レノボがThinkPadシリーズのニューモデル「Z13 Gen 2(AMD)」を国内発売しました。この製品はこの2月にスペイン・バルセロナで開催されたMWC 2023でグローバル発表されており、国内でも従来モデル「Gen 1」が販売されていることから、ほぼ確実に国内でも発売されることが予想できました。MWCでの発表から実に8カ月以上を経て、ついに国内販売がスタートした、ということです。
ThinkPad Zシリーズには13.3インチの「Z13」と16インチの「Z16」があり、ともに海外ではGen 2が発表されていますが、11月19日現在、国内で販売されているのはZ13のみです。
1.スペック
スペック表
ThinkPad Z13 Gen 2(AMD) | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | AMD Ryzen 5 PRO 7540U/Ryzen 7 PRO 7840U |
GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB/64GB(LPDDR5X-6400、オンボード) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD(M.2 PCIe-NVMe Gen4) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチOLED(2,880 x 1,800)タッチ 13.3インチIPS(1,920 x 1,200)タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth5.3 |
入出力 | USB4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(1080p)顔認証対応 |
バッテリー | 51.5Wh |
サイズ | 294.4 x 199.6 x 13.99 mm |
重量 | 1.27 kg~ |
※11月19日現在、RAM64GBや256GB SSDなど、カスタマイズ設定のない(選べない)項目があります
コメント
グローバル発表の時点では詳細が不明だったシステム構成が国内発売により明らかになりました。まず、OSはHome版とPro版を選べ、CPUはZen4/RDNA3アーキテクチャのRyzen 5 PRO 7540U/Ryzen 7 PRO 7840Uが設定されています。これらの型番は最近何かと話題のゲーミングUMPCにも(「PRO」がつかない型番が)採用されており、グラフィックを含め非常に高いパフォーマンスを発揮します。
RAMは11月19日現在だと16GBと32GBを選べ、いずれもオンボードメモリなので購入後の増設や換装はできません(64GBは選べません)。また、SSDも11月19日現在では256GBは選べず、512GB/1TB/2TBからの選択となります。
ディスプレイは2種類。IPS液晶と有機ELが設定され、いずれもタッチ対応し、有機ELのほうは2,880 × 1,800と高い解像度になっています。IPSパネルから有機ELパネルへの変更は7,000円強(割引後)なので、できれば有機ELにしておきたいところ。
グローバル発表の際、WWAN(LTE/5G)の設定がある旨の説明がありましたが、11月19日現在の国内仕様はWWANが選べません。後日追加される可能性は十分あると思います。
2.筐体
従来モデルから筐体サイズがほとんど変わっていない(コンマ何ミリかの相違はあります)のと、このアングルから見るとほぼ同じデザインなので、筐体は変わっていないものと思われます。
ただし、天板の素材はガラッと変わりました。従来モデルの天板はヴィーガンレザー張りでしたが、ニューモデルでは「バイオベースの亜麻繊維」になっています。また、Z13には「ちょっとコンサバ」なアークティックグレーの金属筐体がありますが、国内向けのZ13 Gen 2は亜麻繊維のみです(筐体色は「ブラック/ブロンズ」という表記です)。
キーボードです。この画像では英語配列になっていますが、日本仕様は日本語配列も選べます。バックライトと指紋センサーも装備しています。おなじみの「赤いデベソ(トラックポイント)」は健在ですが、タッチパッド部分のクリックボタンがありませんね(従来モデルからそうです)。この点は古くからのThinkPadファンにはがっかりポイントかもしれません。
側面と入出力ポートの配置です。右側面(画像上)にSIMスロットがありますが、上でご説明した通り現時点の日本仕様にはWWANモデルがないため、実際にはSIMスロットはついていませんのでご了承ください。ポート数は最小限、と言う感じですが、2つのUSB Type-CポートはいずれもThunderbolt 4と高規格です。
3.価格など
Lenovo ThinkPad Z13 Gen 2(AMD)はレノボ直販サイトで販売中で、11月19日現在の価格は220,770円から、となっています。直近の従来モデルの価格は20万円を下回り、18万円~19万円ほどになっていますので、今後もう少し価格が下がることが期待できますが、「天板の素材が変わってしまった」のが価格面、顧客評価面でどう作用するのかはなんとも言えないですね。
また、ThinkPadシリーズとしては斬新なモデル(Z世代向け)なので、ずーっとThinkPadを使い続けている古参ユーザーの受けはいまいちかもしれません。その反面で新しいユーザーを開拓できそうな気もしますけどね。
4.関連リンク
ThinkPad Z13 Gen 2(AMD):Lenovo