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Lenovo IdeaPad Slim 550 14 (AMD)の実機レビュー - 価格破壊級のハイコスパマシン、メリットとデメリットは?

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)
レノボの14インチノート「IdeaPad Slim 550 14(AMD)」の実機レビューです。IdeaPadシリーズは国内で販売されているノートPCとしては「屈指」と言える高いコストパフォーマンスを誇り、また、ビジネス用、学習用、家庭用など、様々な用途に使える高い性能を備えた製品です。

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おすすめポイント
・第4世代Ryzen搭載による高い処理性能
・実用PCとして必要十分な筐体品質
・圧倒的なコストパフォーマンス
ここはイマイチ
・ディスプレイ品質が低い
・筐体に高級感はない

販売サイトはこちら:
IdeaPad Slim 550 (14, AMD):Lenovo

1.IdeaPad Slim 550 14 (AMD) スペック

スペック表

  IdeaPad Slim 550 14
OS Windows 10 Home
CPU AMD Ryzen 3 5300U/Ryzen 5 5500U/Ryzen 7 5700U
Ryzen 5 4500U
外部GPU なし
RAM 8GB/16GB
ストレージ 256GB/512GB M.2 NVMe SSD
光学ドライブ なし
ディスプレイ 14インチ(1,920 × 1,080)
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0
入出力 USB 3.0 Type-C、USB 3.0 × 2、HDMI、SDカードリーダー、オーディオジャック
カメラ Webカメラ(720p)シャッター付き
バッテリー 稼働時間 14時間
サイズ 321.6×211.6×17.9mm(最薄部)
重量 1.45 kg

バリエーションモデル

・Ryzen 3 5300U/8GB/256GB
・Ryzen 5 5500U/8GB/256GB(レビュー機)
・Ryzen 5 5500U/8GB/512GB
・Ryzen 7 5700U/16GB/512GB

・Ryzen 5 4500U/8GB/256GB
・Ryzen 5 4500U/8GB/512GB

Ryzen 5のみ第3世代(4000番台)が含まれます。性能面では第4世代(5000番台)のほうが上なので、購入検討時に価格差が大きい(第3世代のほうが数段安いなど)場合のみ第3世代を選び、それ以外は第4世代から選ばれることをおすすめします。

第4世代については、Ryzen 3/Ryzen 5/Ryzen 7を選択できますが、選択するCPUによってRAMとストレージ容量に制約があります。Ryzen 3では512GB SSDは選択できず、逆にRyzen 7では256GB SSDは選択できません。また、この製品のRAMは基本的に8GBで、Ryzen 7を選択する場合のみ16GBとなります。

コメント

IdeaPad Slim 550 14 (AMD)は14インチサイズのクラムシェルノートで、重量1.45 kgと少し重めながら、モバイルノートとしても使えるサイズ感になっています。スペックは中上位クラスのノートPCと呼ぶにふさわしいものになっており、ビジネス用、学習用、ご家庭用に不足のないパフォーマンスを見せてくれるはずです。

一方で価格は「異常なくらいに安い」です。国内で販売されているAMD Ryzen搭載のノートPCとして最安値を競う水準と言っていいでしょう。そのため、「スペック通りの性能を発揮してくれるのか」「筐体が安っぽかったり、デザインが悪かったりしないか」といった懸念もあります。このレビューでは、筐体品質や処理性能について検証していきます。

2.IdeaPad Slim 550 14 (AMD) 筐体

同梱物

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)同梱物
レビュー機はメーカーからの貸出機で、全くの新品状態ではありませんでした。そのため同梱物についても実際と異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

同梱物はかなりシンプルで、画像上段中央の「Setup Guide(スタートアップガイド)」に最低限の説明がある程度でしたが、PC初心者も含め、多くの人にとって「これで十分」と言えるでしょう。Windows PCは「電源を入れる際の儀式」みたいなものはありませんしね。

ACアダプターは電源ケーブルが一体となったコンパクトなもので、実測重量は217 gと軽量です。

天板と底面

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)天板
天板です。IdeaPadシリーズ共通とも言えるシンプルなデザインで。左端に小さくレノボのロゴが入っています。筐体色は「プラチナグレー」で、筐体素材は天板が金属、それ以外は樹脂製と思われます。余計な装飾がなく、色も「割と普通」なので、使う人の属性(年齢や性別、利用シーンなど)を選ばない、プレーンなデザインと言えるでしょう。高級感があるか、と言われれば「ない」ですが、特に安っぽさも感じられません。実用品PCとして十分な質感になっていると思います。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)底面
底面です。こちらは樹脂製ですね。上下にゴム足があるほか、中央に通気口があります。また、後述しますが、IdeaPad Slim 550 14(AMD)のスピーカーはキーボード面にありますので、底面にスピーカーグリルはありません。

