Beelink SEi8 8109Uの実機レビュー - 旧世代のCore i3を搭載するミニPC、思いのほかパワフルでメンテナンス性も良好

Beelink SEi 8
BeelinkのミニPC「SEi 8」の実機レビューです。BeelinkはWindowsのミニPC、AndroidのTV Box、周辺機器を手掛けるメーカーですが、WindowsのノートPCやAndroidのタブレットなどは手掛けていません。そのため、ノートPCやタブレット、スマホなどを販売している中国メーカーよりも日本での知名度はいまひとつ高くありませんが、ウインタブでも2016年にBeelink製品を実機レビューしたことがあり、昨日今日できたメーカーではありません。また、最近になってCPUにRyzen 7 4800Uを搭載する「SER 4」という上位モデルも実機レビューしています。

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今回レビューするSEi8 8109UはCPUに第8世代のCore i3-8109Uを搭載する、エントリー~中位クラスの製品です。なお、レビュー機はBeelinkよりサンプル提供していただきました。この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。

ここがおすすめ
・旧世代のCore i3搭載ながら、予想以上に高いパフォーマンス
・RAMはCrucial、SSDはIntel製(ノーブランド品ではない)
・RAMとSSDへのアクセスが容易
・樹脂製だがしっかりした筐体
ここはイマイチ
・さすがにCeleron機よりはワンランク高価
・RAMがシングルチャネルなのは賛否がわかれそう
販売サイトはこちら
SEI 8:Beelink公式サイト
Beelink SEI8(8GB/256GB):Banggood
Beelink SEI8(16GB/512GB):Banggood

1.Beelink SEi 8 スペック

スペック表

  Beelink SEI 8
OS Windows 11 Pro
CPU Intel Core i3-8109U
外部GPU なし
RAM 8GB/16GB(最大32GB)
ストレージ 256GB/500GB M.2 NVMe SSD
2.5インチSATAスロット空き×1
光学ドライブ なし
ディスプレイ なし
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
入出力 USB Type-C、USB 3.0 × 4、HDMI × 2、オーディオジャック、LAN(RJ45)
カメラ なし
バッテリー なし
サイズ 124 x 113 x 41 mm
重量 400 g(実測値)

バリエーションモデル

・RAM8GB/256GB SSD
・RAM16GB/500GB SSD(レビュー機の構成)

コメント

「SEi8」という型番の製品は、今回レビューするSEi8 8109Uのほか、CPUにCore i5-8279Uを搭載する「SEi8 8279U」というモデルも存在しますが、ここでは8109Uに絞り、また「レビュー機の現況」に沿ってご説明します。

OSはWindows 11 Pro、CPUは第8世代(開発コードネームはCoffee Lake)のCore i3-8109Uです。世代がやや古く、Core i3なので2コア4スレッドですが、パフォーマンスは悪くありません(後ほどベンチマークテスト結果を掲載します)。それと、このCPUは「Core i3なのに」内蔵GPUがIris Plus 655です。第11世代のCore i5やCore i7に搭載されているIris Xeには及ばないものの、グラフィック性能は若干高くなっています。

RAMは8GB/16GBを選べ、ストレージは256GB/500GB SSDが設定されています。レビュー機のRAMは16GB × 1で、2スロットありました(1スロットが空き)ので、後々必要性を感じたところで増設することができます。また、SSDはM.2 NVMe 2280という仕様で、増設はできませんが換装は可能です。さらに2.5インチSATAスロットの空きがありますので、HDDの増設もできます。

通信まわりで実機を確認したところ、Wi-Fi6には対応せず、Bluetoothのバージョンは4.2でした。Wi-Fi6が使えないのは残念ですが、この製品はミニPCですし、有線LANポートも装備していますので、いっそ有線LAN接続にしてしまうという手もあります(私は自宅ではもっぱら有線接続です) 。

入出力ポートはUSBが5つ(うち1つはType-C、映像出力非対応)にHDMIが2つと、余裕がある、というほどではありませんが当初はポート不足に困らないくらいにはなっています。また、HDMIポートが2つありますので、外部モニターを2つ同時に接続することができます。

サイズはミニPCとして標準的です。というか、ミニPCという製品特性上、タテ・ヨコサイズが1センチくらい大きくても小さくてもあまり使用感には影響しないでしょう。また、モニターの背面に取り付けるためのブラケットも付属しています(ただし、モニター側でVESA規格に対応している必要があります)。

