されるMWC 2018(Mobile World Congress 2018、モバイル製品の国際展示会)の開催に合わせ、HUAWEIが新しいモバイルノート「MateBook X Pro」を発表しました。MateBook XというのはHUAWEIが日本でも販売している13インチのモバイルノートですが、MateBook X Proはそれとは別物です。現時点でMateBook Xの後継になるのか、モデル追加になるのかはわかりませんが、かなりインパクトのある新製品であることは間違いありません。
なお、この記事はHUAWEIのグローバルサイトの記載事項を引用元としています。
HUAWEI MateBook X Pro:HUAWEI 製品ページ(英語)
1.スペック
MateBook X Proは第8世代のCore i5もしくはi7を搭載する上級のモバイルノートです。高性能なCPUだけにとどまらず、外部GPU「GeForce MX150」を搭載するモデルも設定されます。そのため、薄型で軽量なモバイルノートとしては極めて高いパフォーマンスを発揮すると思われます。
RAMは8GBもしくは16GB、ストレージも256GBもしくは512GBとなりますので、最低構成であっても十分に高い実用性と性能となりますね。
さらにすごいのはディスプレイです。13.9インチのLTPSで解像度はSurface Book 2(13.5インチ)と同じ3,000 × 2,000、しかもタッチパネル(ゴリラガラス使用)です。LTPSとは「低温ポリシリコン」のことで、極めて高性能な液晶です。残念ながらウインタブではその内容を平易に説明することは出来ないです(正直、Web検索して解説記事を読んですらよくわからない)。 詳しくはジャパンディスプレイの解説をご覧ください。
Wi-FiとBluetoothに関してはほぼ確実に対応するはずですが、現状HUAWEIの製品ページでもこの点については開示がありませんので、上のスペック表は推測したものを記載しています。
入出力ポートは十分とは言えませんが、USB Type-Cが2つ、フルサイズ(Type-A)USBが1つとなっていますので、最低限はクリア、という感じでしょうか(ウインタブはポートの数と種類についてはちょっと厳しいです)。また、SDカードスロットは見当たらず、メーカーの公表スペックにも記載がありませんので、おそらく非搭載と思われます。
サイズですが、13.9インチとしてはかなり小さいです。横幅304 mmで、13.3インチサイズ世界最小のDELL XPS 13が302 mmですから、アスペクト比3:2(一般のディスプレイよりも正方形に近い形状です)であることを差し引いてもかなりのコンパクトサイズと言えるでしょう。ただし、重量は1.33 kgとやや重くなっています。最新の上級モバイルノートは1 kgを切っていたり、1.1 kgに収まっているケースが多いので、重量についてはあまり高く評価できないですね。
2.筐体
この画像一枚でこの製品の特徴のうち、かなりの部分を説明できちゃいますね。まずは極細のベゼルです。ベゼル幅は4 mmということなので、DELL XPS 13と同じになります。しかし、XPS 13は下部のベゼルがやや太くなっていて、そこにWebカメラを搭載しているのですが、MateBook X Proは下部のベゼルも細いです。
で、Webカメラの位置です!なんとキーボード面にポップアップ式で搭載されます。これはすごいですね!最近Lenovo ThinkPadシリーズの一部に搭載される「Think Shutter」というのがありまして、要するにWebカメラを塞ぐためのフタなんですけど、これはユーザーが意図しないところでカメラを悪用されないようにするためのセキュリティ強化の一環として採用されています。MateBook X ProのWebカメラはポップアップ式なので、カメラを使っていないときにはキーボード面に隠れる構造です。つまり、セキュリティもバッチリ、というわけです。
キーボードです。ご覧のようにタッチパッドが非常に大きくなっていて、これもMateBook X Proのセールスポイントになっています。また、画像右上にある電源ボタンは指紋センサーにもなっています。
側面のポート類です。DC-INも見当たらないので、USB Type-Cからの給電/充電になるんでしょうか。あと、筐体に突起を作っていないので、フルサイズUSBポートがギリギリ収まっている、という感じに見えます。それとSDスロットは見当たりません。
この画像は海外のニュースサイト「Neowin」を引用元としています。極細のベゼルと巨大なタッチパッドが目を引きますね!
3.価格など
HUAWEI MateBook X Proは2018年春に中国、ヨーロッパ、北米、アジア・パシフィック、中東(China, Europe, North America, Asia Pacific and the Middle East)で発売され、価格は下記のとおりです。
Core i5 / RAM8GB / 256GB SSD / MX150: 1,499ユーロ(約19.7万円)
Core i5 / RAM8GB / 512GB SSD / MX150: 1,699ユーロ(約22.3万円)
Core i7 / RAM16GB / 512GB SSD / MX150: 1,899ユーロ(約24.9万円)
なお、上記の「アジア・パシフィック」に日本が含まれるのかは定かではありませんが、HUAWEIはスマホでも日本市場に力を入れていますし、MateBookシリーズの現行モデルも日本で販売されていますので、このMateBook X Proも高い確率で日本発売があると思います。また、HUAWEIのスマホは海外価格と日本価格の差が非常に小さい(どう考えても日本市場向けのローカライズはかなりのコストが掛かるはずですが、それを価格に転嫁しているようには見えません)ので、MateBook X Proも価格面でかなり期待できそうに思います。
4.関連リンク
HUAWEI MateBook X Pro:HUAWEI 製品ページ(英語)
コメント
元々タブレット出身のメーカーはベゼルレス技術に強いのかベゼルレス徹底しますよね。
個人的に気になるのはノートPCでは顎部分(下側のベゼル)はある程度長い方がいいのではないかって事です。
2in1やタブレットではディスプレイ部分のみになるから短い方がいいけどノートPCでは机に置いた状態でPC触るのでなるべく画面は上にあった方が目線の角度を下げなくていいので楽です。長時間使うと肩こり具合がだいぶ違います。
こんにちは、コメントありがとうございます。そうですね。DELLのXPSにしてもそうですし、実際ほとんどのノートPCはおっしゃるような作りになっていると思います。いくらベゼルレスでもそのせいで画面が見にくかったら意味ないですもんね。