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COMPUTEX TAIPEI 2023 - 見学レポートまとめ。来年の参考にしてください

COMPUTEX TAIPEI 2023
これまで3回にわたってCOMPUTEX TAIPEI 2023のレポートをお届けしてきましたが、今回は「見学のまとめ」を書いてみたいと思います。ウインタブは「プレス」として参加申請していますが、ビジネス目的での入場はもちろん、一般入場も可能で、一般入場の場合は入場料が200元(1元=4.7円で計算すると940円)と安価です(詳しくはこちらをご覧ください。中国語ページですがブラウザの翻訳機能で日本語にしても内容が理解できます)。

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1.ゲーミング系・PCパーツ系が多数

COMPUTEX TAIPEI 2023

G.SKILLのブースにあったMOD PC

過去3回の見学レポートではウインタブが主にご紹介しているノートPC系・周辺機器メーカーのブースをご紹介しました。しかし、COMPUTEX会場で高いウェイトを占めているのは「PCパーツのメーカー」です。特にG.SKILLとかCOOLER MASTERといったゲーミング周辺機器のブースは大規模でド派手でした。この傾向は4年前に訪問したときから変わっていません。

COMPUTEX TAIPEI 2023

COMPUTEX TAIPEI 2023
展示品として目を引いたのは「MOD PC」と呼ばれる、改造PCですね。ご覧のように非常に個性的なものがたくさん目につきました。

COMPUTEX TAIPEI 2023

COMPUTEX TAIPEI 2023
また、PCパーツでは有名メーカーだけでなく、小さなメーカーの小規模なブースも非常に多く、これらゲーミング関連、PCパーツ関連の展示はCOMPUTEXの中心的存在と言ってもいいと思います。

逆に、ウインタブのように「ノートPC、タブレット、スマホ」をじっくり観たい場合には(決してブースが少ないわけでもないのですが)大手メーカーを除くと新しい発見がしにくいと思いましたし、COMPUTEXの性質上、小さなブースを構えているメーカーは「取材を受けるよりもパートナーを探したい」わけで、これら小規模ブースでの取材がうまくできたとも言えません。

COMPUTEX TAIPEI 2023

VARMILO(中国・深圳が本拠)

COMPUTEX TAIPEI 2023

Vortex(台湾のメーカー)

COMPUTEX TAIPEI 2023

MISTEL(台湾のメーカー)

ウインタブとして、「ちょっとうれしかった」のはキーボードの展示が多めだったことです。実は台湾にはASUSやMSI、ACER、GIGABYTEのようなPCメーカーだけでなく、PCパーツメーカーやキーボードメーカーも有力どころが多かったりするんですよね。上に掲載した3枚の画像のうち、VARMILO(台湾ではなく中国・深圳のメーカー)はふもっふのおみせ(株式会社フェルマー)が、VortexとMISTEL(いずれも台湾のメーカー)は株式会社アーキサイトが販売代理店になっていて、MISTELについては(私もすっかり忘れてたんですけど)ウインタブで製品紹介記事を掲載したこともあります。特にキーボードマニアの人ならCOMPUTEXは見学しがいがあるかもしれません。

2.イノベーションは?

COMPUTEX TAIPEI 2023

COOLER MASTER(台湾本拠のメーカー)のブース

「東京ゲームショウ行けや!」と言われそうなんですが、ゲーム用の筐体もいくつか展示があったものの、2019年に比べるとこの種の展示はずいぶんと減ってしまったように思われました。なにかひとつくらいテストプレイしてみたかったんですけどね。

COMPUTEX TAIPEI 2023
COMPUTEXに併設されている展示会(見本市)としてInnoVEXというのがあります。主に「スタートアップ企業と支援企業の出会いの場」という位置づけのイベントなのですが、InnoVEXは2019年と比較して活気がイマイチで、物珍しい展示も少なかったです(私が中国語を理解できていない、というのもあります)。目立ったのは「小規模な商談用テーブル」ばかりでした。

COMPUTEX TAIPEI 2023
ところで、この画像の中央にいるロン毛の人ってわかります?台湾の数位発展部部長(日本風に書くとデジタル担当大臣)、オードリー・タン氏です。コロナ禍の際に日本でも有名になりましたよね。InnoVEXを見学中、偶然この方を目撃しました。一緒に記念撮影でも…、と思いましたが、人だかりがすごくて断念。というか、政府の要人なので迂闊に近寄ると屈強な護衛の方々に囲まれてしまったんじゃないかと思います。