側面

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)前面
前面です。この面にポート類やボタン類はなく、中央にヒンジ開口用の「手がかり(くぼみ)」があるのみです。ヒンジ開口は特に大きな力は必要なく、普通に開口しやすいです。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)背面
背面には何もありません。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)左側面
左側面には画像左からDC-INジャック、USB Type-C、HDMI、イヤホンジャックがあります。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)右側面
右側面です。画像左からSDカードリーダー、USB Type-A × 2があります。14インチノートとして、ポート構成は標準的と言えます。欲を言えばUSB Type-Aポートが右側面に2つではなく、左右側面に1つずつ振り分けられていればさらに良かったかと思います。また、SDカードリーダーがmicro規格ではなくフル規格である、という点は評価できますね。

ディスプレイ

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)ディスプレイ
正面から見たところです。「いまどきのノートPC」らしく、ベゼル幅が細く、スタイリッシュに見えます。また、上部ベゼルは中央のWebカメラ付近が少し盛り上がっていて、これもデザインアクセントと言えるでしょう。Webカメラは物理シャッター付きです。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)ディスプレイ
ディスプレイはIPS液晶でノングレア(非光沢)タイプです。この画像では「できるだけ映り込みが大きくなるように」して撮影しましたので、映り込み(光の反射)が大きく見えますが、実用上映り込みが気になることは少ないと思います。

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ディスプレイの使用感

ディスプレイ品質については高く評価できません。スペック表で「IPS液晶、FHD解像度」と記載されており、それ自体は間違いではありません。視野角が広く、ビジネス利用で困ることはないと思います。

ただし、発色性能がよくありません。手持ちのノートPCやデスクトップPC用モニターと比較しても、全般に「色が薄い」と感じます。また、輝度もあまり高いとは言えないので、「花」の画像を表示させてもくすんだ感じとなり、鮮やかさがありません。繰り返しますが、実用品としては悪くないです。しかし、ディスプレイに関しては「低価格に仕上げたしわ寄せ」が出ていると感じました。

キーボード

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)キーボード

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キーボードです。メーカーの開示では「84キー(Fnキー+Windowsキーを含む)、JIS配列、バックライト・キーボード」となっています。また、手採寸でキーピッチは左右方向に約19 mm、上下方向に約18 mm強ありましたので、サイズとしては十分な余裕があります。またバックライトは2段階に調整可能です。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)キーボード
キートップの下側が丸みを帯びた、レノボらしいデザインのキーボードですが、ThinkPadシリーズのような(中央部分がくぼんでいるような)立体感はなく、ほぼフラットな形状です。バックライトの輝度は2段階位に調整可能です。

それと、キーボードの両サイドにスピーカーグリルがあります。この配置はPC使用時の音響効果という意味では非常に優れていると思います。スピーカーが自分のほうに向いているわけですから。

キーボードとスピーカーの使用感

キー配列はノートPCとして素直なほうだと思います。強いて言えば、右側のEnterキー周辺の配列(というかキー配置)がやや不自然で、一部のキーがくっついて配置されているという点と、右側のShiftキーが小さく、方向キーも小さめ、という点が挙げられるでしょう。実際、試用時にテキスト入力をしていて、右側のShiftキーは押しにくいと感じましたが、この程度であればすぐに慣れると思います。

打鍵音は小さめ、打鍵感も良好です。また、パームレスト部分は樹脂製ですが、少しざらついた感触になっていて、これも打鍵感をよくしてくれています。このキーボードであれば長時間のテキスト入力も難なくこなせる品質だと評価します。

また、スピーカー品質も高く評価できます。配置の良さをいかんなく味わえる、という感じですね。また、音響アプリに「ドルビーオーディオ」というのが入っていまして、これをオンにするだけで臨場感が一気に高まります。このような音響アプリによる人工的なエフェクトを嫌う人もいると思いますが、私が好んで聴く音楽ジャンル(ポップス系、ロック系、EDM系)ではデメリットが感じられませんでした。

筐体その他

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)ヒンジ最大開口
IdeaPadシリーズはワイドバリエーションで、クラムシェルノート(普通のノートPC)のほか、コンバーチブル2 in 1タイプのものもあります。このIdeaPad Slim 550 14(AMD)は「普通のノートPC」で、ヒンジ開口角度も一般的なものになっています。直近のレノボ製品(ノートPC)はほぼ全てヒンジが180度開口すると思っていましたが、この製品に関しては、この画像が最大開口となります(ノートPCとしては十分と言えます)。

バッテリー駆動時間

ウインタブの実機レビューでのバッテリーテストは、基本ツールなどは使わず、比較的ライトな作業(ウインタブにとっての普段使い)を1時間~2時間ほどやってみて、バッテリーの消費量を測定する、という手法です。

