こんにちは、natsukiです。引き続き使っておりますGPD Pocketの続報をお送りします。今回は、出張に連れて行ってみました。とくに先方でPCをハードに使うような用事ではなかったので、持っていった電子機器は、スマホとモバイルバッテリーとGPD Pocket、それとBluetoothマウスだけです。
目次
1.キャリーバッグはリヒトラブ「キャリングポーチ A7574-11 A6」
一面アルミ製梨地仕上げの非常に高い質感を誇るGPD Pocketですが、その美しさゆえにキズが心配です。外に持ち出す時に、カバーなりバッグなりが必要でしょう。はじめに、Amazonであてずっぽうにカバーを買ったら全然サイズが合わなかったので、あらためてネットでの評判などをあれこれ見て、買ったのがこれです。リヒトラブ「キャリングポーチ A7574-11 A6」。色はネイビーで713円と激安。ベルトは付いていないので、近所の100円ショップで買い足しました。
サイズは、今度こそジャストサイズ! 外側にポケットが付いているのがポイント高いですね。ただし、チャックなどは付いていないため、あんまり小さいものはこぼれ落ちる心配があります。USBメモリなんかをここに入れるのは止めた方がいいと思います。このケースで運ぶなら、薄型マウスが相性が良さそう。マイクロソフトのArcマウスシリーズなんかピッタリきそうなんですが、あれは高いんだよなぁ…… おっと、脱線。
それなりにゴワゴワしてかさがあるので、いわゆるインナーバッグには適しません。その場合は、もっと薄手の保護ケースを買うといいでしょう。ですが、GPD Pocket単独で持ち運んだり、旅行カバンなどのそれなりに大きいサイズのカバンに入れるなら、これがお勧めです。
2.新幹線にて
じゃじゃん! 冒頭と同じ画像ですが、新幹線のテーブルにて。見ての通り、飲み物を置いても十分な余裕があります。弁当食べながらでもなんとかなるサイズ感。残念ながら、まだまだ日本の鉄道はフリーWi-Fiが整備されていないので、ネットはつながりません。ただし、東海道新幹線の場合、大手公衆無線LAN事業者と契約していれば使用可能だそうです。
別の日に、普通の電車の車両内にて。足を組んで乗っけると、ちょうどいい感じ。
で、話は新幹線に戻って、しばらくテキストを打っていたら予想外の展開が……、こ、これは、酔う……
今まで、長距離バスで、ASUS Vivotab Note 8(8インチ)と上海問屋の「タッチパッド付きキーボード」の組み合わせや、普通の電車の座席で、膝にカバンを載せてその上にASUS TransBook T100TAM(10.1インチ)という組み合わせでは、特になんともありませんでした。純粋にサイズが小さいのと解像度が高いので、画面に集中しやすく、それが酔うのかもしれませんね。もちろん、これは、個人差が大きいでしょう。ファイルの整理など、集中力を使わない作業なら大丈夫だと思います。
3.ホテルにて
出張先でホテルにて。ホテルであれば、今どき、たいていWi-Fiが無料で利用できるので、一気に世界が広がります。
写真の整理
まずは、スマホで撮った写真データの整理。趣味の写真もあれば、仕事で資料として使うものもあり、けっこう膨大な枚数になるので、帰ってからまとめて整理するのは気が滅入ります。撮ったその日に、どんどん整理しておきたい。
有線でつながなくても、スマホもホテルのWi-Fiにつないで、オンラインストレージ経由でどんどん送っちゃいます。リネームしたり、フォルダ分けしたり、レタッチソフトで明るさなどを調整したりトリミングしたり。こういった作業は画面が小さくてもあまり関係ありませんから、普通のPCとまったく同じ感覚で可能です。
インターネット
使いこなしの問題でしょうが、やはり私の場合は、ネットで情報を集める時はPCのブラウザとスマホではまったく作業効率が違います。もちろん、ページを保存したり、資料をダウンロードしたりといった作業は、スマホじゃ限界がありますからね。
テキストなど編集作業
前回のレビューでも書きましたが、長文を打つ時に気になるのは、サイズよりもむしろ、反応の渋さです。それでも、強打を心掛ければなんとか打ててしまう。実際、先日のふるさと納税の記事は、出先での空き時間にちまちま書きためたもので、半分はGPD Pocketで打ってます。長文は正直言って使いづらさを感じますが、なんとかならなくもない、というところ。上述のように、写真なんかのファイル整理や、ネットでの検索、文書校正あたりなら十分な実用性です。
4.その他、外に連れ出してみて気付いたこと
