こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は中国の13.3インチクラムシェルノート「YEPO 737S」の実機レビューです。YEPOというメーカーの製品は初めて試用するのですが、13.3インチというのは日本のモバイルノートでは「ゴールデンサイズ」で、おそらく最も人気があるサイズだと思います。また、スペックと価格も中国製品らしく非常に魅力的なので、試用するのが楽しみでした。なお、この製品は中国の通販サイト「Gearbest」に提供していただきました。この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 4GB
ストレージ: 128 GB eMMC
ディスプレイ: 13.3インチIPS(1,920 x 1,080)
ネットワーク: 802.11b/g/n, Bluetooth 4.0
カメラ: インのみ0.3MP
入出力: USB 2.0 × 2、miniHDMI、オーディオ、SDスロット
バッテリー: 8,000 mAh(8時間)
サイズ: 335 x 225 x 18 mm / 1.25 kg
最初にスペック表のおさらいを。OSはWindows 10のみのシングルブート、CPUはAtom Z8300、RAMは4GBと、中国製品としてはごく一般的な内容になっていますが、ストレージが128GBというのはこの価格帯としては珍しいです。先日試用した「Jumper EZBook Air」以来ですね。低価格帯の製品(2万円前後)としては他に例がないと思います。
ディスプレイも13.3インチでFHD(1,920 × 1,080)と立派です。また、入出力ポートではUSBが2つ、miniHDMI、オーディオジャック、そしてフルサイズのSDスロットがついています。SDカードスロットがフルサイズ、というのは地味にありがたいです。フルサイズであればアダプターを使えばmicroSDカードも使えますから。
筐体重量もいいですね。私は1 kg以上をグラム単位で測定できるツールを持っていないのですが、ヘルスメーター(100 g単位しか測定できない)で測ったところ、1.3 kgでした。したがって、カタログスペックの1.25 kgから大きな誤差はないと思います。この重量であれば持ち歩きも苦にならないでしょう。
試用機のシステム概要です。OSは出荷時点でAnniversary Update(バージョン1607)が適用されていました。したがって購入後にアップデートする手間はありません。
ストレージ状況です。日本語化前、使用開始直後の状態です。内蔵ストレージは2つのパーテーションに分割されていました。これはこれでいいのかな、と思います。気に入らなければ自分でいろいろ調整できますし。
2.筐体
同梱物です。本体のほか、電源アダプターと取扱説明書(中国語のみで英語の記載がありません)が付属します。
ただし、試用機に付属していた電源アダプターは日本の規格では使えないものでした。購入時に「USプラグ」を指定しましょう。でないとこのようなトラブルが起こってしまいます。Gearbestは試用機を送ってくれる際、めったに間違えないんですけど、今回は失敗でした。プレセール中に送ってもらったせいもあると思います。
筐体は少なくとも底面と側面はアルミ製です。天板とキーボード部分についても、たぶんアルミ製だと思いますが、ちょっと判然としません。プラスティック製かも。質感は決して悪くはありません。このクラスの中国製品のお約束とも言える、Macを強く意識したデザインです。
また、天板にある「YEPO」のロゴは電源オン時に白く発光します。ロゴデザインはセンスがまあまあいいと思いますが、気になる人はリンゴのシールでも貼りましょうかw
左側面です。画像左からDC-IN、フルサイズUSBポート、オーディオジャックです。
右側面です。画像左からSDカードスロット、フルサイズUSBポート、miniHDMIです。特にコメントすべきこともありませんが、USBポートが左右の側面に振り分けられている構成は好みがわかれるかもしれません。私は特に気にならないです。
前面(開口部)です。この面には何もついていません。
背面です。なにやらバーコードのついたシールが貼ってありましたが、試用機なのでそのままにしてあります。入出力ポート類はこの面にもありません。
背面です。ゴム足がついていますが、筐体を開けるためのネジもあり、中を開けるのは容易だと思われます。
キーボードです。英語配列ではありますが、一般的な6列レイアウトで、特に省略されていて困る、というキーはありませんでした。また、Shiftキー、Enterキーなどのサイズも十分に大きく、使い始めてすぐに慣れることができると思います。
キートップには特に加工はなく、フラットです。キーストロークはモバイルノートとしてやや深めに感じますが、特に違和感もありませんし、打鍵しにくいということもありません。
筐体を最大開口するとこんな感じ。水平(180度)まではいきませんが、非常に大きく開口します。これはこの製品の優れたところといえるでしょう。ただ、この状態だと筐体は安定せず、ヒンジ部分を中心としてシーソーゲームができそうなくらいに不安定になってしまいます。
横から見たところです。なかなかバランスが取れたいい筐体だと思います。
3.使用感
しばらくテキストライティングや画像加工をしてみました。私は最近Core i3機をメインに使っているため、挙動がワンテンポ遅れる印象を持ってしまいますが、Atom機としては決して悪くはなく、「期待通りの処理性能」だと言えるでしょう。