まあ、それは偶然でしたが、InnoVEXは未来の新技術候補や未来のリーディングカンパニー候補を発掘する場なので、政府の要人が視察に来てもおかしくないんでしょうね。

3.来年のために

以前の見学レポートでも書いたのですが、私個人としては2019年に初めてCOMPUTEX TAIPEIを見学し、「よーし、来年も絶対に行くぞ!」と思っていたところ、コロナ禍で3年間台湾渡航がお預けとなり、ついに今年、4年ぶりに台湾の土を踏むことができた、ということです。行きたくても行けない状態が4年続いたことで、私の中で台湾に行くことが半ば「呪縛」のようになってしまっていましたので、今年COMPUTEXに行けたことで「これで一区切りかな」と思っています。来年もCOMPUTEXを訪れるかどうか決めてはいません。

しかし、COMPUTEX TAIPEIはアジア最大級のコンピューター見本市と言われています。なので、「今年はどうだったか」というだけでなく、毎年訪問して刺激を受けてくるのもいいだろう、とは思っています。

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さて、ここからは台湾に渡航し、COMPUTEXを見学するための費用等についてごく簡単にご説明します。

COMPUTEX TAIPEI 来場者登録

COMPUTEX TAIPEIは毎年5月末~6月頭に開催される、主にビジネスユーザー向けの展示会です。生産拠点を探しているとか、有望企業・製品の販売代理店になるとかの用途ですね。ビジネス目的で訪問する場合はTaipei Computer Associationの東京オフィスがサポートしてくれます。日本語のサイトもありますので、そこでお問い合わせをするといいでしょう。

一方で、全くの個人でも入場は可能です。上にもリンクしましたが、毎年3月くらいになるとWebで事前登録ができますし、「当日いきなり現地」でも受付してくれます。入場料は200元(1,000円弱)と安価です。

また、ある程度PV数があるブログや情報サイトを運営している人はプレス申請をすることができます。プレス申請が通れば入場は無料となり、2023年の場合は一般開放日が1日しかなかったところを開催期間全日程で入場できます。また、実はここが一番重要かもしれないんですが、各メーカーが開催するプレスカンファレンスにも申し込みができます。なので、ご自身でブログなどを運営している場合、ダメ元でプレス申請してもいいでしょう。この記事執筆時点だとまだ2024年の開催要領が明らかになっていませんので、プレス申請用のリンクも見えなくなっているのですが、3月くらいから申請ページが開設されると思います。

費用の目安

飛行機代とホテル代

一般入場でCOMPUTEXを訪問する場合、2023年だと「6月2日のみ」入場可能でした。つまり所要日数は「1日だけ」です。なので、COMPUTEXを見学するだけなら2泊3日、元気のいい人なら早朝便(午前5時55分羽田発、8時25分台北着・ピーチ航空便あります)で台湾に行き、COMPUTEXを見て同日の深夜便(20時25分台北発、0時40分羽田着・ピーチ航空便があります)で戻ってくるという荒業も可能ではありますが、身体のダメージが相当大きくなると思いますw ちなみに往復このピーチ便を使うと運賃のみ25,270円です(他に空港利用料等がかかりますので、トータルだと3万円くらいになると思います)。

私は「エアトリ」というサイトを使って、飛行機とホテルを同時に予約してしまいました。この場合、ホテルのグレードによっても料金が変わってきますが、「2泊3日でだいたい5万円~6万円くらい」です。この際「燃油サーチャージ」のかからないピーチやスクートなどのLCCにするほうがいいです。でないと2万円くらい余計にお金がかかってしまいます。

で、ホテルですが…

台北路線図

クリックで拡大します

これは台北の路線図です。MRT(日本の都市圏の地下鉄とほぼ同じと考えていいです)の路線がたくさんありますが、COMPUTEX会場はこの路線図の右端、赤枠で囲んだ「南港展覧館」が最寄り駅です。で、あくまで私の経験からくる感想なのですが、台北駅(台北車站)をホテルの最寄駅とするのがいいと思います。南港展覧館までは少し距離が長めですが一本で行けますし、士林夜市とか西門、龍山寺、台北101といった観光地(みなさんCOMPUTEXついでに観光もしますよね?)までのアクセスも容易です。エアトリだと「中正」というエリアで絞り込み、台北駅に近いところを選ばれるといいでしょう。

