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MSI Bravo 15の実機レビュー - CPUもGPUもAMD製!日本ではまだレアなシステム構成のエントリー・ゲーミングノート。期待以上の実力を見せてくれました!

MSI Bravo 15
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はMSIの15.6インチゲーミングノート「Bravo 15」の実機レビューです。MSIのゲーミングPCとしてはエントリークラスの価格帯の製品ですが、非常に興味深い仕様になっています。「CPUとGPUのいずれもAMD製」なんです。デスクトップPCだとAMD製のGPUというのは別に珍しくもありませんが、ノートPCだと現状はほぼ「NVIDIA GeForceの天下」と言える状況で、AMD製のGPUを搭載している現行のゲーミングノートはごくわずかです。実際ウインタブでもAMD GPU搭載ゲーミングノートの実機レビューは初となります。

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1.レビューのサマリー

魅力
●Ryzen 5 4600HはCore i7をしのぐ実力
●Radeon RX5300MはGeForce GTX1650と互角以上の実力
●テンキーレスキーボードは堅牢かつ静音
●MSIらしい、高い筐体品質と冷却性能
●MSIのゲーミングPCとしては安価

短所
●スピーカーの音質が良くない。ヘッドホンを使いたい
●赤いキーボードバックライトは万人受けしなさそう

こんな人に向きます
●「平日は仕事、休日はゲーム」にPCを使いたいカジュアルゲーマー
●これからPCゲームを始めたい人
●手頃な価格で買えるハイスペックPCを探している人

購入リンク:
 Bravo-15 Bravo-15-A4DCR-058JP:PCショップアーク

2.スペック

  Bravo 15
OS Windows 10 Home
CPU AMD Ryzen 5 4600H
外部GPU AMD Radeon RX 5300M(3GB)
RAM 16GB
ストレージ 512GB M.2 NVMe SSD(空きスロット1)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 15.6インチ (1,920 x 1,080)
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.1
入出力 USB 3.2 Gen1 Type-C × 2、USB 3.2 Gen 1 Type-A × 2、HDMI、オーディオジャック、有線LAN(RJ45)
カメラ Webカメラ(92万画素)
バッテリー 51Whr
サイズ 359×254×21.7mm
重量 1.96 kg

Bravoには15.6インチ版と17.3インチ版があり、ディスプレイサイズ以外の構成も異なります。17.3インチのほうが少しハイスペックと言えますが、今回は15.6インチ版に絞ってご紹介します。Bravo 15は8月2日現在「Bravo-15-A4DCR-058JP」という型番のみの単一バリエーションです。

CPUは第3世代のRyzen 5 4600Hで、Ryzen 7の設定はありません。また、GPUはRadeon RX 5300M(VRAMは3GB)という、ウインタブにとって未知のものが搭載されています。CPUがRyzen 7ではないという点からもイメージできるとおり、ゲーミングノートとしてはエントリークラスのCPU/GPU構成と言えますね。ちょっと乱暴な言い方をすると「Core i5-10300H/GeForce GTX1650」の組み合わせのゲーミングノートがライバルと言えるかもしれません。

RAMは16GBと十分、ストレージも512GB SSDが搭載されます。MSIの方と以前お話をした際に「これから当社のゲーミングノートは基本的にRAM16GB以上を標準とするつもりです」とのことでしたが、比較的低価格と言えるBravo 15でもしっかりRAMは16GBあります。また、ストレージはM.2の空きスロットが1つあり、MSI指定販売店で増設が可能となっています。

ディスプレイは15.6インチのFHD(1,920 × 1,080)解像度、ノングレアタイプです。実機を確認したところ、視野角が広く、角度をつけて見ても白っぽくなりませんので、おそらくIPS相当の液晶が使われていると思います。

MSI Bravo 15 ディスプレイ
この製品はスペック表にリフレッシュレートの記載がないのですが、確認したところ60 Hzでした。ちなみに17.3インチ版のほうは120 Hzと開示されています。プレイするゲームの種類にもよりますが、60 Hzだと少し物足りないですね。