では、筐体から見ていきます。

2.Beelink SEi8 8109U 筐体

Beelink SEi 8
同梱物です。取扱説明書、HDMIケーブル(長いものと短いものの2本)、ディスプレイの背面に取り付けるためのブラケット、ネジ類、電源アダプターが入っていました。ミニPCの場合、特に付属のケーブル類についてはメーカーによってまちまちなところがありますが、Beelinkの場合はHDMIケーブルが2本もついてきますので良心的なほうだと思います。ただし、短いほうのHDMIケーブルは「本当に短い」ので、ディスプレイの背面に設置するときくらいしか使えないでしょうね。

ACアダプターは出力57Wで電源ケーブル一体式のものでした。

Beelink SEi 8
取扱説明書は簡素な内容ながら日本語の記載もありました。

Beelink SEi 8
上面(天板)です。中央にBeelinkのロゴがあり、スピン加工(細かい同心円状の模様)が施されています。先日実機レビューをしたBeelink SER4(金属筐体)とは異なり、素材は樹脂製です。ただし、安っぽいとか華奢、といった印象はありません。

Beelink SEi 8
前面です。左端にある小さな穴はCMOS CLEAR(リセットボタン)、そしてUSB 3.0 Type-A × 2、USB Type-Cポート、イヤホンジャック、電源ボタンがあります。なお、この製品のUSB Type-Cポートは映像出力には対応しません。

Beelink SEi 8
左側面です。こちらにはポート類・ボタン類はなく、通気口があるのみ。右側面も全く同じ形状なので、掲載は省略します。

Beelink SEi 8
背面です。上部に通気口があります。ポート類は画像左から有線LAN、USB 3.0 Type-A × 2、HDMI × 2、そしてDC-INジャックです。なお、USB Type-Aポート2つは接近した位置にありますので、接続する機器の端子部分の形状によっては干渉してしまって挿せなくなるものもありそうです。

Beelink SEi 8
底面には通気口がありません。四隅にゴム足があり、下部中央にネジ穴(ディスプレイの背面に取り付けるためのもの)があります。

Beelink SEi 8
で、ゴム足のところにもネジがあります。筐体を開口する際は、このネジ(4つあります)を外します。筐体の開口は精密ドライバーを使います(私は刃先0のものを使いました。精密ドライバーは100均でも購入できます)。

Beelink SEi 8

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開口してみました。開口の作業は非常に簡単で、単に4つのネジを外すだけ。誰でも問題なく可能です。

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画像右側が「底板」部分ですが、2.5インチSATAのHDDスロットがあります。配線も済んでいますので、HDDを装着すればすぐに使えると思います(今回のレビューではHDDの装着をしていません)。

また、画像右側を見ると、左端にRAMスロット、右端にM.2 スロットがあります。

Beelink SEi 8

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RAMは2スロットあり、DDR4-2400規格です。レビュー機は16GBのRAMが1枚刺さっていました。つまり、「16GBのシングルチャネル、1スロット空き」という状態でした。このあたりは賛否がわかれそうですね(RAMを32GBにしたい人はこの仕様で歓迎でしょうし、RAM16GBで十分という人なら8GB × 2のデュアルチャネルのほうがよかった、と思うでしょう)。

Beelink SEi 8

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SSD用のM.2スロットは2280サイズのNVMeで、1スロットのみです。この画像のSSDの下にWi-Fiモジュール用のM.2 2230スロットがありますが、すでにWi-Fiモジュールが装着済みですし、おそらくSSDに換装するのは難しいと思います。

なお、Beelink SER4と同様、RAMはCrucial製、SSDはIntel製のものが使われていました。(他の格安中華PCに見られるような)ノーブランド品でないところに安心感があります。

マザーボードを取り外してCPUや冷却ファンにアクセスすることも「可能といえば可能」ですが、入出力ポート部分が筐体に干渉し、着脱がかなり難しいです。そのため、今回のレビューではこれ以上の開口作業はしていません。

3.Beelink SEi8 8109U システム

Beelink SEi 8 システム情報

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Beelink SEi 8 ストレージ情報

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システム情報です。上に記載したスペック表とほぼ同じですが、SSDの容量が500GBではなく、512GB(システム表示上は474GB)でした。なお、SSDの空き容量は工場出荷時のものではなく、レビュー用のソフトウェアをインストールしたあとのものです。初期の空き容量は430GBほどでした。Beelink独自のプリインストールアプリはありませんでした。

