ThinkPad 10の国内販売が開始されました。まだ法人向けのみですが、製品ラインナップや価格が公表されているので、個人向けに販売が開始される時の参考というか、心の準備ができそうですね。
目次
1.製品ラインナップと価格
上の画像がThinkPad 10の法人向け製品ラインナップです。以下、思ったことを書きます。
最廉価モデルは66,000円(税抜)だが、新規性なし
私のような金欠な人間には最廉価モデルの価格が非常に気になるところですが、税抜きで66,000円、税込みだと71,280円となります。この価格は兄弟機NEC LaVie Wシリーズに対しても割安と言えます。また、ラインナップ中で唯一Microsoft Office 2013 Home&Businessが付属していて、お得感もあります。しかし、下記の通り、新規性があまり感じられません。
・OSが32ビットのまま
・メモリも2GB
・デジタイザ非対応
Atom Z3700シリーズの最上級CPUを搭載していて、処理速度の大幅向上が期待できるところではありますが、OSが32ビットのまま、メモリも2GBのみ、というのはマルチタスク時の処理効率は従来機から大きなレベルアップとはならなそうです。また、レノボによるとThinkPad 10にはデジタイザ対応モデルと非対応モデルがあるということで、デジタイザペンがついていないのはデジタイザ非対応と思われますので、これもマイナスポイントでしょう。
なお、OSのWindows8.1 with Bingというのは、低価格PC向けに低価格(あるいは無料)で供給されているもので、Internet Explorerでの初期設定の検索エンジンがBing(あとで変更は自由)だという以外に相違点はないので、ユーザーとして特段不利になるということはありません。
最廉価モデルはLaVie Wとの比較でも割安ではありますが、上記の通り、ちょっと新規性に欠ける内容かな、と思います。特にスタイラスを活用したい人は要注意です。ただ、個人的にはThinkPadというのは「頭よさそう」に見える製品だと思いますし、デザイン性、アクセサリの充実などを考えても、スペックにあまりこだわらないのであれば全然アリなんじゃないか、と思います。
64ビットモデルもあり、Windows8.1Pro搭載
ThinkPadですから、Windows8.1Proを搭載したモデルもあります。ただ、Windows8.1Proは法人のシステム管理者には優位性があっても個人利用の場合はほとんど恩恵がないので、あまり気にしなくていいと思います。64ビットモデルのメモリは全て4GBあり、本格的に64ビットの性能を発揮できそうですね。64ビットモデルについては3タイプあり、
・デジタイザ・スマートカードリーダー付き:81,000円(税込87,480円)
・デジタイザ付き・スマートカードリーダーなし:79,000円(税込85,320円)
・デジタイザなし・スマートカードリーダーなし:75,000円(税込み81,000円)
スマートカードリーダーというのはICチップ付きのカードを読み取るデバイスで、法人のシステム管理、ID管理に使われることが多く、また税務署の確定申告などにも使えます。個人利用の場合はあまり重要ではないかも。逆にデジタイザのほうは絶対あったほうがいいです。お絵かき用と思われがちですが、デジタイザのあるなしでスタイラスを利用時の気持ちよさが全然違います。また、デジタイザなしモデルではそもそもスタイラスペンが付属しません。
Officeは64ビットモデルには搭載されません。これらを考慮すると、やはり今回発表されている製品ライナップについては、個人利用の場合は無駄にオーバースペックのところがある一方、欲しいものがついていない、というところもあり、「普通の人」が普通に使う上ではあまりコストパフォーマンスが高いとはいえませんね。
デジタイザ対応と非対応あり
上に書いた内容とダブりますが、大事なことなのでもう一度。ThinkPad 10は全ての製品にデジタイザが内蔵されているわけではありません。
※16 ペン対応モデルと非対応モデルとはディスプレイが異なります。非対応モデルのディスプレイでThinkPad Tablet ペンは使用できません。
これは上に貼ったスペック表の注釈からの引用です。64ビットモデルの価格差を見てみると、デジタイザの値段は4,000円ということになりますが、個人的にはこの4,000円は出していいお金だと思います。
128GBモデルはスペック表にはなし
ThinkPadタブレットと言えば128GBストレージなわけですが、今回の製品ラインアップには一覧表示されていません。おそらく注文の見積作成画面では128GBモデルも選べると思いますが、価格などの詳しい情報はわかりません。
LTEモデルあり
ソフトバンクから、LTEモデルも発表されています。発売開始は9月中旬とのこと。WindowsタブレットユーザーにとってLTE対応というのは本当にうれしいニュースですが、いまさらキャリアのクソ高い通信料金を払うのもいかがなものか、という気がしますね。なので私はちょっとネガティブに受け取っています。法人向けの場合、自分のお金じゃないので、通信料金は気にしなくていいのかな?だったら歓迎ですね。
2.アクセサリは最高!
ThinkPad 8もそうでしたが、Lenovoのアクセサリは充実していて、他メーカーのタブレットユーザーには羨ましい限りですね。主なものを紹介します。
Surfaceと似たタイプの、カバーになる薄型キーボードです。
こちらはノートPCのようなしっかりしたキーボード。画像を見るとたたんだ感じは完全にノートPCそのもの。
ThinkPad 8でもおなじみのクイックショットカバー、通称風呂蓋。iPadのようにカバーの開閉で電源オンオフ(正確にはスタンバイ)ができるタブレットはThinkPadだけなんですよね。もちろんカバーをめくるとカメラだけ使えます。
この他にもLenovoらしいアクセサリが満載です。これらアクセサリ群もまたThinkPadを選ぶ根拠になりうる、と言ってよいでしょう。価格については法人としての見積りが必要になるので、現時点では紹介できませんが、分かり次第加筆しますね。
3.結論
今回発表されたモデルは法人向けなので、個人としてThinkPad10を購入できるのはもうしばらく先になります。兄弟機であるNEC LaVie Wとどちらにするか?と迷っている人も多いと思いますが、価格で見る限り、個人向けモデルが登場したら両者の差は大きくなさそうで、64ビットOSを選ぶのならThinkPad、ということになりそうですね。
あと、タブレットを選ぶ際に重要な要素だと思うのがデザインとアクセサリだと思いますが、デザインは個人の好みがあるのでなんとも言えないとしても、アクセサリに関してはNECがほぼ丸裸であるのに対し、Lenovoは極めて充実した製品群を用意しているので、この点では明らかにThinkPad待ち、ということでいいんじゃないかと思います。
え?私?欲しいですけどお金ありません。