通信まわりではWi-Fi6(ax規格)に対応しますし、もちろん有線LANポートもついています。またUSBポートはType-C2つを含めて合計で4つと十分、ただし、映像出力ポートはHDMIのみ(Type-Cポートは映像出力に対応しません)ですし、SDカードリーダーも省かれています。

サイズは15.6インチノートとしては「普通」くらいですかね。横幅は360 mmを切っていますので十分に小さいと言えますが、奥行きは特に小さいわけではありません。また重量も2キロを切っているので重いということもありませんが、アピールできるくらいに軽量、という感じでもないですね。

MSI Bravo 15
MSI Bravo 15 ストレージ
MSI Bravo 15 GPU
レビュー機のシステム構成です。繰り返しになりますが、この製品は単一バリエーションなので、レビュー機も上に掲載したスペック表と同じシステム構成でした。

3.筐体

MSI Bravo 15 同梱物
同梱物です。MSIのレビュー機はユーザーガイドや保証書などがビニール袋に密閉された状態になっていますので、具体的にどんなものが入っているのかをご説明するのは難しいです。ただし、最低限スタートアップ作業に必要なガイド書類は入っています。

ACアダプターはゲーミングノートらしく大型で180Wのもの、電源ケーブル込みの実測重量はちょうど700 gでした。

MSI Bravo 15 天板
天板です。ロゴはMSI PCではおなじみのドラゴンではなく「鳥」です。龍に対しての「鳳凰」なんでしょうか?とりあえずカッコいいとは思います。天板の素材はおそらくアルミ、キーボード面などはプラスティックと思われますが、感触だけで素材を正確に読み取るのは難しいですよね…。ただし、この筐体の質感は高いです。

MSI Bravo 15 天板
天板は一見すると黒無地ですが、アップで見るとこのようにヘアライン加工が施されています。

MSI Bravo 15 底面
底面です。ここはプラスティック製です。ご覧のようにかなり大きな通気口があり、内部のヒートパイプなんかも見えます。中央に白いシールが貼ってありますが、これ「FACTORY SEAL」と書かれていて、「勝手に開けるなよな!」と言われてる感じ。物理的な意味での開口は可能ですが、メーカー保証が切れてしまう可能性があるのでご注意ください。

また、この画像の下側が手前(開口部)ですが、左右にスピーカーグリルがあります。この製品のスピーカーはこの2つ、つまりステレオスピーカーです。

MSI Bravo 15 右側面
右側面です。画像左からオーディオジャック、USB Type-A × 2、USB Type-C × 2、有線LANポート、セキュリティロックスロットです。

MSI Bravo 15 左側面
左側面です。画像左からDC-IN、HDMIです。Bravo 15は左右のポート配置のバランスが必ずしもいいとは言えません。「USBポートが全部右側面」というのは使い勝手の観点から「イマイチ」と感じます。周辺機器の配置にも制約が出てきますよね。

MSI Bravo 15 背面
背面です。こちらにはポート類やボタン類はなく、左右に通気口があります。

MSI Bravo 15 前面
前面です。こちらにもポート類はありません。中央にヒンジ開口用のくぼみがあるのみ。

MSI Bravo 15 キーボード

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キーボードです。Bravo 15は15.6インチサイズですがテンキーはありません。ゲーミングノートという特性上、テンキーはなくてもいいかな、という気はしますが、仕事で数値入力が多い人はちょっと困るかもしれませんね。ただ、この配置だとホームポジションに手を置いたときに自分の体がPCの中央付近になりますので、テキスト入力はしやすいです。

スペースキーの周囲やENTERキー付近に英語配列の香りを残しつつ、しっかり日本語配列になっています。配列は素直なほうだと思いますが、Fnキーが右側にあるのが特徴です。ちなみにWindowsキーは設定でFnキーとして使うことができるようになっていますので、Fnキーを多用する人でもそんなに不便にはならないでしょう(ただし、その場合はWindowsキーが使えなくなります)。

また、ディスプレイ輝度や音量、バックライト輝度の調整をするキーは右下に集中しています。Fnキーも右下にありますので、ゲーム中に音量調整や輝度調整をしたい場合、(少し慣れが必要ですが)片手で素早く操作ができます。