Beelink SEi 8 3D Mark UEFI

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UEFI(BIOS)画面です。American Megatrends製で、パフォーマンスの調整項目はありませんでしたが、比較的自由度の高い(設定変更余地のある)ものだと思います。

4.Beelink SEi8 8109U 性能テスト

ベンチマークテスト

Beelink SEi 8 PC Mark

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表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。レビュー機のCPUは第8世代のCore i3-8109Uなので、おそらくゲームや専門的なクリエイティブワーク(高度な動画編集や画像加工)を主目的として購入を検討される人は少ないと思います。ビジネス用、学習用としてどのくらいのパフォーマンスなのか、という点を気にされる人がほとんどでしょう。その観点だと、このPC Markが最も参考になるベンチマークテストと言えると思います。

ウインタブで最近レビューしたノートPCのスコアはこんな感じです。

ASUS VivoBook Pro 15 OLED(Ryzen 9 5900HX):6,157
VAIO SX14(Core i7-1195G7):5,278
Lenovo ThinkPad X13(Core i7-1165G7):5,205
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):5,076
Beelink SER4(Ryzen 7 4800U):5,044
ASUS VivoBook 15 OLED(Core i7-1165G7):5,017
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):4,967
ASUS ExpertBook B9 B9400CEA(Core i7-1165G7):4,927
VAIO Z(Core i5-11300H):4,740
Lenovo ThinkPad E15 Gen 3(Ryzen 5 5500U):4,638
MSI Summit E13 Flip Evo(Core i5-1135G7):4,572
HP ProBook 430 G8(Core i5-1135G7):4,131
VAIO SX12(Core i3-1005G1):3,401
KUU Lebook Pro(Core i7-8550U):3,293
MSI Modern 15 A10M(Core i3-10110U):3,234
TRIGKEY Green G2(Celeron N5095):2,268

この製品のスコアは3,533でしたが、先日レビュー記事を掲載した中華2 in 1のKUU Lebook Proが第8世代のCore i7-8550U搭載で3,293点でしたから、それと比較するとかなり健闘していると思います。さすがに第11世代のCore i5やRyzen 5(5000番台)には及ばないものの、Office系のソフトウェアを使ったり、そんなに手の混んでいない画像加工をしたりといった用途であれば十分快適に使えると思います。

また、旧世代のCore i3ではありますが、最新世代であるJasper LakeのCeleron N5095(Celeronとしてはごく高性能な部類です)を搭載するTRIGKEY Green G2のスコアが2,268であることから、現在でも「Celeronよりも上のCPUである」と言っていいでしょう。

Beelink SEi 8 CINEBENCH R23
続いてCPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。最近のデータと比較してみましょう。

ASUS VivoBook Pro 15 OLED(Ryzen 9 5900HX):1,482、12,108
VAIO SX14(Core i7-1195G7):1,441、6,039
ASUS VivoBook 15 OLED(Core i7-1165G7):1,497、5,555
MSI Summit E13 Flip Evo(Core i5-1135G7):1,311、5,341
Beelink SER4(Ryzen 7 4800U):1,243、8,436
MSI Modern 15 A10M(Core i3-10110U):1,018、2,460
KUU Lebook Pro(Core i7-8550U):935、2,761
TRIGKEY Green G2(Celeron N5095):617、2,181
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

結局「過去データで見たいのは下の2つ(KUUとTRIGKEY)」だと思いますw Beelink SEi8のスコアはシングルコアでは健闘しているものの、マルチコアのスコアが低めで、Jasper LakeのCeleronの後塵を拝しています。ただし、ビジネスシーンなど、実際の利用シーンでCINEBENCH R23の性能差が体感できる場面は多いとは思えず、上のPC Markのスコアを優先的に評価していいんじゃないか、と個人的には思います。

Beelink SEi 8 3D Mark
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。最近のデータはこんな感じです。

VAIO SX14(Core i7-1195G7):2,069、5,422、14,536
Beelink SER4(Ryzen 7 4800U):1,420、3,579、7,690
ASUS VivoBook Pro 15 OLED(Ryzen 9 5900HX):1,415、3,529、7,815
MSI Summit E13 Flip Evo(Core i5-1135G7):1,498、4,213、11,048
ASUS VivoBook 15 OLED(Core i7-1165G7):1,433、3,431、8,281
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):1,106、2,912、6,173
KUU Lebook Pro(Core i7-8550U):409、926、2,556
MSI Modern 15 A10M(Core i3-10110U):364、879、2,177
TRIGKEY Green G2(Celeron N5095):199、未計測、未計測
※左からTime Spy、Fire Strike、Wild Lifeのスコア

