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PCを自作しよう!(番外編1)- グラフィックカードについて。中古製品も検討したいよね…。

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こんにちは、ひつじです。コメントを個別に返せていなくてすみません。ちゃんと読ませて頂いています。今回、本当は自作パソコンの組み立ての記事をお送りしたかったのですが、よく考えれば先にこちらかなあ、なんてことを思いながら。というわけでグラフィックカードについて取り扱いたいと思います。

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最近は価格高騰が目立つことも有りなかなか手を出しにくい状況なのですがそれでも欲しいですよね。グラフィックカード。というわけで基礎知識や、組み入れる候補一覧位はご提示したいなと。

1.グラフィックカードって?

自作パソコンに搭載されるグラフィックカードは「外部GPU」とか「ディスクリートGPU」なんて表現されることもあります。現在一般的なパソコンにはCPUに統合される形でグラフィックチップが搭載されているのですがゲーミングパソコン等はその統合されたグラフィックチップではなく、こういったグラフィックカードが搭載されています。(※ノートパソコンのディスクリートGPUも「グラフィックカード」と便宜上呼ばせてください)

なお、グラフィックカードにはチップベンダーに当たるメーカーとこのチップを製品化しているメーカーが存在するため初心者には分かりづらいかもしれません。チップベンダーとして有名なのは「NVIDIA」と「AMD」です。NVIDIAはGeforceシリーズやQuadroシリーズが有名ですし、AMDはAMD RadeonシリーズやFireProシリーズが定番ですね。

また、それとは別に前述したCPUに統合されているグラフィックチップも最近高性能化が著しく、グラフィックカードのエントリーモデルより高性能なことさえあったりします。特に現行のINTELのIrisシリーズやAMDのVegaシリーズはちょっとしたゲームであれば十分動作できる性能を有しています。こうした高性能なグラフィックチップを搭載したCPUを「APU」と呼んだりします。

2.グラフィックカードが得意とする処理

グラフィックカードはその名称通りパソコンのグラフィック処理を担っています。具体的には3Dゲームや3D CADにおけるポリゴンやソリッドデータ、動画やパソコンのOS上で表現される図形の表現など、です。ただ、ややこしいことにパソコンでの3Dデータや動画のデコーダーは細かくその処理APIや形式が異なっており、更にコンシューマー向けのゲームと設計用途などでスタンダードなAPIが異なっている場合が多いです。詳細はややこしいのでざっくりと説明しますが、結果としてゲームなどで多用されるDirectX、むしろ設計用途で多用されやすいOpenGLとで要求される性質が異なっています。(正確に記するなら「OpenCL」とか「Valkan」みたいな部分を含めより密に書かなければいけないのでしょうが、上記ぐらいの単純な理解で大丈夫だと思います)

これがそのまま「コンシューマーゲームに向いているGeforceやAMD Radeon」と「ワークステーションなどに向いているQuadroやFirePro」といった棲み分けに繋がっています。また、動画やOS上での図形表現なども同様に求められるデコード処理、更にはハードウェア規格が異なります。結果として世代の新しい製品の方が出来る処理が多いです。

また、グラフィックカードはGPGPUの考えが浸透してきた頃からベクトル計算機としての需要が高まり、結果としてそれがマイニング用途やディープラーニング用途等に活用される現状に繋がっています。こういった用途に特化した製品も当然存在しており、例えばNVIDIAなら「Tesla」シリーズがそれに該当します。

3.現在必要なグラフィックカードの性能

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厳密には各ゲームの推奨(必要)スペックを参照しながら中央値になり得るグラフィックカードを紹介すべきところなのだろうとは思いますが、とてもざっくり言うなら「Geforce GTXの末尾60番の現行モデル」がおおよそFHD環境での推奨スペック基準になっていると思えばよいかと思います。というのもこの60番台をNVIDIAは主力モデル(基準となるモデル)として投入している傾向が強いからです。ですのでGTX1660シリーズを基準として、欲しいグラフィックカードを選定するのが良いかと思います。一方、AMD Radeonの場合、RXの500番台、5000番台、6000番台が混在していて複雑化していますが、基本的にRX5700以上を選んでおけばだいたい外さないかと思います。

ただ、今は価格が高騰しており、新品モデルは正直購入しづらいのが本音。中古モデルを視野に入れた場合は以下のような選定になるかな、と思っています。

【動かないゲームがあってもいい・動画再生中心で活用したい】
・Geforce GT1030
・Geforce GTX950
・Radeon RX460

一応4K HDR、60fpsでの動画再生を視野に入れた場合は上記が大きな制約がない下限となるでしょうね(厳密には表示できる色域に制限が発生する、といった不都合はありますが)。ただ、このクラスを使用するならば正直グラフィックカードを用意するメリットそのものが少ないとも言えます。特に最新のCPUを購入する場合、マザーボードなどの対応状況は確認する必要はありますが、オンボードGPUもそう変わらない性能を発揮するかと思います。

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なお、これより型番の古いグラフィックカード等も未だに販売されていますがいずれも基本設計の古さから来る使い勝手の悪さがどうしてもあります。数千円が惜しい等で無い限り、そういった古い製品よりはGT1030を購入したほうがまだ良いでしょう。ロープロファイル(ブック型等の細いデスクトップに使用されている短いPCIスロット)でも搭載できる製品が多いですしね。

pcislot

縮尺が違いますが、左側PCケースの白いプレートが通常のPCIスロット、右側PCケースの縦向きに刺さっているプレートがロープロファイルスロットです。

【多少ゲームはプレイするが「最低限の性能」があればいい】
・Geforce GTX1050ti
・Geforce GTX960
・Geforce GTX760
・Radeon R9 285
・Radeon R9 380