MSI Bravo 15 キーボード
バックライトは赤の単色で、輝度を3段階に調整できます。また、バックライトを消灯してもキーの印字とキー側面が赤に塗られていますので、やっぱり「赤いキーボード」に見えます。

MSI Bravo 15 正面
正面から見たところです。左右ベゼルは十分細い(4.9 mm)のですが、上下のベゼルは太めです。特に下部ベゼルは「PC操作時の目線を上げる」意味合いからか、かなりの太さになっています。

MSI Bravo 15 ヒンジ最大開口
ヒンジを最大開口したところです。このように水平位置(180度)までの開口はできません。まあ、ゲーミングノートなので、水平位置まで開口できると便利、ということもないでしょうけど。

一通り筐体を確認してみました。当初、このBravo 15はIntel CPUを搭載するGF63 Thinと同一筐体かと思っていました。実際に同サイズですし、非常によく似た部分も多いですが、側面や背面、底面のレイアウトがかなり異なっていましたし、入出力ポートの配置も大きく異なります。

ただし、いい意味で質感は変わらないと思います。筐体素材が何であるかというのは別として、MSIのゲーミングノートらしい、カチッとした作りになっていると思います。ゲーミングノートはCPUとGPUの性能だけで良し悪しを判断できるものではなく、キーボードの堅牢性とか打鍵感の良さ、冷却効率なども使い勝手を大きく左右するはずです。なのでスペックの割に高価なDELL ALIENWAREが高く評価されていたりするわけですし、MSI製品に関しても基本的に市場で最安値というプライスタグではありません。使用感や性能については後述しますが、筐体の外観に関しては製品価格を裏切らない、作りの良いものと評価します。

4.使用感

Dragon Center

MSI Bravo 15 Nahimic

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MSIのゲーミングノートには「Dragon Center」という設定アプリがインストールされています。この画像のように「システムモニター」としても使えますし、パフォーマンス設定やバッテリー保護の設定、また一部キーのマッピング変更などが可能です。「特にいじらなくてもいい」というわけではなく、

MSI Bravo 15 Nahimic

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パフォーマンスモードの確認と切り替えはしておきましょう。パフォーマンスモードは「Extreme Performance」「Blanced」「Silent」「Super Battery」の4種類があり、「ユーザーシナリオ」として、「特定のアプリの起動時にどのモードを使うか」といった設定が可能です。ゲームを買ったらまずはDragon Centerに登録し、ユーザーシナリオを「Extreme」にしておくと安心です。

なお、この記事ではこの後各種ベンチマークスコアを掲載しますが、すべて「Extreme Performance」モードで測定しています。

キーボード

Bravo 15のキーボードは15.6インチサイズながらテンキーはなく、かわりにEnterキーの右に一列あるタイプとなっています。キーピッチは少し広めですね。手採寸で上下左右に約19.5 mmありました。MSIの上位モデルに採用されているSteelSeries製ではないと思われ、バックライトもRGBではなくレッド単色となっています。

打鍵は非常にしやすいです。キーボード面の素材はプラスティックと思われますが、ゲーミングノートらしく剛性感があり、確実な打鍵感を得られます。また、「ゲーミングノートあるある」な話として、打鍵音が静かです(ゲーミングノートのキーボードは概して強打に耐えられる堅牢さをもち、たてつけもしっかりしているので、その副産物として静音なのだろうと思います)。

配列に関しては「Fnキーが右側にしかない」という点のみ気になりますが、上に記載したとおり、設定アプリの「Dragon Center」でWindowsキーの機能をFnキーに置き換えることは可能です。ただ、この製品はディスプレイ輝度の調整やボリューム調整、バックライト輝度調整のキーが右下に集中している(矢印キーとFnキーの同時押し)ので、ゲームプレイ中に素早くボリュームやディスプレイ輝度の調整をするには便利です。まあ、ゲーミングノートなので、ゲームプレイ時の操作性優先ということでしょう。

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また、日本語配列ながら英語配列の名残を残すデザイン(ENTERキー周辺など)ではありますが、配列そのものは素直で、クセが小さいと言っていいと思います。私は試用開始直後から違和感なく打鍵ができました。

