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「Bing イメージクリエーター」を試す - Microsoftが提供する、無料で日本語が使える、非常に手軽なAI画像生成サービス

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こんにちは、natsukiです。何かと話題の、AIによる画像生成。興味はあるけれど、なんか難しそう、と敬遠している人もいるでしょう。そんなときに、とても手軽にAIによる画像生成を体験できるのが、Microsoftの提供するAI画像生成サービス「Bing イメージクリエーター」です。大きく報道された登場時は日本語非対応だったため、そのまま放置していた人もいるかもしれません。現在は日本語に対応し、その精度もそれなりに高度なものとなっています。予備知識やコツなどすらなく、無料で、簡単に利用できるサービスなので、まずはこれを体験してみるとよいと思います。

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先にお断りしておきますが、この記事はAIによる画像生成そのものへの賛否を意図するものでは一切ありません。このAIによる画像生成という新しい技術は、様々な意見があるにせよ、現在、様々なサービスを通じてすでに全世界の不特定多数の人々へ普及しています。今後、この技術とうまく付き合い、必要であらば規制し、建設的な制度設計をしていくためには、机上の空論ではなく、何よりもより多くの人が実際に体験することこそ大切であるはずです。「Bing イメージクリエーター」は、世界的プラットフォーム企業であるMicrosoftが提供しているということもあり、各種AI画像生成サービスの中でも特に体験のハードルが低いサービスです。AI画像生成の間口を広げ、身近なものとして体験できるサービスとしては最適かと思います。

1.サービスの利用が、非常に簡単

Microsoftアカウントは必要

「Bing イメージクリエーター」はMicrosoftの提供するサービスなので、さすがにMicrosoftアカウントは必要です。しかし、準備はそれだけです。あとは、ブラウザからサービスにログインするだけ。

Edgeなら基本メニューに含まれ、他のブラウザからでも問題無く利用可能

edge
使用ブラウザがEdgeの場合、デフォルトでサイドメニューに「Bing イメージクリエーター」が表示されています。

ウインタブ注:
natsukiさんはそう言ってますが、私のPCのEdgeにはイメージクリエーターのアイコンが表示されていませんでした。あちこちの設定を確認してもアイコンの追加方法がわかりませんでした。最終的に「BingイメージクリエーターのWebサイト」にアクセスし、画面にあった「今すぐ試す」を押したところ、Edgeのサイドバーにイメージクリエーターのアイコンが表示されるようになりました。もしお使いのEdgeにイメージクリエーターのアイコンが表示されていない場合、私と同じ方法を試してみてください。それでもアイコンが表示されない場合は、直接イメージクリエーターのWebサイトにアクセスしてください。

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アイコンを選択するだけで、このように画像生成ウインドウを呼び出せます。

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または、チャット機能から画像の作成を指示することもできます。

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Edge以外のブラウザの場合は、「Bing イメージクリエーター」のサイトにアクセスしてMicrosoftアカウントでログインすればサービスを利用可能です。Edgeでも、落ち着いて使うならこっちの方がいいでしょう。

Microsoft Bing の Image Creater

使用回数制限はなく、回数限定の高速生成も今のところ毎日100回と大盤振る舞い

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画像生成そのものは、制限無く無限に可能です。ただし、右側にコインのように示されるのが「ブースト」で、その名の通り、この回数分だけ高速な画像生成を行うことができます。ブースト利用の場合、画像生成は10秒~20秒くらいで行われます。なお、ブーストが残っているのに利用しないということはできないようです。

ブーストの初期値や補充は、記事執筆現在、私のアカウントでは、毎日最大値の「100」まで回復します。今年春のサービス開始当初は、回復は週ごとだったため、いまだにヘルプなどにも週の表記が見られ、まだ新しいサービスゆえに、この頻度や回復数などが今後変更される可能性はあります。また、リワードポイントととも交換できるようなんですが、記事執筆現在、リワードの利用ページには選択肢に出てこず、使い切ったときのみ交換可能なようです。まあ、毎日100なんで、軽く使うぐらいであれば十分でしょう。