私の印象としては「低いなりにも立派」だと思いますね。内蔵GPUのIris Plusが頑張ってくれたんでしょう。ただし、オンラインゲームが快適にプレイできるスコアではありません。あくまでも「旧世代のCore i3にしては頑張った」ということです。

Beelink SEi 8 Crystal Disk Mark
ストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。NVMe SSDとしては低いスコアになりました。Randam Read/Writeについてはそんなに悪くありませんが、Sequential Read/Writeについては全く同じSSDを搭載していたBeelink SER4の半分以下くらいの数値になっています。ただし、SATA SSDよりは断然早く、通常のビジネス用や学習用として使う場合には不満は感じないと思います。

ゲームプレイ

Beelink SEi 8 Wreckfest

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明らかに無謀というか不必要な気もしますが、一応オンラインゲームの「Wreckfest」をプレイしてみました。このゲームの推奨スペックは下記のとおりです。

Wreckfest:
 CPU:Core i5 with 3.0 GHz or AMD equivalent
 RAM:8GB
 GPU:NVIDIA GeForce GTX970 or AMD Radeon R9 380X

実は、第11世代以降のCoreプロセッサーとかZen2アーキテクチャ以降のRyzenだと、外部GPU非搭載でもそこそこオンラインゲームがプレイできてしまうんですよね。なので、Core i3-8109Uではどうか?と思った次第です。

低画質・中画質までであれば、予想以上にまともに動きました。やたらとカクカクしてプレイできない、という感じではありません。しかし、少しもっさりしますね。コントローラーに入力してから微妙に遅延が発生する感じです。でも、これってゲームプレイでは結構な問題です。今回は私がプレイし慣れているゲームで試しましたが、あまりいいスコアが出ませんでした。

レースゲームやFPSゲームなどのように、少しのタイムラグも許されないようなゲームは難しいと思います。古いRPGゲームとかストラテジーゲームならいけそうですけど。先日レビューしたBeelink SER4(Ryzen 7 4800U搭載)のように「カジュアルにプレイする程度ならいけそう」という評価はできないです。…まあ、わかってた話ではあるんですけどね。

発熱とファン音

この製品、発熱に関しては問題ないと思います。ただし、Beelink SER4と比較すると若干発熱量は大きめです。レビュー期間中にベンチマークテストを実施したり、ゲームプレイを試してみた際に筐体後部の通気口から少し熱い排気を感じました。ただし、実用上は全く問題ないと思います。

一方、ファン音ですが、こちらはSER4よりも小さめでしたし、特に耳障りとも感じませんでした。ただし、ノートPCとの比較ではファン音は大きいですし、静かとまでは言えません。この製品がCoreプロセッサー搭載のデスクトップPCである、という視点で評価する限り、問題にはならないと思います。

5.Beelink SEi8 レビューまとめ

Beelink SEi8はBellink公式サイト及びBanggoodで販売中です。4月19日現在の価格は公式サイトで8GB/256GB版が319ドル、16GB/500GB版が379ドル(いずれも円貨決済はありません)、Banggoodでは8GB/256GB版が329.99ドル(42,372円)、16GB/500GB版が389.99ドル(50,076円)です。

ウインタブでよくご紹介している中華のミニPCはJasper LakeのCeleronに8GB/256GBという構成で約200ドルで購入できますので、このSEi8はそれよりも100ドル強高い、ということになります。ただし、今回レビューしてみて、搭載CPUのCore i3-8109UはCeleronよりも顕著に高性能ですし、RAMやSSDにしっかりしたメーカーのものが使われていて筐体のメンテナンス性も高いので、そこまで考慮すると決して割高であるとは思えません。

使用目的にもよりますが、ビジネスマンや学生さんが、業務用の特殊なソフトウェアを使う前提でなく、Officeソフトなどで作業するぶんには十分な実力があると評価できます。

6.関連リンク

SEI 8:Beelink公式サイト
Beelink SEI8(8GB/256GB):Banggood
Beelink SEI8(16GB/512GB):Banggood

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