あとは色ですかね。バックライト色は赤の単色、バックライトを消しても文字表示は赤なので、非ゲーミング用途だと少し目立ちます。

スピーカー

筐体説明のところで触れたとおり、Bravo 15は底面の左右にステレオスピーカーを搭載しています。イヤホン(ヘッドホン使用時)はハイレゾにも対応しますが、今回はスピーカーの使用感のみ確認しています。

音質ですが、はっきり言って高く評価はできません。全体的に音がこもりがちで安っぽいというか薄っぺらい音質に聞こえますね。

MSI Bravo 15 Nahimic
MSIのPCではおなじみの音響アプリ「Nahimic」により、音質はそれなりに改善できますが、それでも15.6インチのゲーミングノートのスピーカーとしては低水準かと思います。「昔ながらのPCスピーカー」に近い感じです。

ウインタブではMSIのGP65 Leopardを検証機(というか最近だと私のゲーム用)として使っていますが、GP65のスピーカー品質も褒められたものではありません。逆に言うとこの点だけが唯一不満なのですが、その意味ではBravo 15の数少ないマイナスポイントがスピーカーなのかな、と思います。ただ、筐体サイズがほぼ同じで価格帯も比較的近いIntel CPU搭載のGE63 Thinのレビューでは「予想していたよりもかなりいい音質」と評価していて、「この差はなんなのだろう?」とちょっと考えてしまいました。

ゲームプレイ中はヘッドセットを使うことが多いでしょうから、ヘッドセット前提の作りになっているのか、という気はします。

ディスプレイ

この製品のディスプレイは15.6インチのFHD解像度、ノングレアタイプです。IPSというメーカーの表記はありませんが、スペック説明のところにも記載したとおり、角度をつけて見ても白っぽくなりませんので、おそらくIPS相当のものが使われていると思います。

発色はかなりいいほうだと思います。グレアタイプのディスプレイと比較してしまうと、どうしても鮮やかさという点では負けてしまいますが、同じノングレアタイプのディスプレイとの比較では原色や黒がくっきりと表現されていると感じました。

個人的には普段使いでは十分満足できるディスプレイ品質であると評価します。ビジネス用やゲーム用としては不満を感じるようなものではないと思います。ただ、sRGB100%だとかAdobe RGB100%とかいった、「認証が得られる品質」ではありませんので、お仕事で繊細な色の識別が必要な人が満足できる水準なのかはなんとも言えません。

あとはリフレッシュレートが60 Hzである、という点が気になります。今回の試用ではレースゲームをプレイしてみたのですが、全く問題なくプレイできるものの、表示の滑らかさという点ではやや劣ると感じました。レースゲーム以外でも、FPSゲームや格闘ゲームなど、フレームレートがスコアに影響するようなジャンル(腕のいい人だけだと思いますが)のゲームをプレイする場合、少し不満が出るかもしれません。

バッテリー

Dragon Centerのユーザーシナリオを「Blanced」に、ディスプレイ輝度を80%に、バックライト輝度を3段階中の最高に設定してGIMP2で画像加工を23分、ついでブラウザーのEdgeを開き、YouTubeで音楽動画をボリューム40%~50%の間に設定して25分、その後テキストエディタで文章入力を38分やって、バッテリー消費は25%でした。これをベースに計算すると、一時間におよそ17.5%の消費ということになりますので、稼働時間は約5.7時間となります。

あくまでも非ゲーミング環境での稼働時間ではありますが、これなら普通のスタンダードノートとあまり変わらない感じで使えそうですね。それと、この製品はゲーミングノートなので、バッテリー稼働時間についてあまり厳しいことは言えない、というのと、バッテリー稼働の状態だとCPUやGPUの性能をフルに発揮できませんのでパフォーマンスも落ちます。なので、ゲームプレイ時は電源に接続しましょう。

5.性能テスト

MSI Bravo 15 3D Mark
参考1:
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、47,193
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):7,882、18,288、46,133
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、33,102
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen9 4900HS、RTX2060 Max-Q):-、13,719、31,513
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア
※CPUが第10世代Core、もしくは第3世代Ryzen搭載のノートPC
※ROG Zephyrus G14はTime Spyのデータなし