FHDで標準~軽量設定をすればゲームが一通り動くであろう下限がこの辺りです。いずれもだいたい同じような3D性能を有しています。ただこの中でGTX760やR9シリーズはかなり古いGPUです。HDMIの規格面等、演算性能とは別要因で4K環境での日常使いが厳しい局面も有るかと思います。しかしそもそも4Kモニタを使用する想定が無いなら、現行品化したGTX1050tiを新品で購入せずともこういった製品で十分です。

なお、一部製品はメモリ容量にバリエーションがあります。可能ならば容量の大きなものを狙ったほうが良いでしょう。焼け石に水かもしれませんが。

【画質設定で妥協する前提だが、本格的にゲームをプレイしたい】
・Geforce GTX1650
・Geforce GTX1060
・Geforce GTX980
・Geforce GTX970
・Radeon RX570~590
・Radeon RX470~480

一応現行のエントリーモデル並かそれ以上の性能は有している製品群だと言えます。GTX970がやや動画再生能力面で古さを感じさせるかもしれませんが、それでも多くの所有者にとって見れば「まだ買い替えしなくても我慢出来る」ゾーンに位置する製品たちだと言えるでしょう。比較的タマ数の多いはずの製品群でもあり、次期モデルが出た辺りで中古品が大量流通する可能性のある層です。ゲームをするためにGPUを購入するなら最低この辺りを狙っておくのがベターだと言えます。

また、このクラスになってくるとほぼ確実にパソコン本体の電源容量、及びグラフィックカードに電源供給が可能なケーブルがちゃんと搭載されているか、などと言った諸要素を確認する必要がありますし、ロープロファイル製品や1スロット専有の製品がほとんど存在しないので、必然的にミニタワー以上の大きさのパソコンでなければ搭載そのものが困難になってしまいますね。

【標準画質以上でゲームプレイをしたい(推奨スペック前後)】
・Geforce RTX2060
・Geforce GTX1660シリーズ
・Geforce GTX1070
・Geforce GTX980ti
・Radeon RX5700

現行のミドルレンジに渡り合える製品群がこの辺りです。古い軽量なゲームであれば4Kでのゲームプレイも狙えます。もう少し「旬」が続くであろう製品たちなので、中古価格次第で購入を検討しても良いでしょうね。一方でこのクラス位からCPU性能のボトルネックが顕在化してくるため、自作パソコンであれば構成全体のバランスを考える必要が出てくるでしょう。少なくとも現行のデスクトップCPUであれば、Core i3やRyzen3が最低必要になるかと思います。またヘッドセットを使用したい場合はこの辺りが下限だと思ってもらったらいいかなとも。

上記よりも高性能な製品群の紹介は割愛しますが、基本的に今回紹介していない製品のうち古い世代のグラフィックカードは(Geforceの700番台以前や、RX300番台以前)使い勝手が良くないはずなのでおすすめしません。一方、より新しい世代の製品(GTX1080等)はまだまだ余力があるはずなので格安で入手が出来るならおすすめです。

4.オンボードGPUとグラフィックカードは共存可能

UEFI設定などが必要な場合もありますが、オンボードGPUとグラフィックカードは両方を有効化することが可能です。単純にマルチディスプレイ環境を構築したい場合などでは有用な機能だと言えます。

また、前述のGPGPUに関連して、GPUで有りながら映像出力端子のない製品がまれに販売されていたりします。特にマイニング向けのRadeon RXシリーズなんかが入手しやすいですね。また、需要の小ささが影響してか、サーバーなどに搭載するようなTeslaの中古価格がコンシューマー向けグラフィックカードより安い、なんてこともあったりします。

実はああいった製品も多少の手間はかかりますがゲーミング性能向上に使用できる可能性があるってご存知でしょうか?OpenGLベースのゲームやexe形式やストア購入できないゲームだと対応できないという制約はあるのですが、実はWindowsはアプリケーションごとにグラフィックのパフォーマンスの優先設定として、映像処理させるハードウェアの個別指定が可能なんです。
GPUsetting
映像出力先は変わらないので、重いゲームをプレイする時だけグラフィックカードを使用する、といった使い方も可能だったりします。

基礎的な演算性能が高いものの古い製品や端子に不具合のある製品、特に「グラフィックカードが壊れた!だけど延命したい!」なんて場合に知っていると役立つ可能性があるので、いざという時に備えて設定方法を覚えておいても良いかもしれません。(要はこれを今回伝えたかったんですよね…。)

5.その他

日本国内は転売やマイニング需要の影響でグラフィックカードの価格が高騰していますが、アメリカ等の外国でも入手困難な状態が発生しており購入がかなり難しくなっています。以前は代理店のマージンを問題視して海外ショップでグラフィックカードを購入される方も多いかと思いますが、実態としてはそもそも海外ショップには在庫自体がなかったりします。(いつかNVIDIA公式ストアから購入できないか試したい…。)

そんなわけで結局国内でグラフィックカードは調達するしか無い状態ではあるのですが、やっぱりちょっと価格がネックなんですよね…。ただ古い製品でも活用法がないわけではないので、格安で入手できる製品はないか、今後も継続して探しておこうと思っています。

RTX3060とか、本当は搭載したいんですけどね。難しい…。

6.関連リンク

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