ちなみに、一部のAI画像生成サービスは、パソコンにかなりの処理能力を要求するものもあります。しかし、「Bing イメージクリエーター」はWEBサービスのため、パソコンのスペックは関係ありません。

出力サイズ

menu
出力する画像サイズは、1024×1024ピクセル。形式はjpg。また、左下にBingのロゴが入ります。生成した画像は「画像のURLをシェア」「アカウントに連携して保存」「ダウンロード」が可能です。

2.作成例

では、色々作成してみましょう。なお、後述のように、このサービスで生成した画像は非営利目的でしか利用できません。この記事はあくまでサービスの紹介が趣旨であり、生成した画像そのものを主題とするものではありませんが、念のため、生成した画像そのものを掲載することはせず、サムネイルの表示にとどめます。

使い方は簡単。上部の入力欄に作りたい画像の指示を書き込み、「作成」を押します。すると、ブーストが残っている場合は、だいたい10~20秒くらいで、4種類の画像が作成されます。もう一度「作成」を押せば、あらためて新しい画像が4種類作成されます。同じ指示でも、1回作成を行うたびにブーストは消費します。

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「真珠のイヤリングを付けて、青いターバンを巻き、白い襟の赤い服を着て、振り返ってこちらを見る少女。背景は暗く。絵画。」と指示

はい、作成してみました。某名画を意識した指示です。絵のタッチの指示は、「絵画」とかなりアバウト。雑な指示なんですが、右下が、ややイメージしたものに近いか?

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「真珠のイヤリングを付けて、青いターバンを巻き、白い襟の赤い服を着て、振り返ってこちらを見る少女。背景は暗く。水彩。」と指示

タッチを「水彩」に変更してみました。

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「真珠のイヤリングを付けて、青いターバンを巻き、白い襟の赤い服を着て、振り返ってこちらを見る少女。背景は暗く。日本のアニメ。」と指示

今度は、「日本のアニメ」。アニメ調にすると、色の配置を無視する傾向が高まる気がします。

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「ヴァイオリンを弾く男性。」と指示

複雑な姿勢は、まだまだの部分も。この場合、右2つは完全に破綻。左上は、よく見ると左手の指がおかしい。でも、左下は、楽器の細部はさておき、人物についてはほぼ完璧です。

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「クラシック音楽を演奏するオーケストラ。」と指示

人数が多くなると、厳しくなっていきます。これは、離れてみるといい感じに見えますが、よくよく見ると破綻しまくっています。ちなみに、さらに引いた画像になるように指示して、表示人数が多くなると、ほとんどシュルレアリスムの域に近づいていきます。

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「トリケラトプスに襲いかかるティラノサウルス。」と指示

動物系も、複数にすると苦手なようで、ご覧のありさま。混ぜるな危険。

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「燃え上がる、金閣」と指示。

AIあるあるで、まったく謎な絵が生成される場合も。下2つは、どうしてこうなった? 左上は正確なように見えて、よくある間違いを犯しています。はい、金閣は3階建てなんです。まあ、そのくらいはよしとしましょう。

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「海の中から、水しぶきを上げて、工場の建ち並ぶ港に上陸する、巨大ロボット。写真。」と指示

一方で、多少ゆがんだってかまわないような、ゴチャゴチャしたメカ系とかは、得意分野。絵のタッチを指定して、細部をごまかす手もあります。

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「海の中から、水しぶきを上げて、工場の建ち並ぶ港に、上陸する、巨大ロボット。写真。」と指示。

センシティブな指示は、はじかれます。あまり重ねるとBANされるらしいです。その判定は広い分厳密ではないようで、この場合は、上記のロボットの指示と句読点が違うだけなんですが、なぜかはじかれました。

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「パソコンでトラブルに遭遇して、頭を抱える男性。オフィス。イラスト。」と指示。

