GMKtecがGPU Box(外付けGPU、eGPU)「AD-GP1」を発売しました。同じ型番のGPUを搭載する製品「GPD G1」や「ONEXGPU」の実売価格が10万円弱(いずれもハイビーム公式オンラインストアで98,780円)であるのに対し、AD-GP1はGMKtec公式サイトで約68,000円、Amazonでも約76,000円と非常に購入しやすい価格になっています。ただし、競合製品ほど「親切」ではなく、必要な機能に絞った仕様です。
搭載GPUは「Radeon RX 7600M XT」です。冒頭に記載した通り、GPD G1およびONEXGPUと同じ型番なので、グラフィック性能は同等と考えていいでしょう。Radeon RX 7600M XTはウインタブでは搭載機をレビューしたことがありませんので、どのくらいの性能なのか、ということをしっかりご説明するのは難しいです。
これはPassmarkが公表しているGPUのベンチマークスコアです。いくつかのスコア項目がありますが、ゲーミング(3Dゲーミング)に関してはオレンジ色の「G3D」が最も適切な指標となります。これを見ると「GeForce RTX3050よりは上、RTX3060といい勝負でRTX4050よりは少し下」くらいでしょうか。ゲームタイトルによっても挙動が変化すると思うので、一概には決めつけられませんが「まあそんなもんか」くらいには理解できます。
ウインタブの実機レビュー経験に照らすと、IntelのCore Ultraシリーズ1、2やAMDのRyzen AI 300シリーズ、Ryzen 8040シリーズであれば「普通にPCゲームができる」くらいのグラフィック性能(内蔵GPU性能)を備えていると評価できますが、それでもRTX4050あたりとベンチマークスコアを比較すると「ダブルスコア」くらいの差をつけられてしまうので、より快適にゲームプレイを、ということだとGPU Boxの威力は大きいです。
ポート構成です。Display Portが2つ、HDMIポートが2つと、最大4画面出力が可能です。PCとの接続はOCuLinkですが、おそらくUSB Type-Cポート(USB4規格で転送速度40Gbps)もPCとの接続に使えると思います。ただ、Thinderbolt 3/4とは異なり、USB4という規格は「PCIeトンネリング(PCIeパススルー)はオプション機能」とされているので、確実に使えるとは言えません。
製品ページにこんなイメージ画像もありましたので、まあ大丈夫だろうとは思いますけど。あと、お使いのPCにThunderbolt 3/4もしくはPCIeトンネリング対応のUSB4ポートがついていることは必須です。
ちなみにポート構成に関しては明らかにGPD G1やONEXGPUのほうが上です。GPD G1はOCuLinkはもちろんのこと、USBポートを4つ、microSDカードリーダーも装備していますし、ONEXGPUはLANポートやストレージ拡張用のM.2スロットもついています。
電源は240Wと大きく、USB Type-CポートはPD充電にも対応します。
GMKのミニPCは冷却性能に優れていますので、AD-GP1の冷却ファンもよく冷えることと思います。
付属品です。OCuLinkケーブルが付属するのはうれしいですね(GPD G1、ONEXGPUともOCuLinkケーブルは別売りです)。
GMKtec AD-GP1はGMK公式サイトとAmazonで販売中で、2月8日現在の価格はGMKtec公式サイトで451.99ドル(68,421円、クーポンコード「ADGP1V8」を使用、クーポン期限は2月14日)、Amazonで76,999円(製品ページにある23,000円OFFクーポンを使用、クーポン期限は2月16日)です。
記事中でも触れましたが、製品ページの説明が不親切というか、「いいかげん」です。Amazonの製品ページでは「有線LANポート M.2SSD増設スロット搭載」などと書かれていますが、製品画像を見てもそのようなものはありません。また、GMKtec公式サイトのブログの説明にも誤りが多く、信用できません。ウインタブではこれまでに何度もGMKtecの製品をレビューしており、その品質を高く評価していますし、今後も推していきたいと思っていますが、こういう「いいかげんさ」は改めて欲しいところです。
関連リンク
AMD Radeon 7600M XT– AD-GP1 外部 GPU ドッキング ステーション:GMKtec公式サイト
GMKtec ポータブルeGPU AD-GP1:Amazon
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