滞在費

台北は交通費、食費が比較的安いです。私は「悠遊カード」という、日本のSUICAとかPASMOに似たカードを購入してMRTや鉄道(台鉄)に乗りましたが、MRTは初乗りが20元(95円くらい)、結構長い区間乗車しても40元くらいだったと思います(すみません、カードでタッチ決済していたので正確な料金がわかりません)。

また、タクシーにも2度ほど乗りましたが、ざっくり「日本の半額くらい」です。ただ、台北の市街地は渋滞しているところもありますので、できるだけMRTで移動される方がスケジュールも狂わないと思います。

食事は「お店によります」。街の大衆食堂とか夜市の屋台なんかで食べると「1000円もあれば超お腹いっぱい」になりますし、COMPUTEX会場のレストランだと牛肉麵が420元(約2,000円)だったりします。個人的には「台湾ならB級グルメやん!」と思っていて、私の考えに賛同される人は安上がりにできると思います。あと、吉野家とか日本の回転寿司チェーンなんかもたくさんありますが、短期間の台湾滞在で何がうれしくて吉野家に行くのか?とは思いますね…。

で、トータルは?

すみません、ここはなんとも言えません…。常識的には「LCCで格安なチケットを買い、割とまともなホテルに2泊して、COMPUTEXの他に夜市とか観光名所をいくつか回る」程度なら7万円くらいで大丈夫だとは思うのですが…、海外に行くと微妙に無駄使いしちゃいますよね?あと、台湾名物の足つぼマッサージもしたいし、家族とかお友達にお土産も買いたいし…となると、7万円じゃ無理かなあ、という気はします。

あと、4年前と比べて「為替が悪くなっている」というのは間違いないです。前回の訪問時は「1元=3.9円くらい」だったと思うのですが、今回は「1元=4.78円」でしたからね。なので、為替だけで20%以上値上がりしていますし、現地の物価も多少は上がっているはずなので、以前ほど大きな割安感はありませんでした。

言葉の問題は?

これね、「なんとかなります」。まず、COMPUTEX会場にせよ街中にせよ、台湾ってカタコトの日本語が分かる人が結構いますし、日本人観光客が多いため、案内板に日本語が書かれているケースも多いです。あと、Googleの翻訳アプリで「行きたい地名」とか「食べたい料理」なんかを表示して現地の人に見せると大概はわかってもらえます。漢字が大陸の簡体字ではなく繁体字というのにも助けられましたね。また、英語でのコミュニケーションでも現地の人は英語ネイティブではないので、割とゆっくり喋ってくれます。

以前CES(ラスベガス)に行ったとき、現地人の英語が超高速に思われて、はっきり言って相当苦労しましたし、実際うまく通じませんでした。個人的には「台湾のほうが圧倒的に意思疎通しやすい」と思いました。それと、台湾の人って非常に民度が高いですし、少なくとも私が出会った人はみな親切でした。

3.おわりに

ガジェット好きなら一度は行ってみたいであろう海外の展示会。CES(ラスベガス)やMWC(バルセロナ)だと地理的に行くのが難しいですが、COMPUTEXなら地理的には近く(東京から飛行機で3時間半)、費用も少なめです。来年の日程は「2024年6月4日から7日まで」、場所は今年と同じく南港展覧館です。

来年は台北でお会いできるといいですね!(私も行くかどうかまだ決めてませんけど…)

4.関連リンク

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コメント

  1. 匿名 より:

    こんにちは、いつもウインタブ様の記事を興味深く拝見し、参考にさせていただいております。
    本記事中の台北MRTの路線図ですが、現在は新北產業園區から大坪林までを弧状に繋ぐMRT環状線が部分開通しており、掲載されている地図が古いものとなっております。
    可能であれば画像を差し替えられた方が良いかと思い、コメントを差し上げた次第です。

    余談ですが、会場である南港から台鐵で一駅の松山にある饒河街夜市もおすすめです。士林に比べてややディープな、でも足を踏み入れやすい夜市の雰囲気を楽しんでいただけると思います。
    来年もウインタブ様によるCOMPUTEX TAIPEIの記事を楽しみにしております。