参考2:
Lenovo Legion Y7000(i7-9750H):3,722、8,164、26,019
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF7(i7-9750H):3,686、8,290、26,358
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen5 4600H):3,637、8,779、25,063
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF(i5-9300H):3,627、8,240、24,774
MSI GF63 Thin(i7-10750H)(注1):3,530、8,372、26,065
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen5 3550H):3,441、8,036、19,066
MSI Prestige 15(i7-10710U)(注2):3,286、7,326、23,978
Microsoft Surface Book 3(i7-1065G7、)(注2):3,144、6,958、16,333
MSI Prestige 14(i7-10710U、Max-Q)(注2):3,111、6,973、22,126
ASUS ZenBook 15 UX534FT(i7-8565U):2,988、6,789、20,260
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア
※GPUがGTX1650のもの
※(注1)GTX1650Tiを搭載
※(注2)GTX1650 Max-Qを搭載

まずはグラフィック性能をテストする3D Markのスコアです。Bravo 15はゲーミングノートなので、このテストが最も重要視されると思います。

今回は参考データを2種類掲載しています。「参考1」としているのはレビュー時期が新しく、CPUも現行世代のミドル~ハイスペックのゲーミングノートのデータです。Bravo 15の性能はこれら上位クラスのゲーミングノートには及ばない、ということがわかります。

次に「参考2」です。ここには「GeForce GTX1650を搭載するゲーミングノート」のデータを掲載しています。「CPU:Ryzen 5 4600H、GPU:Radeon RX 5300M」という構成のBravo 15のライバル機となるはず、と考えました。

3D Markでの結論として、Bravo 15のスコアはGTX1650搭載機のスコアと近く、しかもその中では最上位と言えます。ただし、GTX1660Ti搭載機になると、Time Spyのスコアが5,000点弱くらい、FireStrikeも1万点を越えてきますので、GTX1660Ti搭載機には勝てないと思われます。

MSI Bravo 15 FF15
参考:
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,946
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):8,230
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,440
MSI GL63(i7-8750H RTX2060) :6,982
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(i7-8750H GTX1070):6,691
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q): 6,068
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):6,041
MSI GS65(i7-8750H GTX1070 Max-Q) :5,821
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(i7-8750H GTX1060):4,675
ドスパラ GALLERIA GCL1650TGF(i5-10300H、GTX1650Ti):4,334
MSI GF63 Thin(i7-10750H、GTX1650Ti):3,911
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen5 4600H、GTX1650):3,872
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF7(i7-9750H、GTX1650):3,865
MSI Prestige 15(i7-10710U、GTX1650 Max-Q):3,350
Microsoft Surface Book 3(i7-1065G7、GTX1650 Max-Q):3,190
MSI GF75 Thin(i7-8750H GTX1050Ti Max-Q):2,990
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(i7-8750H GTX1050Ti) :2,914

続いて、よく「重い」と言われる「ファイナルファンタジー15(FF15)」のベンチマークスコアです。この記事ではいくつかのベンチマークテスト結果を掲載していますが、唯一「ちょっと不本意」だったのがこのテストですね。GTX1650搭載モデルには及ばないスコアとなりました。時間を置いて数回測定しましたが、結果は大差なく、3,000点強、というのがBravo 15のスコアと結論づけました。