今回も「ディスプレイの輝度を70%に、キーボードバックライトをオンに(2段階の輝度のうち、暗いほう)、スピーカーの音量を30%に」してWebブラウジング、YouTubeでの動画視聴、テキストエディター上での文章作成でトータル1時間使ってみました。

この使い方でバッテリー消費は18%でした。単純計算だとバッテリー駆動時間は5.5時間ほどとなります。ディスプレイ輝度を落とす、スピーカーの音を出さない、といった節約手法を取れば6時間強くらいまではいけるかもしれません。この駆動時間は14インチノートとして特に悪いほうでもなく、出先で断続的に作業をするのであれば終日バッテリー駆動は可能と思われます。

ついでに言っておきますと、レノボに限らず、ほとんどのPCメーカーにはバッテリー駆動15時間とか20時間とかを謳っている製品が多く見られますが、経験上メーカー公称のバッテリー駆動時間は「せいぜい話半分」くらいに理解しておくべきだと思います。

3.IdeaPad Slim 550 14 (AMD) 性能テスト

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)PC Mark

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スコアの目安(2021年水準)※あくまで「目安」です
GeForceなど外部GPU搭載機 5,000以上
高性能なビジネスノートパソコン 4,000以上
中位のノートパソコン 3,000以上
エントリーノートパソコン 2,000以下

表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。このレビュー記事では他にもベンチマークスコアを掲載していますが、IdeaPad Slim 550 14(AMD)の製品特性(ビジネス用、学習用、家庭用の汎用ノートパソコン)を考慮すれば、このテストの結果が最も重要かと思います。

スコアのほう、「さすが第4世代のRyzen 5」と言える結果となりました。はっきり言って第11世代のCore i7を凌ぐ結果です。外部GPUを搭載せず、省電力タイプのCPU搭載で5,000点オーバーというのは立派としか言えないですね。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)CINEBANCH R23
続いてCPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。Intel Coreとの比較では、Ryzenはマルチコアのスコアが高め、シングルコアのスコアが低め、という傾向がありますが、この製品が搭載するRyzen 5 5500Uもそれを踏襲する結果となりました。ちなみに直近で測定したCore i7-1185G7のスコアは「シングルコア:1,451、マルチコア:5,399」でした。マルチコアに関してはCore i7の上位モデルを上回っています。

実用上、このスコアで性能面に不満を感じる場面はほとんどないと思います。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)3D Mark
続いてグラフック性能を測定する3D Markのスコアです。ここは「ちょっと不本意」な結果となりました。ちなみに第11世代のIntel Coreのうち、内蔵GPUにIris Xeを搭載しているもの(Core i3を除くほとんどの型番がそうです)だと、今回のスコアよりも高いスコアになります(Core i5でもFireStrikeで4,000点が出ることもあります)。

もともとゲーム用のPCではないので、この結果をあまり気にする必要はないと思いますが、PC MarkやCINEBENCHのスコアが非常に高かっただけに、ちょっと残念かも。

Lenovo IdeaPad Slim 550 14(AMD)Crystal Disk Mark
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。これ、相当に高速です。PCIe ×2なんだろうと思いますが、それにしても速いですね。製品特性を考えても全く文句なし、というか、この半分以下の速度でも遅いとは感じられないレベルなので、オーバースペック気味かもしれません。まあ、速いに越したことはないですから…。

4.IdeaPad Slim 550 14 (AMD) レビューまとめ

Lenovo IdeaPad Slim 550 14 (AMD)はレノボ直販サイトで販売中で、6月27日現在の価格は税込み62,700円から、となっています。今回レビューした「Ryzen 5 5500U/RAM8GB/256GB SSD」という構成のモデルが62,700円です。

レビューでは「ディスプレイ品質」について低評価としました。また、筐体品質について、個人的には安っぽさなどは感じられなかったものの、他社の上位モデルと比較してしまうと多少見劣りするであろうことは否めません。しかし、仕事用のPC、学習用のPCとして、スペック足らず、品質足らず、という印象はディスプレイの発色性能を除き、ありませんでした。おそらくクリエイターの人にはディスプレイ品質が少し辛いだろうなあ、とは思いますが、それ以外の用途で特に大きな不満が出るというのも考えにくいです。

それを踏まえて、この製品の価格は「激安である」としか言いようがありません。実用本位、コストパフォーマンス重視、ということでPC選びをされるのであれば、このIdeaPad Slim 550 14(AMD)は強くおすすめできます。

5.関連リンク

IdeaPad Slim 550 (14, AMD):Lenovo

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コメント

  1. 匿名 より:

    IdeaPadはそこそこ品質で高コスパなシリーズになりましたね。
    S540までは指紋認証があったのですが、S550まではばっさりと切り落としています。会社が社員に貸与するのであればこれでもいいかもしれませんが、個人で買うにはもうちょっと欲しいなという気分。
    その辺りのニーズはThinkBookが吸収するという流れなのでしょうね。