嬉しい、USB PDと5V充電の両方対応
充電は、通常はUSB Power Deliveryによるものですが、低電圧の5V充電にも対応しています。純正アダプターのUSB Power Deliveryによる充電だと、こんな感じ。
それに対し、先日紹介した「HY-MB6000ACWH」だとこのくらい。
USB Power Deliveryなら約20Wのところを、モバイルバッテリーでは約4W強と、さすがに充電効率は大幅に落ちます。このくらいだと、モバイルバッテリーにつなぎながら使用した場合でも、バッテリー残量は減っていってしまいますね。
それでも、通常のモバイルバッテリーが使用できるということの利便性は大きいでしょう。使用しない時もつないでおけばいいだけですから。まあ、画像のような配線だとフタが閉じませんけど。
欲しいLTE
使えば使うほど、惜しく感じるのがコレ。LTEに対応していれば……。
いうまでもなく、このGPD Pocketの活躍の場は、今回のような出先での作業です。すると、インターネットと、他のPCとのクラウドストレージによる同期、この2点が使い勝手に直結してきます。
GPD Pocketの128GBというのは、使い方にもよるでしょうが、クラウドストレージと同期させて使うのに十分な容量です。変なたとえかもしれませんが、OneDriveとDropboxとGoogleDriveの無料プランを、3つともフルに使って同期させても十分お釣りがきます。64GBだと、クラウド同期も気をつかわないとパンクしちゃいますからね。
とりあえず、スマホのテザリングで代用はするものの、やっぱり限界があります。フリーWi-Fiの無い環境でバリバリ使うなら、モバイルルーターの使用を検討した方がいいかもしれません。でも、周辺機器が要らないオールインワンこそが、GPD Pocketの魅力なんだよなぁ……
遊びすぎないように注意
いや、通常のモバイルノートのサイズだと、取りだして開くこと自体が気持ちの切り替えになるんですよね。あるいは、タブレットだったらキーボードの準備とかが。ところがGPD Pocketの場合、サッと取りだしてすぐ使えてしまうし、片付けも閉じるだけ。つまり、使用開始と使用終了の気持ちのハードルがスマホ並みに低いんです。それでいて、できることの幅はスマホの比ではないから、ホテルで一人だけで、目の前にGPD Pocketがあったら、そりゃ、遊びたくなっちゃうでしょう。今回の出張はスケジュールがけっこうハードだったこともあって、「GPD Pocketで余計なことをしないように」ってのは、心掛けましたね。
これはもしかして最大の欠点かもしれません(笑)
5.おまけ ― 前回のレビューから追加で行った工夫
前回のレビュー以降で、使い勝手向上のために追加で工夫した部分です。ご参考までに。
「Meiryo UIも大っきらい!!」でインターフェースのフォントを大きく
インターフェースのフォントをちょっと大きくして、視認性の向上&タッチ操作をしやすくしています。これって、ちょっと前までは標準の機能でできたんですが、アップデータで消されちゃったんですよね。そこで、以前にふんぼさんが紹介してくださった「Meiryo UIも大っきらい!!」を使ってます。なにしろ画面が小さいので、フォントを少し大きくするだけでもずいぶん操作性が変わります。
「Battery Bar」の導入
いまいち、デフォルトのバッテリー表示が信用ならないので、バッテリー表示用のフリーソフト「Battery Bar」を導入。システムとは別に計測してくれているみたいで、これでバッテリー残量の確認もOKです。
6.まとめ
製品特性からいうと、サイズ・重量で競合するのは8インチタブレットPCでしょう。実際、私の場合も、今まで出張の際はASUSのVivotab Note 8に、出張セットを付けて持って行っていました。それで、両者の使い比べた印象でいうと、GPD Pocketの利点は、どこでもすぐに展開できるスピードと汎用性です。つまり、Vivotab Note 8の場合、パソコンとして使う場合は、キーボードとスタンドを出し、設置するという一手間がかかるわけです。また、膝の上のような不整地だとキーボードは使えません。それが、GPD Pocketの場合は、どんなところでもすぐに「パソコン」として使い始められます。
要は、GPD Pocketって、機能面ではものすごく「普通」の製品なんです。まごうことなき、単なるモバイルブック。ただし、一般的なモバイルブックがビジネスバッグサイズなのに対し、機能はそのままでGPD Pocketはポーチサイズという、そこが魅力なわけです。軽い用途なら、ほぼ周辺機器無しでオールマイティにこなせてしまう。パソコンを使った業務がメインにならないような出張や、あるいはプライベートな旅行なんかにも、手軽に「フルスペックのパソコン」を持って行ける。これはやはりすごいことです。
