Lenovoは6月25日にThinkPad Xシリーズのニューモデル「X1 Carbon(2019)」と「X1 Yoga(2019)」の国内発売を開始しました。28日にはWeb直販モデルも販売がスタートします。「Xシリーズ」はThinkPadの中でも最上位のモバイルノートを意味していて、2018年からは15.6インチのX1 Extremeも追加されましたが、X1 Carbonは依然としてThinkPadモバイルノートのフラッグシップモデルと言っていいでしょう。
なお、両モデルとも国内発売に先立ち、この1月に米国ラスベガスで開催されたCES 2019で発表されています。そのため、海外発表時の情報を元にウインタブでもすでに紹介記事を掲載しています。
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(2019)- より薄く、軽くなったThinkPadフラッグシップモバイルノート
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)- 14インチのフラッグシップ2 in 1、ThinkPadなのにアルミ製だし黒くないぞ?
この記事ではまず「X1 Carbon(2019)」の国内仕様について紹介します。
1.スペック
6月25日現在、販売がスタートしているのは「販売代理店モデル(≒法人モデル)」のみで、Web直販モデルのほうはまだ販売されていませんので、この記事では販売代理店モデルのスペック表を元に、ウインタブの推測も交えて説明させていただきます。
OSは販売代理店モデルだとPro版のみですが、Web直販モデルではほぼ確実にHome版とPro版を選択できるはずです。CPUはWhiskey LakeのCore i5とCore i7ですが、vPro(法人など組織でPCを管理するのに便利な機能)に対応するCore i5-8365Uも設定されます。そして、おそらくCore i7-8665U(こちらもvPro対応のCPUです)も選べるようになると思います。
RAMは標準で8GB、最大で16GBです。販売代理店モデルのスペック表を確認すると、「オンボード(マザーボードにRAMが直付けされていて、ユーザーが自由に交換できない)」という記載がありましたので、購入後にDIYでRAMを増設するのは難しいでしょう。また、32GBなどの大容量の設定もなさそうですね。
ストレージは販売代理店モデルでは256GBのみが設定されていますが、X1 Carbonの2018年モデルがそうであるように、128GBや512GBといった容量も選べるはずです。また、搭載しうる最大のストレージ容量は2TB SSDとなります。
ディスプレイは選択肢が多いです。普通のFHD(1,920 × 1,080)のほか、2.5K(2,560 × 1,440)と4K(3,840 × 2,160)も選べます。また、タッチ液晶も選択可能になるはずです。また、新機能として「ThinkPad Privacy Guard(スイッチひとつで瞬時に視野角を狭くし、覗き見を防止する機能)」も装備できます。
薄型ノートながら入出力ポートは充実しています。2つあるUSB Type-CポートはいずれもThunderbolt 3ですし、その他にフルサイズ(Type-A)USBポートが2つ装備されます。また有線LANは筐体に直接ポート(RJ45)を装備するのではなく拡張コネクターがついています。それと、ちょっと注意したいこともあります。SD(microSD)カードリーダーが廃止されました。
この製品はオプションでLTEモジュールをつけられます。そのためnanoSIMスロットは装備されているんですが、このスロットはSDカードの読み書きはできません。
サイズを2018年モデルと比較してみます。
2019モデル:323 × 217 × 14.95 mm / 1.09 kg
2018モデル:323.5 x 217.1 x 15.95mm / 1.13 kg
正直あんまり変わったという感じではありません。「厚さが1ミリ薄くなった」ことと「重量が40グラム軽くなった」ということくらいですかね。おそらく2018年モデルとの体感差はほとんどないと思います。しかし、14インチのモバイルノートで、しかも「ThinkPadであるにもかかわらず」重量が1.09 kgというのはすごいですね。ThinkPadは並外れた頑丈さを誇る製品シリーズですが、その強度を維持してこの重量というのはとっても魅力的です。
2.筐体
筐体サイズを比較すればわかると思いますし、「ThinkPadなので」見た目は全然変わってないです。ただ、X1 CarbonはThinkPadシリーズとしてはかなり絞り込まれた筐体サイズになっていますので、ご覧の通りベゼルは細くなっていますし、全体的にスリムに見えます。
Lenovoのプレスリリースによれば「4Kディスプレイモデルでは、カーボン柄の天板を採用」するとのことです。これ、ThinkPadとしては新しい試みです。ただし、それ以外のモデルは従来どおり黒無地の天板となります。
キーボードの拡大画像がなく、このように一部分だけしか掲載できません。すみません。キーボードに関してはおなじみのThinkPadそのもの、というか、いい意味で変わらない、最高品質のものになっているのは間違いないでしょう。
側面、背面と入出力ポートの配置です。LTEモデル用のSIMスロットは背面にあります。また、ThinkPadシリーズは純正のドッキングステーションが多数用意されていて、ドッキングステーションを接続できるようなポート配置になっています。それと、クラムシェルノートであるにもかかわらず、電源ボタンが側面にあるのが珍しいです。
3.価格など
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(2019)は6月28日からLenovo直販サイトで販売が開始されます。プレスリリースによれば価格は「233,000円(税別)より」ということなのですが、Web直販については6月28日から「いきなり3割引」くらいにはなるものと予想します。なので、163,000円(税込み176,040円)くらいから購入できるんじゃないか、と思います。ストレージ128GBの設定があればさらに安く買える可能性もあります。
ThinkPadのXシリーズのクラムシェルノートには、13.3インチサイズのX390(Intel CPU)とX395(AMD CPU)もありますが、筐体重量に関しては14インチのX1 Carbonのほうが軽量です。しかし、X1 Carbonは軽量化実現のためのコストというのがかかっているんでしょう、価格はX390とX395のほうがかなり低くなっています。そのため購入にあたっては、他のXシリーズ、特にX390とX395とよく比較検討されるといいでしょう。