MicrosoftがニューヨークでSurfaceイベントを開催し、Surfaceシリーズのニューモデルを複数発表しています。すでにご存知の読者も多いと思いますが、一番気になるのが2つのディスプレイを備える「Surface Neo」ですね。ただこれ、今すぐ発売、というわけではなく、スペックも十分開示されていませんので、ウインタブでは「日本でも予約販売がスタートしている」製品から先にご紹介していきます。
まず「高性能なデタッチャブル2 in 1」では最もポピュラーと言える「Microsoft Surface Pro」のニューモデル「Surface Pro 7」です。10月22日発売ですが、すでに日本のMicrosoftストアでも予約注文が開始されています。
従来モデルの「Surface Pro 6」からの変更点は少なく、しかし重要なところが変更されています。そのためこの記事では「どこが変わったのか」という点を中心にご説明します。筐体構造や使用感については、従来モデルSurface Pro 6とほぼ同じと思われますので、こちらの実機レビューをご覧ください。
Microsoft Surface Pro 6 レビュー - キープコンセプトながら確実にパワーアップした「一番人気」のデタッチャブル2 in 1、新色ブラックはカッコいい!(実機レビュー)
スペック
これがSurface Pro 7のスペック表です。
CPUがIce Lakeに
OSはWindows 10 Homeのみで、10月3日現在 Pro版の設定はありません。CPUはPro 6から変更されました。第10世代のCore i3/Core i5/Core i7です。第10世代のCore iにはComet LakeとIce Lakeがあり、最近販売が開始された第10世代CPU搭載のノートPCのほとんどはComet Lakeのほうを搭載しています。しかし、Surface Pro 7に搭載されるのはComet LakeではなくIce Lakeです。
Comet Lakeはリソグラフィー(プロセスの微細さ)が14nmと、第8世代までのCore iプロセッサーと変わらないのに対し、Ice Lakeは10nmになっていますので、「よくわからんがIce Lakeのほうが第10世代っぽい」という感じがしますね。また、それだけではなく、Ice LakeのCore i5とCore i7はグラフィック(内蔵GPU)がIris Plusになります(Core i3のみIntel UHD Graphics)。
「Comet LakeとIce Lakeのどっちがいいのよ?」という疑問についてウインタブでは明確な回答はできませんが、少なくともグラフィック処理に関してはIris Plusを搭載するIce Lakeのほうが高性能だと思います。Surface Proシリーズはデタッチャブル 2 in 1筐体に高精度なペン入力機能がある、という点が大きなセールスポイントであり、クリエイターのニーズに応える製品と言えますので、Pro 7でIris Plusを内蔵するIce Lakeが搭載されたというのは歓迎できます。
USB Type-Cの採用
これ、地味に「大歓迎」なポイントです。Surface Proシリーズは筐体がタブレット(デタッチャブル2 in 1)ということもあり、入出力ポートの少なさというのがウイークポイントでした。
Pro 7になっても、「充実しているとは言いにくい」構成ではありますが、Pro 6までの「Mini DisplayPort」がなくなり、かわりにUSB Type-Cが装備されています。Type-Cは映像出力もサポートしますので、ポートとしての使いみちは拡大したことになります。
Surface ProシリーズにはSurfaceドック、Surface Dialなど、独特な周辺機器が用意されていますが、まずは本体に使えるポートが欲しい、と考える人が多いと思いますので、地味ではありますがめちゃめちゃうれしい改善だと思います。
やっぱOfficeがついてくるがな
個人的には以前からずーっと不満だったんですけど、Pro 7になってもやっぱり「Office Home & Business 2019」は標準で付属します。このクラスのPCを購入する人のほとんどはOfficeを使うと思いますので、無駄なソフトではないと思いますが、私はOffice 365 Soloを契約していますので製品版Officeは必要ないです。また、PC購入時に付属する製品版Officeは「OEM版」といい、たとえライセンスカードが未開封の状態であったとしても規約上転売することができません。なので、Office 365契約者にとっては(規約遵守の観点から)製品版Officeのコストは「どうにもならない」ということになります。
メーカーの事情というのはあるにせよ、Officeの有無を選択できるほうが顧客にとってはメリットになりますので、正直ここはなんとかしてもらいたい…。
ラインナップと価格
Surface Pro 7はBTO(注文時に構成のカスタマイズができる)モデルではなく、メーカー側で用意するバリエーションモデルから1つを選択することになります。
Core i3/4GB/128GB: 109,780円
Core i5/8GB/128GB: 131,780円
Core i5/8GB/256GB: 153,780円
Core i5/16GB/256GB: 175,800円
Core i7/16GB/256GB: 204,380円
Core i7/16GB/512GB: 247,280円
Core i7/16GB/1TB: 295,680円
※左からCPU、RAM、ストレージの構成
※価格は税込み
また、Surface Pro 7には「どう考えても必要だろう」というキーボード(タイプカバー)やスタイラスペン(Surfaceペン)が付属しません。タイプカバーは18,040円~21,340円、Surfaceペンは12,980円しますので、購入費用にはこのぶんが上乗せされると思います。
今回のモデルチェンジで筐体デザインとかサイズはまるっきり変わりませんでした。厳密に言えば入出力ポートの構成が変更されているので同一筐体とは言えないのだろうと思いますが、ユーザー目線で言わせてもらえば同一筐体という理解でいいでしょう。Surface Proという製品はそれだけ完成されたパッケージングなんでしょうね。
Pro 7になってCPUがよりパワフルになったという点、またUSB Type-Cが採用されたという点は大歓迎すべきところです。変更箇所は多くありませんが、これだけでもPro 7を待った価値は大きいと言えるでしょう。特にクリエイターの人はIris Plusを内蔵するCore i5/Core i7モデルはとても魅力的に映るんじゃないでしょうか。
また、価格もPro 6から「ほぼ据え置き」になっています。ただし、Pro 6のほうは10月3日現在セール中で「タイプカバー無料」キャンペーンを開催中なので、正直こちらも少し気になるところではありますw
コメント
今回興味深い端末が多数出たのでただのSurface Proは関心低い人多そう。とても便利になっていると思いますが、せめて13インチの幅狭ベゼルと新しいペン内蔵キーボードには対応して欲しかった。