このテストのスコアが良くない理由はわかりません。単一のゲームタイトルのためのテストなので、こういうこともある、というくらいしか言えないですね。

MSI Bravo 15 PC Mark

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参考:
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
Lenovo Legion Y740(17)(i7-9750H、RTX2080Max-Q): 6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):6,023
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):5,852
Lenovo Legion Y740(15)(i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 5,830
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(i9-9980HK、RTX2060): 5,727
Lenovo Legion Y7000(i7-9750H、GTX1650): 5,618
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(i7-9750H、GTX1660Ti): 5,573
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(i7-9750H、RTX2060): 5,506
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070): 5,505
DELL G7(i7-8750H、GTX1060): 5,401
MSI Prestige 15(i7-10710U、GTX1650 Max-Q):5,350
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(i7-8750H、RTX2060): 5,328
MSI GP65 Leopard(i7-9750H、RTX2060): 5,299
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q): 5,209
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(i7-8750H、GTX1070): 5,122
MSI GF75 Thin(i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(i7-8750H、GTX1060): 4,976
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen5 4600H、GTX1650):4,959
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(i7-8750H、RTX2070): 4,893
ASUS ZenBook 15 UX534FT(i7-8565U、GTX1650): 4,709
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
MSI Modern 14 B10R(i7-10510U、MX330): 4,509
ドスパラ GALLERIA GCL1650TGF(i5-10300H、GTX1650Ti):4,406
ASUS ROG Zephyrus G GA502DU(Ryzen 7 3750H、GTX1660Ti): 4,365
OMEN X by HP(i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(i7-8750H) : 4,281
Microsoft Surface Book 3(i7-1065G7、GTX1650 Max-Q):4,238
HP Spectre x360 13(i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad T490(i7-8565U、MX250): 4,158
ASUS VivoBook S15 S531FA(i7-10510U): 4,155
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(i7-8665U): 4,132
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen 5 3550H、GTX1650): 4,124
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)(i7-8665U):4,120
ASUS X545FA(i7-10510U): 4,114
HP Elitebook x360 1040 g6(i5-8265U):4,038

グラフィック性能だけでなく、表計算ソフトやビデオチャットなど、ビジネスシーンでの利用もシミュレートするPC Markのスコアです。GPU性能が全く関係ないということはありませんが、どちらかと言うとCPU性能が重視されると言われています。

Bravo 15のスコアは非常に高いです。こちらも「いやこれ高すぎるでしょ」と思い、何度か試しましたが、毎回このくらいのスコアになっていました。搭載CPUはRyzen 5 4600Hなのですが、要はRyzen 5の性能がすごい、ということになりますね。第2世代(3000番台)のRyzenは、3D Markなどグラフィック系のベンチマークスコアが高く、逆にこのPC MarkのスコアはCore iプロセッサーよりも少し低め、という個人的なイメージがありましたが、Ryzenも第3世代となり、ゲーム以外の場面でもCore iプロセッサーを上回る実力を見せてくれている、と思います。

MSI Bravo 15 CINEBENCH
参考:
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK):497、4,120
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS):485、4,226
HP ENVY 15(Core i9-10885H):484、3,252
MSI GF63 Thin(i7-10750H): 466、2,572
MSI Prestige 15(i7-10710U): 458、2,528
Microsoft Surface Book 3(i7-1065G7):455、1,636
HP ENVY x360 13(Ryzen 5 4500U): 435、2,089
ドスパラ DX-C5(i5-10210U): 422、1,223
HP EliteBook x360 1040 G6(i5-8265U): 396、1,177
MSI Modern 14 B10R(i7-10510U): 389、1069
HP Elite Dragonfly(i5-8265U): 318、1,187
CHUWI Hi10 X(Celeron N4100): 153、404
Microsoft Surface Go 2(Pentium Gold 4425Y): 147、366

「CPU性能のみ」を測定するCINEBENCH R20のスコアです。GeForceとかRadeonといった外部GPUの搭載有無はスコアに影響しないと言われています。

スコアのほう、読者の皆さんも呆れる、という感じでしょうか。シングルコアではCore i7-10750Hよりも若干低いとは言え大差はなく、マルチコアでは完全にぶっちぎっています。これを見ればPC Markのスコアが高かったことも納得できますし、Bravo 15をゲーム以外の用途で使用しても極めて高い実力を発揮してくれると思います。

MSI Bravo 15 CDM
最後にストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。メーカーでは開示されていませんでしたが、PCIe ×2接続の数値ですね、これ。上には上がいる(PCIe ×4接続など)のですが、これだけの速度が出るのであればゲームプレイでもビジネスシーンでも全く不満を感じることはないでしょう。

ゲームプレイをしてみて

WRECKFEST
ここのところウインタブの実機レビューでよく試しているレースゲーム「WRECKFEST」をプレイしてみました。重量級とまでは言えませんが、推奨されるGPUはGeForce GTX970ということなので、GTX1650だと「まあ大丈夫でしょ」くらいかと思います。Radeon RX 5300Mでは?

