Lenovoの定番ビジネスノート「ThinkPadシリーズ」のうち、スタンダードノートとしてはエントリークラスとなる「Eシリーズ」が2018年モデルとなりました。14インチの「E480」と15.6インチの「E580」が同時リリースされているのですが、この記事では「E580」のほうを紹介します。
ThinkPadシリーズはデザインに一貫性があり、遠目で見ただけでは型番が全然わからない、というくらいによく似ています。E480とE580についても従来機E470、E570と比較して、「全然変わっていない」ように見えますが、実際はかなり大きく変わっていますよ!
1.スペック
ThinkPadシリーズのいいところは、非常に細かく構成をカスタマイズできることですね。BTOメーカーのマウス、ドスパラ、FRONTIERなどでもCPU、RAM、ストレージくらいは余裕でカスタマイズできますが、ディスプレイとかキーボード(ThinkPadは英語配列も選べます)、さらにはOSのインストール言語まで選択できてしまいます。
E580はThinkPadシリーズとしてはエントリークラスです。とはいうものの、一般的なエントリークラスとはかけ離れています。選択できるCPUは第7世代もしくは第8世代のCore iプロセッサーのみで、Celeronは選べません。またRAMは最低で4GBですが、8GB/12GB/16GB/32GBと細かく容量を変更できます。そしてストレージは最低構成だと500GB HDDのみですが、SSD + HDDというデュアル構成にすることも可能です。
さらに、外部GPU「AMD Radeon RX 550」の搭載も可能で、そのオプション価格は定価ベースで9,720円と低額です。Lenovoの直販サイトは10%とか20%、場合によっては40%もの大幅な割引をするのが常態化していて、この割引は構成のカスタマイズ分にも適用されるので、実際にはもっと安く(7,000円台とか8,000円台とか)でGPUを搭載できます。
ディスプレイも2種類から選べます。Core i3モデルだと標準ではHD(1,366 ×768)解像度でTN液晶ですが、これをIPS液晶のFHD(1,920 × 1,080)解像度にできます。ビジネス専用ならともかく、プライベートでもこの製品を使いたいのであればディスプレイはIPS液晶にしておきたいところ。また、ポートはType-Cを含みUSBが合計で4つ、HDMIと有線LANも装備します。ただ、ここはトレードオフというか、従来機E570に装備されていたD-subがなくなり、代わりにUSB Type-Cが増えた、ということになっています。
あと、ここは少し残念なんですが、光学ドライブが省かれました。オプションでも装備できません。
サイズは確実に小さくなっています。
E580: 369 x 252 x 19.95 mm / 2.1 kg
E570: 379 x 261 x 23.9(シルバー/ゴールド)/25.4(ブラック)mm / 2.3 kg
横幅369 mmというのはThinkPadにしては健闘しています。15.6インチのスタンダードノートの場合、狭ベゼルの最新かつ上級モデルだと横幅は360 mmくらい、一般的なものだと380 mmくらいなので、ここでの「1センチ詰め」は大きいですね。また、厚みもかなり減少しました。重量も2キロ切りとはいきませんでしたが、確実に軽くなっています。実はこの「サイズ感」がE580の最大の改善点になるのかもしれません。
2.筐体
いやあ、書くことがないですね。誰がどう見てもThinkPadではあります。でも、デザイン面で新しいと感じさせるものはありません。筐体もおそらくプラスティック製だと思います。もちろんThinkPadですから強度は折り紙付きと考えていいでしょう。
側面です。
で、こっちが従来機E570の側面。比べてみると薄型化されているのがよくわかりますし、ポートの配置も異なっています。ただ、光学ドライブがない、というのが本当に残念…。スタンダードノートの場合はまだ光学ドライブの需要はあると思うんですけどね。特にビジネス利用の場合は。
キーボードです。15.6インチサイズなのでテンキーも装備されます。ThinkPadシリーズのキーボードはサイズが大きめで打鍵感もよく、品質は間違いありません。あと、オプションの指紋センサーがパームレスト右側にあります。
3.価格など
Lenovo ThinkPad E580はLenovo直販サイトで販売中で、1月19日現在の価格は税込み61,344円(20%オフ)から、となっています。まだ発売直後なので週末セールの割引率もこのくらいで推移すると思います。ちなみに、61,344円のモデルは「Core i3/RAM4GB/500GB HDD/HDディスプレイ」となりますので、「Core i5/RAM8GB/256GB SSD/FHDディスプレイ」に変更して試算してみました。Core i5は第7世代(Core i5-7200U)と第8世代(Core i5-8250U)が選べますが、第7世代だと98,496円、第8世代だと102,816円となります。これだとThinkPadではない、普通のスタンダードノートとほとんど変わらないくらいの価格だと言えるでしょう。
ThinkPadシリーズはビジネスマシンとしての雰囲気が強く、デザインの好みがはっきりわかれそうな気がします。もちろん私はこのデザインが大好きなんですが、自宅用のPCとしてはちょっと無骨すぎるかもしれませんね。ただ、パソコンとしての実用品質が素晴らしい、というのは間違いないです。