もちろん、サイズの小ささによる不便もあるので、がっつり使いたい場合は、用途に応じて周辺機器を補う、ということになります。ベースのポテンシャルが高いので、どんな周辺機器を買い足そうか考えるのも楽しいですよ。
7.関連リンク
GPD Pocket - 1か月使ってみて、魅力・利点・欠点・使用の工夫などをレポートします(実機レビュー:natsuki)
GPD Pocket - 7インチの超小型ノートパソコン(UMPC)、期待を裏切らない品質だし、思ったより使いやすいよ!(実機レビュー)
GPD Pocket:Banggood
コメント
この手の製品には本当にWANが欲しいですよね。
最近の中華ガジェットに3GとかLTE搭載機が少ないのが残念です。
コメントありがとうございます。完成された筐体なんで、どこに積むんだ? ってのもありますが、やっぱり惜しいですね~ 欲張りすぎだって、分かっちゃいるんですが。
これにwindows on arm載ったらすごく相性良さそうですね
後継機が出るなら是非そうであってもらいたい
コメントありがとうございます。特に、バッテリー保ちの改善はかなり期待できそうですよね。GPD Pocketの場合、ファンまで回してますからね。これで現状でも約5時間保たせることができるのだから、Windows on ARMならどれだけ保つのか。
老眼が進んだ50代にとってはnoMeiryoが必須となっています。^^; E203NAでフォントを変更して快適に使えています。作者さんに感謝。
コメントありがとうございます。
この機能って、視認性の向上はもちろん、エクスプローラーなどでのタッチ操作のしやすさにも関わってくるのに、なんでMicrosoftは標準機能から消しちゃったんでしょうね。使い方が多様化しているのだから、カスタマイズ性は維持してほしいものです。
こういうツールソフトはまだまだ現役ですね。
昔Libretto(リブレット)を使ってた身としては、
外側を似た感じで現代スペック<Eスロットの物を出して貰いたいです。
とはいえ、東芝にそんな余力は有りそうにありませんね・・・
コメントありがとうございます。
東芝は……しばらくきつそうですね。タブレット系では、WACOMと共同開発でAES式のデジタイザーを先頭切って開発していた時期もあったんですが。SharpのMebiusを愛用していた身としても、パソコン分野における日本企業の失速は寂しいです。パソコンに限らず、産業構造から色々考えなくちゃならんのでしょうけど。
core-m3搭載と噂されるGPD WIN2はよ、はよ……
親指打ち出来るキーボードに加えて、ジョイスティックでマウス操作出来るのは、こう言う移動時の手持ち作業する時には超巨大なアドバンテージになるんですよねぇ……
GPD pocketの難点は置く場所が必要な事なので(手持ち状態だけで操作の完結が困難)
Windows on ARMの登場で一般企業もUMPC出す環境が来ないですかね?
SD845以上に、RAM8GBのROM128GB搭載5.5インチFHDで入力インターフェースに拘ったUMPC作ればニッチに売れると思うんですがね
コメントありがとうございます。
ご指摘のように、GPD WinとGPD Pocket、一見似ているようで、実のところまったく異なる性質の製品だと思います。きちんと差別化してくるあたり、このGPDという会社、なかなかやります。単なる話題性だけでなく、「使う」ということからよく考えて設計しているので、今後も期待できそうですね。
もっとも、Windows on ARM機は、当面、大企業の製品じゃないと怖くて手を出しにくそうですが。ストレートにUMPCかどうかはさておき、攻めた製品を出してくれそうなのは、ASUSかLenovoあたりですかね?
折りたたみのキーボードとHDMIケーブルをもっていけば
ホテルでも十分つかえますよねー
コメントありがとうございます。
ポートが充実しているので、おっしゃるように周辺器機もバッチリ。これもタブレットに対する優位点です。
悔しいのが、ホテル「でも」ではなくて、フリーWi-Fiのあるホテルのような環境「でこそ」真価を発揮できるということ。その他は全方位スキ無しなだけに、完全体まであと半歩、ってもどかしさがあります。それだけパッケージングが優れていることの表れですけどね。