このゲームを2時間ほど連続プレイしてみました。グラフィックを「ウルトラ(最高画質)」にしてもプレイは可能です。ただ、この場合はかなりフレームレートが落ちていて、「最高画質なのに画面が粗い」という状況になってしまいます。私の腕前ならともかく、もう少し上手にプレイできる人ならスコアに影響するかもしれません。

その下の「高」「中」と下げていくとフレームレートはもちろん改善されます。個人的には「中」が一番プレイしやすかったですね。PCゲームにあまり詳しくない人のために補足すると、PCゲーム(オンラインゲーム)の場合、画質を「中」とか「低」に設定してもそれほど「見た目」が悪くなりません。もちろん画質は落ちますが、エフェクトが減る、という感じになるので、このゲームで言うと自分のマシンがぼやけてしまうとか、コースが見にくくなる、ということはありません。スマホゲームだと「低画質」にすると「これならプレイしないほうがマシ」と感じるケース(デレステとか)もありますよね。

GTX1650搭載機との比較では、(あくまで個人的な見解ですが)Bravo 15のほうがプレイしやすい、つまりPC性能が高いと判断しました。GTX1650でこのゲームをプレイすると、「ウルトラ」画質だと少しカクカクしてしまうことがありますから。あとはリフレッシュレートですね。Wreckfestの場合はあまり気になりませんでしたが、もう少し軽量なレースゲームやFPSゲームをプレイする場合、ハードウェアのリフレッシュレートが60Hzというのは、腕のいいゲーマーには少し不満に感じられるかもしれません。

ついで発熱です。2時間プレイしたあとで筐体に触れてみましたが、キーボード面の上部と底面の上部で発熱を感じました。プレイ中、発熱が理由と思われる性能低下は感じませんでした。また、発熱はプレイ当初から体感しつつも、「そのまま粘る」という感じですね。MSIお得意の冷却システム「COOLER BOOST 5」の威力はなかなかのものです。

そこそこ長時間プレイしてみての結果なので、このレビューの結論としては、発熱はあまり気にしなくていい、ということです。

6.まとめ

MSI Bravo 15はMSI指定販売店のPCショップアークで販売中で、8月2日現在の価格は税込み119,800円(税抜き108,909円)です。この価格はIntel CPU(Core i5-10300HもしくはCore i7-10750H)とGeForce GTX1650を搭載するゲーミングノートとほぼ同じくらいの水準かと思います。

注目の「AMD製CPUとGPUの組み合わせ」ですが、期待を裏切らないものであったと思います。ただし、「価格なり」というのもあり、3D Markのスコアだと、GTX1660Ti搭載モデルにはまだ勝てないかな、という感じですね。よりスペックの高いBravo 17(Ryzen 7 4800H/Radeon RX5500M搭載)であればGTX1660Tiを凌ぐパフォーマンスが期待できるかもしれません。

個人的にはカジュアルゲーマー用のPCスペックとして、GTX1650(Bravo 15のRX5300Mも含む)搭載のゲーミングノートというのは、必要十分な実力があると思っています。これからPCゲームを始めたいという人なら、ハードウェアに高いお金を使うよりも、浮いたお金で人気のゲームタイトルをいくつか購入するほうがずっと楽しいんじゃないでしょうか。購入予算をあんまり上げるようなことはせずに、割と購入しやすいモデルをとっとと買っちゃうほうがいいと思います。

Bravo 15の製品価格からみたパフォーマンスは非常に高く、カジュアルゲーマーにピッタリのゲーミングノートだと思います。また、PC MarkやCINEBENCHのスコアも非常に高いものでしたから、ゲーム以外の用途に使用する場合でも性能面で不満を感じることはまずないでしょう。

MSIのゲーミングノートは必ずしも市場で最安値を競うような価格帯ではなく、そのぶん筐体品質や冷却性能が高くなっています。Bravo 15のゲーミングノートとしての基本品質はMSIらしく高いものに仕上がっていますので、その意味では非常にお買い得な製品だと思います。

7.関連リンク

BRAVO 15:MSI 製品紹介ページ
Bravo-15 Bravo-15-A4DCR-058JP:PCショップアーク

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