LenovoがCPUにSnapdragon 850を搭載するコンバーチブル 2 in 1「Yoga C630」の日本発売を発表しました。発売時期は「年内」とのことで、具体的な日付は明らかにされていません。また、残念ながらスペックもごく一部しか開示されていません。この製品は今年9月に海外で発表されていて、ウインタブでも紹介記事を掲載しています。
Lenovo Yoga C630 WOS - Snapdragon 850搭載の13.3インチコンバーチブル 2 in 1、今度こそ日本発売なるか?
米国Lenovoの公式サイトでは型番に「WOS」というのがついてまして「Windows on Snapdragon」の略なのですが、これ、カッコよくありません?私は好きだったんですけど、国内版ではWOSという表記はありません。もちろん「Always Connected PC(LTE対応で、いつでもどこでもネットワーク接続できる)」です。
1.スペック
このスペック表は前回の紹介記事で掲載した海外モデルのものです。日本版はこれと異なるスペックになる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。Lenovoのプレスリリースによれば、「CPUはSnapdragon 850」「厚さ12.5 mm」「重量1.2 kg」「バッテリー稼働時間は最大で25時間」というところまでは明言されていますので、その部分に関してはこのスペック表と同じです。
海外モデルではOSのバージョンはWindows 10 S(正確にはSモード)です。ただし、Sモードはいつでも解除して「親(この製品の場合Windows 10 Proである可能性が高いようです)」に戻せるはずなので、仮にSモードのまま発売されても特に問題はないと思われます。しかし、Snapdragon版のWindowsは32ビットのアプリしか使えませんので、64ビット版しか存在しないソフトウェアは使用できません(Officeなんかは大丈夫です)。
CPUのSnapdragon 850は前世代(Snapdragon 835を指します)から30%の性能アップを実現しているとのことです(ただし、CPU単体の性能差ではなく、Windows PCに搭載した場合の性能差です)。なおGPUについて「なし?」と記載しているのはGeForceとかRadeonを搭載していないという意味で、Snapdragonの場合、AdrenoがGPUとして搭載されているはずですが、ウインタブの表記方針上、なしということにしていますので、この点ご了承ください。
RAMは海外モデルだと4GB/8GB、ストレージは128GB/256GBです。なおストレージに関してはeMMCでもなくSSDでもなくUFSが使われています。UFSというのはフラッシュメモリの一種で、高性能なスマホに使われています。eMMCよりも高速と言われていて、この製品はUFS2.1規格です。
ディスプレイは13.3インチFHD解像度、タッチパネルとなっています。海外モデルでもIPSという表記はありませんでしたが「wide-angle viewing」という説明がありましたので、IPS相当と考えていいと思います。別売りのスタイラスペンを使えば筆圧対応の手書き入力が可能です。
Snapdragon搭載のWindows PCは、下記の点がセールスポイントです。
●スリープからの復帰がスマホのように爆速
●スマホ同様の常時LTE接続
●驚異的なバッテリー稼働時間
この製品の場合、もちろんLTE対応で、日本の主要な通信バンドは間違いなくカバーされるものと思います。また、バッテリー稼働時間は最大25時間ということなので、「話半分」として考えても終日充電なしで使えそうですよね。ただし、スリープ復帰の速さとか、常時LTE接続の快適性については実機を試してみないとなんとも言えません。いままでは日本でSnapdragon版のWindowsに触ることができませんでしたが、いよいよその使い勝手が試せそうですよね。
2.筐体
(海外モデルですが)筐体サイズは13.3インチのモバイルノートとしては小さい部類となります。そのためベゼルも細く、スタイリッシュだと思います。しかも「Yoga」なので、ヒンジが360度回転し、テントモードやスタンドモード、タブレットモードにして使うことができます。
天板です。Snapdragon版、ということを意識するようなものではなく、普通にスリムなモバイルノート、という感じですよね。筐体素材はアルミです。また、この画像を見るとかなりの薄型であることもわかります。
海外モデルのキーボードです。日本版には日本語配列のものが用意される可能性が高いと思いますが、現状そのへんは不明です。バックライトつきで、指紋センサーも見えます。それと、左右にステレオスピーカーも配置されます。
海外モデルの入出力ポートです。入出力ポートの数はやや不足気味です。Type-Cポートが2つありますので実用性は確保されますが、フルサイズ(Type-A)USBの周辺機器なんかのためにハブは必要でしょうね。逆に小型のハブを用意すれば問題はなさそうです。
3.価格など
Lenovo Yoga C630は年内に発売される予定で、10月4日現在だとまだ価格情報はありません。9月に海外で発表された際には999ユーロ(約131,000円)から、ということが案内されていましたが、この価格のまま日本で発売されるかどうかは不明です。
仮に「15万円くらい」と考えてみましょう。このくらいの価格だと日本では第8世代のCore i7を搭載するモバイルノートに手が届きます。HP Spectre 13のようなプレミアムクラスのモバイルノートでもCore i5モデルは買えますね。なので、15万円とした場合、Yoga C630は必ずしも安いとは言えません。
しかし、Snapdragon搭載のPCということで、上に記載したとおり、Intel版のPCにはない優れた特徴もあります。処理性能にこだわるのならIntel(あるいはAMD)版のCPUを搭載するPCがいいでしょうけど、この製品ならではのモバイルコンピューティングを楽しむのだ、そのために高いお金を払うのだ、というのも正しい考えだと思います。
4.関連リンク
プロセッサーにQualcomm® Snapdragon 850を搭載し、長時間バッテリー駆動を実現した「Lenovo Yoga C630」2018年中の発売を予定:Lenovo プレスリリース
コメント
稼働時間すごいですね。こちらでよく出てくるスタンダードクラスの15インチラップトップでも9時間とかなので、ずっとコンパクトなのに最大25時間ってのはさすがスマホ向けチップって感じです。
Re:puさん、こんにちは。おっしゃる通りなんですけど、ウインタブとしては過去幾多のPCをレビューしてきた経験上、「話半分」と思うことにしております…。半分でも十分すごいですけどね。
価格次第ですね。
つい先日ギャラクシーS9+に機種変して
スナドラ845の別次元さにびっくりしていたのし
初のスナドラ搭載機PCとして注目しますが
SurfaceProあるので買わない・・と思います。いやまてよ(無限ループ)
正月アキバ行くので実機見てみたいなぁ・・・・
本山 葵さん、こんにちは。本題からそれるんですけど、Snapdragon 845が別次元、ということのほうが気になってしまいます。
稼働時間長いのはWindow10 Sだからじゃないの?Window10 Proにしたら大幅に下がるんでしょ?
こんにちは。確証はないんですけど、この製品は親が10 Proのような気がします。個人的にはOSが理由ではなく、「測定ルール」に問題があるので、やっぱり稼働時間が下がると思いますw
WOS、オラ悟空!
こんにちは。笑った。
個人的にはヨガブックにスナドラ搭載して欲しかった
かぜさん、こんにちは。確かに。Yogabookってドライバーとかいろいろややこしそうじゃないですか?そのへんもあるのかもしれないですね。
WOS(だぶるおーえす)で、ChromeOSとのデュアルブート機なのでは……!?
なんて思ったりもします。
スナドラを積んで、タッチパネルで…なんて、Androidアプリに対応するための構成に見えてしまって。
タマさん、こんにちは。理屈上はデュアルブートできそうな気もしますが、各パーツは対応してるのかな?あと、日本だとMicrosoftがデュアルブートを許さないでしょう、残念ですけど。