実用的な指示を出してみました。右上の多腕は論外としても、左側2つは実際に十分使えそうです。もっとも、下記のように商用利用はできませんが。

3.生成画像の利用に関して

生成画像の利用に関して、詳しくは、下記の規約をご覧ください。

Bing スレッド エクスペリエンスおよび Image Creator に関する規約

重要なポイントとして、当然のことながら、次のような基本的な事項を守る必要があります。

行動規範
・ユーザー、オンライン サービス、または他者に害を及ぼす活動に従事しない。 他者に対する嫌がらせ、いじめ、虐待、脅迫、威嚇、または個人、組織、社会に害を及ぼすコンテンツを作成したり、共有したりしようとしないでください。
・他者のプライバシーを侵害する活動に関与しない。 個人情報の開示 (「ドキシング」とも呼ばれる) など、他人のプライバシーを侵害するコンテンツを作成したり、共有したりしようとしないでください。
・詐欺的、虚偽、または誤解を招くような活動に関与しない。偽情報の作成、詐欺を可能にするコンテンツ、詐欺的なりすましなど、他者を誤解させたり欺いたりするようなコンテンツを作成したり、共有したりしようとしないでください。
・他者の権利を侵害しない。 知的財産権を含む他者の法的権利を侵害するために、オンライン サービスを使用しないでください。
・不適切なコンテンツや素材を作成または共有するために本サービスを使用しない。 Bing では、アダルト コンテンツ、暴力や流血、憎悪的なコンテンツ、テロリズムや暴力的・過激派のコンテンツ、暴力の美化、児童の性的搾取や虐待の素材、またはその他の不穏なコンテンツや攻撃的なコンテンツを作成または共有するためにオンライン サービスを使用することは許可されません。
・違法行為の禁止。オンライン サービスを使用する際は、適用される法律を遵守する必要があります。

また、次のような記述があるため、非営利目的でのみ利用可能です。英文なのは、公式の規約のこの部分が、記事執筆現在で日本語訳されていないためです。

Subject to your compliance with this Agreement, the Microsoft サービス規約, and our Content Policy, you may use Creations outside of the Online Services for any legal personal, non-commercial purpose.

従って、商用利用はできません。

adobe-firefly
なお、商用利用可能な、AI画像生成ツールとしては、先日、グラフィックソフト大手のAdobeから、権利関係をクリアにした「Adobe Firefly」が正式リリースされました。これも、非常に興味深く、また利用のハードルも比較的低いツールなので、稿を改めて紹介したいと考えています。

Adobe Firefly

4.まとめ

「Bing イメージクリエーター」は、手軽な分、かなり「雑な」出力にしか対応していないAI画像出力サービスです。例えば、「同一の人物の様々なポーズを出力する(つまり、絵柄、顔、衣装などを統一する)」なんてことは、とうていできません。より本格的にAIによる画像生成を行いたいなら、無料でも、高度な生成を行えるサービスが色々あります。一方で、それらは、パソコンの要求スペックが高かったり、インターフェースや入力規則が複雑だったり(もちろん、その分思い通りの作画が可能なわけですが)、対応言語が英語のみだったり、そもそもサービスの種類が多すぎてよく分からなかったり、ただ興味があるだけとか、ちょっと試してみたいというにはとっつきにくいかも知れません。

他のAI画像生成サービスに比べて、「Bing イメージクリエーター」は、天下のMicrosoftが提供しているという一定の安心感(企業としての信用に加え、良くも悪くも「プラットフォーム企業」が提供しているという面を含め)と、何より、その利用の手軽さにおいて、群を抜いています。AIによる画像生成について、何か話題になっているので興味はあるけれど、どこから手を出せばよいか分からずに今まで触れてこなかったという人は、まず、これで体験してみてはいかがでしょうか。

5.関連リンク

Microsoft Bing の Image Creater
Bing スレッド エクスペリエンスおよび Image Creator に関する規約

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