ただ、キーボードはあまり高く評価できません。打鍵は確実で、レイアウトにも癖がなく実用性は全く問題ありませんが、打鍵音がかなり大きく、また音質も安っぽいです。「パチパチ」と「ペコペコ」の中間くらいの打鍵音ですが、スペースキーをある程度強めに打鍵するとかなり大きな「バチャッ」という音がします。静かな場所では気が引けるくらいの音量です。繰り返しますが、キーボードの基本性能はいいですし、実用性も高いです。でも気持ちよさはありません。
試用ではいつものようにドラクエベンチをやってみたわけですが、筐体の発熱がほとんどありませんでした。これは中国製品としては珍しいです。そのせいかどうか、試用期間中の挙動は非常に安定しており、フリーズしたりといったことも一度もありませんでした。この点は高く評価できると思います。
ディスプレイは視野角も広く、明るいですが、発色はいまひとつですね。Jumper製品によくみられるのですが、やや黄色が強いです。TeclastやChuwi製品と比較するとやや品質が落ちると思います。
バッテリーは比較的優秀、というか、割と長持ちしてくれます。ディスプレイ輝度100%の状態でドラクエベンチをしたり、ウェブブラウジングをしたり、テキストライティングをしたり、といった操作を繰り返しましたが、「断続的に使って4時間で50%程度」の消費状況だったので、一般的な使い方でもそれなり(5-6時間くらい)は持ちそうです。ただ、いつも書いていますが、バッテリー消費はお使いの環境等によって大きく変わるので、あくまでも実機レビュアーの印象、ということでご理解ください。
4.性能テスト
いつものようにドラクエベンチをやってみました。
参考:
GPD WIN(Atom X7-Z8750): 2,903
Jumper EZBook Air(Atom X5-Z8300): 1,929
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK4S(Atom x5-Z8500): 1,871
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 1,817
ONDA V919 Air CH(Atom x5-Z8300): 1,801
Chuwi Hi 10(Atom x5-Z8300):1,658
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom x5-Z8300): 1,570
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 1,556
Teclast X98 Plus 3G(Atom x5-Z8300): 1,464
Cube iWork 8 Ultimate(Atom x5-Z8300): 1,448
DELL Inspiron 11 3000(Celeron N3050): 1,446
Onda V80 Plus(Atom x5-Z8300): 1,434
Chuwi Hi 10 Pro (Atom X5-Z8300): 1,424
PIPO X10(Atom X5-Z8300): 1,346
スコアは決して悪くありません。また、異常にいい、ということもないので、心配しなくてよさそうです。しかし、スコアのばらつきがやや大きめだと感じました。掲載しているのは比較的いいスコアなのですが、一番悪い時だと1,400くらい、というのがありました。この製品に限らず、ドラクエベンチの場合はスコアのばらつきがやや大きめなのですが、それにしても若干ばらつきが大きめかな、と思いました。ただし、テスト中に筐体はほとんど発熱が気にならず、その点は安心できそうです。
5.まとめ
YEPO 737Sは中国の通販サイト「Gearbest」で販売中で、価格は216.58ドル(22,499円)です。CPUがAtomで13.3インチ、RAM4GB、ストレージ128GBという製品は日本にはなく、類似スペックの製品はすべて中国製品ということになりますが、ストレージが128GBあってこの価格、というのは中国製品との比較であっても十分に割安と感じます。
また、中国でこの手の筐体を採用している製品はやや発熱に弱い印象を持っているのですが、この製品の場合は(何度も繰り返しになりますが)試用期間中に発熱を心配する場面がなく、挙動が安定していたことが印象に残りました(ただし、個体差はあるかもしれません)。上に書いた通り、キーボードがちょっぴりやかましい、というのだけが不満でしたが、それを除けば「買い」でいいと思います。
コメント
MacBook Air 13inch にそっくりすぎる(笑)
Big Cockさん、こんにちは、コメントありがとうございます。ハンドルネームに笑わせてもらいました。中国のノートPCは基本このデザインです。
MacBookクローンと言うか、JumperEZBookクローンは本当に多いですね(笑)
3DMarkとか、CrystalDiskMark、バッテリーベンチなども動かしてみたいですね。
あとはUstreamとか画像加工とかどうかなぁ。
ということで、レビューさせてくださいm(_ _)m
Griffinさん、こんにちは、コメントありがとうございます。読者レビューの話題をコメント欄に記載するのはご遠慮願います。
US PLUG版頼んだらwindows未認証状態でTN液晶積んだのが来ました。こういうこともあるということでご報告。
こんにちは、コメントありがとうございます?あれ?私これTNだとは全然思わなかったんですけど、しっかりチェックできてなかったかなあ…。もう製品が読者レビュアーのところにあるんでチェックしようがないです、すみません。あと、Windowsは認証されてました。Gearbestですか?であればこちらからも問い合わせします。
買ってみましたが、128GBはTNで、64GBのほうはIPSなんですね・・・
こんにちは、コメントありがとうございます。おそらく生産時期によるか、と。結局一部の製品にTNが混入していた、という以外はわかりませんでした。