ThinkPadシリーズのフラッグシップ・モバイルPC「X1 Carbon(クラムシェルノート)」と「X1 Yoga(コンバーチブル2 in 1)」に第10世代のCore iプロセッサーを搭載するモデルが追加されました!ThinkPadユーザーなら買い替えの際にほぼ確実に購入候補に入れるであろう2機種、これで「躊躇する必要はなくなった」と言えるかもしれません。
なお、今回のバリエーション追加はCPUのみと思われ、筐体サイズや入出力ポートなど、詳細スペックには変更がありませんので、詳しい製品紹介についてはこちらの記事をご参照下さい。
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(2019)- ThinkPadのフラッグシップ・モバイルノートがいよいよ2019年モデルに!14インチで重量わずか1.09 kg
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019) - 14インチ、ThinkPadシリーズのハイエンド・コンバーチブル2 in 1がリニューアル!しかしこれ、黒くないぞ?
X1 CarbonとX1 Yogaは筐体構造や素材が異なりますが、基本的なシステム構成は同じです。今回追加された第10世代Core iプロセッサーは開発コードネーム「Comet Lake」で、Core i5-10210U、Core i7-10510U、そしてCore i7-10710Uの3種類です。このうち、Core i5-10210UとCore i7-10510Uは他社のノートPCでも採用され始めている4コア8スレッドのCPUで、第8世代(Whiskey Lake)からの正統進化版と言えるものです。と書くとカッコいいんですけど、同じ第10世代の開発コードネーム「Ice Lake」とは異なり、リソグラフィーは14 nmと変わりませんので、私達一般ユーザーにしてみれば「あんまり変わってない」ように思われます(実際はそんなことないです)。
一方、Core i7-10710UはWhiskey Lakeとは異なり、6コア12スレッドです。Passmarkがベンチマークスコアを公開していました。
Core i7-10710U: 14,290
Core i7-10510U: 9,325
Core i7-8565U: 8,909
※10月17日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
※Core i7-10710Uのサンプル数は3、Core i7-10510Uは6
第10世代のCPUでは公表値のベースとなるサンプル数が極めて少ないので、今後数値が大きく変化する可能性はあると思いますが、これを見る限り、Core i7-10510UとCore i7-8565Uのスコア差は「こんなもんかな」という感じで、Core i7-10710Uに関しては「やべえ!」という感じです。14,290というスコアはCofee LakeのCore i7-9750H(13,519)よりも高くなっていて、にわかには信じられないレベルですね。また、Core i7-10510Uのスコアがこの水準で落ち着くとした場合、ThinkPadという製品の特性(ビジネスノート)から考えて、「別に第8世代のモデルでもいいや」くらいのものと言えるかもしれません(ここは人それぞれでしょう)。
Core i7-10510UとCore i7-10710Uは製品価格に跳ね返る差も大きく、注文時のカスタマイズでの変更差額が16,500円(定価ベース)、さらに構成の自由度が非常に大きいThinkPadであるにも関わらず強制的にRAMの容量が16GBになってしまいますので、割引ベースでも2万円を越える差額が発生します。
主要な変更点は「CPUだけ」ですが、ディスプレイに関してもちょっとだけ注意点があります。X1 Carbon、X1 Yogaともスペック表の上では14インチの4K解像度、HDR対応ディスプレイが選べることになっていますが、10月17日現在だと、このディスプレイの設定はありません(選べません)。最高解像度は2,560 ×1,440となります。なので、クリエイターなど、繊細な画質が必要な人はもうしばらく待ったほうがいいかもしれないですね。
最後に価格をチェックしてみます。10月17日現在、第8世代Core iモデルと第10世代Core iモデルが併売されていて、こんな感じになっています。
●X1 Carbonの例:
Core i5-8265U/8GB/256GB/FHDディスプレイ:182,490円
Core i7-10210U/8GB/256GB/FHDディスプレイ:189,288円
●X1 Yogaの例:
Core i7-8565U/8GB/512GB/WQHDディスプレイ:224,928円
Core i7-10510U/8GB/512GB/WQHDディスプレイ:241,560円
※すべて税込価格
※第10世代モデルのみ「+100円で5年引取修理」キャンペーン中
RAMやストレージ、ディスプレイの構成を合わせた場合、Core i7-10710Uは別として、少ない場合で1万円弱、大きい場合だと2万円ほどの差額が発生しますが、第10世代モデルのみ「プラス100円で5年間引取修理」キャンペーン中なので、実質的な差は縮小される、というか、キャンペーンを歓迎する人ならむしろ安く感じられそうです。
記事の冒頭に書いた通り、X1 CarbonとX1 Yogaは既存のThinkPadユーザーなら買い替え時に購入検討するであろうモデルだと思いますし、ThinkPadの「旗艦モデル」と言っていい製品なので、ThinkPadユーザー以外の人も購入検討をされている人が少なくないと思います。「CPUの世代にあんまりこだわらない」と言いつつも、やはり「20万円コース」になるので、できれば第10世代CPU、と考えるのも人情というものでしょう。6コアのCore i7-10710Uまで必要か?というのはありますけど、とりあえず第10世代のCore iプロセッサーを選べるようになったことで「背中を押された」と考える人はいるでしょうね、確実に…。
コメント
愛用のHPのelite x2の新モデルが出なくて壊れたらこっちに乗り換えるか、と考えました。
キックスタンドがないから使いにくいとは思いますが頑丈でスペックが高くて筆圧調整機能が付いてるモデルってまずないんですよ。
i7-9750hのTDPが45Wに対し、Core i7-10710UはのTDPが15wでPassmarkのスコアが上なのが事実としても同じ14nmプロセスという点を考えると熱が凄い気がしますね。
見習いプログラマーさん、こんにちは。その後Passmarkのサンプル数が1つ増えて、スコアが12532になりました。これでも十分すぎるくらいのスコアですが、この先サンプル数が増えてくるともう少し低い数値に収まるかもしれませんね。でも末尾UのCore i7で1万点越えというのは胸熱。